京都御苑(上京区) 京都御所、仙洞御所を囲む周囲約4キロ、面積約65ヘクタールの広大な公園。市街地のほぼ中心に位置し、交通至便なこの公園は、江戸時代は200もの宮家や公家の邸宅が立ち並ぶ町だった。苑内に生育する樹木は約5万本といわれ、一部は自然豊かな巨木の森へと変化している。春はウメ、モモ、サクラ、ツツジ、秋は紅葉で彩られる苑内には、閑院宮(かんいんのみや)邸跡(祝日を除く月曜休館)、九條家の茶室・拾翠(しゅうすい)亭(毎週木・金・土曜と葵祭・時代祭・春秋の京都御所一般公開日に公開)など、歴史的遺構も点在する。3月中旬~下旬は北西部「近衞邸跡」で約60本、南西部「出水の小川」で南部唯一のシダレザクラが咲き、ヤマザクラやオオシマザクラが咲きはじめる。4月上旬になると近衛邸跡のヤエベニシダレ、中旬にはカスミザクラ(霞桜)、出水の小川でカンザン(閑山)、ギョイコウ(御衣黄)など約1000本のサクラが時期をずらして1ヵ月の間楽しめる。
平野神社(北区) 江戸時代からサクラの名所と知られる平野神社には、60種400本のサクラがあり、3月初旬からゴールデンウィーク頃まで花見が楽しめ、花見の露店が並び、宴会場のようにスペースごとにグループで座りながら花見が楽しめる。真っ先に開花するのが3月初旬のカワツサクラで、中旬には、平野神社発祥の早咲き品種・サキガケ(魁桜)が咲き始める。これが咲くと、いよいよ京都の花見シーズンが幕あけとなるが、その後も次々といろいろなサクラが満開となる。ソメイヨシノが満開となる頃には、境内の脇の庭園は桜で空が見えなくなり、まるで桜の天井のような幻想的な雰囲気に包まれる。また、キヌガササクラ(衣笠桜)など平野神社にしかない珍しいサクラも見られる。1か月以上もの長い期間さまざまな桜を楽しむことができるスポットで、夜桜も遅くまで楽しむこともできる。厳かで、ファンタジックな雰囲気の夜桜見物も、平野神社ならではの魅力。
原谷苑(北区) 個人所有の庭園で、昔はガイドブックにも載っていない隠れたサクラの名所だったが、今や人気の名所で開花の時期だけ開放されている。4000坪の園内にサクラは20種400本以上。まずベニシダレザクラが咲き出し、ウスズミザクラ、ソメイヨシノ、ヤエベニシダレザクラなどが次々と花を咲かせていく。ピークは、百数十本以上のベニシダレザクラが満開となる4月中旬頃で、全山がピンク色に覆われ、空がみえないほどの豪華絢爛なサクラのトンネルを形成する。ベニシダレザクラが京都で一番多いのが原谷苑で、「ピンクのシャワーのよう」と絶賛する人も多い。京都市内にありながら場所がわかりにくいため、知る人ぞ知るといったお花見穴場スポットでもある。開花の時期にオープンし、花が散る4月下旬にはクローズとなるため、事前に電話で確認してから行くとよい。
仁和寺 (右京区) 9万㎡もの広大な境内には、優美な金堂(国宝)をはじめ、二王門(重要文化財)や五重塔(重要文化財)などが点在、見どころ豊富なスポット。春には金堂前のソメイヨシノ、鐘楼前のシダレザクラなどが競って咲き誇り、中門内の西側一帯には遅咲きのオムロザクラがある。オムロザクラは樹高約2mと低いため、目の前で桜を楽しむことができる。お勧めは五重塔をバックにした、京都随一の遅咲きとして有名なオムロザクラが咲き誇る光景。オムロザクラは、江戸時代から庶民のサクラとして親しまれ、数多くの和歌に詠われている。花見の盛んな様子は江戸時代の儒学者・貝原益軒が書いた『京城勝覧』(けいじょうしょうらん)という京都の名所を巡覧できる案内書にも、「春はこの境内の奥に八重桜多し、洛中洛外にて第一とす、吉野の山桜に対すべし、…花見る人多くして日々群衆せり…」と記されている。オムロザクラは中門の北西、観音堂南の桜苑にまとまって約130株、境内全域をあわせると約200株あり、サクラすべてを合わせると約550本にもなる。また、仁和寺のオムロザクラの開花時期は4月下旬になることが多く、京都で最後の桜が見られる場所としても知られている。
龍安寺(右京区) 白砂に15個の石組を配した石庭(方丈庭園)で有名な龍安寺は、京都でも人気の高い観光スポット。1994年(平成6)12月に「古都京都の文化財」として、「世界遺産条約」に基づく世界文化遺産に登録され、その人気は衰えることを知らない。石庭は“虎の児渡しの庭”とも呼ばれ、石庭といえば龍安寺を指すほど有名だが、その石庭の油土塀を覆うように咲くシダレザクラも見事だ。また、石庭の奥にある小さな庭園・桜苑には、巨大なシダレザクラがあり、花々が迫りくるような迫力も味わえる。静かな日本庭園というイメージの強い龍安寺だが、ここまで見ごたえのある桜を眺められるスポットは京都でも珍しい。「鏡容池」のほとり植えられたサクラは、静かな水面を鏡にして優美な姿を映し出し、龍安寺のサクラは、種類によって微妙に花をつける時期が異なるため、3月下旬から4月中旬までほぼひと月にわたって花見が楽しめる。
天龍寺(右京区) 京都のサクラスポットとして人気の嵐山地区だが、その嵐山を借景としてヤマザクラ、シダレザクラ、ソメイヨシノ、ヤエザクラなどが見事な景観をみせてくれるのが天龍寺。なかでも嵐山、亀山を背景とした池泉回遊式庭園の曹源池庭園とサクラの共演は一見の価値あり。また、後醍醐天皇を祀る多宝殿の周りのシダレザクラも見事で、ピンク色に包まれる境内でももっとも目を惹く場所だ。建物の前で花糸を垂れる花姿は、うっとりするほどの眺め。境内の西にある望京の丘から眺めるサクラも趣がある。天龍寺は、足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うために建立された歴史ある禅寺で、平成6年(1994)12月に世界文化遺産にも登録されている。
大覚寺大沢池   (右京区) 嵯峨天皇の離宮 嵯峨院を嵯峨天皇の皇女・正子親王が開山した真言宗大覚寺派の本山で、平安朝の雅な佇まいを今に伝える「大覚寺」の境内東側に広がる大沢池は、嵯峨天皇が中国の洞庭湖を模して造られた、日本最古の人工の苑泉。周囲約1キロメートルの池の堤にはさまざまな木々や草花が植えられ、中ほどには天神島と菊ケ島、その間に庭湖石を配置。また、敷地北には、百人一首の藤原公任(ふじわらのきんとう)の歌で知られる名古曾(なこそ)の滝跡も残る。古来、観月の名所としても知られるその風流な景観は、サクラの開花とともに、一面薄桃色に彩られる。池を囲むようにソメイヨシノやヤエザクラが咲き乱れるさまは美しく、勅使門(ちょくしもん)前に優雅な佇まいを見せるシダレザクラも例年4月中旬に見事な花を咲かせて、訪れる人を楽しませる。「五大堂」には水面に向かって張り出した濡れ縁・観月台があり、そこから望むサクラ並木も素晴らしい。
常照皇寺(右京区) 京都市北郊の山中に位置する、臨済宗天龍寺派の寺院。本尊は釈迦如来。貞治元年/正平17年(1362年)、南北朝時代に北朝初代の天皇となった光厳上皇により開山され、歴代天皇の帰依を得た皇室ゆかりの寺としても知られる。春の境内に爛漫と咲き誇るのは、光厳天皇・光明天皇のお手植えで国の天然記念物でもある「九重桜」、その美しさに感動した後水尾天皇が御車(みくるま)を返したとされ、一重と八重が一枝に咲くという「御車返しの桜」、岩倉具視が御所紫宸殿より移植した「左近の桜」の三本。これらは「京都の三ツ星桜」と称される名木たちで、往時の貴い人々が愛でた古都の春の雅をそのままに、今に伝えている。市内から車でも一時間強かかるため、満開の時期でも境内は閑静さを保ち、比較的ゆっくりと過ごせるのもうれしい。手すりのない苔むした石段を上るので、歩きやすい靴で行くのがおすすめ。10人以上の拝観は事前にはがきでの申し込みが必要。
嵐電北野線(右京区) 京福電気鉄道の路線で北野線「鳴滝駅」~「宇多野駅」間の約200メートルの"桜のトンネル"は、大正15年に北野線の全線開通を記念し、京都の洛北八瀬から移植。これまで咲き続けている約70本の桜とあわせ、地域の大切な観光資源として更に美しい桜並木になるよう平成26年にさらに30本植樹。ライトアップは例年、桜の満開の頃に合わせて実施する。また、ライトアップに合わせ、「夜桜電車」を運行しライトアップ区間は、電車内の室内灯を消し、ゆっくりと運行「夜桜電車」の車窓からは、昼とは異なる幽玄な世界が楽しめる。嵐山から桜のトンネルを通って、北野白梅町へ。また、北野白梅町から桜のトンネルを通って嵐山へと桜スポットを回りながら車窓からのひと味違った夜桜見物が満喫できる。

嵐山中之島公園  (右京区) 京福電気鉄道の路線で北野線「鳴滝駅」~「宇多野駅」間の約200メートルの"桜のトンネル"は、大正15年に北野線の全線開通を記念し、京都の洛北八瀬から移植。これまで咲き続けている約70本の桜とあわせ、地域の大切な観光資源として更に美しい桜並木になるよう平成26年にさらに30本植樹。ライトアップは例年、桜の満開の頃に合わせて実施する。また、ライトアップに合わせ、「夜桜電車」を運行しライトアップ区間は、電車内の室内灯を消し、ゆっくりと運行「夜桜電車」の車窓からは、昼とは異なる幽玄な世界が楽しめる。嵐山から桜のトンネルを通って、北野白梅町へ。また、北野白梅町から桜のトンネルを通って嵐山へと桜スポットを回りながら車窓からのひと味違った夜桜見物が満喫できる。
東寺(南区) 京都には、サクラの名所があちこちに点在しているが、カワヅサクラの向こうに堂々とそびえる東寺・五重塔の景観は、いかにも京都らしい風情を実感させてくれるサクラの名所のひとつ。東寺は、JR京都駅からほど近く、高さ55mの有名な五重塔(国宝、世界文化遺産)で知られ、東寺のシンボルともいえる「不二桜」と名付けられたヤエベニシダレザクラとのコントラストは、見事としか言いようがない。樹齢130年、樹高13mの堂々とした佇まいの不二桜に、カワヅサクラ、ソメイヨシノなどが咲き誇り、春の東寺境内は華やかさに包まれる。東寺の正式名は教王護国寺。平安遷都の際に創建された官寺を弘仁14年(823)に空海が嵯峨天皇より賜り、真言密教の根本道場とした。土一揆で伽藍のほとんどを焼失したが、室町末期~江戸初期にかけて再建され、南大門(重要文化財)、金堂(国宝)、講堂(重要文化財)、食堂が一直線に並ぶ伽藍配置は創建当時の特徴を残している。
上賀茂神社(北区) 京都の三大祭のひとつ「葵祭(加茂祭)」でも知られ、ユネスコ世界遺産にも登録されている神社。御祭神である「賀茂別雷神社」の「別雷」とは若い雷(神鳴り)の意味で、雷を神と崇めた古来日本人の信仰を今に伝えている。京都で最も古い神社のひとつで、約67万平方メートルの広大な神域には、国宝である本殿と権殿をはじめとする檜皮葺き(ひわだぶき)の社殿が立ち並び、京都を代表する名桜たちが春の境内をあでやかに彩る。中でも春の京都を訪れる折に一度は見ておきたいのが、ベニヤエシダレの見事な花枝を広げる「斎王桜」、孝明天皇により京都御所から御下賜され、樹齢約140~170年といわれている「御所桜」、花笠の形をした「風流桜」、そして細殿・円錐形の立砂とともにJRのポスターでおなじみの「みあれ桜」など。いずれのサクラも格調高く、雅な威厳を備えている。開花に合わせて行われるライトアップで、荘厳な夜の境内に浮かびあがる夜桜も必見。
勝持寺(西京区) 『ねがわくは花の下にて春死なん。そのきさらぎの望月の頃』と詠み、サクラに生き、サクラに死んだ歌人・西行法師が庵を構えた「勝持寺」は、京の西山連峯の麓にある古刹。正式名称は小塩山大原院勝持寺で、「不動明王、愛染明王」が祀られており、西行が眼病に悩む人のため、不動明王に病魔退散を祈願されたことから、諸病平癒の不動様として篤い信仰を集めている。別名「花の寺」として知られ、境内にはソメイヨシノをはじめとする約100本の桜が植えられており、春の開花時期になると、長い参道の途中から薄紅色の花たちが訪れる人を迎えてくれる。満開時のサクラ一色の景色は素晴らしく、なかでも西行が自ら手植えし、吟愛したとされる「西行桜(3代目シダレザクラ)」が有名で、境内の鐘楼の傍ら、西行が得度した鏡石の近くに天蓋のように咲き誇る姿は必見。地理的に市中心部から少し離れているため、花見シーズンでも比較的ゆったりと楽しむことができる。
善峯寺(西京区) 長元2年(1029年)、源算上人が創建 開山した、西京区の大原野にある寺院。西国三十三所第20番札所で、千手観音を本尊とする。応仁の乱により大半の坊が焼失したが、その後、江戸時代には徳川5代将軍綱吉公の生母である桂昌院を大檀那として、現存の鐘楼・観音堂・護摩堂・鎮守社・薬師堂・経堂が復興、幾多の貴重な什物が寄進された。四季折々の花に恵まれた3万坪の境内各所からは京都市街、比叡山を一望することができ、市内屈指のサクラの名所としても人気。春には、ヒガンザクラ、ヤマザクラ、ボタンザクラなど500本もの多彩な品種のサクラが次々と咲き競い、全山が薄ピンク一色に染まる。なかでも、JR東海のCM「そうだ 京都、行こう。」で放映され有名になった、桂昌院お手植えによる樹齢300年のシダレザクラは、天然記念物「遊龍の松」とともに必見。毎年春と秋の文殊寺宝館特別公開期間には、桂昌院ゆかりの貴重な品々を拝観することもできる。
二条城(中京区) この場所は慶長8(1603)年、徳川家康が京都御所の守護と上洛時の宿泊所と造営、その後3代将軍家光が増築を行った。慶応3(1867)年には、15代将軍慶喜が大政奉還を発表した場所としても知られている。城内にはヤマザクラ、ソメイヨシノ、シダレザクラなど約50種400本の桜が植栽されているが、大半は昭和30年代後半から40年前半に植えられたもの。また、本丸南の桜園には、アズマニシキ、フクロクジュ、シロタエと色々な種類のサトザクラ、ヤマザクラが植樹されている。見頃の時期には、桜と庭園をライトアップし、竹や陶器での光りのオブジェクトなどで幽玄の世界へと誘う。また、季節が変わるが早春には約130本ウメが楽しめ、ツバキ、トサミズキ、サザンカ、サルスベリなど四季を彩る花木に数多く出会うことができる場所となっている。

南禅寺(京都府・京都市) 臨済宗南禅寺派の大本山で京都屈指の観光名所。正応4年(1291年)、大明国師を開山に迎え、亀山上皇の離宮を寺に改めた。応仁の乱などで創建時の建物は焼失し、現在の伽藍のほとんどは桃山時代の再建。琵琶湖疎水の分線にある、レンガと花崗岩で作られた「水路橋」が敷地内を通っており、その風格ある佇まいが純和風な風情に不思議とマッチした独自の景観でも知られている。京都三大門の一つ三門(重文)、方丈(国宝)とともに約200本のサクラが楽しめる場所としても人気で、四月上旬、境内から堂宇にかけて植えられた50本のサトザクラ、シダレザクラなどが満開になるほか、北側の尖塔の塀越しに見られるサクラは圧巻。さらに、高さ22メートルの三門に上ったところで眼下に広がるのは、一面薄紅色に染まった京都の町。歌舞伎「楼門五三桐」で石川五右衛門が「絶景かな、絶景かな」とサクラを見下ろす名場面を思い描きながら、古都の春を満喫するのも一興だ。
半木の道(左京区) 賀茂川の左岸、北大路あたりから、およそ800メートル先の北山通あたりまで、都会の喧騒を忘れさせてくれる堤防道が築かれている。京都府立植物園の西側に沿った静かな散策路で、江戸時代の天保年間に「希代の庭師」と呼ばれた造園業「植藤」の当主である桜守・佐野藤右衛門氏によって造成されたみごとなベニシダレザクラ並木が訪れる人の目を楽しませる。「なからぎ」という地名は、その昔、この地に神木が流れ着いた由縁から来ているという。「流木(ながれぎ)」と呼ばれていたのが、なまって「なからぎ」になったという説のほか、たびたび起こる洪水で流されることを忌み嫌って、「流木(ながれぎ)」を「半木(なからぎ)」に言い換えたという説もある。隣接する府立植物園内には、上賀茂神社の末社である半木神社が鎮座する。流木が流れ着いたと伝えられる場所に建立された鎮守社で、天太玉命(あめのふとだまのみこと)が御祭神。春には70本を超えるベニシダレザクラが通りを屋根のように覆う。まるでサクラのトンネルが出現したようでまさに圧巻。賀茂川のせせらぎに耳を傾けながらサクラを愛でることができ、京都の雅とともに風情を味わえる花見スポット。京都府立植物園と合わせて巡りたい名所となっている
三千院(左京区) 三千院は、8世紀、最澄によって開かれた、京都市街の北東山中(大原)にある天台宗の寺院。“東洋の宝石箱”と称賛された美しい苔の庭園(聚碧園)が有名で、紅葉時期や雪景色に包まれる冬は見事な景観となる。また、春先には、シダレザクラ、ソメイヨシノ、ヤマザクラなど約100本のサクラが咲き誇る。とくに奥の院のシダレザクラは圧巻。境内の外にも趣のあるサクラが点在しており、紅葉に彩られる秋や、雪に覆われた冬とは、違った魅力があり、四季を通じて多くの観光客の目を楽しませてくれる。京都・大原・三千院…といえば、恋に疲れた一人旅の女性を歌った場所でもあるが、ピンク色に染まるサクラの開花時期は、新しい恋の始まりをも予感させる華やかさに包まれる。
平安神宮(左京区) 朱塗りの神殿が美しい平安神宮の春を華麗に彩るのはベニシダレザクラ。開花時期は、桜前線に遅れること1週間程度で4月上旬となることが多く、4月15日の例祭には奉祝するかのように見ごろを迎える。八重咲きなので開花から2週間も見ごろが続く。園内は1万平方メートルに及ぶ回遊式庭園には、ソメイヨシノなど約300本が咲き、その中でもベニシダレザクラが約150本余りが綺麗に咲き誇る。文豪、谷崎潤一郎も『細雪』のなかで、「忽ち夕空にひろがっている紅の雲」を「一年待ち続けた」と著しているが、入口から南神苑へ入ると桜が空を覆い尽くす。夜はライトアップし、池周辺は鮮やかな彩りに包まれる。神苑の出口付近には、桜の花びらにちなんで ピンク色の紙でつくられた桜みくじ(はなみくじ)あり、そのおみくじを満開成就の結び木に結んでいくと、桜が咲いたように見えるという演出もある。
京都府立植物園  (左京区) 全国有数の公立総合植物園で大正13年に開園。園内には1万2000種類、12万本の植物が植栽、展示されており、四季折々に美しい花々が咲き誇る。桜は、早咲きの寒桜から4月下旬でも楽しめる八重桜の種類の菊桜まで、1カ月以上にわたり、約100品種500本が観賞できる。園内は正面花壇および観覧温室の北側一帯に広がるソメイヨシノと八重紅シダレを中心とした見事な群落が楽しめる。また、例年ソメイヨシノと真っ赤なチューリップの取り合わせの華やかさも見せてくれる。温室北側には自然林を残した半木(なからぎ)の森があり、山城盆地の植生がわかる。ほかにはツバキ園、バラ園、竹笹園などがある。
哲学の道(左京区) 哲学者西田幾太郎が思索にふけりながら歩いた小道で、銀閣寺から若王子神社前まで、約1.5キロの疎水べりの道をいう。昔は「思索の小径」と呼ばれていたものが、いつしか「哲学の道」と呼ばれるようになったとされており、1972年に正式な名称となった。日本の道100選にも選ばれている散歩道である。約440本の桜がのトンネルをつくり、花吹雪が舞う頃は格別の風情だ。この道の桜は、近くに居を構えた日本画家・橋本関雪(はしもとかんせつ)氏が画家として大成した報恩にと、夫人が1921年にソメイヨシノ300本、1932年に150本のソメイヨシノの苗木を京都市に寄贈したのに始まる。当初の木は樹齢が尽き関雪桜は100本以下に減ったという。そこで京都市では後世に残すため、接ぎ木で関雪桜クローン苗木を増やす作業を始めている。
岡崎疏水 (左京区) 南禅寺前の舟溜り乗船場から平安神宮鳥居前を通り、折り返しの夷川ダムに至る、片道約1.5キロメートルの疏水。春には両岸に植えられたソメイヨシノが一斉に咲き乱れ、多くの花見客でにぎわうが、せっかくなら混雑を避けてサクラを楽しみたい…という人には、見頃の時期限定で運航される十石舟で水上からの花見が楽しめる、約25分の遊覧「わかば回廊十石舟めぐり」がおすすめ。乗り場は京都市動物園近くにあり、15分毎(閑散時には30分~1時間毎)に一便運航。京都市動物園、京都市美術館、平安神宮の大鳥居などの人気スポットとともにサクラが楽しめるとあって人気が高く、待ち時間を節約するには、公式サイトからの事前予約(サイト予約手数料として1名につき別途108円がかかる)でチケットをおさえておくのが便利。3月下旬~4月上旬のライトアップ期間中は夜間も運航され、疏水に映り込む幻想的な景色を堪能することができる。
高瀬川(南区) 木屋町通(きやまちどおり)を流れる高瀬川沿は、四条から五条にかけては約200本の桜があり、約1kmの桜並木が続きます。この高瀬川は角倉了似によって1611(慶長16)年に工事着手し、3年の年月を経て二条通から伏見港を結ぶ約10㎞が開かれ、江戸時代から大正時代まで物流の大動脈としての役割を果たしました。現在は二条から九条を数百m下った所で鴨川へと合流している。周辺はバーや居酒屋の建ち並ぶ木屋町通りに沿って並ぶが、高瀬川沿いの四条から五条にかけて、大型照明60基による桜のライトアップが行われる。同じく高瀬川沿いの御池から二条にかけてもライトアップが行われます。
高台寺(東山区) 八坂神社からほど近い場所にある高台寺は、1606年(慶長11年)豊臣秀吉の正室北政所ねねが秀吉の菩提を弔うため創建。寺号は高台寿聖禅寺。伏見城の一部を移築、壮観を極めたが、応仁の乱などで火災に遭い、今は表門、開山堂、霊屋(おたまや)と茶室傘亭・時雨亭(いずれも重文)等を残す。秀吉と北政所の坐像を安置する霊屋内部に施された蒔絵文様は、「高台寺蒔絵」として有名。茶室傘亭の天井は、丸太と竹とで組んだ珍しいもので、時雨亭とともに桃山時代茶室建築の代表とされるが、春の境内には、その絢爛豪華な文化を象徴するかのようなサクラの花が咲き誇る。古くからコウダイジザクラが見られる寺として知られていたが、江戸後期から方丈の前に広がる「波心庭」のシダレザクラが有名となり、現在のシダレザクラは4代目。開花時にはライトアップされ夜間特別拝観もできるので、白砂に薄桃色が映えるたおやかな趣きを、心静かに鑑賞してみたい。
清水寺(東山区) 清水寺の開創は1,200余年前、奈良時代末の778(宝亀9)年。本尊は千手観音、開基(創立者)は延鎮である。もとは法相宗に属したが、現在は独立して北法相宗大本山を名乗る。西国三十三札所の16番札所。「清水の舞台」として知られる舞台造りの本堂は釘を使わず縦横に組まれた柱が見事。舞台の下方に音羽の滝、谷を隔てて安産祈願の子安の塔がある。約1000本の桜を約500基のライトを照らすライトアップは、東山随一の迫力。奥の院より本堂舞台を眺めると、舞台が桜の海に浮かんでいるように美しく、夜空にも光が放たれる。1994年、ユネスコの世界遺産にも登録された。
祗園白川(東山区) 白川は左京区北白川の山中に源があり、浄土寺、鹿ヶ谷、岡崎を経て祗園あたりで鴨川に合流する。白川に沿った細い石畳に千本格子のお茶屋が並ぶ祗園の白川南通は、夜には三味線の音が聞こえてくる花街情緒を色濃く残す一角。白川のほとりにソメイヨシノやシダレザクラと共にヤナギが植えられ、4月にはヤナギが芽吹き、桜が薄紅色の花を咲かせ、町並みにいっそうの彩りを添える。サクラの総数は43本だが満開時の10日間だけ夜にライトアップする。
円山公園(東山区) 明治十九年に造られ京都市では最も古い公園。八坂神社、知恩院、高台寺に囲まれ、ここでは京都市民の花見の宴会光景が見れる場所でもある。園内にはシダレザクラ、サトザクラ、ソメイヨシノなど約八百五十本が咲き誇り、なかでも中央に位置するシダレザクラ巨木は「祇園枝垂桜」と呼ばれ、京都を代表するシダレザクラとして親しまれている。この桜は二代目で、初代の桜は八坂神社が祇園感神院と呼ばれていた頃、その坊の一つ宝寿院の庭にあり、樹齢二百年余りで明治中頃には盛観を極めた。長く花の糸を引く見事さが人々の目を奪い「円山の枝垂桜」、「祇園の夜桜」として惜しまれながら昭和二十二年に枯死してしまう。現在のものは初代の桜から、苗木から育て、昭和二十四年に寄贈され植栽されたもの。この桜の正式な名前は「一重白彼岸枝垂桜」といい、樹齢五十年余り、樹高十二メートル、幹回り二、八メートル。寄贈した十六代目造園家の佐野藤右衛門が「桜守」として丹精に育て、今では誰でも魅了するほどの桜になっている。夜には、ライトアップされると、そこには桜を思う人々の深い情愛が込められているかのように、息を飲むほどに美しい。
醍醐寺(伏見区) 真言宗醍醐派の総本山・醍醐寺は、「醍醐の花見」と呼ばれるほど、サクラの名所としても知られている。毎年、3月末にサクラの花がほころび始め、4月には満開のサクラで彩られる。一山の総門から仁王門までの間を「桜の馬場」といい、春には道の両脇に植えられた桜並木をはじめ、シダレザクラ、ソメイヨシノ、ヤマザクラなど約1000本の桜が咲き誇る。醍醐寺は、慶長3年(1598)に、太閤・豊臣秀吉が秀頼、北政所、淀殿など約1300名を従えて、贅をつくした「醍醐の花見」を開いたことでも有名で、それにちなんで4月第2日曜には「豊太閤花見行列」を開催している。春の彼岸に憲深林苑で咲き始めるカワヅサクラを皮切りに、三宝院のオオベニシダレ、金堂わきのオオヤマザクラが咲き終わるまで約3週間、醍醐寺では様々なサクラが咲き誇り、厳かさと華やかさが味わえる。
山科疎水(山科) 琵琶湖にある水を京都に引くため作られたもの。掘削された琵琶湖疏水は明治時代に作られ、このうち山科を通る「山科疎水」沿い2kmは遊歩道として整備されている。この遊歩道は周囲の自然に溶け込み、「疎水の自然」ともいうべき景観をつくりあげているが、春はサクラ、秋は紅葉が美しい散策スポットとして、四季を通じて植物や野鳥観察を楽しむことができる。遊歩道にはソメイヨシノやヤマザクラなどが植えられ、花見シーズンには、どこまでも続く桜並木がトンネルを形成し、桜霞の幻想的な雰囲気に包まれる。のんびりと散歩をしながら水とサクラが織りなす光景、また菜の花も同じ時季に咲くので、サクラと菜の花の調和も風情がある。道沿いには樹木に覆われた天智天皇陵、安祥寺、少し足をのばせば毘沙門堂などもあって、のんびり散策を楽しめる、比較的観光客の少ない穴場的スポットだ。
毘沙門堂(山科) 天台宗の門跡寺院であり、本尊の毘沙門天は京の七福神のひとつに数えられる。創建は大宝3年(703年)。かつては上京区出雲路にあったが、応仁の乱で廃絶。天海大僧正とその弟子である公海大僧正によって寛文5年(1665年)に現在地に再興され、後西天皇の皇子が入寺して門跡寺院となり、以後、代々法親王が住持する。円山応挙作の筆になる鯉の絵や、狩野益信作の宸殿(しんでん)の襖絵など見どころが多いが、春のサクラもそのひとつ。樹齢約150年の古木である宸殿前のシダレザクラは、江戸時代前期に上京区からこの地に移植された樹から数えて5代目。毘沙門しだれ(別名「般若桜」)と呼ばれ、高さこそ10メートルとさほどではものの、枝張りが30メートルという見事なもの。満開の時期には、古びた霊殿が艶やかなサクラに彩られ、何とも言えない趣きを醸し出す。毎年4月はじめに開催される「観桜会」では、毘沙門しだれを鑑賞しながら、琴の演奏とお抹茶を楽しめる。
宇治橋上流(宇治市) 日本最古の橋である宇治橋上流の宇治川の河岸は花見スポットとしても人気で、毎年春になると、シダレザクラ、ソメイヨシノ、ボタンザクラなど約2000本が咲き競い、川の両岸を埋め尽くす。宇治公園の島一帯で4月初めに開催される「宇治川さくらまつり」では、陶器市やお茶席、宇治の名産品販売、伏見の銘酒試飲などのブースが多数出店。人気のゆるキャラたちも登場し、家族連れなど10万人を超える人出でにぎわう。周辺には、10円硬貨の裏面にも描かれている「鳳凰堂」で知られる「平等院」や、日本最古の神社建築として知られる本殿で有名な「宇治上神社」などの名所が数多く点在。花見を兼ねて観光を楽しむことができる他、「宇治市植物公園」では、樹齢70年のシダレザクラの開花期間、ライトアップ時間帯限定で入場無料になるので、円山公園のものと血縁関係にあるといわれる名木の夜桜を見に、散策がてら立ち寄ってみては。
笠置山自然公園  (笠置町) JR関西本線の笠置駅で下車し、5分ほど歩けば、そこはもう「サクラの名所」。眼下に流れる木津川沿いは「さくら名所100選」にも選ばれている。サクラが見ごろとなる時期には「笠置さくらまつり」が開催される。満開の桜の中で特産品の販売や音楽会で訪れる人を楽しませてくれる。また、4月上旬から中旬にかけては、午後6時から9時までライトアップされる夜桜も圧巻。笠置町は府立笠置山自然公園があることでも知られている。木津川の南岸にそびえる標高288メートルの笠置山上に位置し、1300年の歴史を誇る笠置寺の境内にある公園で、アカラシやクヌギ、アオキなどが自生し、ほぼ全山が広葉樹におおわれている。春はサクラの見物の名所であると同時に、ハイキングに訪れた人たちでにぎわう。笠置の名は、飛鳥時代にまでさかのぼる。大海人皇子がこの地で狩りを楽しんでいたときに鹿があらわれた。その鹿を追いかけた皇子が馬ごと岸壁から落ちそうになったとき、山の神に助けを求める。「助けてもらえれば岸壁に弥勒仏の像を彫る」と祈願したのだ。皇子は無事に助かり、祈願した場所を忘れないために笠をそこに置いて帰る。翌日、弥勒仏を彫るために再び山を訪れた皇子の前に白鷺があらわれ、皇子を道案内する。それにちなんで、皇子が笠を置いた石を笠置石、山を鹿鷺山と呼ぶようになったというもの。
大阪城(大阪市) 市内に残る唯一の史跡公園で、広大な敷地に豊かな緑が広がる。地元では「太閤はんのお城」と親しみを込めて呼ばれる。城内には天守閣を始め大手門、千貫櫓、火硝蔵など13棟の重要文化財や、梅林、西の丸庭園などがある。大阪城の顔とも言える天守閣は、豊臣秀吉の築城後、戦火や災害で焼失したが、昭和6年に復元された。サクラは園内の西側にある外堀と内掘りに囲まれた西の丸公園を中心に、約4300本が楽しめる。また、西の丸庭園にはソメイヨシノを中心に約300本が植えられている。ここは6.5ha の広大な土地は芝生が敷き詰められ、都会の 喧騒からからは考えられない程 、静寂で落ち着いる。また、大阪城天守閣は西の丸庭園から見る姿が一番美しいといわれており、春先は桜越しに眺められる光景は、まさに日本三大名城と言われる風格を見せてくれる。例年、4月上旬 「観桜ナイター」として7日間、ぼんぼりやスポットライトでライトアップが行われ、天守閣を背景に美しい夜桜が楽しめる。
毛馬桜之宮公園   (大阪市) 大阪市都島区・北区にある、大川沿岸の公園。1939年(昭和14)に開園。上流の毛馬洗堰(けまあらいぜき)から下流の天満(てんま)橋までの沿岸4.2キロほど。天満橋から桜之宮橋(銀橋)あたりを中心に、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、サトザクラなど約4,800本が植えられており、花見客でにぎわう。サクラが見頃を迎える1週間には夜桜を楽しめるライトアップの「観桜ナイター」を実施。夕景と共に川の水面には美しい夜景が映し出され、アクアランナー「水上バス」や遊覧船が行き交う光景も楽しめる。また露店も数多く並び、大阪らしい喧騒の花見も満喫できる。また、ソメイヨシノが散った後に、サトザクラなどが満開になる対岸の造幣局のサクラ並木は「通り抜け」として知られ、こちらはゆっくり歩きながら桜が楽しめる。
桜の通り抜け    (大阪市) 独立行政法人造幣局の淀川寄りの南門から北門にかけての560メートルに、約120品種350本もの桜が植えられている。毎年4月の中旬から一週間だけ公開され、南門から一方通行で桜を見学することから「通り抜け」の名がついた。桜の大半は遅咲きの八重桜で珍しい品種も多い。夜間は、ボンボリの灯りで見事な夜桜が楽しめる。大阪でもソメイヨシノの桜が散った4月中旬の頃に楽しめるので、その年の桜を見逃した人も、ココなら後から見られるので安心かも。年に1度、それも1週間だけ一般公開されるので、まさに貴重価値がある。それもサトザクラを中心に約120品種。また、紅手毬、大手毬、小手毬及び養老桜など他ではめったに見られない品種もあり、種類が多いので花の艶やかさはこのうえない。明治16年に開始した「通り抜け」も100年を越え、大阪の代表的な春の風物詩になっている。地方からも一度は足を運んでみるだけの価値はある。
枚岡公園(東大阪市) 東大阪最大のサクラの名所として知られる枚岡公園は、金剛生駒紀泉国定公園に指定されている生駒山系の山麓に位置する額田山と枚岡山の麓に広がっている。大阪市内から電車で約30分というアクセスの良さもあって、市民にとっては都会の喧騒を忘れさせてくれる身近なオアシスのような公園だ。枚岡公園の名物といえば、約350本の梅が咲き誇る「枚岡梅林」で、春を告げるのが梅の香りと花。そして、その後に続くのがヤマザクラやソメイヨシノで、山の斜面に位置している桜広場は、一面がサクラ色で覆われる。散策路も整備されているので、ハイキング気分で枚岡山・額田山両展望台まで足を伸ばせば、サクラと大阪平野を一望することができる。春の訪れを告げるウメ、そして約300本のサクラ、夏はクヌギやコナラなどの新緑、秋は暗渓沿いの紅葉、冬は見事な雪景色と、季節を問わず自然を満喫できる、ファミリーでの花見に最適の公園である。
五月山公園(池田市) サクラやツツジ、紅葉の名所として知られる五月山公園は、池田市の北西部に位置する標高約315mの五月山を中心に広がる自然公園。展望台からは池田市街や猪名川を望むことができ、公園の入口から山頂の日の丸展望台までのいたるところで、ソメイヨシノやヤマザクラが咲き誇り、見事な景観となる。ドライブウェイでは車窓からもサクラを堪能することができ、山の斜面が一面ピンク色に染まる満開の時期のドライブは最高だ。また開花にあわせてちょうちんが灯り、夜桜見物も楽しめる。公園内には“世界一ハートのある動物園”がキャッチフレーズの五月山動物園(無料・火曜休園)もあり、子ども連れのファミリーにも人気が高い。オーストラリアの珍獣ウォンバットや話題のアルパカなど約60頭を飼育しており、園内にはタスマニア広場やふれあい動物園もある。サクラを愛でながら、動物たちとも触れ合えるユニークな花見スポットだ。
万博記念公園    (吹田市) 昭和45年(1970)に開催された日本万国博覧会会場跡地を文化公園として整備した公園で、約260万㎡もの広大な敷地には、緑豊かな自然文化園や日本庭園をはじめ、スポーツ、文化施設が揃い、市民の憩いの場となっている。また「日本さくら名所100選」に選ばれているようにサクラの名所としての顔も持つ。3月中旬には自然文化園付近のシダレザクラが開花を始め、4月下旬からは5,500本のうちの約半数を占めるソメイヨシノが一斉に開花し、園内をピンク色に染め上げる。さらに4月上旬になると太陽の塔付近でオオシマザクラが、中旬になると日本庭園でヤエザクラが咲き誇るというように、長い期間に渡ってサクラを楽しめるのも万博記念公園の特徴だ。桜まつり期間中は夜間ライトアップもあり、桜の美しさをたっぷりと満喫できる。日中の華やかなサクラ、ライトに照らされた艶やかな夜桜、どちらも見応え十分で、昼と夜で全く違う桜を見ることができるのも、万博記念公園のお花見の楽しみ方の一つだ。
摂津峡公園(高槻市) 摂津峡公園は芥川上流に広がる断崖・奇岩・滝が連なる摂津峡の風致公園で、府の名勝にも指定されている。桜と紅葉の名所としても知られ、公園全体には約3000本のソメイヨシノが植えられ、春には雄大な渓谷美と、優美なサクラのコントラストに目を奪われる。公園南側の桜広場は野外ステージのほか遊具施設も設置されていて、家族連れが楽しめる広場になっている。3月下旬から4月上旬には、桜広場に植えられた約230本の桜が見頃を迎え、多くの花見客で賑わい、毎年さくら祭りも開催されている。公園全体が自然の散策休息地で、幼児、児童のプレイコーナーや野外劇場などもあり、広く市民に親しまれている。また、敷地内の一部には、青少年レクリエーション施設としてキャンプ場も設置され、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉と四季折々に姿を変える自然美を堪能出来るスポットだ。
勝尾寺(箕面市) 勝運の寺」として昔から知られ、「勝ダルマ」を授かりに信者を始め全国から日々参拝者が日々絶えない。また、この寺は、遅咲きのサクラの名所としても有名だ。市街地のサクラが散り始めた頃、8万坪の広大な境内植えられたサクラが満開を迎える。3月のカンヒザクラから始まり、シダレザクラ、サトザクラ、ヤマザクラなどさまざまな桜の花で埋め尽くされるが、とくに山門横のシダレザクラが満開となれば、幹すら見えないほど、一面が薄紅色で覆われる。大阪平野の真北に位置し、数千年の昔より山自体のもつ霊力によって無類の聖地として崇拝されてきた「勝運の寺」は、緑に映える山門と可憐なシダレザクラが、参拝者をあたたかく迎えてくれる。数種類のサクラと自然が織りなすコントラストは、さながら一幅の絵画を見ているようだ。
弘川寺(河南町) 大阪府南河内郡にある真言宗のお寺。毎年4月中旬に見ごろになる樹齢350年の天然記念物のバラ科のカイドウ(海棠)が有名で、桜の名所としても知られている。ヤマザクラ、ソメイヨシノ、ヤエザクラ、カスミザクラ、シダレザクラなど、約1,500本の桜が植えられていて、弘川寺さくらまつりも開催される。まつり前日と当日にはライトアップされ、幻想的な夜桜も楽しめる。西行法師終焉の地として知られる弘川寺は、役行者の開基でその自作といわれる薬師如来像を本尊とし、天武朝期に勅願寺となり行基や空海もここで修行したと伝えられている。また境内には西行記念館があり、西行直筆といわれる掛け軸をはじめ、西行法師にまつわる数多くの資料も展示されている。歴史に触れながらの花見も、この寺ならではの味わいだ。
観心寺(河内長野市) 金剛山の西側に位置する観心寺は、深い森を背後にした、国宝・重要文化財が多い南朝のゆかりの寺。金堂は室町時代初期に建立され、大阪府下最古の国宝建造物である。また本尊は国宝・如意輪観音菩薩像で平安時代初期の最高傑作、密教美術の傑作と評されている。修験道の開祖・役行者が開き、弘法大師が再興したといわれ、ウメ、約200本のサクラをはじめ、ツツジ、モミジ、ツバキなど四季各々の花木が美しい“花の寺”としても有名だ。4月の声を聞くと、山門近くのサクラが春を謳いあげるように花を咲かせる。サクラに彩られた山門をくぐると、歴史情緒あふれる花景色が広がり、その美しさにしばしうっとり。国宝の金堂や珍しい建掛塔なども必見で、寺格の高さがしのばれる古刹で、落ち着いたサクラ見物が楽しめる。
奈良公園(奈良市) 大仏と緑と鹿」で代表される奈良公園は、古都・奈良の顔。約660ヘクタールの広大な地域にまたがり、貴重な歴史的文化遺産を包蔵する東大寺、興福寺、 春日大社、国立博物館、正倉院などをとりまく雄大な歴史公園。公園内には約1200頭のシカ(天然記念物)が生息している。この奈良の顔でもある公園が、春にはヒガンザクラ、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、ナラノココノエザクラ(奈良九重桜)、ナラノヤエザクラなど約1700本が順次開花し、ピンク色に染まる。和歌にも詠まれたナラノヤエザクラは、大正12年(1923)に天然記念物に指定されたものを培養し、園内各地に植栽したもの。木々に映える堂塔伽藍、若草に萌える芝生、シカの群れ遊ぶ風情など、他では味わえない春の景観が楽しめる。
月ケ瀬湖畔(奈良市) 昭和42年に造られた高山ダムによってできた月ヶ瀬湖は、金沢の兼六園、奈良公園とともに日本で最初の名勝に指定された月ヶ瀬梅林がある梅の名所として知られている。その梅に負けず劣らずの見事な景観を見せてくれるのが、湖畔沿いおよそ5㎞にわたって湖を取り囲むように植えられた約2000本のサクラ。開花時期には、まるでピンクのリボンのように湖畔を包み込む。とくに湖にかけられた赤い吊り橋の月ケ瀬橋とのコントラストが見事で、周囲の緑、湖の青さと相まって一層鮮やかに映る。「月ケ瀬湖畔桜まつり」が開催されると、夜には八幡橋付近がライトアップされ、サクラウォークやバザー、餅の振る舞い、特産品の販売などが行われる。
吉野山(吉野町) 峰連山の北の端から南に8キロつづく尾根が吉野山。修験道の寺などに南北朝時代の史跡も多く、2004年には吉野山を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」が、ユネスコの世界遺産に認定された。古来より桜の名所として知られ、シロヤマザクラを中心に約200種およそ3万本もの桜が植えられている。”一目に千本見える豪華さ”という意味で「一目千本」とも言われている。桜が咲く場所を下千本(しもせんぼん)、中千本(なかせんぼん)、上千本(かみせんぼん)、奥千本(おくせんぼん)と呼ばれており、例年4月初旬から末にかけて約1カ月に渡り、下、中、上、奥千本の順番に山下から山上へと順に開花して優雅な彩りを見せてくれる。山の斜面になるが桜並木が続く、散策コースが豊富なのが魅力。また、最近では、桜の開花に合わせて夜桜のライトアップも行われている。
郡山城跡      (大和郡山市) 大和郡山のシンボルとして親しまれる大和郡山城は、10世紀後半頃、郡山衆が初期のものを築き、1580年、戦国大名筒井順慶が築城したものとされている。城跡一体には濠を囲むようにしてソメイヨシノなどが約1000本植えられており、奈良県では吉野山、奈良公園に次ぐ有名な桜の名所。3月下旬から4月上旬には「お城まつり」が行われ、およそ30万人の人が訪れる。満開時の土日ともなると人で溢れ、通路などはなかなか前へ進めないほど込み合うほどの人気。期間中は夜には夜桜が楽しめるように約600本の提灯が灯り、城跡全体がピンク色に染まる。他にも出店や市民パレードなど、さまざまなイベントが行われる。天守跡の石垣を包むようにサクラが咲き乱れ、濠の水面を覗き込むようにサクラが垂れ下がって咲く美しさは、何度訪れても飽きることはない。城跡一帯に植えられたサクラは「日本さくら名所100選」にも選ばれ、歴史情緒に浸りながら花見を楽しみたい。
石上神宮外苑公園  (天理市) 日本最古の神社の一つで、武門の棟梁たる物部氏の総氏神として古代信仰の中でも特に異彩を放ち、健康長寿、病気平癒、除災招福、百事成就の守護神として信仰されてきたのが石上神宮である。大和盆地の中央東寄り、龍王山の西の麓、布留山の北西麓の高台に鎮座し、境内はうっそうとした常緑樹に囲まれ、いにしえの姿を今に残している。北方には布留川が流れ、周辺は古墳密集地帯として知られている。正面参道を出た左側に石上神宮外苑公園が広がり、春には約500本のソメイヨシノが咲き誇る。公園内の樹木はほとんどがソメイヨシノで、満開時には多くの花見客も訪れる。また、3月下旬から4月上旬にかけて「天理桜・ライトアップ」を実施。夜には桜並木や公園内が風雅なぼんぼりで照らされ、風情たっぷりの夜桜を散策をしながら楽しむことができる。
談山神社(桜井市) 談山神社というネーミングの由来は、藤原鎌足が中大兄皇子と蘇我入鹿を滅ぼすための謀を談じた山にあることからといわれている。現代風にいえば、“大化の改新談合の地”ということになろうか。木造としては現存する唯一の十三重塔をはじめ、三間社春日造りの本殿ほか、朱塗りの華やかな社殿が立ち並ぶ。境内はサクラと紅葉の名所として知られ、春は約500本のヤマザクラやソメイヨシノが咲き誇る。神社のある多武峰は、近世から吉野・長谷につづくサクラの名所として知られ、境内に点在する社殿とサクラとの調和の美しさは多くの人が認めるところ。また、桜井市指定の天然記念物で樹齢600年の名木・ウスズミザクラも一見の価値がある。サクラが見ごろとなる4月第2日曜に春の大祭とも呼ばれる神幸祭が行われ、4月29日には優雅な蹴鞠会も披露される。
佛隆寺の千年桜  (宇陀市) 佛隆寺は室生寺の南門として、空海の高弟・堅恵が創建したとされる古刹。参道の石段に、威勢よく枝を張った樹齢950年といわれている根周り約8m、高さ16mもあるモチヅキザクラの古木があり、春には石段を覆うように咲き誇り「千年桜」と呼ばれる。モチヅキザクラの花は白から薄い桜色で、花弁は五枚一重で小輪の珍しい種類。このサクラが花を咲かせる4月第3日曜には、千年桜の下で参加者のみんなが桜守となり、親しみを持って集う「佛隆寺千年桜の花見会」が開かれる。自然の中で歴史に触れる春の催しで、地元のバザーや手作りコンサートなども開かれるほか、開花に合わせて夜にはライトアップもされる。また、佛隆寺は大和茶の発祥の地としても知られるが、空海が帰朝した際に持ち帰ったお茶を、境内で栽培したことが始まりとされ、貴重な茶臼も残されている。
又兵衛桜(宇陀市) 奈良県の北東部に位置し、宇蛇川の上流にある大宇蛇町にある巨木は、NHKの大河ドラマ「葵・徳川三代」のオープニングに登場し、一躍有名になった桜。樹齢約三百年、樹高十三メートル、幹回り約三メートルほどのシダレザクラで、地元では「瀧桜」とも呼ばれている。この桜の名前の由来になった戦国時代の武将、後藤又兵衛は、地元の言い伝えでは大阪夏の陣で豊臣方についたが、敗退し再挙兵の希望を持ちながら城中より逃げ落ち、紀州を廻って知人を頼り、当地の大宇蛇へたどり着いたという。傷を癒し豊臣家の再興を待ったが、後に僧侶になり晩年を過ごした。地元の後藤家の屋敷跡に桜が生えていることから現在の名が付いたという。だが、歴史的には大阪夏の陣の初日に、道明寺河原で銃弾に倒れ、その生涯を閉じている。では、実際にこの地へと来た又兵衛とは誰なのか、地元では言い伝えなので確証は取れないが、近くにある薬師寺には又兵衛の墓までも存在する。それは源義経伝説のように、死なせたくないという民衆の願いがそのまま彼を生き返らせ、この地に根づかせたのかもしれない。そんな過去も忘れさせるように桜はライトアップされ、滝のような垂れが妖艶に浮かび上がる。
長等公園(滋賀県) 大津市の市街地に接する長等山麓に、明治35年(1902年)、滋賀県初の都市型公園として開園した長等公園。園内の桜広場には、平清盛の異母弟、平忠度が都落ちの際に詠んだといわれる「さゞ浪や しが(滋賀)の都は あれにしを むかしながら(長等)の 山ざくらかな」の歌碑が立ち、いにしえから知られたこの地域のサクラの美しさを今に伝えている。現在では、ヤマザクラ、ソメイヨシノ、ヤエザクラなど約900本のサクラが植えられ、時期を少しずつずらして開花し、山を染め上げていく。中腹から麓までの自然の地形を生かし、山の風情を残した約9ヘクタールの公園は近隣の住民に親しまれ、昼下がり、ベビーカーを押したママ友が穏やかに談笑しながらサクラの下をゆっくり散策するなど、花見の喧騒とはかけ離れた静かなサクラ鑑賞が楽しめる。展望台からは琵琶湖南湖を一望。また近隣には、同じくサクラの名所として知られる天台寺門宗の総本山・三井寺がある。
琵琶湖疏水(滋賀県) 国の近代化産業遺産に登録されている琵琶湖疏水は、琵琶湖の取水口から山科・蹴上を経て京都市内に続く運河。滋賀~京都間の通船、水力発電、飲料水の供給など多様な目的で計画された明治期の画期的な土木工事で、5年の歳月をかけて明治23年(1890年)に完成(第二疏水は明治45年完成)、現在も主に上水道として活用されている。取水口から第一トンネルまでの疏水沿いの両岸には、ヤマザクラを中心にサクラが約660本植えられ、春になると満開のサクラに彩られた遊歩道をゆったり散策する花見客でにぎわう。遊歩道の途中には菜の花とサクラのコラボなど印象的な風景も。なかでも絶景ポイントとして知られるのが、関西屈指のサクラの名所・三井寺(園城寺)の観音堂下の第一トンネル付近。三井寺境内を埋め尽くすように咲くサクラとの共演が素晴らしい。また夜は、三井寺と疏水それぞれのライトアップの相乗効果で重層的かつ幻想的な光景に出会える。
三井寺(滋賀県) 琵琶湖の南西、比叡山に連なる長等山(ながらさん)の中腹に広がる天台門宗の総本山。「三井寺」の名で知られる園城寺は、今から1300年前の壬申の乱にて敗れた大友皇子の霊を弔うために創建され、平安時代に智証大師円珍和尚により天台別院として中興された。広大な伽藍を構成する堂宇の多くが国宝や重要文化財。山の緑に囲まれた境内は、春になるとヤマザクラ、ソメイヨシノを中心に1000本余りのサクラで淡いピンク色に染まる。疏水にかかる石橋「鹿関橋」からの眺め、国宝金堂付近の参道の堂々たる古木のサクラ並木など、見どころは尽きない。釈迦堂の庭園では桜花爛漫の日だまりの中、三井古流煎茶道家元によるお茶会が催される。また開花期間中、境内全域をライトアップ。そのまばゆい光に包まれて、観音堂前展望広場で毎年開催される「三井寺夜桜コンサート」は、大津市の春の一大イベントとして定着している。
国宝彦根城(滋賀県) 彦根城は、初代の井伊直政から14代にわたり彦根藩主を務めた井伊氏の居城。天守が現存する12城のうちのひとつで、天守が国宝に指定されている他、重要文化財の各櫓、下屋敷の庭園である「玄宮園」、内堀・中堀が当時の美観を留めていることから、城域一帯は国の特別史跡とされている。城が最も美しい彩りを見せるのが春。内堀、中堀と二重に巡らされたお堀沿いを中心に1200本ものソメイヨシノが城を包み込むように咲き誇る。天守の最上階からは、サクラの海に染まる西の丸とその先に広がる琵琶湖が一望のもとに。夜間はお堀沿いを中心にぼんぼりでライトアップ。夜空に浮かび上がるサクラが、櫓の白壁や石垣とともに鏡面のような水面にくっきり映り込む幽玄の美を堪能できる。屋形船や人力車を利用してのお花見もおすすめ。特に、井伊家ゆかりのクラシカルな「御好屋形船」で、枝を伸ばすサクラを間近に見る「お堀巡り」は、大名の優雅な気分を味わえて人気。
豊公園(滋賀県) 豊臣秀吉の居城であった長浜城の城跡に明治42年(1909年)につくられた総合公園。琵琶湖畔に広がる公園内には、長浜城の天守を模して再興された「長浜城歴史博物館」をはじめ、音楽が流れる洋風庭園や噴水、児童公園、小動物舎、プール、テニスコートなどがあり、市民の憩いの場となっている。サクラをこよなく愛した秀吉にふさわしく、春になると天守の周りは満開のサクラで埋め尽くされ、日本の「さくら名所100選」に選ばれている。園内を散策しながら天守とサクラのコラボをさまざまな角度から見上げたり、サクラの下でシートを広げてのんびりお弁当を食べたり、天守の展望台からピンクの花霞の果てに広がる琵琶湖を眺めたり、湖畔に下りて水辺で遊んだりと、楽しみ方はさまざま。時間があれば、「日本の夕陽百景」にも選ばれている豊公園からの琵琶湖の夕景、ぼんぼりの灯りに照らされた風情ある夜桜見物も楽しみたい。
海津大崎(滋賀県) 琵琶湖の北西部に位置する海津大崎は、湖にせり出した岩礁地帯で、琵琶湖八景のひとつに数えられる景勝地。樹齢70年余りの古木から次世代に引き継ぐ若木まで約800本のソメイヨシノが、琵琶湖岸4キロにわたり桜のトンネルをつくり、日本の「さくら名所100選」にも選ばれている。特筆すべきは、湖にせり出すように咲くサクラと湖面の碧とのコントラストの美しさ。サクラの花越しに、竹生島の風情ある風景を見ることもできる。梅津大崎並木口から湖岸沿いは全長2キロの遊歩道が整備され、ごつごつした岩礁や丸い小石の浜など、湖岸の表情の変化と併せて散策が楽しめる。また、屋型船から優雅な大型船まで、湖上からサクラを鑑賞できるお花見船も多数運航される(要予約)。並木道の花見ドライブも可能だが、花見シーズン中の土・日は一方通行の規制あり。冬は豪雪地帯となるため、近畿圏では遅咲きのサクラとなる。「京都の円山公園より1週間ほど遅め」を目安に。
延命公園(滋賀県) 琵琶湖の湖東地方を南北に貫く御代参街道と、東西に横切る八風街道が交わるところに位置する東近江市八日市界隈は、古くから市場町として栄えた土地柄だ。延命公園は、その市街地に近接する小高い延命山の中腹に整備された公園。緑に囲まれた自然豊かな公園は、市街地越しに鈴鹿山脈まで見渡せる眺望が自慢。普段は散策に適した静かな園内が、4月上旬、約1000本のソメイヨシノが一斉に開花し、山をピンクに染め上げると一気に華やいだ雰囲気になる。若い木も多く、力強く花を咲かせているのが印象的。開花期間中の18時~21時までぼんぼりが点灯され、夜桜見物が楽しめる。宴会組が少なく、デート向きの穴場的名所。また、園内から近江鉄道の線路が見下ろせるスポットがあり、電車とサクラのコラボを撮影する鉄道ファンの姿も。
姫路城(兵庫県) 天下の名城として知られ、1931年(昭和6年)に国宝に指定され、平成5年12月、奈良の法隆寺とともに世界文化遺産にも我が国の木造建築の最高の位置にあることから、登録されている。現在の姫路城は、慶長6年(1601年)から8年の歳月をかけ池田輝政が建てたもの。大天守と三つの小天守からなる天守閣を構えて優雅な装いを見せる。春は約1000本の桜の花が咲き、絢爛たる風景で人々を酔わせる。また期間中には三の丸広場で恒例の姫路城観桜会・お花見太鼓が開催。琴の大演奏や勇壮な和太鼓演奏も楽しめる。また、姫路城の大天守は、慶長14(1609)年に建築されたもので、400年以上が経過した現在でも、その美しい姿を残しており、平成21年に「平成の修理」が行われ、昔の白さが蘇ったとも言われる。
神戸市立王子動物園(兵庫県) ジャイアントパンダとコアラを同じ園内で見ることができる唯一の動物園で、世界各地の約130種800点の動物が飼育されている。キリンと同じ目線で見られる「きりんテラス」や、トラやライオンなどのいる「円形猛獣舎」も人気だが、サクラの名所としても有名で、約480本のソメイヨシノが一斉に花を咲かせると、多くの花見客でにぎわう。なかでも園内にある国指定重要文化財の異人館「旧ハンター住宅」周辺に咲くサクラが見事。神戸の開花情報に使われる標準木もあり、開花の時期が近づくと、市民の“なんちゃって開花予想士”が、熱心に観察する姿も見られる。また、4月上旬の3日間、「夜桜通り抜け」が閉園後の園内で開催される。この「夜桜通り抜け」は1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災で被災された方々を励ますために、1998年(平成10年)から始まった。昼間の可憐な薄ピンク色と異なり、ライトアップされた夜の妖艶なサクラの表情も魅力いっぱいだ。
明石公園(兵庫県) 明石城跡に造られた県立公園で、敷地面積は約55万㎡にも及ぶ。その広々とした園内は、樹木や花が豊富で、市街地にありながら四季折々の自然に触れ合うことができ、市民憩いの場として親しまれている。全国「さくらの名所100選の地」にも選ばれたサクラの名所でもあり、3月下旬から4月上旬にかけて、剛ノ池周辺の約1000本のソメイヨシノが見事なまでに咲き誇る。サクラが開花すると、たくさんの見物客が押し寄せ、公園全体が華やかさに包まれる。明石城は元和6年(1620)、徳川家康の曾孫にあたる小笠原忠真が築城。明治維新で大半は取り壊されたが、白亜の巽櫓と坤櫓が残されている。平成12年(2000)春には両櫓を結ぶ土塀を100年ぶりに復元、美しい姿が蘇った。その本丸跡の櫓に彩りを添えるのが、春の訪れを告げる薄桃色の可憐な花びらだ。
凪川河川敷緑地(兵庫県) 谷崎潤一郎をはじめ中村憲吉など多くの作家や画家たちが居を定め、数多くの作品にも登場する閑静な住宅街・夙川。この町を南北4㎞にわたって流れる夙川の河川敷沿緑地に、公園が整備されたが、ここは阪神間屈指のサクラの名所として知られている。両岸に約2300本のソメイヨシノ、ヤマザクラ、オオシマザクラが植えられ、満開時期には、まるでサクラのトンネルのようになる。夙川の中でもとくに見応えのある桜並木は、阪急夙川駅から北側。夙川駅から上流の銀水橋までの区間は、夙川を埋め尽くすほどの桜が植えられており、かつては露店もたくさん軒を並べていた。ピークとなる4月上旬には、西宮さくら祭も開催され、多くの花見客が訪れる。「日本さくら名所100選」、「日本の歴史公園100選」、「美しい日本の歴史的風土準100選」にも選定されている、まさに神戸市民のオアシスでもある。

日岡山公園(兵庫県) 春になると、ソメイヨシノ、カンヒザクラ、オオシマザクラなど約1500本の桜が一斉に咲き誇る市内最大のお花見スポット。日岡山管理事務所横から北へ桜並木が続き、満開時には桜色のトンネルのようになる。夜には約300本のぼんぼりが点灯(3月下旬から5月上旬)し、味わいのある夜桜を楽しむ多くの見物客でにぎわう。4月下旬頃からはヒラドツツジ、キリシマツツジ、モチツツジ、ヤマツツジなども花を咲かせ、ツツジとサクラが公園一帯に咲き誇る。日岡山公園一帯は、岡山古墳群と呼ばれ、日岡御陵をはじめ5基の前方後円墳が分布している。35.8haの広大な敷地には、グラウンド、野球場、プールを完備したスポーツセンターや武道館もあり、スポーツエリアとしても充実し、近くには安産祈願で有名な日岡神社がある。
赤穂御崎 (兵庫県) 海の幸と一年中レジャーで楽しめる観光スポット。瀬戸内海国立公園内にあり、赤穂御崎から望む夕日は「日本の夕陽百選」にも選定されているほどの絶景で、とくにサクラの季節には播磨灘に面した観光道路や東御崎公園に咲き乱れる約1700本のソメイヨシノと海のコントラストで、その美しさが一層際立つ。まさに一幅の絵のような趣だ。御崎への登りは、サクラのアーチがお出迎えといった、まさにサクラで埋め尽くされるこの時期、播州赤穂義士太鼓の演奏・カラオケ大会・大ビンゴ大会などが盛り込まれた「赤穂御崎さくらまつり」が開催。またお花見シーズンには東御崎展望台でちょうちんによる夜桜観賞も可能となり、瀬戸内海を背景に咲き誇るサクラを存分に楽しみたい。また近くには、優れた泉質の「よみがえりの湯・赤穂温泉」もあり日帰り入浴もできるのであわせて楽しむのがオススメ。
日笠山(兵庫県) 播磨灘を一望できるため、瀬戸内の風光明媚なたたずまいを見せてくれるハイキングコースとして、市民から親しまれている。またサクラ、とくにボタンザクラの名所として知られていて、花見シーズンともなると、多くの人が訪れる。日笠山は“山”といっても標高62m、地元民に親しまれている小高い丘といった印象。しかし日笠山から見る景色はとってもきれい。瀬戸内海の海や、瀬戸内の島々が見え、ベンチに腰掛けてお弁当をひらくなど、ハイキングを楽しむ市民も多い。貝塚、古墳、石仏、菅原道真に関する伝説や、万葉集にも歌われている由緒ある場所でもあるが、すっかり荒れ果て、ボタンザクラの名所も危機的状態に陥ったことがある。そのピンチを救ったのが、山好き、畑好きの仲間たち約10名で、5年の歳月をかけ、荒れた山を整地し、ノジギクの大群落の出現と、サクラの復活を果たしたのだ。広さ4000㎡の段々畑は、春は今では約1000本のソメイヨシノでピンク色に、秋はノジギクで真っ白になり、訪れる人の目を楽しませている。
鹿島・扇平自然公園(兵庫県) 高御位山の西にある自然公園で、春には約2000本のソメイヨシノをはじめ、ヤマザクラ、ヤエザクラなどが咲き乱れ、隣接する鹿嶋神社の境内や参道も花見客で賑わう。夏は新緑、秋は紅葉と標高304メートルの高御位山を背景にした自然露出岩とのコントラストも見事な眺望で、参道から鹿島神社の石段まで続くサクラのトンネル、背景となる高御位山の緑にピンクのサクラが美しく映え、高御位山を源とする鹿島川沿いの桜も見事だ。広大な園内には展望台、児童遊園、ハイキングコースなどがあり、訪れる人に潤いとやすらぎを与えている。
樽見の大桜(兵庫県) 国の天然記念物に指定されている県下最大のエドヒガンザクラで、樹高13.8m、幹回りは6.3m、樹齢は1000年を越えるといわれる全国でも十指に入る貴重な老木。地元の人々からは「仙桜」とも呼ばれているこの大桜、その昔、出石藩主・小出備前守が花見や、句会を開いたとされる、歴史あるサクラの名所。昔から「山の神の依代」と信仰され、かつては樹高が20mはあったという。しかし、長年の風雪から樹勢が弱まり、大枝が枯れたり折れたりするなど枯死の危機に直面。この事態に、地区の有志や樹木医たちが、周囲の杉林を伐採して日当たりを回復するほか、大掛かりな治療を実施。そのかいあって、今では立派によみがえり、樹木全体を覆うように花や葉が茂るようになり、石垣と両脇に石を並べた山道を登り詰めると、青空に浮かび上がるように見事な姿を見せてくれる。
播磨中央公園(兵庫県) 五峰山麓の丘陵地帯に位置、豊かな自然に包まれた都市公園で、春にはソメイヨシノ、ヤエザクラ、シダレザクラ、オオシマザクラなど約1000本が華やかに咲き乱れる、北播磨地域有数の桜の名所。例年4月上旬にはさくらまつりが開催され、近隣市町村はもちろん他府県からも多くの花見客が訪れる。まつり期間中は、露店の出店やちょうちんによる夜桜見物もできる。日中とはひと味違った幻想的な雰囲気を楽しみにしている人も多いのがさくらまつりだ。緑の樹林に囲まれた丘や、大小の池が散在する豊かな自然を満喫できる播磨中央公園の中でも、季節の花々をゆっくりと楽しむことができるのがフラワーゾーンで、花見のメーン会場となるのがフラワーゾーンの「桜の園」。また野外ステージをはじめ、野球場、テニスコートなどの運動施設、ふじいでんこうさいくるらんど、四季の庭、子どもの森、子どもの小川などの諸施設が整い、文化、スポーツ、レクリエーションにと、多くの人々に親しまれている。
紀三井寺(和歌山県) 関西で早咲き桜の名所として有名なのが紀三井寺。開花宣言の目安となる和歌山地方気象台指定の標本木(ソメイヨシノ)が本堂前にあることから、「近畿地方に春を呼ぶ寺」としても知られている。境内には、ソメイヨシノ、ヤマザクラなど約500本、サクラの季節のトップを切って3月下旬から「桜祭り」が催される。早咲き桜で有名なのは江戸時代以前からで、為光上人が、龍神の招きを請け、竜宮城に説法に行った帰りに、鈴、五鈷、錫杖、梵鐘、法螺貝、応同樹、七本桜の七つの宝物をもらったという。この最後の七本桜の苗木が、後の桜の名所の起こりとなったとか。早咲きのエピソードともいえるのが、江戸時代の俳人・松尾芭蕉が詠んだ「みあぐれば 桜しもうて 紀三井寺」の句。芭蕉がサクラ見物に訪れたときには、既にサクラは散り始めていたというのだ。
和歌山城(和歌山県) 約250年に渡り紀州徳川家治政の基となり、徳川御三家の居城として知られる。また「日本名城100選」のひとつでもある。和歌山市の中心部にある虎伏山にある和歌山市のシンボルで、西の丸と二の丸は散策を楽しめる公園となっている。春にはサクラ、秋には紅葉の名スポットとしても有名で、西の丸庭園(紅葉渓庭園)は国の名勝に指定されている。約600本のサクラが可憐な花を咲かせるのは3月下旬からで、4月上旬には咲き乱れるというようにピンク色に包まれる。その昔天守閣は和歌山弁で「おてんしゅ」「おてんす」と呼ばれていた。その天守閣はもちろん、徳川御三家の居城としての歴史や、復元された御橋廊下なども残されており、城の敷地の中には、動物園やお茶室もある。また、おもてなし忍者が訪れる客を案内してくれるのも珍しい。
七越峯(和歌山県 熊野本宮名勝八景のひとつ、標高262mの七越峯は、大峰山より数えて七つめの峰にあたるといわれ、そこから七越の峰と呼ばれるようになったと伝えられている。「熊野本宮大社」や「大斎原の大鳥居」など、本宮の里が一望でき、「南奥駆道」は、和歌山県夕日百選に選ばれている。ソメイヨシノやヤマザクラなど約2000本の桜が咲き誇る桜の名所でもあり、自然を満喫しながら散策できる。満開の時期になると、山肌がピンク色に染まる光景が、国道168号線からも見ることができる。七越峯へは本宮と吉野を結ぶ大峯奥駈道の登り口から入るが、途中には玉置山や大峯山など数々の行場、その麓には天川洞川の聖地もある。山頂から西に突き出た丘陵の尾根に熊野と吉野を結ぶ修験道の山駈けの道大峰奥駈道が走るが、その丘陵は「備崎」と呼ばれ、そこからは多数の経塚(仏教遺跡)が発見されている。
根來寺(和歌山県) 国内最大の国宝の木造の大塔があり、「日本さくら名所100選」の一つでもある根來寺。境内には7000本のサクラが点在し、ソメイヨシノ約4500本や、ネゴロザク約600本など、サクラの見頃の時期にはライトアップも行われる。境内では、国宝の大塔の周辺の桜や歴史を感じさせる大門から続く桜のアーチが圧巻で見所も満載。とくに、もみじ谷公園の渓谷沿いに咲くサクラは絶景。遊歩道沿いにはベンチなども設けられているので、散策に疲れたら谷間に咲き誇るサクラを眺めつつ弁当を広げて一息つくのもおすすめ。根來寺は和歌山県北部に位置し、葛城連峰の端におよそ350万㎡の境内を有する。高野山の学僧でもあった覚鑁上人によって開創された新義真言宗の総本山で、鎌倉時代に現在の場所へ移転、戦国時代には根来衆といわれる僧兵を率い、大きな勢力を誇った寺院としても知られている。
道成寺(和歌山県) 能や歌舞伎で有名な「安珍清姫伝説」の舞台として知られる道成寺は和歌山県下に現存する最古の寺。若く美しい安珍に心を奪われた清姫は募る思いから大蛇となり、道成寺の釣鐘に隠れた安珍を炎で燃やし、自らは入水したという伝説が残っている。62段の石段を上り、朱塗りの仁王門(重要文化財)をくぐると、正面に本堂(重要文化財)、右手に安珍清姫伝説の鐘楼跡がある。本堂横にある入相桜はエドヒガンとオオシマザクラの掛け合わせで、現在2代目。初代は台風で幹が折れたが、その根元から自生して蘇ったもの。このほか、境内や裏山などに咲き乱れるソメイヨシノやシダレザクラ、ボタンザクラ、ヤエザクラなどの美しさは壮観。サクラの種類が多く順次見ごろとなるため、およそ1か月にわたって花見が楽しめる。
平草原公園(和歌山県) 南紀白浜空港から白浜中心街へ向かう途中の高台にあり、西に紀伊水道、南に吉野熊野国立公園、東に熊野三千六百峰の山稜が一望できる公園。園内にはソメイヨシノ、ヤマザクラ、オオシマザクラ、ヤエザクラほか計10種約2000本のサクラの木があり、春の花見シーズンには、多くの人が繰り出す。3月下旬から4月上旬にかけて「桜まつり」が開催され、円月太鼓の披露や餅投げなどが行われるほか、フリーマーケットも登場。また午後9時までライトアップとなり、昼間とは違った幻想的な雰囲気を楽しむことができる。サクラ満開時期は、ユキヤナギやレンギョウなども競うように花を咲かせる。桜並木や梅林、ユキヤナギ、アジサイ、椿と、四季折々の花が楽しめ、5月下旬から6月上旬にかけては、園内のバラも見頃となる。
熊野那智大社(和歌山県) 熊野那智大社は、田辺市の熊野本宮大社、新宮市の熊野速玉大社とともに熊野三山のひとつで、「結宮(むすびのみや)」と称され、人の縁だけでなく諸々の願いを結ぶ宮としても知られている。春は境内をヤマザクラの名木・秀衡桜(ヒデヒラザクラ)やシダレザクラ、ヤエザクラなどが花を咲かせ、華やかに彩る。社務所前にそびえる秀衡桜は、平安時代に藤原秀衡が同大社を訪れたときに植えたとされる県天然記念物。高さ15m、幹周りは2mの大木で、ソメイヨシノが葉桜となった頃に花を咲かせる、遅咲きのサクラとしても知られている。花びらが白く霞(かすみ)のようにたなびいて見えることから、「白山桜」とも呼ばれている。境内にサクラが咲き誇ると、花山法皇が那智の滝近くで修行した時に、桜の美しさを和歌に詠んだ故事を偲ぶ古式ゆかしい祭・熊野那智大社桜花祭も開催される。
七川ダム湖畔(和歌山県) 古座川の上流、高池から三尾川まで約15㎞の峡谷で川と絶壁のコントラストが美しく、昭和30年(1955)に完成した七川ダム湖畔の周囲5㎞は、地域住民が植樹したソメイヨシノ3000本が、春になると花を咲かせる。ダム湖に架かる赤い吊り橋の今津橋がサクラに映え、華やかな彩りを添え、多くの花見客の目を楽しませている。開花時期には、蒼い湖畔や山々の緑と絶妙なコントラストを見せ、日本さくら名所100選にも選定されている。3月下旬から4月上旬には桜祭りも開催。物産販売、餅まきなどの催しも行われる。また、サクラの開花状況に合わせ、提灯も点灯される。ダム湖のサクラも見事だが、おすすめは車道の両脇に続く桜並。手を伸ばせば届きそうな近さのサクラを眺めながらの散歩は格別だ。
ヤマザクラ群

ヤマザクラに類する品種の桜の総称。日本列島および朝鮮半島に分布する。葉が花と同時に開く。

代表種は ヤマザクラ。野生種 野中のベニヤマザクラ
 アサギリザクラ(朝霧桜・毛山桜)
ウスガサネオオシマ(薄重大島)
オオシマザクラ(大島桜) - カスミザクラの島嶼種もしくはヤマザクラの海岸型。
オオヤマザクラ(大山桜・蝦夷山桜・紅山桜)
カスミザクラ(霞桜)
カタオカザクラ(片丘桜) - カスミザクラの幼形開花型。ヤマザクラに戻ってしまうことが多い。
キビザクラ(吉備桜)
ケエゾヤマザクラ(毛蝦夷山桜)
シオカゼザクラ(潮風桜) - オオシマザクラの一型。
ツクシザクラ(筑紫桜・筑紫山桜)
ハツユキザクラ(初雪桜)
ヤマザクラ Cerasus jamasakura (Siebold ex Koidz.) (山桜)
 
 
 
   
 園芸品種 ケンロクエンクマガイ ハチスカザクラ  
 オバ(青葉)-別名アオハダ桜、真桜:挿し木で発根しやすいので台木としてよく使われる。ただし寿命が短い。
アカツキザクラ(暁桜・霞蝦夷山桜)
アカミオオシマ(赤実大島)
イズザクラ(伊豆桜)
イチハラトラノオ(市原虎の尾)
イボザクラ(伊保桜・井保桜)
イヨウスズミ(伊予薄墨)
ウンリュウオオシマ(雲竜大島)
オウシュウサトザクラ(奥州里桜)
  カンザキオオシマ(寒咲大島)
ギジョウジギジョザクラ(祇王寺祇女桜)
キヌガサ(衣笠)
キリフリザクラ
クチナシザクラ(梔子桜)
ケタノシロキクザクラ(気多の白菊桜)
ケンロクエンクマガイ(兼六園熊谷・兼六熊谷)
コウホクニオイ(江北匂)
ゴザノマニオイ(御座の間匂)
コトヒラ(琴平)
コンゴウザクラ(金剛桜・源氏車・小督) - 国の天然記念物。
 サノザクラ(佐野桜)
シダレオオヤマザクラ(枝垂大山桜)
ジョウニオイ(上匂)
シンスミゾメ(新墨染)
スルガダイニオイ(駿河台匂)
ゼンショウジキクザクラ(善正寺菊桜)
センダイヤ(仙台屋)
ソウドウザクラ(宗堂桜) - P. jamasakura cv., P. lannesiana cv. Soudou-zakuraの2種がある。
 ダイリノサクラ(内裏の桜)
タカネオオヤマザクラ(高嶺大山桜)
タキニオイ(滝匂)
チョウショウインハタザクラ(長勝院旗桜)
ナラノヤエザクラ(奈良の八重桜・奈良八重桜)
ニドザクラ(二度桜)
ノナカノサクラ(野中の桜)
  ハチスカザクラ(蜂須賀桜)- 沖縄系カンヒザクラとヤマザクラの一代交雑種カンザクラ
ヒウチダニキクザクラ(火打谷菊桜)
ヒヨシザクラ(日吉桜)
ベニタマニシキ(紅玉錦・松前紅玉錦)
ベニナンデン(紅南殿)
ホソカワニオイ(細川匂)
 マツマエウスベニココノエ(松前薄紅九重)
ミナカミ(水上)
ミョウジョウ(明星・松前明星)
 ヤエノオオシマザクラ(八重の大島桜)
ヤエノカスミザクラ(八重の霞桜)
ヤエベニオオシマ(八重紅大島)
ヤツブサザクラ(八房桜)
ヤマゴシムラサキ(山越紫)
ヨウロウザクラ(養老桜)
 ライコウジキクザクラ(来迎寺菊桜)  ワカキノサクラ(稚木の桜) - ヤマザクラの幼形開花型。ヤマザクラに戻ってしまうことが多い。
   
 
 
 エドヒガン群

エドヒガンに類する品種の桜の総称。 日本と日本から持ち込まれ朝鮮半島にかけて分布するエドヒガン、台湾に分布するムシャザクラ、中国に分布するP. changyangensis Ingramの三系統があり、いずれも萼(がく)の下部に球状のふくらみがある。 枝垂桜は、形の面白さから多数の園芸品種が存在する。

代表種は エドヒガン。野生種  ひょうたん桜(エドヒガン)三春滝桜 ジュウガツザクラ
 
 エドヒガン(江戸彼岸・立彼岸・東彼岸・婆彼岸) - 春の彼岸ごろに花を咲かせる。桜の中では最も長寿な品種の一つで、「神代桜」(山梨県北杜市)や「石割桜」(岩手県盛岡市)など、国の天然記念物に指定されているものも少なくない
モチヅキザクラ(望月桜)
ヤマモチヅキザクラ(山望月桜)
 
   
 園芸品種  
 アマギヨシノ(天城吉野) - ソメイヨシノの交配実験中に生まれた品種。
アメリカ(旧名:曙) - Prunus ×yedoensis Matumura cv. Amerika - 北米に送られたソメイヨシノの実生から生まれた品種で、ソメイヨシノに比べ花が大きい。現地では『曙』と呼ばれていたが、日本に導入する際、同名の桜との混同を避けるために『アメリカ』に改名された。
イズヨシノ(伊豆吉野) - ソメイヨシノの交配実験中に生まれた品種。
ウジョウシダレ(雨情枝垂)
ウスゲオオシマ(薄毛大島)
オオクサイザクラ(オオクサエザクラ)
オモイガワ(思川)
 カッテザクラ(勝手桜)
カバザクラ(樺桜)
クマガイ(熊谷)
クラマザクラ(鞍馬桜)
コシノヒガンザクラ(越の彼岸桜) - 富山県の天然記念物
コヒガン(小彼岸・彼岸桜・千本彼岸)
コマツオトメ(小松乙女)
 サイホウジザクラ(西法寺桜)
サクヤヒメ(咲耶姫)
シキザクラ(四季桜)
シダレオオクサイザクラ(シダレオオクサエザクラ)
シダレザクラ(枝垂桜・糸桜)
シダレソメイヨシノ(枝垂染井吉野)
ジュウガツザクラ(十月桜) - 一年の間に三月と十月の2回花を咲かす。
ショウジョウ(猩々)
ショウワザクラ(昭和桜)
シラタキザクラ(白滝桜)
シラタマ(白玉)
ジンダイアケボノ(神代曙)
スルガザクラ(駿河桜)
センダイヨシノ(仙台吉野)
ソトオリヒメ(衣通姫)
ソメイニオイ(染井匂)
ソメイヨシノ(染井吉野)
 タカトオコヒガン(高遠小彼岸) - 長野県の天然記念物
タマナワザクラ (玉縄桜)
タキノザクラ(滝野桜)
トモエザクラ(巴桜)
 ハヤザキオオシマ(早咲大島) - ソメイヨシノの交配実験中に生まれた品種。
フナバラヨシノ(船原吉野)
ベニシダレ(紅枝垂)
ベニツルザクラ(紅鶴桜)
ホザキヒガンヤエザクラ(穂咲彼岸八重桜)
 マツマエウスガサネソメイ(松前薄重染井)
ミカドヨシノ(御帝吉野) - ソメイヨシノの交配実験中に生まれた品種。
ミシマザクラ(三島桜)
ミズタマザクラ(水玉桜)
ミスミオオヒラザクラ(三隅大平桜)
ミドリヨシノ(緑吉野)
モニワザクラ(茂庭桜)
モリオカシダレ(盛岡枝垂)
  ヤエベニシダレ(八重紅枝垂)
ヤエベニヒガン(八重紅彼岸)
 
   
   
   
 マメザクラ群  マメザクラ

マメザクラに類する品種の桜の総称。マメザクラに類する系列とタカネザクラに類する系列に大きく分けられる。低木もしくは小高木で、実は黒く結実する。欠刻状重鋸葉が特徴。 代表種はマメザクラ

マメザクラ系  野生種
 タカネザクラ系  野生種
 アメダマザクラ(飴玉桜)
オオバナマメザクラ(大花豆桜)
キンキマメザクラ(近畿豆桜・山彼岸)
ショウドウザクラ(勝道桜)
ブコウマメザクラ(武甲豆桜) - 旧名ブコウタカネザクラ。主に秩父地方の石灰岩地に産する。
フジカスミザクラ(富士霞桜・印野桜)
ボンボリザクラ(雪洞桜)
マメザクラ(豆桜・富士桜)
ミドリキンキマメザクラ(緑近畿豆桜) - キンキマメザクラの赤色色素が欠損した種。
ヤブザクラ(藪桜)
 イシヅチザクラ(石鎚桜)
タカネザクラ(高嶺桜・峰桜)
チシマザクラ(千島桜)
   
   
 園芸品種  
 ミドリザクラ(緑桜・緑萼桜)
ミドノヤエ(水土野八重)
アカネヤエ(茜八重)
コジョウノマイ(湖上の舞)
クマガイザクラ(熊谷桜・八重咲山彼岸) - キンキマメザクラの八重。
オシドリザクラ(鴛鴦桜)
フタカミザクラ(二上桜) - 1970年に二上山で発見された品種。
ウミネコ(海猫) - 主にヨーロッパで栽培されている品種。
ショウドウヒガン(勝道彼岸)
ショウフクジザクラ(正福寺桜・正福寺枝垂・湯村枝垂・湯村)
マナヅルザクラ(真鶴桜)
フユザクラ(冬桜・小葉桜) - 11月から12月の終わりごろまで花を咲かせることで知られる。群馬県藤岡市の桜山はフユザクラの名所として名高い。
 
   
   
   
 チョウジザクラ群

チョウジザクラに類する品種の桜の総称。低木もしくは高低木で、多雪地帯でよく見られる。押し葉を作ると芽の部分が黄変するという特徴がある。

代表種はチョウジザクラ。

野生種
 ヒカンザクラ群

ヒカンザクラに類する品種の桜の総称。中国の冬桜花、チベットのヒマラヤザクラなどが野生種にあたり、1月から3月にかけて緋色の花を咲かせる。

代表種はカンヒザクラ。

園芸品種   カワヅザクラ
 オオミネザクラ(大峰桜)
オクチョウジザクラ(奥丁字桜)
チチブザクラ(秩父桜)
チョウジザクラ(丁字桜・メジロザクラ)
ニッコウザクラ(日光桜)
ハナイシザクラ(花石桜)
ミヤマチョウジザクラ(深山丁字桜) - チョウジザクラの深山型。中央アルプスから南アルプスにかけて分布する。
 カンヒザクラ
ツバキカンザクラ

ヨコハマヒザクラ

アタミハヤザキ(熱海早咲)
イズタガアカ(伊豆多賀赤)
オオカンザクラ(大寒桜)
オカメザクラ(阿亀桜)
カワヅザクラ(河津桜)
カンザクラ(寒桜)
カンヒザクラ(寒緋桜・緋寒桜・元日桜・薩摩緋桜) - 沖縄で「桜」と言えばこのカンヒザクラを指す。
ケイオウザクラ(啓翁桜・東海桜・岳南桜)
シュゼンジカンザクラ(修善寺寒桜)
タイリョウザクラ(大漁桜)
ツバキカンザクラ(椿寒桜)
ハツミヨザクラ(初御代桜)
ミョウショウジ(明正寺)
ヨウコウ(陽光)
ヨコハマヒザクラ(横浜緋桜)
リッシュンカンザクラ(立春寒桜)
リュウキュウカンヒザクラ(琉球寒緋桜・琉球緋桜)
 園芸品種  
 シキザキチョウジザクラ(四季咲丁字桜)
キクザキオクチョウジザクラ (菊咲奥丁字桜)
ヒナギクザクラ(雛菊桜) - 菊咲き。チョウジザクラの園芸品種は、ヒナギクザクラを親に持っていることが多い。
 
   
 
 ミヤマザクラ群

ミヤマザクラに類する品種の桜の総称。 中国南西部を中心に5種と、日本に1種分布しており、日本産のものは中国産のものとは別種と考えられている。低木、小高木または高木で、若木は有毛の物が多い。 代表種はミヤマザクラ。

野生品種
 シナミザクラ群

シナミザクラに類する品種の桜の総称。トウカイザクラ

中国南西部に7種が分布している。

代表種はシナミザクラ
 ミヤマザクラ(深山桜) - 日本海を取り囲むように分布している。
ヤエミヤマザクラ(八重深山桜)
 コブクザクラ(子福桜)
シナミザクラ(支那実桜) - 中国での呼び名は「桜桃」。実の色は赤や黄色、実の形は球形や卵形など多岐に渡り、様々な品種が存在すると思われるが、まとめてシナミザクラとして扱われている。実を食べるほか、枝・葉・樹皮などを漢方薬として用いる。
タイザンフクン(泰山府君)
トウカイザクラ(東海桜) - 切り花用に福島市花見山公園近隣の花卉農家で盛んに栽培されている。開花時期がソメイヨシノより1週間から10日ほど早く、満開時の姿は非常に美しい。
ホウキザクラ(箒桜)
 
   
   
   
   
   
 サトザクラ類

オオシマザクラ、ヤマザクラ等を元に作り出したと見られる一連の品種を総称してサトザクラと呼び、それに類する桜の品種を総称してサトザクラ群と呼ぶ。また、人が作り出した園芸品種を総称してサトザクラ類にする場合もある。サトザクラ群は違った群の桜などを掛け合わせて作られたものであり、どの群でもないと考えられている。
ウコン ギョイコウ シオガマ キクザクラ  
 アサヒヤマ(旭山・朝日山)
アズマニシキ(東錦)
アマノガワ(天の川)
アマヤドリ(雨宿)
アヤニシキ(綾錦・松前綾錦)
アラカワニオイ(荒川匂)
アラシヤマ(嵐山)
アラタマ(新珠・松前新珠)
アリアケ(有明)
イチヨウ(一葉)
イツカヤマ(早晩山)
イトククリ(糸括)
イマジュクザクラ(今宿桜) - シラユキと同種と見られる。
イモセ(妹背)
イヨクマガイ(伊予熊谷)
イワイザクラ(祝桜)
ウコン(鬱金) - 淡黄色の花を咲かせる。
ウズザクラ(渦桜)
ウスズミ(薄墨)
エイゲンジ(永源寺・永源寺桜)
エド(江戸・江戸桜)
オオサワザクラ(大沢桜)
オオシバヤマ(大芝山)
オオタザクラ(太田桜)
オオヂョウチン(大提灯)
オオムラザクラ(大村桜)
オキナザクラ(翁桜) - シラユキと同種と見られる。
オムロアリアケ(御室有明)
 カリギヌ(狩衣)
カンザン(関山・セキヤマ)
キクザクラ(菊桜)
キクシダレ(菊枝垂)
キナシチゴザクラ(鬼無稚児桜)
キブネウズ(貴船雲珠)
ギョイコウ(御衣黄) - 花は中輪で淡黄緑色。花弁は10枚前後。中心部に緑色でのち紅変する条線がある。
キリン(麒麟)
クシマザクラ(玖島桜)
クルマドメ(車駐)
ケンロクエンキクザクラ(兼六園菊桜)
コウエンジシロヤエザクラ(光善寺白八重桜)
コウカ(紅華)
コウダイジ(高台寺)
コガネイウスベニザクラ(小金井薄紅桜)
コケシミズ(苔清水)
ココノエ(九重)
コシオヤマ(小汐山)
ゴショザクラ(五所桜)
ゴショミクルマガエシ(御所御車返し)
コチョウ(胡蝶)
ゴテンニオイ(御殿匂)
コマツナギ(駒繋)
コンゴウザン(金剛山)
  シオガマ(塩釜)
シズカ(静香・松前静香)
シバヤマ(芝山)
シブヤコンノウザクラ(渋谷金王桜)
ショウゲツ(松月)
ショウナンデン(小南殿)
シラユキ(白雪)
シロタエ(白妙)
スイショウ(水晶)
スザク(朱雀)
スマウラフゲンゾウ(須磨浦普賢象)
スミゾメ(墨染)
センダイシダレ(仙台枝垂)
センリコウ(千里香)
 タイハク(太白)
ダイミン(大明)
タオヤメ(手弱女)
タカサゴ(高砂・南殿・奈天・武者桜)
タグイアラシ(類嵐)
チハラザクラ(千原桜)
チョウシュウヒザクラ(長州緋桜)
ツクバネ(突羽根・平野突羽根)
テマリ(手毬)
トウキョウザクラ(東京桜)
トラノオ(虎の尾)
 ナジマザクラ(名島桜)
ナデシコザクラ(撫子桜)
ニソンインフゲンゾウ(二尊院普賢象)
 バイゴジジュズカケザクラ(梅護寺数珠掛桜)
ハクカサン(白華山)
ハクサンオオデマリ(白山大手毬)
ハクサンハタザクラ(白山旗桜) - Prunus lannesiana cv. HatazakuraまたはPrunus lannesiana cv. Vexillfera
ハナガサ(花笠・松前花笠)
バンリコウ(万里香)
ヒグラシ(日暮)
ヒヨドリザクラ(鵯桜)
ヒラノネザメ(平野寝覚)
フクザクラ(福桜)
フクロクジュ(福禄寿)
フゲンゾウ(普賢象・普賢堂)
フサザクラ(房桜)
フダンザクラ(不断桜)
ベニガサ(紅笠・松前紅笠)
ベニシグレ(紅時雨・松前紅時雨)
ベニユタカ(紅豊・松前紅豊)
ベンドノ(弁殿)
ホウリンジ(法輪寺)
ホクホウ(北鵬)
ホタテ(帆立)
ボタン(牡丹)
 マザクラ(真桜・白花真桜)
マスヤマ(増山)
マツマエ(松前)
マツマエアイゼン(松前愛染)
マツマエオオシオ(松前大潮)
マツマエカザンイン(松前花山院)
マツマエハナゾメイ(松前花染衣)
マツマエハヤザキ(松前早咲・血脈桜)
マツマエフウキ(松前富貴)
マツマエベニヒゴロモ(松前紅緋衣)
マツマエヤエコトブキ(松前八重寿)
ミクルマガエシ(御車返し・御車還し・桐ケ谷・キリガヤツ)
ミッカビザクラ(三ヶ日桜)
ムラサキザクラ(紫桜)
メイゲツ(明月)
 ヤエアケボノ(八重曙)
ヤエニオイ(八重匂)
ヤエベニトラノオ(八重紅虎の尾)
ヤエムラサキザクラ(八重紫桜)
ヤダケムラサキ(矢岳紫)
ヨウキヒ(楊貴妃)
 ランラン(蘭蘭) - 上野動物園のパンダに因んだ名前
リュウウンインベニヤエ(龍雲院紅八重)
 ワシノオ(鷲の尾)
   
花暦