暑寒別天売焼尻国定公園 わが国で最も新しく指定された国定公園で、三つの地域から成っています。
 一つは、北海道北西部の沿岸から約25qの日本海上にある天売・焼尻両島で、天売島の西海岸には80mから150mの海食崖が発達し、3月から8月ごろまでウミネコ、ウミガラス(オロロン鳥)、ケイマフリ、ウトウ等が飛来し、わが国有数の海鳥繁殖地となっています。焼尻島は、ミズナラやエゾマツの上層林にイチイが入り込み、見事な二段林を形成しています。
 二つは、暑寒別岳(1,491m)を主峰とする暑寒別山系とその海岸部です。海岸線間近に連なる、標高1,000mを超す火山群は壮大な山岳景観を構成し、いたるところに高山植物群落や湿原、溪谷、滝がみられます。南暑寒岳の中腹標高900mには、南北1q、東西2qにわたってひょうたん形をした雨竜沼湿原が広がり、百数十の池塘が散在しています。頂上部には、ここだけに見られるマシケゲンゲ、マシケオトギリをはじめ110種以上もの高山植物があります。
 三つめは送毛・濃昼の海岸部で、安瀬山(654m)などの山麓が、100mを超す急崖となってそのまま日本海に落ち込んでいます。また、柱状節理が発達し、海上からの景観が見事です。
網走国定公園 北海道の東北部、網走市を中心にして、その両側に拡がる花々に彩られた海浜公園です。
 そこには、わが国第4位の大きさを誇る佐呂間湖をはじめとして、網走、能取、濤沸など大小七つの海跡湖が続いています。そして、それらの湖畔には、センダイハギ、エゾリンドウ、スズラン、ヒオウギアヤメなどの花々が咲き競っています。また、海岸線に沿ってつながる砂丘には、ハナマス、エゾキスゲ、エゾスカシユリなどの海浜植物が大群落を形作り、本州などでは見ることのできない原生花園となっています。これらの花々のある風景を楽しむには、6月から8月にかけての花時がよいのですが、秋にはサンゴソウとも呼ばれるアッケシソウが、一面紅のじゅうたんとなって埋めつくし、見事です。また、ぐっと趣向を凝らして厳寒に訪れるのも一興かと思います。オホーツクの海に拡がる流氷が見られるからです。
   
ニセコ積丹小樽海岸国定公園 北海道の西部にそびえるニセコ火山群と、積丹半島から小樽海岸までの海岸線一帯を区域にした公園です。
 ニセコ火山群は、ニセコアンヌプリ(1,308m)、イワオヌプリ(1,118m)、チセヌプリ(1,135m)などの第四紀更新世の成層火山や溶岩円頂丘からなり、なだらかな山腹を現しています。そして、その斜面が、恵まれた雪質と湯本、昆布、新見などの温泉群とにより、絶好のスキー場を形作り、優れた冬のリゾートとなっています。
 また、積丹半島から小樽海岸にかけては夏のリゾートです。この海岸線一帯は、安山岩や集塊岩などからなる奇岩怪石の海食風景を現していますし、銭函や蘭島などの海水浴場もあり、探勝や海水浴に盛んに利用されています。
日高山脈襟裳国定公園 北海道の中央から南に向って走る日高山脈と、その山系が太平洋に沈む襟裳岬一帯を含む本格的な山岳公園です。
 日高山脈は幌尻岳(2,052m)を最高峰とする1,500mから2,000mに及ぶ褶曲山脈で、緯度が北にあるため、3,000m級の北アルプスに負けない高山景観を呈しています。
 その最大の特徴は、氷食地形のカールが20個以上もあるということです。また、森林も原始性があり、ヒグマ、エゾシカなどの大型哺乳類が多く生息しています。
 襟裳岬には4段の海岸段丘があり、突端には海食崖や岩礁があり、豪壮な風景を現しています。また、この岬の西北のアポイ岳(811m)には、その蛇紋岩の地質や気象条件から、寒地性植物を主としたお花畠があります。
大沼国定公園 函館に近い景勝地で、公園区域には駒ヶ岳と山麓の大沼などの湖沼群が入っています。
 駒ヶ岳(1,131m)は円錐形の成層火山ですが、爆発によって崩壊を起し、山頂部は特異な形をしています。
 また、崩壊による泥流は山麓部の凹地を堰き止めて、大沼、小沼、蓴菜沼などの湖沼群を作りました。大沼は一番大きく、大小多数の島々を浮かべ、イタヤカエデ、シラカバなどからなる森林の新緑、紅葉が美しく、裏磐梯と似た風景を現しています。
 青函トンネルが開通し、カー・トレインが走るようになって、本州からのドライブが容易になりました。北海道の玄関口の景勝地として大いに利用されることでしょう。
ニセコ積丹小樽海岸国定公園 北海道の西部にそびえるニセコ火山群と、積丹半島から小樽海岸までの海岸線一帯を区域にした公園です。
 ニセコ火山群は、ニセコアンヌプリ(1,308m)、イワオヌプリ(1,118m)、チセヌプリ(1,135m)などの第四紀更新世の成層火山や溶岩円頂丘からなり、なだらかな山腹を現しています。そして、その斜面が、恵まれた雪質と湯本、昆布、新見などの温泉群とにより、絶好のスキー場を形作り、優れた冬のリゾートとなっています。
 また、積丹半島から小樽海岸にかけては夏のリゾートです。この海岸線一帯は、安山岩や集塊岩などからなる奇岩怪石の海食風景を現していますし、銭函や蘭島などの海水浴場もあり、探勝や海水浴に盛んに利用されています。
津軽国定公園 青森県の津軽半島から秋田県境までの日本海の海岸線と岩木山と、さらに白神岳一帯の山地部とを合わせた公園です。
 海岸部では、袰月海岸から竜飛崎にかけて海岸段丘が発達し、竜飛崎から権現崎にかけては典型的な岩石海岸で海食景観が優れています。また、十三湖から鰺ヶ沢付近までは南北30q、東西3〜5qの砂丘地帯になり、鰺ヶ沢から岩崎にかけては海岸段丘が発達しています。
 岩木山(1,625m)は津軽の名山として昔から知られており、成層火山の美しい山容を現しています。また、この山の植物の垂直分布ははっきりしています。白神岳(1,235m)の近くの十二湖は、大崩山の大崩落(1704年)と相まって複雑な地形を現しています。
   
早池峰国定公園 北上山地の最高峰の早池峰山(1,917m)を中心にした公園です。
 早池峰山一帯は、隆起準平原の北上山地のほぼ中央に位置し、主峰、早池峰山はそこに屹立する残丘(準平原上に一段高く浸食から取り残されてそびえる地形)で、わが国では地形の生い立ちが最も古い山の一つです。山頂部から南面にかけて蛇紋岩岩礫地が拡がり、高山植物生育上特異な環境を作っており、固有種、稀産種が多くあります。ハヤチネウスユキソウ、ナンブトラノオ、ナンブイヌナズナ、ヒメコザクラ、カトウハコベなどがそうです。
 また、薬師岳(1,645m)は花崗岩からなるため、植物相は早池峰とは対照をなし、早池峰にはないイワヒゲが分布しています。この公園全体はまさに高山植物の宝庫といってよいでしょう。
ニセコ積丹小樽海岸国定公園 北海道の西部にそびえるニセコ火山群と、積丹半島から小樽海岸までの海岸線一帯を区域にした公園です。
 ニセコ火山群は、ニセコアンヌプリ(1,308m)、イワオヌプリ(1,118m)、チセヌプリ(1,135m)などの第四紀更新世の成層火山や溶岩円頂丘からなり、なだらかな山腹を現しています。そして、その斜面が、恵まれた雪質と湯本、昆布、新見などの温泉群とにより、絶好のスキー場を形作り、優れた冬のリゾートとなっています。
 また、積丹半島から小樽海岸にかけては夏のリゾートです。この海岸線一帯は、安山岩や集塊岩などからなる奇岩怪石の海食風景を現していますし、銭函や蘭島などの海水浴場もあり、探勝や海水浴に盛んに利用されています。
南三陸金華山国定公園 この公園は陸中海岸国立公園のすぐ南に続くリアス式海岸から牡鹿半島、金華山島までを区域に包含しています。
 一般的にいえば、リアス式海岸は自然公園としての利用価値が高いところですが、この公園も岬角部では海食景観が見られますし、入江部では、大谷、神浜、長面など、海水浴場が多く利用性の高い公園です。
 しかし、この公園の見どころは、なんといっても金華山島にあります。それは花崗岩と花崗片麻岩からなり、優れた海食景観を現しているからです。また、古い神社である黄金山神社があり、しかも、全島に野生のシカとサルが生息しているので、さながら天然の動物公園の観があります。
蔵王国定公園 この公園は宮城、山形両県にまたがり、北は面白火山、二口渓谷と続き、北蔵王から南蔵王におよぶ一帯です。
 その特徴の一つは、各種の火山地形を網羅していることです。北には、大東岳(1,366m)を最高峰とする面白火山群があり、中央の北蔵王は熊野岳(1,841m)から馬の背を経て苅田岳(1,758m)までを外輪山とし、五色岳(1,674m)を中央火口丘とする複式火山です。また、南蔵王は屏風岳(1,825m)を始めとし、後烏帽子岳(1,666m)、馬ノ神岳(1,586m)、不忘山(1,705m)などの成層火山が連なっています。
 しかし、この公園の最大の呼びものはなんといっても冬の蔵王です。苅田岳、熊野岳を中心とする樹氷景観はおとぎの国のようですし、一帯はスキー場としてもリフト、コースなどがよく整備されています。
男鹿国定公園 秋田県の男鹿半島の景勝地を拾い集めた公園です。すなわち、半島の突端、入道崎から門前に至る海岸線と本山(715m)、寒風山(355m)、さらに、間口浜一帯を区域に包含しています。
 入道崎から戸賀湾、加茂を経て門前に至る海岸は日本海の荒波をうけ、海食崖や海食洞などが連なり、また、戸賀湾、一ノ目潟、二ノ目潟、三ノ目潟のマール地形(水蒸気爆発ででき、その周辺に環状丘をもたない円形の火口)も見られます。半島最高部をつくる本山と真山は第三紀の流紋岩からなり、その一部はブナ、スギなどの天然林に被われています。また、南部海岸の椿部落のヤブツバキは自生の北限となっています。
 男鹿半島の東部にある寒風山はなだらかな溶岩円頂丘で、ススキ草原になっています。
鳥海国定公園 秋田、山形県境にそびえる鳥海山を区域とし、それに日本海に浮ぶ飛島を加えた公園です。
 鳥海山(2,236m)は新旧二つの火山の複合体ですが、裾野は東西28q、南北25qにおよんでゆるやかなカーブをえがき、秀麗な山容を現しています。東北地方を代表する名山といわれるゆえんです。山腹にはブナ林もあり、また、山頂付近にはヒナザクラ、ハクサンオオバコ、チョウカイフスマなどの高山植物も咲き競い、自然性の豊かな山です。
 北西麓の象潟は鳥海山からの泥流がつくった流れ山でできた多島海風景を現していましたが、地震による土地の隆起のため、今日の陸上風景に変ったのです。付近の名刹、蚶満寺は芭蕉の句で有名です。飛島は酒田市の西北約40qの第三紀層からなる孤島で、ウミネコの生息地があります。
越後三山只見国定公園 新潟、福島両県にまたがり、越後山脈の南部とこれに接する三国山脈の一部からなる公園で、広大な原始的地域からなっています。北から守門岳(1,537m)、浅草岳(1,585m)、朝日岳(1,624m)、越後三山〔駒ヶ岳(2,003m)、中ノ岳(2,085m)、八海山(1,778m)〕などの山々が連なっています。
 これらの山々の山稜部から山腹部にかけては、大面積にわたってミヤマナラの亜高山帯低木性広葉樹やブナなどの原生林が残っています。また、山稜部には湿原も多く、特に平ヶ岳(2,141m)の山頂部には、見事なものがあります。
 この公園は自然性が高いので、ツキノワグマ、ニホンザル、カモシカ、キツネなどの大型哺乳類が多く生息しています
   
水郷筑波国定公園 茨城、千葉両県にまたがる水郷一帯と、犬吠埼の海岸、さらに、筑波山(876m)、加波山(709m)などの山岳を含むバラエティに富んだ公園です。
 水郷は利根川を中心にして、霞ヶ浦、与田浦の湖沼などが作る水系の拡がりです。水面を走る帆船、水辺にそよぐヨシやマコモ、あるいはアヤメ咲く潮来や幾つもの橋を並べる十二橋など、平和な親しみのある風景ばかりです。
 犬吠埼とその西南につづく屏風ヶ浦は太平洋に面し、豪壮な海食景観を現しています。また、筑波山から加波山へと続く山塊は、関東平野に屹立しており、筑波神社をはじめとして社寺も多くあります。
 何れの景勝地も首都圏にあり、古くから知られた利用性の高いところです。
妙義荒船佐久高原国定公園 妙義山塊と神津牧場、荒船山、田口峠、十石峠などの山稜部を区域にした公園です。
 妙義山は安山岩質の集塊岩や溶岩が侵食されてできた奇岩怪石の山峯で、白雲山(1,081m)、金洞山(1,104m)、金鶏山(856m)にわかれており、コナラ、ミズナラなどの木立ちがそれを修飾しています。
 八風山(1,315m)から物見山(1,375m)、荒船山(1,425m)にかけては、メーサやビュートの地形を現し、独特の風景を見せてくれます。
 佐久高原一帯はゆるい起伏の丘陵地帯で、柱状節理の発達した内山峡もあります。
 この公園の特徴は、もちろん、集塊岩風景にありますが、そのほかに、神津、物見、志賀などの牧場が多いこと、和美、内山、十石など峠が多いことも特徴といえます。
南房総国定公園 房総半島の海岸線一帯を主体とし、それに鹿野山(379m)、清澄山(377m)などを加えた公園です。
 房総半島は第三紀層の比較的低い丘陵地帯からなり、東京湾側の内房はおだやかな風景を現していますが、太平洋に面する外房は、海食崖の多い男性的な風景を展開しています。しかし、いずれも海水浴、釣魚、探勝などに盛んに利用されています。
 海水浴場だけでも、めぼしいものをあげると、内房では富津、岩井、館山など、外房では千倉、興津、勝浦、鴨川、御宿などと多く、まさに首都圏の海のリゾートと呼ぶにふさわしいところです。
 鹿野山はなだらかな地形(砂層からなるケスタ地形の背)よりなって、牧場や鹿野寺があり、眺望が優れています。鋸山(329m)は房州石(固い凝灰岩)の石切場で山の形が面白く、ハイキングに利用されています。
明治の森高尾国定公園 明治100年を記念して、大阪の箕面と一緒に指定された国定公園で、東京近郊の高尾山一帯を区域にしています。
 高尾山(599m)は低山性の山塊で地質は中生代の小仏層です。一帯はモミ、アカマツ、イヌブナなどの天然林に被われていますが、薬王院有喜寺の寺領として保護されてきたからです。
 野鳥も多くいますが、多種類の昆虫の生息地として有名なところです。東京にもこんなに自然の豊かなところがあるのです。
 公園のなかにはビジターセンターや自然研究路が整備されており、自然研究のよいフィールドとなっています。また、ここは東海自然歩道の起(終)点になっています。
佐渡弥彦米山国定公園 日本海の大島嶼、佐渡ヶ島と、本土側の弥彦山(634m)、米山(993m)を含み、最初の国定公園として指定されたものです。
 自然風景として優れたところは、大佐渡の海岸、50qにおよぶ外海府一帯です。二ツ亀、大野亀、平根崎、尖閣湾と海食による景勝地が続いています。
 大佐渡山脈は地塁状の山脈です。最高峰は金北山(1,172m)、いたるところにシャクナゲの群落があります。
 しかし、佐渡の魅力は、なんといっても、流人の島、おけさの島、というそこはかとないロマンにあるようです。
 弥彦山は越後平野の“防波堤”として海岸にそびえ、絶好の展望台になっています。山麓には弥彦神社、国上寺など、見どころが多くあります。米山は第三紀の火山岩からなる独立峰、その裾野の福浦海岸は海食風景が優れています。
能登半島国定公園 石川、富山の両県にまたがる能登半島の海岸一帯を主体とする公園です。
 公園の特徴は、日本海に臨む外浦の豪壮な海食景観と、富山湾に面する内浦の柔和な沈水景観とのコントラストにあります。
 外浦は海食崖がよく発達し、能登金剛、猿山、禄剛崎など、あるいは、輪島の北の海上に浮ぶ七ツ島、舳倉島など、優れた海食風景が見られます。
 内浦は九十九湾、穴水湾などの小湾入が好風景を現しています。また、七尾湾内には能登島があります。山地部では、展望が楽しめる高州山(567m)、鉢伏山(544m)などがあります。
 半島一帯は道路がよく整備されているので、ドライブ、サイクリングなどにも利用されています。
丹沢大山国定公園 神奈川県の北部を画する丹沢山地一帯を区域とする公園です。
 丹沢山地は東西24q、南北16qにおよび、蛭ヶ岳(1,673m)を最高峰とし、丹沢山(1,567m)、塔ヶ岳(1,491m)、大山(1,252m)などが連なっています。最近の学説によれば、伊豆半島が本土に衝突した圧力で高まった山地だといわれております。
 地質は第三紀層と、それを貫く石英閃緑岩や第三紀層が変質した変成岩類からなり、それを被う森林は、山頂部に近づくとブナ林やハリモミ林が多くなります。また、そこに生息するニホンカモシカは手厚く保護されています。大山には大山阿夫利神社があり、古くから山岳宗教の盛んなところです。
 この公園は京浜地区に接しているので、登山、沢歩きなどに盛んに利用されています。
南房総国定公園  房総半島の海岸線一帯を主体とし、それに鹿野山(379m)、清澄山(377m)などを加えた公園です。
 房総半島は第三紀層の比較的低い丘陵地帯からなり、東京湾側の内房はおだやかな風景を現していますが、太平洋に面する外房は、海食崖の多い男性的な風景を展開しています。しかし、いずれも海水浴、釣魚、探勝などに盛んに利用されています。
 海水浴場だけでも、めぼしいものをあげると、内房では富津、岩井、館山など、外房では千倉、興津、勝浦、鴨川、御宿などと多く、まさに首都圏の海のリゾートと呼ぶにふさわしいところです。
 鹿野山はなだらかな地形(砂層からなるケスタ地形の背)よりなって、牧場や鹿野寺があり、眺望が優れています。鋸山(329m)は房州石(固い凝灰岩)の石切場で山の形が面白く、ハイキングに利用されています。
越前加賀海岸国定公園 石川県の加賀市から福井県の敦賀市まで、延長108qにおよぶ海岸一帯の公園です。
 北から柴山潟、北潟湖、東尋坊、越前岬、干飯崎と景勝地が続きますが、なんといってもこの公園のハイライトは東尋坊と越前岬です。
 東尋坊一帯は高さ30mの安山岩の柱状節理の発達した海食崖が続き、多くの観光客を集めています。その前面に浮ぶ雄島のヤブニッケイの純林は学術上貴重です。
 越前岬を中心とした海岸線一帯には、小島嶼や岩礁などが多く、好風景を展開しています。越前岬では、海食崖も100mに達し、洞門や洞窟も見られます。また、付近の斜面のスイセンは見事です。この公園もまた能登半島と同じく、海岸の道路公園として探勝、釣魚などに利用されています。
若狭湾国定公園 福井県と京都府にまたがり、福井県敦賀市(気比の松原)から丹後半島つけ根の京都府岩滝町に至る75qの海岸と、京都府の伊根町(青島)から網野町(小浜海岸)に至る45qの海岸からなる公園です。若狭湾は、複雑な入り江を有する沈降海岸が発達した典型的なリアス式海岸で、屈曲が多く、断崖、洞門、洞窟、岩礁などの風景要素に加えて、御神島、蒼島、冠島などの原始的な島嶼も点在させ、優れた海の景勝地ということができます。
 天ノ橋立は日本三景の一つ、延長3q、幅150mの白砂青松の砂洲です。内浦湾の先端の音海の海食崖は、高さ260mにおよび、この公園の一つの呼びものです。内外海半島の蘇洞門は花崗岩の岩壁で、洞門、洞窟が続き、これもまた、この公園のハイライトになっています。三方五湖は沈水したかっての溺れ谷で、現在は砂嘴や砂丘の発達によって潟湖と変じ、浦見川、嵯峨暗渠の開削によって五つの湖がつながっており、近くの梅丈岳(395m)は絶好の展望台となっています。
八ヶ岳中信高原国定公園 長野、山梨両県にわたる八ヶ岳と、蓼科高原、霧ヶ峰、美ヶ原などの成層火山や溶岩台地を主体とする公園です。
 八ヶ岳は赤岳(2,899m)を主峰とするフォッサマグナ中に噴出した成層火山の連峰で、ゆるやかな裾野(火山麓扇状地)を東西南の三方に拡げています。そこには、松原湖や白駒池などの小湖沼もあり、ゴルフ場、別荘などが点在しています。
 蓼科高原も避暑地、スケート場として利用されています。白樺湖はボート、スケート、キャンプなど、霧ヶ峰も溶岩からなる広々とした高原でハイキングが盛んです。美ヶ原はこの公園の北端に位置する溶岩台地で、北アルプスの絶好の展望地点となっています。
 この公園には夏沢、本沢、蓼科など温泉も多く、全体として格好のリゾートとなっています。
天竜奧三河国定公園 天竜川の中流部を中心にして、その交流を含む河川渓谷と、茶臼山、鳳来寺山などの山岳地帯からなる公園です。
 天竜峡は花崗岩の谷壁とそれを修飾するマツ林の醸しだす風景が美しいところです。また、天竜川の支流の万古川、振草川、大入川、気田川などにも、それぞれ特徴のある渓谷があり、探勝、釣魚などに利用されています。
 名刹、鳳来寺のある鳳来寺山(695m)には、スギ、ヒノキの老木がうっそうと立ち、モミ、ツガ、シイ、ヤブニッケイなどの自然林も見られます。
 長野との県境の茶臼山(1,415m)は、愛知県の最高峰であり、キャンプ、ハイキングなどに盛んに利用されています。
揖斐関ヶ原養老国定公園 濃尾平野の西部を限る妙法ヶ岳(667m)、池田山(924m)、養老山地などの山岳地帯と、揖斐峡、多良峡などの渓谷と、さらに関ヶ原古戦場を加えた公園です。
 これらの山岳地帯の大部分は、秩父古生層からなり、かなり急峻な山容を現しています。なかでも、養老山地は東側を断層で限られた典型的な傾動山地で地学的な興味のあるところです。
 また、これらの山地を流れる河川は、揖斐峡、高橋渓谷、野原渓谷、多良峡などの渓谷を作っています。森林は北部は温帯林、南部は暖帯林になっています。
 この公園にはまた、関ヶ原の古戦場や不破関跡、華厳寺、横倉寺などがあり、見どころの多い休養地域になっています
飛騨木曽川国定公園 岐阜県のほぼ中央を流れる飛騨川と、愛知、岐阜の県境を流れる木曽川の中流部とを区域にした本格的な河川公園です。
 飛騨川は急な勾配の川で、至るところ激流急湍が見られ、流紋岩や秩父古生層を削る断崖や淵、甌穴群などが見られます。特に、上流部の中山七里、飛水峡などが優れています。美濃太田から下流の「日本ライン」は、急流、奇岩を縫う舟下りが売りものです。
 木曽川系の丸山蘇水湖は人造湖ですが、新緑、紅葉見物や舟遊などで賑わうところ、また、鬼岩は花崗岩の巨岩の風景が見られます。
 公園の南端、犬山には犬山城、モンキーセンターなどがあり、中京地区の行楽地として盛んに利用されています。また、公園の北端の下呂温泉は観光客の多いところです。
愛知高原国定公園 飛騨木曽川と天竜奧三河の二つの国定公園に挟まる公園で、段戸山(1,152m)、寧比曽岳(1,121m)、猿投山(629m)、道樹山(429m)などの木曽山系の低山地帯を区域にしています。
 この一帯は隆起準平原をなし、その間に、神越渓谷、香嵐渓などの渓谷を介在させています。森林はスギ、ヒノキなどの人工林が中心ですが、段戸山裏谷には小面積ながら、モミ、ツガの原生林があります。
 また、この公園には平勝寺、猿投神社定光寺など有名な社寺もあります。
 中京の人口稠密地域の外周部を巡って、天竜奧三河、愛知高原、飛騨木曽川、揖斐関ヶ原養老の4国定公園が配置されており、それらはちょうどグリーンベルトの役目をしています。
三河湾国定公園 愛知県と渥美、知多両半島と、それらに囲まれた三河湾の景勝地、休養地を区域とした公園です。
 渥美半島の外側は直線状の砂浜、突端の伊良湖岬には、日ノ出門、恋路ヶ浜などがあり、男性的な風景を現しています。また知多半島の両側には、白砂青松の砂浜があり、中京に近く絶好の海水浴場となっています。
 三河湾内の蒲郡は、竹島を浮かべて女性的な和やかな風景を現しており、近くの三ヶ根山は湾内を眺める絶好の展望地点です。また、この一帯には、西浦、形原、三谷などの温泉があり賑わっています。
 この公園は、三河湾の内外によって風景は対照的ですが、いずれも中部圏の優れた海のリゾートになっています。
鈴鹿国定公園 三重、滋賀の県境を南北に走る延長約50qにおよぶ鈴鹿山脈を中心にした公園です。
 鈴鹿山脈は御在所岳(1,212m)、雨乞岳(1,238m)など、標高1,000m前後の連峰で、伊勢平野側に急崖を向け、近江盆地側に緩傾斜をなす地塁山脈です。地質は主に古生層ですが、ところによっては花崗岩の迸入が見られます。
 植物では、この山脈が本州の峡隘部に位置しているので、裏日本系のものが南下して生育しており、その種類は豊富です。標高700m付近からはブナ林を中心に、カシ類、モミ、スギ、アカマツなどの混交林も見られます。
 動物は、哺乳類ではニホンカモシカが棲息していますし、昆虫では湯ノ山、朝明川周辺のキリシマミドリシジミ
室生赤目青山国定公園 三重、奈良県境の布引山地、高見山地、それに室生火山群を加えた公園です。
 布引山地は隆起準平原からなり、アセビやツツジで飾られた高原があり、自然探勝、ハイキングの好適地です。
 大洞山(985m)、倶留尊山(1,038m)、などの室生火山群は第三紀の古い火山で、至るところに柱状節理の岩肌を見せています。香落渓、赤目四十八滝などの渓谷美も見られます。
 高見山(1,248m)一帯はブナ、ツガ、サワラなどの原生林が残されており、森林景観が優れています。
 また、この公園には室生寺、戒長寺、北畠神社など歴史的文化財が多くあります。
 このようにこの公園は、バラエティに富み、見どころが多く利用性があります。
 琵琶湖国定公園  琵琶湖を中心にして、その周りの伊吹山(1,377m)、霊仙山(1,094m)、賤ヶ岳(423m)、比良(1,214m)連山から比叡山(848m)に続く山々と宇治川の一部を含む公園です。
 琵琶湖は西側を断層で限られたわが国最大の湖で、面積は674.8km2あります。この一帯は古くから風光明媚な景勝地として親しまれてきたところで、湖岸には近江八景をはじめ、彦根城、安土城など、歴史上の興味地点が多くあります。
 伊吹山は全山石灰岩からなり、高山植物も多くあるところです。比叡山には延暦寺があり、スギ、ヒノキの老木に囲まれた静寂な境内は野鳥の多いことでも知られています。
 滋賀県のことを湖国といいますが、この公園こそ湖国のシンボルともいうべき自然公園です。
   
 明治の森箕面国定公園  明治100年を記念して、東京の高尾山とともに指定された国定公園で、大阪近郊の箕面山と勝尾寺一帯を区域にしています。
 この一帯は丘陵性の山地で地質はおおむね古生層ですが、一部には花崗岩や石英閃緑岩が露出しています。
 箕面の滝付近はカエデ類が多く、新緑、紅葉の名所として古くから大阪市民に親しまれてきたところです。また、近くにはニホンザルの生息地もあります。勝尾寺は奈良時代からの古刹で、付近には開成皇子の墓など歴史的興味のある史跡があります。
 この箕面も東海自然歩道の起(終)点になっています
   
 金剛生駒紀泉国定公園  大阪と奈良の府県境にまたがる生駒、金剛両山地と、それに直角に東西に延びる和泉山脈の一帯を区域にした公園です。
 生駒、金剛両山地は花崗岩を主とする地塁山脈ですが、両者の間に第三紀の火山岩からなる二上火山群があります。和泉山脈は中生代の砂岩を主とし、南側を断層に限られた山脈です。
 いずれも京阪神に近いのでレクリエーション価値の高い公園です。生駒山(642m)は大阪方面を眺める展望地点として多くの人を集めていますし、金剛山(1,125m)には金剛山寺、葛城神社があります。葛城山(959m)は古くから修験道の山として有名です。
 この公園の内外には、四条畷神社、赤坂城址など、社寺や旧跡なども多く、史跡巡りも盛んに行われています。
   
 氷ノ山後山那岐山国定公園  中国山地の東端に位置し、兵庫、鳥取、岡山の3県にまたがる山岳地帯の公園です。鉢伏山(1,221m)、氷ノ山(1,510m)、後山(1,345m)、那岐山(1,240m)などの山々が県境に沿って連なっています。
 鉢伏山や氷ノ山は、隆起準平原の上にある古い火山で、後山や那岐山は中世代の火山岩からなる山です。そこには、鉢伏、兎和野などの高原や、音水、赤西、芦津などの美しい渓谷があります。
 森林はブナ林を中心として自然林が各所に見られます。特に、氷ノ山の山頂付近には、ブナ、シオジ、キャラボクなどの群落が見られます。
 この公園は、登山、野営、スキーなど、通年の利用ができ、京阪神に近いので絶好のレクリエーション・エリアとなっています。
   
 大和青垣国定公園  大和平野(奈良盆地)の東側の断層崖に沿う一帯が公園になっています。そこには山の辺の道と柳生街道が通っていますが、その二つの古い道を中心にした公園といってよいでしょう。
 山の辺の道は古代から大和の交通路として盛んに利用された道であり、金屋から奈良まで全長は23qあります。そしてこの道に沿い、三輪山(467m)、巻向山(567m)、高円山(432m)などのいわゆる青垣山が続き、大神神社、長岳寺、石上神宮、弘仁寺、円照寺、白毫寺などの社寺が目白押しに並んでいます。一方、柳生街道は全長15q、剣豪たちが往来した道として有名です。
 大和はくにのまほろば、この公園こそは、その風情をしみじみ味わえるところです。
   
 高野竜神国定公園  和歌山と奈良の県境の紀伊山地の一部が公園になっています。北の方から、高野山(1,100m)、白口峰(1,110m)、護摩壇山(1,372m)と続き、公園は竜神温泉で終わっています。
 この公園の北のハイライトは高野山です。弘法大師が開基した山岳仏教の聖地であり、120余の伽藍、僧房があります。そして、南のハイライトは竜神温泉です。緑の渓谷の中にある古い歴史をもつ素朴な温泉です。
 この公園一帯は古くから林業が盛んですが、一部には自然林が残っています。特に、高野山周辺にはスギを主とする自然林やコウヤマキ、マツ、スギ、ヒノキ、モミ、ツガのいわゆる「高野六木」の原生林もあります。
 和歌山県は「木の国」ですが、この公園はその名にふさわしい公園ということができるでしょう。
   
 比婆道後帝釈国定公園  中国山脈のほぼ中央に位置する船通、道後、比婆、吾妻などの山々に、その南の帝釈峡を加えた公園です。
 これらの山々は大抵ゆるやかな高原状をなし、隆起準平原の特徴を現しています。それを被っていた森林は砂鉄の精錬のため、永年にわたって伐採されてきたので、多くは草原になっています。しかし、ところによっては自然林も残り、比婆山(1,299m)のブナの純林、船通山(1,142m)の大イチイなどは貴重です。
 帝釈峡は石灰岩の渓谷で、付近はカルスト地形がよく発達し、ドリーネやウバーレ、雄橋、雌橋の天然橋などもあります。
 また、道後山(1,271m)や吾妻山(1,240m)の高原部は中国地方の数少いスキー場になっており、全体として利用性の高い公園です。
   
 西中国山地国定公園  中国山地の西部の冠山山地と、その周辺にある渓谷群を含む公園です。
 冠山山地は阿佐山(1,218m)、臥竜山(1,223m)、恐羅漢山(1,346m)、冠山(1,339m)、寂地山(1,337m)などの山々で、いずれも隆起準平原の特徴を現し、山頂部はゆるやかですが、山腹面は急斜面をなし、そこに幾つもの美しい渓谷を介在させています。
 そして、この渓谷群こそこの公園の呼びものです。めぼしいものだけを拾ってみても、三段峡、匹見峡、深谷峡、阿津峡、寂地峡などがあります。
 また、この公園の植生の大部分は、ブナ、ミズナラ、トチノキなどの落葉広葉樹を主とした温帯林ですが、三段峡や匹見峡などには、ウラジロガシを主とする暖帯性の常緑広葉樹の原生林が見られます。
   
 北長門海岸国定公園  山口県北端の須佐湾から萩市を経て油谷町に至る約90qの日本海の海岸一帯が公園になっています。隆起と沈降を繰り返したため、海岸線は屈曲に富み、海食景観が見ものです。
 須佐湾は複雑な湾入と小さな島々が散在する美しい風景を現しています。萩市内には、松下村塾、武家屋敷などがありますが、海岸にでますと、笠山(112m)があり、また、沖合いには見島、黒島などが浮び、好風景を展開しています。いずれも1回の噴火でできたいわゆる単成火山です。
 青海島はこの公園の代表的な景勝地で、洞門、石柱、断崖が続き、いかにも日本海らしい荒々しい風景を見せてくれます。また、対岸の日置町の千畳敷の断崖は250mもあり豪壮です。
   
 秋吉台国定公園  山口県のほぼ中央にあるわが国最大のカルスト地形をそっくり包含した公園です。カルスト地形には、地上のカルスト台地と地下の石灰洞の二つがありますが、この公園ではいずれも優れています。
 秋吉台は標高400m、長さ20q、幅8qの広大な台地で、台地上にはカッレンフェルト、ドリーネ、ウバーレなどがいたるところで見られ、周辺部にはポリエもあります。
 地下の石灰洞では、秋吉洞、景清洞、大正洞、中尾洞の4つが代表的なものです。特に、秋吉洞は奥行2q、天井の高さが最高90m、幅も最大40mという巨大なもので、洞内には滝や急流があります。また、石柱、石筍、石灰華段丘もあり、それらを見てまわる道路が立派に整備されています。
   
 剣山国定公園  この公園は徳島、高知両県にまたがり、四国山地の東部に位置する剣山(1,955m)、三嶺(1,893m)などの山岳と、大歩危、小歩危などの渓谷を区域に包含しています。
 剣山には大剣神社がりあり、古くから四国の名山として有名ですが、山頂部は隆起準平原状の地形になっています。この一帯の地質は秩父古生層を主体としていますが、ところどころに石灰岩を露わしています。
 植生は剣山のシコクシラベの純林が見事です。また、この地域は自然性が豊かなので、ツキノワグマ、カモシカ、ヤマネなど、多くの野生動物を見ることができます。
 渓谷は、結晶片岩よりなる典型的な横谷である大歩危、小歩危が有名ですが、そのほかにも、祖谷渓、西熊渓谷、別府渓などがあります。
   
 室戸阿南海岸国定公園  徳島県の橘湾から高知県の室戸岬一帯まで、約200qにわたる海岸線の公園です。
 橘湾はリアス式海岸で、たくさんの島嶼や陸繋島、あるいは洞窟などがあり、賑かな風景を現しています。蒲生田岬から日和佐、牟岐に至る間は直線状の断層海岸で、千羽海岸は高さ240mに達しています。また、日和佐海岸のアカウミガメの産卵は広く知られています。牟岐から南は八坂八浜、甲ノ浦などのきめの細かな風景に変ります。
 室戸岬では海岸段丘が何段もあり、アコウ、リュウビンタイなどの亜熱帯性樹林と、ウバメガシ、トベラなどの海岸植物群落が南国らしい風景を作っています。
 また、この公園の内外には、薬王寺、最御埼寺、金剛頂寺などの四国霊場があり、お遍路さんの姿が見られ、いかにも四国らしい雰囲気が味わえます。
   
 石鎚国定公園  四国の屋根、石鎚山(1,982m)をはじめとする連嶺と面河渓を含む愛媛、高知両県にまたがる公園です。
 石鎚山、二ノ森(1,929m)、瓶ヶ森(1,896m)などの一帯は、結晶片岩類とその上に重なる第三紀の堆積岩や火山岩よりなってかなり複雑な地形を作っています。そして、それらの山々は、シコクシラベ、シラベなどの自然林、オモゴザサの広大な笹原、うっそうとした広葉樹林などで飾られています。
 石鎚山の南西斜面に当る面河渓は、壮年期の侵食渓谷であり、花崗岩、安山岩などからなり、高滝、御来光ノ滝など十数ケの瀑布を連ねています。また、この渓谷を修飾する植生は、ブナ、ナラ、カエデ類などの広葉樹に、モミ、ツガなどの針葉樹を交え、新緑、紅葉の名所となっています。
   
 北九州国定公園   北九州工業地帯の背後の平尾台、福智山(901m)、皿倉山(626m)、風師山(362m)などの山地を区域にした公園で、首都圏の水郷筑波と南房総、中部圏の三河湾、近畿圏の金剛生駒とともに、その利用性に着目して設けられたものです。
 平尾台はなんといってもこの公園のハイライトで、ドリーネ、ウバーレ、鍾乳洞などのカルスト地形が見ものです。
 福智山は地塁ですが、皿倉山、尺岳(613m)とともにハイキングに利用されていますし、また、風師山は展望が優れています。
 この地域の森林はほとんどが人工林ですが、人口稠密地帯に接しているので、好適な野外レクリエーションの場所を提供していますし、都市環境を保全するグリーンベルトの役目も果しています。
   
 玄海国定公園  玄界灘に臨む福岡、佐賀、長崎三県の海岸線を区域にした公園です。東は北九州市の若松の遠見ヶ鼻から、西は長崎県の鷹島に至るまでの100余qにおよんでいます。
 この公園は松原の自然公園といってよく、岬から岬までの白砂青松の湾入が続いています。三里松原、古賀ノ松原、生ノ松原、虹ノ松原など10以上も数えられます。瀬戸内海やその他の海岸から松原がほとんど消えてしまったいま、この日本的な風景はなんとしても守っていきたいものです。
 この公園にはまた、芥屋ノ大門、七ツ釜、波戸岬などの玄武岩の見事な海食地形が見られます。また、古くから大陸との往来のあったところなので、志賀島の金印発掘地や元寇の史跡など、さまざまな文化財があります。
   
 耶馬日田英彦山国定公園  渓谷美で知られる耶馬渓を中心にし、英彦山(1,200m)、日田、万年山(1,140m)などを含んだ面積の大きな公園です。
 耶馬渓は山国川の本支流を総称したもので、主なものだけでも10渓谷を数えることができます。その風景は、いわゆる旧耶馬溶岩の集塊岩からなる本耶馬、東耶馬などと、いわゆる新耶馬溶岩からなる深耶馬や裏耶馬などの二つのタイプに分かれます。本耶馬渓には、菊地寛の小説で有名な青ノ洞門があります。
 英彦山は北九州の最高峰をなす古い火山で、古くから修験道の山として有名です。日田は筑後川の上流に当り、水郷として知られています。公園の南にある万年山は溶岩台地で、テーブルの形に似た山容をしています。
   
 壱岐対馬国定公園  玄海国定公園の北西、玄界灘に浮ぶ壱岐、対馬の両島の海岸部を主体にした公園です。
 壱岐は九州本土より約21qの海上の孤島で、堆積岩を基盤とした玄武岩台地の島です。海岸は比較的氏肢節に富み海食崖が見られます。
 対馬は九州本土から約86q離れ、上、下、二島に分れていますが、ともに第三紀層よりなる丘陵状の島です。この二島の間にある浅茅湾は樹枝状のリアス式海岸で風景の美しいところです。また、下島の龍良山(559m)にはカシ、シイ類の原生林、白嶽(519m)にはアベマキ、チョウセンヤマツツジなど大陸種の混る原生林、上島の御岳(479m)にはモミ、ツガの原生林があります。動物はツシマヤマネコ、ツシマテンなど固有種の棲息が知られています。
 このように対馬を彩る自然は、大陸と日本を結ぶものとして学術上大変貴重なものです。
   
  九州中央山地国定公園  この公園は九州山地のほぼ中央に位置する山岳地帯で、熊本、宮崎両県にまたがり、五木五家荘、椎葉、市房山、綾北川、綾南川の中流部などを区域に包含しています。
 風景の特徴は、国見岳(1,739m)、市房山(1,721m)などの山岳が重畳として連なり、河谷が深く刻みこまれ、深山幽谷の趣きを呈していることです。
 森林は標高700m付近で常緑樹林から落葉樹林へ移行し、900m以上からブナ林が現れます。また、国見岳、扇山(1,661m)、烏帽子岳(1,692m)一帯にはツクシシャクナゲ、オオヤマレンゲなどの群落があります。
 五木五家荘、椎葉には、平家の落人にまつわる説話、伝説が多く、「五木の子守歌」や「稗つき節」などの民謡が公園を訪れる人々の旅情を慰めてくれます。
   
 日南海岸国定公園  九州の東南端、宮崎県の青島から鹿児島県の志布志までの海岸線一帯の公園です。
 青島はビロウをはじめ亜熱帯植物が繁茂する島、それをとりまく海岸は、海食棚の凹凸が地層の硬軟に応じて規則正しく並ぶ「鬼の洗濯板」と呼ばれる珍しい風景を現しています。堀切峠は絶好の展望地点、海岸を伝わる道路には、フェニックスが植えられ、いかにも南国らしい風景です。
 都井岬にはソテツが自生し、野生馬が草を食んでいます。また、幸島には、野生のサルがいます。鵜戸神社は波の打ち寄せる岩窟にある珍しい神社です。
 公園の南端、志布志はクロマツ林の続く砂浜です。その沖に浮んでいる枇榔島にはその名のとおりビロウを混えた原生林があります。
   
 日豊海岸国定公園  この公園は大分、宮崎両県にまたがり、北は佐賀関半島から南は美々津海岸に至る海岸部を主体としています。
 海岸部は九州山地が沈水してできた典型的なリアス式海岸です。北部は豊予海峡に面し、半島や湾入の出入りが大きく、蒲江から南は肢節が細かく、多島海景観を現しています。これらの海岸景観を眺める展望地点が彦岳(689m)、鏡山(645m)などです。
 ところで、この海岸公園の最大の特徴は海中景観にあるといってよいでしょう。黒潮の支流が四国側を北上、反転して日豊海岸を南下しているので、水温が高く透明度もあり、テーブルサンゴ類、キクメイシ類、ミドリイシ類などが生育しており、海中公園が多くあります。
   
 祖母傾国定公園  大分、宮崎両県にまたがり、祖母山(1,756m)、傾山(1,602m)、大崩山(1,643m)などの山々と、高千穂峡、藤河内渓谷、祝子川渓谷などが公園に入っています。
 これらの山々の成因は複雑ですが、1500万年前の幾つかのカルデラを伴う火山活動によるものだといわれています。大崩山をとりまいて大岩脈がありますが、これはカルデラの落下をひき起した円筒状の断層に、マグマが侵入してできたものと考えられ、環状岩脈(リングタイク)と呼ばれています。
 祖母山には、モミ、ツガ、ヒメコマツなどを交える原生林があります。また、この一帯は自然性が豊かなので、カモシカやニホンジカなどの野生動物が多く生育しています。
   
 奄美群島国定公園  この公園は鹿児島の南端にある奄美群島のうち、奄美大島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島の五島の景勝地を区域に包含しております。
 奄美大島では、瀬戸内のリアス式海岸と北部海岸の風景が優れています。また、住用川、役勝川河口部にはマングローブがあります。
 喜界島では隆起サンゴ礁の海岸地形が見られますし、徳之島ではカルスト台地と井ノ川岳の亜熱帯性の樹林が見ものです。沖永良部島にもカルスト地形があり、与論島では裾礁や礁池を巡らす海岸風景が優れています。
 この群島には、アマミノクロウサギやアマミトゲネズミなどの珍しい野生動物がおり、沖縄諸島とともに、アジア大陸との関係から、生物地理学上注目すべき地域になっています。
   
 沖縄海岸国定公園  沖縄本島の海岸線の一部と、北部山地、それに慶良間諸島の一部からなる公園です。
 沖縄本島最北端の辺土岬は海岸段丘上がコウライシバの美しい草原になっています。また、名護岳(345m)の山腹には名護城趾があり、サクラの名所になっています。部瀬名岬の西側には海中公園があります。また、万座毛は海食景観の優れたところです。
 そして、この公園のハイライトは北部山地の与那覇岳(503m)です。この一帯には亜熱帯樹林が残っており、世界的な珍鳥のノグチゲラやヤンバルクイナが生息しています。絶滅しないように生育環境ともども、大切に守っていかなければなりません。
 本島の西に位置する慶良間諸島は多島海風景を現し、海中景観も優れています。
   
 沖縄戦跡国定公園  沖縄戦の終焉の地、沖縄本島の南部一帯の戦跡を中心にした公園です。
 沖縄本島の南部一帯は、急崖を北に向けた琉球石灰岩の傾動地塊の多いところですが、この急崖こそ沖縄戦の最後の抵抗線になったところです。
 そして、この一帯には女子生徒と教師とが多数自決した「ひめゆりの塔」や、男子師範の職員生徒をまつる「健児の塔」、さらに、牛島指令官が自決して沖縄戦が終結した摩文仁の丘などがあります。ここを訪れるものは誰でも、戦争の悲惨さと平和の尊さを考えないわけにはいきません。アメリカの国立公園体系のなかには戦跡公園がありますが、わが国ではこの公園が唯一のものです。
   
   
   
国定公園