かみね公園(茨城県) 自然の丘陵地をまるごと利用した広大な公園で、園内には吉田正音楽記念館や動物園、遊園地、レジャーランド、屋内温水プールなどの施設があります。市の都市公園のため、各施設ともリーズナブルで利用しやすいので家族連れには最適の遊び場&花見スポットです。園内にあるサクラは昭和28年に住民の手で献木、植栽されたのが最初で、今ではソメイヨシノやヤエザクラなど約1000本が咲き、丘全体をピンク色に染め尽くします。頂上の展望台からも丘全体が眺められますが、日立市街、太平洋も同時に一望できるほどの景観の良さです。
千波湖(茨城県) ウメの名所・偕楽園に隣接する千波公園の中にある周囲3キロメートルのひょうたん型の湖。湖畔は遊歩道もよく整備されていて、成長し、枝の生い茂ったサクラ並木による花のトンネルが楽しめます。約750本のサクラは品種も豊富で他ではあまり見られないイズヨシノ、ショウゲツ、シキザクラ、タイハク、ウコン、ギョイコウなども含む30種以上のサクラが見られますが、それぞれ開花期が微妙に異なるので要情報チェック。夜には湖の噴水とともにライトアップされ幻想的な美しさを見せます。ちなみに偕楽園と千波公園を併せると、都市公園ではアメリカN.Y.のセントラルパークに次ぐ大きさだそうです。
静峰ふるさと公園(茨城県) 「日本さくら名所100選」に選ばれた名所で、12万平方メートルの広大な園内にはソメイヨシノにヤエザクラ、そして地面をピンクや白に彩るシバザクラの3つのサクラが楽しめます。中でも昭和40年の造園以来、植栽を重ねて現在2100本にもなったヤエザクラの満開時の景色は圧巻です。どこか儚さを感じるソメイヨシノとは違い、濃いピンク色の八重咲きの群落は、重量感にあふれ、春爛漫の華やかさに満ちています。ヤエザクラの開花は、ソメイヨシノが散ったあとになるので開花情報は要チェックです。最盛期には「八重桜まつり」も開催され、郷土芸能やコンサートなどのイベントも行われます。
磯部桜川公園(茨城県) 桜川市の磯部桜川公園一帯は、室町時代幽玄能を大成させた世阿弥元清の謡曲「桜川」の舞台として古くから知られ、とくに磯部稲村神社の参道両脇1キロメートルに渡るサクラ並木は「磯部の百色桜」とも言われ、「西の吉野、東の桜川」と並び称されるサクラの名所です。紀貫之も「後撰集」の中で「常よりも春辺になれば桜川 波の花こそ間なく寄すらめ」と詠んでいます。園内には東北産のシロヤマザクラを中心に約1000本のサクラが鑑賞できるほか、サノザクラ、サクラガワニオイ、ウコンなどの珍しい品種も見られます。
日光街道桜並木(栃木県) 日光といえば300年以上の歴史を誇る日光街道の世界一長い「杉並木」が有名ですが、全長16キロメートルにもおよぶ「桜並木」も近年人気上昇中です。通称日光街道の宇都宮環状線、宮環上戸祭町交差点から北へ日光市山口まで、両脇に約1500本のヤマザクラが植えられ、薄紅色の花びらが舞う美しいトンネルを作ります。健脚の人はそれに続く杉並木も含めて丸一日かけて歩いてみたいところですが、遊歩道などが整備されていないので、車窓から眺める方が無難かも知れません。
織姫公園(栃木県) 明治100年記念事業の一環で造られた公園。渡良瀬川の北岸に広がる丘陵地一帯の広大な敷地内には、「桜の園」や「もみじ谷」など四季折々に景色が楽しめる名所があり、330本のサクラのあとは、ヤマツツジなど5000株が小高い山を彩ります。眺望としては、釣り橋付近のサクラ、展望台付近のサクラがおすすめです。園内北端の鏡岩展望台からは足利市街はもとより、関東平野も一望できます。また、隣接している織姫神社は、足利県立自然公園ハイキングコースの発着点になっています。
太平山(栃木県) 341メートルの山頂から関東平野が一望できる「日本さくらの名所100選」にも選定されている太平山県立自然公園。見どころも多く、麓から続く錦着山の西側、永野川に架かる上人橋を渡り、右に曲がると、遊覧道路の両脇には総延長約4キロメートルに渡ってサクラが植えられ、春には満開のサクラのトンネルが楽しめます。山頂付近の見晴らし台「謙信平」からは、関東平野はもちろん、よく晴れた日は東京のビル群、富士山も眺めながらの花見が可能。茶店も並ぶので太平山三大名物「団子、焼き鳥、玉子焼き」も同時に味わえます。ちなみに「謙信平」の名は、戦国時代、関東平定で対立した上杉謙信と北条氏康が永禄11年に太平山南麓の大中寺で和議を結び、その時に謙信がこの山に登って広がる関東平野を眺めたところからついたそうです。ソメイヨシノを中心にヤマザクラなど道の両側に植えられた約7000本のサクラが、山全体を埋め尽くすように咲くほか、ふもとの太山寺の樹齢360余年のシダレザクラも一見の価値あります。
那須千本松牧場(栃木県) 東京ドーム178個分の広さを誇る牧場で、全体が鳥獣保護区でもあり、その雄大な自然の中でウサギやヤギなどの動物と触れ合えたり、熱気球や乗馬の体験が出来たり、大自然の中の総合レジャーランドとして広く人気があります。また牧草も土も自分たちの手で作るこだわりようで、ソフトクリームの味も格別です。サクラは300メートルに渡るソメイヨシノの並木が美しく花見客に人気。花見を兼ねて一日遊んだあと、牧場内から湧き出る無料の天然温泉で足湯をしながら、のんびりくつろぐことも…。千本松の名はもともとこの地にアカマツが群生していたところからその名がつきました。「栃木の景勝100選」にも選ばれています。
八幡山公園(栃木県) 丘陵地を生かした公園で、4月上旬からは約800本のサクラ、5月中旬からは700株のツツジで春を美しく染め上げます。園内には市内を一望できる宇都宮タワー(展望塔)がシンボルとして立ち、ウサギなどがいる動物舎やゴーカートなどができるアドベンチャーUなど、遊ぶところも盛りたくさん。サクラの開花期にはぼんぼりが灯り、タワーの上から街の灯りと夜桜が同時に堪能できるのがうれしい。東京でいえば上野の花見のように開花期には大勢の市民が訪れ、ブルーシートの上でお弁当を広げたり、ビールを酌み交わしたりたいへん盛り上がります。
赤城南面千本桜(群馬県・前橋市)
「日本さくらの名所100選」にも選ばれ、毎年大勢の観光客が訪れる前橋市を代表するサクラの名所です。名前通りにソメイヨシノが千本以上(約1400本)咲く1.3キロメートルの市道は、満開時にはいつまでも歩いていたくなるほどの見事なサクラのトンネルに変わります。また平成25年4月にオープンした隣接の「みやぎ千本桜の森」にも37種類約500本のサクラが咲き、そこに15万株のシバザクラが大地を埋め尽くすように咲き揃うと、まるでメルヘンの国のような美しさです。桜まつり期間中は、郷土芸能、地元の新鮮な農産物の市場、大道芸などの様々なイベントも行われます。
高崎観音山(群馬県) 高崎といえば誰もが思い浮かべる白衣大観音。じつはこの観音山は3000本のソメイヨシノやヤマザクラが咲く、サクラの名所でもあります。多くの野鳥など自然と触れ合えるハイキングコースや遊歩道もあり、歩きながらサクラの山を満喫できます。疲れたら高崎観音山温泉も近くにあるので便利です。ちなみに大観音の高さは41.8メートル、重さは6000トンで、建設時は東洋一の大きさを誇ったそうで、現在も胎内めぐりが楽しめます。参道には土産物店が軒を連ね、多くの人出で賑わうほか、ライトアップもあり、観音様と夜桜の幻想的なシーンも撮影可能。また、山頂からは高崎や前橋市街が一望できます。
妙義山さくらの里(群馬県) 屏風のような岩の山、奇岩怪岩で知られる妙義山。その東南麓47ヘクタールの広さ、斜面一帯を利用して園地にしたのが「県立森林公園さくらの里」です。園内にはソメイヨシノを中心に45種類5000本のサクラが植えられ、春には見渡す限りのサクラの園に変わります。サクラ色の樹海に浮かぶ妙義山は一見の価値ありです。園内は山あり谷ありの中、遊歩道が整備され、お弁当を広げられる広場も数カ所設けられ、一日中花見ハイキングが安心して楽しめます。ソメイヨシノが散ったあともカンザン、フゲンゾウなどの八重咲きのサクラが咲くため、4月中旬から5月中旬までサクラの鑑賞が可能。珍しい品種としては、「ミシマザクラ」、「ヨウキヒ」、「コトヒラ」などがあります。
敷島公園(群馬県) 利根川沿いに広がる約37ヘクタールの広大な公園で、約300本のソメイヨシノとシダレザクラが湖畔の公園を彩ります。とくに数本並んだシダレザクラの並木の美しさは圧巻です。また、園内にはバラ園、松林、ボート池のほか、詩人の萩原朔太郎の詩碑や記念館も建ち、多くの市民はボート池から湖畔のサクラを眺めるのが例年の花見スタイルのようです。ほかにも利根川湖畔には約1500本の「敷島桜並木」があり、こちらはドライブで走り抜けるのに最適のサクラのトンネルが楽しめます。
前橋公園(群馬県) 市民の憩いの場として親しまれている前橋公園では、春になると「さちの池」の周囲を中心にソメイヨシノなど約350本のサクラが咲き誇ります。花見の見どころとしては最近バージョンアップしたライトアップの夜桜鑑賞です。虹色の噴水の色彩も美しいのですが、とくに旧前橋城土塁上のサクラ26本の照明が素晴らしいので必見です。最新のLED照明を使って花色を繊細にいかす光でゆらめくサクラの姿を表現。夜の闇に浮かび上がるピンク色の並木は、まるで映画のワンシーンのようなファンタジーあふれる世界です。ライトアップにあわせて音楽イベントも開催され、音と光とサクラのコラボ花見が楽しめます。
羊山公園(埼玉県) 秩父のシンボル武甲山の麓に広がる公園。近年は「芝桜の丘」として特に有名ですが、隠れたサクラの名所でもあります。4月上旬から中旬にかけてソメイヨシノをはじめ、枝垂れや八重咲のサクラもあわせて約1000本が開花。雄大な武甲山と色づくサクラの群落を眺めながら広い園内の遊歩道をゆったりと散策できるのが嬉しい花見どころです。サクラの時期は駐車場も入園料も無料。4月中旬から5月上旬のシバザクラの時期は、多くの観光客で賑わい、「秩父路の特産市」なども開かれます。9種40万株のシバザクラで描くデザインは、美しい花絨毯のようで毎年見事の出来栄えですが混雑必至。この期間は道も交通規制があるため公共機関の利用がおすすめです。また、近郊に日帰り温泉施設もあるのでたくさん歩いたあとはぜひ武甲温泉に立ち寄りたいところ。
狭山湖(埼玉県) 県立狭山自然公園の中にある湖で、4月上旬にソメイヨシノをはじめ、オオシマザクラやヤマザクラなど、約2万本ものサクラが咲く花見の名所です。狭山湖のすぐ隣りに東京の水がめ多摩湖があり、こちらは約5万本のサクラが咲き、どちらも西武ライオンズの本拠地・西武球場を出発点にぐるりと歩いて周遊できます。健脚の方は健康づくりも兼ねて、サクラを見つつ踏破したいところ。途中途中にトイレもあり、休むベンチもあるので苦になりません。2万本と言うとものすごい本数ですが広大な自然公園の中ではまばらに感じてしまうかも知れません。眺めとしては狭山湖の全長700メートルの堤防あたりから見渡す満開のサクラが一番美しいと評判です。
西武園ゆうえんち(埼玉県) ソメイヨシノを中心にヤエザクラやヒガンザクラなど約1000本、遊園地を含むアッハの森に約3000本が咲く、埼玉の新サクラの名所です。近くにトトロの森もある通り、この遊園地は森に囲まれた絶好のローケーションで、大観覧車や高さ80メートルのジャイロタワーからは、サクラ色に染まる園内はもちろん、5万本のサクラが咲く多摩湖まで一望できます。また、近年、人気を呼んでいるのが関東最大級の光のアート「イルミージュ」。約300万球の光で夜の闇に幻想的なイルミネーションの世界を「夜桜」とコラボさせながら作り出します。光の多さではディズニーランドにも負けていません。家族でまる一日かけて楽しめるデートにも最適の花見スポットです。
石戸蒲ザクラ(埼玉県) 樹齢800年以上のカバザクラの古木で、日本五大桜のひとつ。ヤマザクラとエドヒガンの自然交配雑種で、カバザクラという名の世界でひとつだけの樹種として大正11年に国の天然記念物に指定されています。指定された当時はかなりの巨木でしたが戦後だんだん樹勢が衰え、現在は4本あった幹のうち1本が残るのみ。それでも往時の面影をまだ残る立派な枝ぶりや、老木としての風格に偲ぶことができます。なお、カバの名前の由来は、鎌倉幕府をひらいた源頼朝の異母兄弟・蒲冠者源範頼(かばのかんじゃみなもとののりより)の伝説がこの地(石戸宿)に残されていることからついたそうです。
国営武蔵丘陵森林公園(埼玉県) 東京ドーム65個分の広さ、304ヘクタールを誇る国営の公園。名前のとおり森林の中にアスレチックコースやサイクリングコース、テニスコートや宿泊施設があり、泊りがけでスポーツや花見が楽しめる埼玉県民および東京都民の人気のスポットです。ポピー、カタクリ、アジサイ、クリスマスローズ、ルピナスなど四季折々に美しい花々の群生が鑑賞できる植物の宝庫でもあります。公園南口エリアにある花木園のサクラは、ソメイヨシノを中心に約500本の薄紅色がナノハナやレンギョウの黄色と鮮やかなコントラストを描き、歩く小道を美しく彩ります。隣接する野外炊飯場では、サクラの木々に囲まれ仲間や家族とバーベキューも可能です。
東武動物公園(埼玉県) 遊園地、動物園、花と植物の広場が融合した埼玉の人気レジャーランド。東西2キロメートルの広い園内には、ソメイヨシノを中心にヤエザクラやシダレザクラなど約3000本のサクラが点在し、アトラクションに乗りながら花見が楽しめます。おすすめは、サクラ色に染まった園内を一望できる観覧車「エマさんのチーズ風車」やサクラのトンネルをくぐり抜けるパークラインなど。名前通りに動物園として有名ですが、自然も豊かで美しい花や野鳥を観察することもでき、四季折々にイベントなども開催されます。サクラの季節は名前に桜の一字がつくと入園無料になる粋なサービスもあります。
天覧山・中央公園(埼玉県) 標高197メートルの山というよりは丘陵という風情の天覧山。その麓の中央公園から山頂にかけて約400本のソメイヨシノが咲き、市民の花見どころとしてたいへん賑わいます。20分程度で登れる小高い山ですが、その山頂からは満開の中央公園と飯能市街のサクラが一望でき、晴れた日は東京都心の高層ビル群やスカイツリー、富士山まで見渡せます。開花期間中には飯能まつりが開催され、よさこい、屋台囃子、民謡、花と植木市など楽しいイベントが盛りだくさん。ちなみに中央公園には青年会議所十周年記念行事で建てられた世界で唯一の鉄腕アトムの銅像があり、除幕式には手塚治虫先生も参加されたという由緒つきです。サクラに囲まれたアトムとツーショット写真をとってみてはいかがでしょう。アトムの誕生日は4月7日だと言いますからサクラの名所に立てて喜んでいるかも知れません。
熊谷桜堤(埼玉県) 東京駅から新幹線で約40分の熊谷。平成2年3月3日に「さくらの名所100選」にも選ばれている“熊谷桜堤”は、熊谷市の南にある荒川沿いの堤の通称。 JR熊谷駅から徒歩5分という近さの川沿いの土手に約2kmにわたる桜並木が続く。この場所は江戸時代から名高く、戦前には桜の名所として知れ渡り、上野から臨時のお花見電車が出るほどに人気があったという。 現在は約2キロにわたってソメイヨシノが約500本が壮麗な景観を描き出し、堤に咲く菜の花とのコントラストも美しい。3月下旬から4月上旬頃に桜の開花状況に応じて、1週間ほど“さくら祭り“も開催され、露店も並んで夜桜見物もでき、花見客で賑わいを見せている。
長瀞(埼玉県) 町の中央に川が流れる長瀞町は、秩父山地にある荒川上流の名勝。恵まれた渓谷美をいかし、ライン下りでも有名な町。 春は秩父鉄道長瀞駅の周辺から荒川沿いに北へ南へと延々とつづく約3000本のサクラ並木が見ごと。とくに北桜通りのサクラのトンネルが気分爽快。春のうららかな日差しの中、花吹雪がはらりはらりと舞い散る並木道をそぞろ歩く気持ちは何とも言えない。老齢の大木も多いが、伸び盛りの若木も育ちボリューム感がある。並木はソメイヨシノが中心になっていて、昭和35年(1960)頃に植えられたものがもっとも多い。名木では樹齢200余年と推定される“大手の桜”のエドヒガンザクラ、枝張り16メートルという法善寺境内のシダレザクラが素晴らしい。また、時期は遅れるが「通り抜けの桜」苑では、ヤエザクラのライトアップが楽しめる。
権現堂堤(埼玉県) 江戸時代から北関東の船便の重要な拠点として栄えた場所のひとつが幸手。当時は江戸川、 利根川、中川に囲まれた水郷でもあり、利根川の支流だった権現堂川は江戸川とつながり廻船 問屋が多く集まっていたという。今では川は消えて堤だけが当時の面影を残しているが、また決壊した川を鎮めるために母と子が身を投げたという言い伝えがある供養碑も残っている。昔から“権現堂の桜堤”として桜の名所としても知られ、桜が満開の同じ時期にナノハナも咲き美しい花畑を見せてくれる。約1000本の桜とナノハナの両方が同時に花見が楽しめるとは、まさに首都圏でも数少ないスポット。桜は、両斜面沿いに植えられているので、伸びた枝は並木道に覆いかぶさるように低く咲き誇り、満開時には空を埋め尽くすほど。そんな中を歩くと、咲き誇る桜を独占したかのように桜の花びらが見る人を包んでくれるようだ。約6キロに渡って並木が続くので散策にもおススメコース。また花見ごろに咲く菜の花畑も圧巻。桜と菜の花が同時に満喫できる並木道は首都圏でも少なく、春を知らせる菜の花と桜の鮮やかなコントラストの彩りが実に美しい。家族とピクニック気分の花見で、ぜひ、訪れたい場所でもある。
清雲寺のしだれ桜(埼玉県) 深い山間にある奥秩父、荒川村。その東南、秩父札所二十九番長泉寺の近くにあるのが清雲寺。ここには県の天然記念物に指定された樹齢六百年のシダレザクラがある。この寺は応永三十年の開祖、臨済宗建長寺派に属する禅寺。境内には他に樹齢三百年のシダレザクラやヤエザクラ、エドヒガン、チチブベニなど種類の違ったシダレザクラが二十本以上も植樹されている。村の人達に荒川村の名物と聞くと「清雲寺のシダレザクラ」と、答えるほど村の自慢の種。樹高十五メートル、幹の回りは約三メートル、枝張りは十数メートルで、満開時には花の傘を広げたような優雅なたたずまいを見せる。それに花をつけた枝が地面の近くまで垂れ下がり、艶やかの枝ぶりを披露。ちなみに桜は清雲寺を開いた梅峰香禅師が植えたものでと伝えられる。この桜を見に訪れる人は多く、近年は観光バスの団体で見物に来る人も絶えない。この桜は、ヤエザクラで他の種類に比べて花を開いて二週間位は楽しめ、夜はライトアップされ、他の桜と合わせて雅やかな美しさを見せてくれる。静かに時を刻みつづける老樹は、奥秩父の厳しい風雪に絶えながらも春には土地に恥じない美しさで彩りつづけている。
千葉公園(千葉県) 早咲きのカワヅザクラに始まり、ソメイヨシノ470本、ヤマザクラ90本、サトザクラ50本、シダレザクラ30本など約660本のサクラが咲き誇る、都心の花見の名所。見どころはお花見広場のソメイヨシノと綿打池畔のシダレザクラで、ボートを漕ぎながらサクラの向こうに伸びる都心のビル群を眺めるのがこの公園の花見の醍醐味です。女性に人気がありそうなとても濃いピンク色の愛らしい「陽光」というカンヒザクラとアマギヨシノの交雑種もお花見広場で鑑賞できます。池の周りではサクラの開花に合わせてライトアップも…。また、サクラの開花の頃、濃い紫色のムスカリが辺り一面に群生し、紫色の絨毯の上に咲くサクラ並木の美しい光景が楽しめます。
清水公園(千葉県・野田市) 「さくらの名所100選」に選ばれた全国でも有数のサクラの名所。明治27年に創設され、当時は聚楽園とも呼ばれました。昭和2年にサクラを植栽したのを皮切りに、現在約28万平方メートルの園内に50種約2000本ものサクラが花をつけます。公園自体は入園無料で、日本最大級のフィールドアスレチックをはじめ、巨大噴水迷路「アクアベンチャー」や総合花園「花ファンタジア」、キャンプ場やバーベキュー場など、たくさんのレジャー施設があり、こちらはリーズナブルですが有料もあるので各施設ごとに要チェック。サクラが散ったあと、関東有数の規模を誇るツツジ約2万株が色づきます。
茂原公園(千葉県) 山や湖など自然の地形を利用し、展望広場や散策道、多目的広場などを整備した自然豊かな公園。「さくらの名所100選」にも選ばれ、園内にはサトザクラ、ヤマザクラ、ソメイヨシノなど約2850本のサクラが咲き競います。おすすめは1周約1キロメートルの外周園路。ランニングやウォーキングをしながら両脇に続くサクラ並木を楽しめます。また、散策道の展望デッキからは弁天湖にかかる赤い橋と周囲を包む桜色の群落を一望でき、散歩しながらサクラを愛でるコースがいろいろあるのが特徴です。開花期間中は「茂原桜まつり」も開催され、桜吹雪の中、和太鼓などの音楽イベントも行われます。
佐倉城址公園(千葉県) 千葉県で唯一「日本100名城」に選ばれた佐倉城は、江戸時代初期の築造で、江戸の東を守る要として歴代の有力譜代大名が城主となりましたが、中でも日本を開国に導いた幕末の老中・堀田正睦(ほったまさよし)が有名です。現在は、四季折々に色づく草花を楽しめる公園として、特にサクラとショウブの季節は、人出が絶えることがなく、多くの市民に愛されています。園内のサクラは白妙(シロタエ)、金剛桜(コンゴウザクラ)、アメリカなど珍しい品種や江戸時代からの名桜と呼ばれる品種も含め、約50種1100本が咲き誇ります。城自体は明治に取り壊されてありませんが、往時を偲ぶ本丸跡や馬出し空堀などとサクラの美しい情景が花見に色を添えます。開花期間中、佐倉市の名産品や飲食の販売も予定されています。
あけぼの山公園(千葉県) 総面積約24haのあけぼの山公園は、千葉県柏市布施にある柏市制施40周年を記念してオープンした公園で、ふたつの公園で構成されている。そのひとつが、約5.8haのあけぼの山の愛称でも知られている「あけぼの山公園」。春には500本のソメイヨシノが咲くさくら山、日本庭園、柏泉亭、竹林、つばき園、芝桜園、小林一茶の俳句碑などがある。また隣接した場所には、「あけぼの山農業公園」がある。こちらは無料で入れて柏市のシンボルとも言われる風車と、果樹園、体験農園、市民農園、牧草地、水稲農園、トマトハウス(農産物販売所)、冒険の森アスレチックコース、展示温室、ハーブ園、水生植物園、などがある。いずれの公園も同じ園内にある。ちなみに、「あけぼの山農業公園」でカンヒザクラを楽しむことができる。
八鶴湖(千葉県) 平安時代から室町時代の豪族粟飯原氏の城跡で、現在も本丸跡が一部残されている小見川城公園は、通称「城山公園」と呼ばれる北総随一のお花見の名所。春にはソメイヨシノを中心に約1000本のサクラが満開になる。また、サクラと同時期に、約4000本のツツジも園内を埋め尽くす。そのため、4月上旬~中旬にかけて『さくらつつじ祭り』が開催される。期間中は、約1000個のぼんぼりが灯りで幻想的な夜桜も楽しめる。また、園内にはサクラたツツジだけでなく、約70種、約6000本の多彩な樹木が植栽され四季折々の花木を楽しむことができる。ちなみに、サクラ祭りの始まりは、昭和6年に小見川に鉄道が開通されたことがキッカケで、昭和20年代後半には、小見川の観光協会が城山にボンボリを灯したことが、今に引き継がれている。
小見川城山公園(千葉県)
みなとみらい21地区さくら通り(神奈川県) 横浜最先端都市みなとみらいは、理路整然とした街づくりが特徴の高層ビル街。横浜ランドマークタワーやクイーンズスクエア、横浜赤レンガ倉庫、ワールドポーターズなどのショッピング施設に加え、複合コンベンションセンター、パシフィコ横浜、カップヌードルミュージアム、横浜コスモワールド、公園、温泉、などがある。お花見スポットとして知られているのは、横浜ランドマークタワーからパシフィコ横浜へ続く約500m、みなとみらい21地区さくら通りと呼ばれる場所。約109本のソメイヨシノが植栽されている。満開になる頃には『みなとみらい21さくらフェスタ』が行われ、さくら通りは歩行者天国となり、華やかなパレード、綱引き選手権、はたらく車の展示、お花見に合わせたメニューが目白押しのグルメストリートなどが開催される。また、この期間限定カラーの周辺施設のライトアップも幻想的に街を彩る。その他、近隣施設でもサクラをイメージしたフードや、連携イベントが開催される。
県立三ツ池公園(神奈川県) 約30ヘクタールもの起伏に富んだ園内は、その名の由来になっている三つの池(上の池、中の池、下の池)を豊かな樹木が取り囲み、「百樹の森」とも呼ばれている。春になると、満開のサクラの花の濃淡が池の水面に映り、その美しさは日本の「さくら名所100選」に選ばれたほど。サクラの7割を占めるソメイヨシノの他、園内では2月中旬に開花するカンザクラを皮切りに、78品種約1600本のサクラが開花時期を少しずつずらして花を咲かせ、訪れる人の目を楽しませてくれる。なかには濃いピンクが特徴のヨコハマヒザクラ、薄緑色の八重咲きウコン、2本のめしべが象の牙のように見えることから名付けられたフゲンゾウなどの珍しい品種も。三つの池を周遊する水辺の散策コースには、里の広場やいこいの広場など、お弁当を広げたり子供が遊べる広場が点在している。
三渓園(神奈川県) 横浜の東南部、本牧に広がる日本庭園で、約175ヘクタールに及ぶ園内に点在する歴史的建造物や池と桜が見事に調和。ソメイヨシノ、シダレザクラ、ヤマザクラ、オオシマザクラ、ヤエザクラなど、外苑の大池周辺に配された桜が美しい。もとは生糸貿易により財をなした実業家・原 三渓の邸宅で、古建築の収集・移築を進めながら年数をかけて現在の外苑に当たる庭を造園したもの。1906年(明治39年)に外苑を無料公開して以降、近隣をはじめ各地から訪れる多くの人に親しまれてきた。三渓が存命中は、新進芸術家育成の場ともなり、前田青邨の「神興振」、横山大観の「柳陰」、下村観山の「弱法師」など、近代日本画を代表する多くの作品が園内で生まれている。「観桜の夕べ」開催期間には、三重塔などの建造物とサクラがライトアップされ、華やかな夜桜を楽しめる。ペットを連れての入園、火の使用、カラオケ、場所取りは不可。
こどもの国(神奈川県) 横浜市青葉区と東京都町田市にまたがる多摩丘陵の自然を生かした100万平方メートルの広大な遊び場。さまざまな遊具を配した広場の他、動物園や牧場があり、乳しぼりなどの体験イベントが好評。ファミリーはもちろん、オトナのカップルも楽しめるスポットだ。春にはソメイヨシノをはじめシダレザクラ、ギョイコウなど約40種約1000本のサクラが咲き競うが、なかでも中央広場のシダレザクラが圧巻。また、白鳥湖西側の山全体がサクラで、開花期には一面がピンク色に染まる。サクラの木の下にシートを広げてお弁当を食べるもよし、2人乗りのサイクルボートや3人乗りのローボートで水面に枝を伸ばすシダレザクラを間近に鑑賞するもよし。広々とした空間で思い思いの花見が楽しめる。
さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト(神奈川県) 相模湖を見下ろす東の丘陵地に広がる一大レジャー施設。約30種類のアトラクションの他、さがみ湖温泉「うるり」を有する「遊園地エリア」と、トレーラーハウス、オートキャンプ場、ログキャビン、常設テント、ドッグフィールドなど、さまざまなエリアで気軽にキャンプが楽しめる「キャンプ・バーべキューエリア」の二つのエリアに分かれている。春になると、145万平方mの広大な敷地を巡る散策路沿いに、樹齢30~40年の見頃を迎えたソメイヨシノをはじめ、ヤエザクラ、ヤマザクラの2000本のサクラが咲き誇る。遊園地からキャンプ場へ続くサクラのトンネル、ピンクの雲海のように広がるサクラを見下ろす展望台や観覧車などのおすすめスポットも。「さくらまつり」期間中、夜はライトアップされたサクラと、関東最大600万球のイルミネーションとの競演を楽しめる。
衣笠山公園(神奈川県) 横須賀市のほぼ中央に位置する丘陵地に、日露戦争戦没者の霊を慰めるためサクラやツツジを植樹して、明治40年(1907年)に開園。鎌倉時代に三浦半島一帯を支配した三浦氏の衣笠城址に隣接し、気象条件がよければ、山頂展望台から大楠山越しに富士山、東京湾方向にはランドマークタワー、海ほたる、房総半島が一望できる。サクラは開園時に植栽された後、昭和30年(1955年)にも植栽。ソメイヨシノ、シダレザクラ、ヤマザクラなど約2000本が咲き誇り、三浦半島随一の桜の名所として日本の「さくら名所100選」の一つに選ばれている。「衣笠さくら祭」の期間中の夜間(18時~20時)にはサクラをライトアップ、静かな環境でゆっくり夜桜見物が楽しめる。
鎌倉山(神奈川県) 昭和初期、郊外型の高級別荘地として開発され、その名を全国に知らしめた鎌倉山。日本初の自動車専用道路がJR横須賀線の大船駅まで通され、自然の山並みを生かし、緑の木々の中に家が点在する住宅地が誕生した。バス通り沿いに植えられたサクラ並木は鎌倉でも有数のサクラの名所。満開のサクラとともに、往時を偲ばせる邸宅やモダンな家が建ち並ぶ高級住宅街のハイソな気分を満喫できる。周辺にはお洒落なランチやティーブレークが楽しめるカフェやレストラン、老舗蕎麦店も。足を延ばせば、上・下二つの池を散策できる「夫婦池公園」があり、水辺のヤマザクラと淡い緑の山並みの春ならではのコントラスト、ウグイスの透明なさえずりが迎えてくれる。
源氏山公園 (神奈川県) 源氏山は英勝寺と寿福寺の裏にまたがる山で、源頼朝の祖先である八幡太郎義家が後三年の役で山上に白旗を立てて戦勝祈願をしたという伝説から、源氏山、白旗山と呼ばれている。その山の地形を利用して造られ、緑豊かな自然に包まれた公園の中央には、高さ2mの頼朝の坐像がある。鎌倉屈指のサクラの名所で、満開時にはソメイヨシノを中心に約300本のサクラが公園一帯を淡いピンクに染める。約3キロの葛原岡・大仏ハイキングコースの中間点に位置するため、鎌倉駅と北鎌倉駅からのアクセスが可能。比較的高低差の少ないコースなので、ハイキングを兼ねて花見が楽しめる。公園近くの葛原岡神社、化粧(けわい)坂をはじめ、コースの周辺には佐助稲荷、高徳院(鎌倉大仏)、銭洗い弁財天、浄智寺などの名所も点在する。
箱根強羅山公園 (神奈川県) 早雲山中腹にあるフランス式庭園。正門は標高574メートル、西門は標高約611メートルという傾斜地に一年を通じてさまざまな花が咲く、花の名所として知られている。なかでもサクラ、ツツジ、アジサイは園内全体を彩り、開花期には多くの人が訪れる。サクラは例年4月上旬からカワヅザクラ、ヤマザクラ、ソメイヨシノ、シダレザクラ、コヒガンザクラなど十数種類の品種が次々と咲きはじめる。また園内には、10月~4月まで咲くジュウガツザクラ、箱根山中には3本しかない希少品種の八重咲きのマメザクラも。その他、箱根周辺のサクラの名所として宮ノ下・芦ノ湖周辺・宮城野(早川堤)・塔ノ沢・湯本・大平台・大涌谷などが有名なので、併せてサクラ巡りを楽しみたい。
小田原城(神奈川県) 箱根の入口に位置する小田原は東海道の宿場町として知られる。市内を見渡せる小高い丘には白亜の天守閣が復元されており、城内は約350本のソメイヨシノが咲き誇る。城は1500年ごろに戦国大名小田原北条氏の居城として関東に君臨。豊臣秀吉の来攻に備えて城下を囲む総構を完成させると城の規模は最大に達し、日本最大の中世城郭に発展。3代当主北条氏康の時代には、上杉謙信や武田信玄の攻撃に耐えた。春は小田原城址公園を中心に「小田原桜まつり」が開催される。特に小田原城天守閣周辺とお堀沿いの桜並木は見事で、多くの観光客で賑わう。期間中18時から22時までボンボリに灯がともされ、天守閣、銅門のライトアップとあわせ、美しい夜桜を楽しむことができる。天守閣を背景にお堀などにソメイヨシノが美しく咲き競う。
長興山のしだれ桜(神奈川県) 神奈川県随一の桜の名木と言われるこのシダレザクラは、温泉街で知られる箱根湯本の手前、長興山紹太寺にある。樹齢三百二十年以上で樹高約十三メートル、幹回り四、七メートル、枝張りは南北十三メートルで、市の天然記念物にも指定されている。この長興山といっても山名ではなく、江戸時代に小田原城主となった稲葉正勝が開いた長興山紹太寺を指す地名。彼は将軍家光の乳母を努めた春日局の子。二代目正則の時代に父母の菩提を弔うために建てた寺で、広大な庭園もあったが、幕末の火災で全て消失。子院の清雲院が紹太寺の寺号を継いだ。今では木々が生い茂り当時の庭石として据えられた巨石が面影を残し、建立時に植えたシダレザクラが美しく残るだけ。この桜を見に行くには箱根登山鉄道入生田駅から徒歩で二十分。坂道の本堂の裏山を登り、稲葉一族の供養塔を越え、三百六十段の石段を登ってたどり着く。歩きなれない人には足にこたえる道のり。満開時には緑の山を背景にしだれ落ちる枝を八方に広げ、滝を彷彿させる。近年は、樹勢の衰えから回復の治療を継続を行っており、その成果もあってかより生命力を持つ美しさを見せる。
上野恩賜公園    (台東区) 江戸城の鎮護の寺として建てられた寛永寺に桜が植えられたのが始まり。以後、上野の山が桜の名所となったのは寛永年間(1624~1644年)からで、境内が開放され、現在は園内には上野動物園含むと約1200本の桜がある。総面積約53万平方mの広々とした園内一帯には、ソメイヨシノを中心に、オオカンザクラ、ヤマザクラなどのサクラが一斉に咲き誇る。花時には、ボンボリの灯りの下で、下町情緒たっぷりの宴会光景など、夜桜見物が楽しめる。おすすめの場所は、賑やかな上野の森よりも西側に位置する弁天堂がある不忍の池。屋台の並ぶ参道を越えて、裏側にあるボート乗り場の先の通りは、静寂な雰囲気での桜並木の通りを歩くのいい。
隅田公園(墨田区) 浅草から隅田川沿いに上流に向かい言問橋を越え、桜橋の手前の墨田区側のある公園。江戸享保年間に八代将軍・吉宗の命により植栽されたのが始まり。 その後長くお花見の名所として、親しまれてきた。現在の桜は335本本(ソメイヨシノが主)。期間中はボンボリの灯りが桜を照らし、「墨堤さくらまつり」を開催。地元を挙げての模擬店や向島芸者による芸妓茶屋が催される。また、屋形船などで水辺からも夜桜が楽しめるなど、昔からの人気が高いスポット。
千鳥ヶ淵公園   (千代田区) 桜の名所の千鳥ヶ淵緑道は、皇居西側の千鳥ヶ淵に沿う全長約700mの遊歩道で、千鳥ケ淵戦没者墓苑入口から靖国通り沿いの麹町消防署九段出張所まで伸びている。都心とはいえ昭和30年頃から植栽された緑道のソメイヨシノやオオシマザクラなど北の丸公園、千鳥ケ淵公園等を含めて約1000本の桜が見られる。早朝から通勤前に桜を見に立ち寄るサラリーマンも多く、見頃になると武道館で行われる大学にの入学式と重なり、朝から混雑するほどの名所。お堀には貸しボートもあり、水面から見上げるように見る桜も、また美しい。さらに夕刻からライトアツプされ、お掘に大きく枝を広げた桜が水辺との美しいコントラストを見せ、壕に倒れこむような見事な枝ぶりが心酔わせる。水面に浮く散った花びらなど、壕を華やかに埋め尽くす光景は、まさに都心とは思えないほど。隣の北の丸公園側の桜もうっすらと見え、宴会はできないが歩きながら愛でることができる。また、田安門付近はシルエットになり、お江戸の雰囲気を伝える格別な趣の桜が眺められる。また、あまり知られていないが、反対側の北の丸公園には散策路があり、そこから逆の桜並木の風景が眺められ、それも夕景になると、ひと味違う感動が楽しめる。
外濠公園(千代田) 外濠公園は、江戸城外濠であった牛込濠・新見附濠・市ヶ谷濠に沿うように位置し、飯田橋駅から市ヶ谷駅、四ツ谷駅までの約2kmに渡る公園である。園内には、ソメイヨシノやヤマザクラなど約240本のサクラがあり、公園が車道から一段上がった遊歩道になっているので、お花見をしながらゆっくりと散策することできる。サクラは満開時だけではなく、散り始めに外堀にサクラの花びらが浮かぶ様子は和の文様にように美しい。また、総武線や中央線の車窓からも見る外濠公園はこの時期の風物詩になっている。ちなみに、外濠公園でのお花見は、公園内は火器類(自家発電機を含む)の使用やカラオケ等騒音禁止、シートだけでの場所取り禁止、ゴミは持ち帰りなどのルールがある。
靖国神社(千代田) 靖国神社は、ソメイヨシノやヤマザクラなど約400本のサクラが植栽され、境内にあるソメイヨシノは、気象庁が東京の桜の開花宣言をする際の基準木になっている。桜が満開になる時期には『千代田のさくらまつり』が開催され、様々なイベントが行われる。なかでも、都内で最古といわれる能楽堂で幻想的な夜桜能(有料)の奉納や総勢200名の力士による奉納大相撲などは見ごたえたっぷりである。また、この『千代田のさくらまつり』以外にも靖国神社では、春秋には例大祭が行われている。また、靖国神社内の回遊式の神池庭園は、景色の素晴らしさから名園にひとつにされている。その他、一般的な神社同様に本殿や鳥居、能楽堂、神門などもある。
六本木ヒルズ(港区) 2003年(平成15年)4月に開業した六本木ヒルズは、高層オフィスビル 「六本木ヒルズ森タワー」を中心に、集合住宅 、ホテル 、テレビ朝日本社社屋、映画館、美術館などの文化施設、その他の商業施設などで構成されている。六本木ヒルズ内には、面積4300㎡の敷地に、池を中心にし、滝、渓流、川のせせらぎや、桜、イチョウといった木々を配し、四季折々に変化する木々や植物の表情を感じることができる、回遊式の毛利庭園がある。庭園内の8本のソメイヨシノは六本木ヒルズの開発前から根をおろす老木で、毛利庭園のシンボル的存在になっている。六本木けやき坂通りと平行する六本木さくら坂にはソメイヨシノ75本が並び、約400mの桜並木となっている。桜の開花に合わせてライトアップが行われ、幻想的な夜桜見物も人気。また、サクラのライトアップに合わせて各種イベントが開催される。
アークヒルズ桜坂  (港区) 日本屈指のコンサートホールであるサントリーホールやANAインターコンチネンタルホテル東京などがある東京を代表する都会的なスポットのひとつがアークヒルズ。サクラは、アークヒルズの外周沿いの桜坂とスペイン坂に約150本並ぶ。いずれのサクラも20年以上の歳月を経た古木のソメイヨシノで、満開期には全長700mにも及ぶ桜のトンネルができる。また、サクラの開花にあわせてライトアップも行われ、並木沿いにレストランやバーからは、食事を楽しみながらオシャレに夜桜を楽しむことができる。ちなみに、アークヒルズは、東京で最初の大規模都市 再開発プロジェクトとして誕生し、アーク森ビルはアークヒルズのシンボルとなるオフィスタワーになっている。また、桜坂の名は第二次世界大戦で焼失するまで大きな桜の木があったことに由来する。
東京ミッドタウン  (港区) 東京ミッドタウンは、江戸時代萩藩、毛利家下屋敷で、明治時代は陸軍駐屯地。その後、終戦後には米軍将校の宿舎となり、日本に返還された後は防衛庁の檜町庁舎だったが、2000年、防衛庁本庁が檜町から市ヶ谷に移転し、新しい都市計画がスタート。2001年9月にプロジェクトスタートし、民間都市再生の事業認定を受け2007年3月にグランドオープンしたもの。そのため、敷地内には、旧防衛庁時代から受け継いだソメイヨシノやヤエベニシダレなどのサクラが約45本を含む約150本ある。満開のシーズンには『ミッドタウン・ブロッサム』イベントが行われ、期間中はライトアップを行う。開花前はサクラをピンク色のライトで照らし、まるでひと足先に桜が咲いているかのような空間が楽しめる。
目黒川の桜並木  (目黒区) 目黒川は、世田谷区から目黒区、品川区を通り東京湾に注ぐ延長約8kmの川である。大橋から太鼓橋周辺までの約3.8kmが桜並木で彩られ、都内でも有数の桜の名所としても知られています。サクラが植えられてキッカケは、川幅が狭く、水深が浅かった目黒川は大雨が降ると川が氾濫、そのたびに護岸工事が繰り替えされたこと。その工事のたびに、地元の有志が記念に昭和2年サクラを植え今では約800本のサクラが咲く場所になったのだとか。満開の時期には、『中目黒さくら祭り』が10日間程度開催され、吹奏楽のコンサート、ダンス、阿波、よさこいなどのパフォーマンスをはじめ、三味線や和太鼓の演奏などが楽しめる。また、桜並木に沿ってぼんぼりに灯かりが灯され、ライトアップが行われるので、夜桜を見ることもできる。
新宿御苑(新宿区) 新宿御苑の歴史は、日本の近代農業振興を目的とする内藤新宿試験場が明治5年(1871)に設置されたことに始まる。その後、宮内庁所管の新宿植物御苑になり、明治39年(1906)に日本初の皇室庭園の時代を経て、戦後国民公園になり一般に開放されたもの。現在は、広さ58.3ha、周囲3.5kmの敷地内には、イギリス風景式庭園、フランス式整形庭園、日本庭園がたくみに組み合わせられている日本における近代西洋庭園の名園にひとつになっている。サクラは、約65品種1100本あり、3月上旬は早咲きのカワヅザクラが花開くと、ヤマザクラなどの一重咲き種が咲き、4月上旬にはイチヨウやカンザンなどの八重咲きはじめ1ヶ月以上お花見が楽しめる場所となっている。なかでも、3月下旬~4月上旬に咲くソメイヨシノは約400本、4月上旬~下旬の八重桜は約20品種300本と数が多い。満開期には大正時代から行われきた観桜会が『春の特別開園』として行われている。
播磨坂さくら並木  (文京区) 播磨坂は、江戸時代にこの辺りに松平播磨守の上屋敷であったことと千川が流れる低地一帯には「播磨田んぼ」が広がっていたことから播磨坂と呼ばれるようになった場所である。第二次大戦後の区画整理でできた環状3号線の一部として整備され、昭和35年に坂の舗装が行われた際に、当時の花を植える運動の一環としてサクラ若木が150本植えられ、地元の人々の手で育てられ桜並木となった。3月下旬~4月上旬に花の開花にあわせて文京花の五大祭りのひとつである『文京さくら祭り』が開催される。イベント時の休日には、歩行者天国ほか、吹奏楽の演奏やこども動物村などが行われる。また、期間中には、ぼんぼりの明かりでサクラがライトアップされ、風情のある夜桜を楽しむことができる。

小石川後楽園のしだれ桜(文京区) 元水戸藩上屋敷の庭園として知られ、国の特別史跡、特別名勝に指定されている。江戸時代初期に初代徳川頼房が造園に着手し、「黄門さま」二代光圀が完成させたもの。随所に自分の趣味性を継ぎながらも、当時、明国から亡命してきた儒者の意見を参考にして造り上げた名園。「天下に後れて楽しむ」という意味の後楽園の名も宗の時代の「岳陽楼記」の一節から付けたという。園内は西湖堤や蓬莱島など中国にある名所の名前が付けられた景観が所々に配されており、四季折々の花木が楽しめるが、何といっても春に咲くシダレザクラが美しい。この桜は、「馬場の桜」とも呼ばれているが、この名称は昔、広々とした芝生に桜を多く植えた馬場からきており、後に東門に正門があったころに入ったところにあったシダレザクラの巨木を言う。昭和十七年に樹勢が衰えたが根継ぎして回復をはかり、昭和四十年頃まで見事な花を咲かせていたが、枯れてしまう。現在の桜は初代の後を継ぐ二代目、今の正門になる西門のすぐ前にあり、樹齢は推定六十年、樹高八メートル、幹回りは一メートル三十五センチ、枝張りは十一メートル。その優美な枝ぶりは、人の心を圧迫するほどの華やかさがある。
六義園のしだれ桜  (文京区) 小石川後楽園とともに江戸時代を代表する二代名園に数えられ、造ったのが五代将軍徳川綱吉の側近として絶大な権力をふるった柳沢吉保。将軍より与えられた下屋敷の土地に七年もの歳月をかけて築造したもの。園内は万葉集や古今和歌集に詠まれた名勝が再現され、紀州和歌の浦や渡月橋、吹上浜などがある。名前の由来は中国の古典「詩経」の六儀(賦、比、興、風、雅、頌)に由来するもので、古今和歌集の序文にも出てくる詩歌の心を表現した言葉と伝われている。また、同園は昭和十三年に東京市に岩崎弥太郎氏より寄贈され、のちに六本のシダレザクラが植樹される。季節を通し、初夏の緑、秋の紅葉、冬の雪景色も格別な美しさを見せるが、春の名物となっているのが、正門を入ってすぐのシダレザクラ。3本を寄せ植えしたもので、樹齢60年で樹高15m、枝張り20m、幹回り5m。ボリューム感があり、その姿にしばし足が釘付けになって立ちつくすほど。満開の時には、枝いっぱいに見事な花を咲かせ、薄紅色の滝のような姿はまさに圧巻。またライトアップされ、園内の緑を背景に、浮かび上がる姿は昼とはまた異なった趣で、その壮麗さをきわだたせている。
 小石川植物園の染井吉野(文京区)  同植物園は、正式には東京大学理学部付属植物園。昔は五代将軍徳川綱吉の下屋敷、白山御殿があったところで、後に幕府の薬草園となり、青木昆陽がここでサツマイモの試作を行った史実は有名。明治十年には東京大学の管理となった。ここの入口付近のソメイヨシノの巨木には、この植物園の重みを垣間見ることができる。ソメイヨシノのルーツは、江戸末期から明治にかけて、江戸、染井村の植木職人が売り出したのが最初といわれている。その後、明治三十四年上野公園の桜を開花調査した本草学者、藤野奇命が吉野の山桜との混合を避けるために「染井吉野」と命名。それから約百年たらずで全国の八割を占めるほどになった。この桜のルーツは最新の説だと千七百二十~三十五年頃、将軍家の植木職人伊藤兵衛政武が交配、育成したものと考えられている。この植物園には、明治初年には樹齢百年にも達する老樹があったという。植えられた年代を考えれば現在、確認されているなかで最も古いソメイヨシノといえそうだ。だが、残念ながら枯れてしまい、その子孫が樹齢百二十年を越える巨木に生え変わっている。この桜にソメイのルーツを想い、じっくりと仰ぎ見れば、その美しさに感激もひとしおといえる。
 石神井公園(練馬区)  総面積開園面積225,650.03平方mの石神井公園は、樹林に囲まれた落ち着いた風情の三宝寺池、ボート遊びが楽しめる石神井池の2つの池を中心とした公園。園内は起伏に富み、武蔵野の自然が残されている。園内には約350本のサクラがあり、三宝寺池北側の台地と石神井池北岸にはソメイヨシノ、石神井池南東側の野球場周辺には遅咲きのサトザクラ系、石神井池南側台地には遅咲きのヤマザクラの大樹が植樹されている。サクラ以外にもカエデ、ラクウショウ、ケヤキ、シダレヤナギ、ハンノキ、カキツバタ、スイレン、コウホネ、トウミツ、ミツガシワなど多くの植物を見ることができる。園内には、石神井城跡とこれに関する幾つかの遺跡があるほか、野球場、小野球場、テニスコート、野外ステージ、ボート場などの施設もある。
 石神井川の桜並木  (板橋区)  中板橋駅の北側を流れる石神井川の両岸は、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、サトザクラ、オオシマザクラなど様々なサクラが約1000本咲き誇る花名所のひとつ。なかでも、中板橋駅近くの双葉町から加賀へと至る約2kmは対岸に届かんばかりの桜のトンネルの下を川が流れ見頃である。ちなみに、小平市に源を発する石神井川は、北区の辺りでは古くから音無川と呼ばれ北区には音無親水公園がある。音無親水公園近くは、古くからの景勝地であったとされ浮世絵師・歌川(安藤)広重の「名所江戸百景」にも描かれている。ちなみに、飛鳥山も近い王子界隈は、江戸時代には茶屋などが多く立ち並び庶民の行楽地の一つとして賑わっていた場所である。今でもこだわりの材料と道具で丹精こめて作られた久寿餅などが売られている店もある。
 水元公園(葛飾区)  水元公園は小合溜井に沿って造られた公園。総面積963,013.00平方mの園内には、小合溜井から引いた大小の水路が園内を走り、水郷景観を作りだしている。園内にはポプラ並木やメタセコイアの森、ハンノキなど水辺に強い樹木が生育し、ハ ナショウブ、スイレン、コウホネといった水生植物を数多くみることができる東京唯一の水郷と呼ぶに相応しい景観を保っている場所である。園内の施設には、施設野外ステージ、少年キャンプ広場、冒険広場、バーベキュー広場、かわせみの里(TEL 03-3627-5201)、集会場(涼亭)、ドッグランなどがある。また、サクラは園内に約660本、桜堤通り約700本、合せて約1360本あり花見スポットのひとつになっている。ちなみに、小合溜井とは小合溜とも呼ばれ、東京都葛飾区と埼玉県三郷市との県境にある江戸時代に作られた、用水を確保するために河川を堰き止めて作った用水池のことである。
 洗足池公園(大田区 )  広さが約4haの園内に大きな洗足池がある公園が、大田区にある洗足池公園。池周囲には、ソメイヨシノを中心に200本以上サクラが植栽され、ボートの上からの花見を楽しむことができる。また、桜山、桜広場などの観桜スポットもある。その他、園内には、洗足池図書館、洗足池児童館などの他、区指定文化財の勝海舟夫妻の墓や西郷隆盛の留魂祠、徳富蘇峰の石碑などの文化財がある。また、洗足池弁財天、洗足八幡神社、御松庵妙福寺と3つの寺社が知られている。ちなみに、洗足池という名前は、日蓮が足を洗ったという逸話から付けられたとされている他、洗足池の様子は浮世絵師である歌川広重が、江戸時代に描いた浮世絵、名所江戸百景・千束の池袈裟懸松が知られている。
 池上本門寺(大田区)  靖国神社、上野公園とともに、都心のサクラの名所のひとつが池上本門寺である。境内には、ソメイヨシノや、珍しいササベザクラが植えられている。このササベザクラは、笹部桜と書き、カスミザクラとオオシマザクラ系のサトザクラとの交雑種と推定されているものである。サクラが満開の時期には『春まつり』が開催され、普段は入ることができない国の重要文化財であり、関東で現存する最古で最大の五重塔が特別に開帳される他、甘茶のふるまいや、こども達による花祭りパレードなどが行われる。ちなみに、池上本門寺は、東京都大田区にある日蓮宗の大本山で、日蓮聖人が弘安5年(1282年)10月13日、61歳で入滅(臨終)された霊跡である。境内は、法華経の文字数69384字にあやかり約7万坪。毎年10月11日・12日・13日の3日間にわたって、日蓮聖人の遺徳を偲ぶ『お会式法要』が行われ、殊にお逮夜に当たる12日の夜は多くの参詣者が訪れることでも有名である。
 砧公園(世田谷区)  昭和32年4月に開園し面積約39万㎡の広大な敷地を持つ都立公園。園内には至る所にサクラが植えられ、春にはソメイヨシノやヤマザクラなど約930本が開花する。中でも園内を流れる多摩川の支流、谷戸川沿いはサクラの名所になっている。いずれのサクラも巨樹が多い。また、園内は自然の地形を活かし、芝生の広場と樹林で構成されるファミリーパークと運動施設に分かれ、施設軟式野球場兼競技場、小サッカー場、サイクリングコース、世田谷美術館などもある。また、植物はケヤキ、サワラ、オオムラサキツツジ、シラカシ、クスノキ、スダジイ、サツキなども植栽されている。ちなみに、砧公園は、戦時中は防空緑地、戦後は都営のゴルフ場として開放されていた場所である。
 代々木公園(渋谷区)  23区内で四番目の広さを誇る都立代々木公園は、かつて陸軍代々木練兵場であった場所である。その後、米軍の家族住宅ワシントンハイツから東京オリンピック選手村を経て、公園として整備され1971年開園された。園内には約730本のサクラがあり、ソメイヨシノを中心に、オオシマザクラ、ヤマザクラ、サトザクラ、カワヅザクラなどを見ることができる。なかでも、渋谷門そばにある桜の園は満開期には空をピンクに染めかえてしまうほどのサクラの密度は圧巻である。園内にはサクラだけでなく、イロハモミジ、クスノキ、クロマツ、ケヤキ、サルスベリ、ハナミズキ、マテバシイ、モクレン、モッコク、ヤマモモ、ユリノキ、キンモクセイ、ツツジ類、バラ、スダジイ、イチョウ などが数多く植栽されている。また、施設陸上競技場、サッカー・ホッケー場、バスケットコート、野外ステージ、サイクリングセンター、幼児用サイクリング広場、ドッグラン、バードサンクチュアリなどや高さ15m~30mの大小3基の噴水や水回廊がある水景施設、草地広場などもあり水と緑に包まれたモダンな都市公園として都民に愛されている。
 多摩森林科学園   (八王子市)  多摩森林科学園は、森林に関する研究機関で約7haの樹木園とサクラ保存林が公開されている他、木材を活用した2階建ての森の科学館がある。森の科学館では、パネルや映像、いろいろな資料を展示、交流の場、森林講座も開催されている。サクラは、約1,500本が植えられている8haの広大なサクラ保存林で2月下旬から4月下旬まで楽しむことができる。サクラ保存林には、江戸時代から伝わる栽培品種や国の天然記念物指定のサクラのクローンなど、全国各地のサクラを見ることができる。また、樹木園は昭和の初期から、国内外の樹木約500種、6,000本を植栽されているほか、園内では775種の野⽣植物が記録されている。都市近郊としては珍しく、野鳥、ほ乳類などたくさんの生き物の生息地になっている。園内では、約2時間の園内ガイドツアー(2時間)も開催されている。
 六義園(文京区)  国の特別名勝に指定されている六義園は、古今和歌集に詠まれた日本の名勝を八十八境として取り入れた庭園である。通常のソメイヨシノよりも一足先に見頃を迎える高さ約15m、幅は約20mのシダレザクラが有名で、例年3月下旬に満開になる。流れる滝のような大きなシダレザクラは圧巻で多くのカメラマンも訪れる。園内には、シダレザクラ以外にも、ソメイヨシノ、ヤマザクラなど約40本のサクラがあり、咲きそろう頃にはライトアップされ期間中は開園時間が21時まで延長される。ちなみに、六義園は造園当時から小石川後楽園とともに江戸の二大庭園とされている。 庭園の名は、中国の古い漢詩集である「毛詩」の詩の六義(風・賦・比・興・雅・頌)に由来している。
 国営昭和記念公園  (立川市)  総面積180haの国営昭和記念公園は、昭和天皇御在位50年記念事業の一環として建設された国営公園。園内は森のゾーン、広場ゾーン、水のゾーン、展示施設ゾーン、みどりの文化ゾーンの5ゾーンがある。サクラは、ソメイヨシノなどを中心に園内に31品種約1500本ある。園内を流れる川沿いには、早咲きのカワヅザクラから遅咲きのサトザクラなどが並び次々に咲いていく。もちろん、サクラ以外にも、渓流広場には絵画の植栽された23万球のチューリップ畑、18万株のムラサキハナナ、20万株のナノハナがあり咲き乱れる様子は圧巻。サクラが咲くシーズンには園内では『フラワーフェスティバル』が開催されフラワーガイドツアーや、体験教室などのイベントが展開される。
 井の頭恩賜公園   (武蔵野市)  総面積約42万平方m井の頭恩賜公園の歴史は古く大正2年に日本最初の郊外公園として決定され、大正6年(1917年)に開園。園内には約500本のサクラがあり、池の周囲には約250本が植栽されている。そのため、園内の七井橋の上から眺めるサクラは、池に出して咲くので池の面に映りこみ圧巻である。また、満開期のサクラが散り水面に浮く花びらは風情を楽しめる。西園にはヤエザクラ、シダレサクラなど各種の品種があるので早咲きは3月上旬頃から見頃となり、遅咲きのサクラをゴールデンウィークシーズン頃まで見ることができる。ちなみに、園内の井の頭池は、江戸にひかれたはじめての水道、神田上水の源で明治31年に改良水道ができるまで重要な役割を果たしていた武蔵野の貴重な水源地。また、縄文時代の竪穴式住居の遺跡も出土、徳川歴代将軍が鷹狩りをした場所としても知られている。
 神代植物公園    (調布市)  神代植物公園は、深大寺の北に広がる花と緑のオアシスとして市民から親しまれている場所。園内に約4800品種、約10万本の植物がある。なかでも、サクラは園内のさくら園には56品種約120本があるほか、トータルで約770本を見ることができる。とくに、シダレザクラや、芝生広場北側には神代植物公園由来の品種のサクラ、神代曙(ジンダイアケボノ)の原木もある。また、サクラだけでなく、ばら園では開花シーズンになると、春バラ約409品種5200株、秋バラ約300品種5000株が咲き誇る様子は圧巻。昭和60年に開園した水生植物園は、アシ、オギ、マコモ、アヤメなど多くの種類の水辺の植物が観察できる。その他、昭和36年の開園当初から続く、秋開催の菊花大会には力作が多数出品される。神代植物公園近くには、だるま市で有名な深大寺もある。
 小金井公園     (小金井市)  小金井市、武蔵野市、小平市、西東京市と4つの市にまたがる約80haの広さの都立小金井公園。園内には、玉川上水の小金井桜の伝統を受け継ぐヤマザクラをはじめ園内にはヤマザクラ、ソメイヨシノのほか、カスミザクラ、オオシマザクラ、サトザクラな、約1700本のサクラを見ることができる。なかでも、園内の桜の園には、ヤマザクラを中心に約430本の多彩なサクラが咲き誇ることで知られている。サクラが満開になる時期には、公園開園と同時に始まり60年の歴史を持っている『桜まつり』も開催され、花見時には1日に数万人が訪れるとされる。また、園内には都立小金井公園ドッグランもある。雑木林にあるので日陰が多く夏場も快適に過ごすことができる。ただし、ドッグラン以外の場所では園内は要リード。
 国立市の大学通り  (国立市)  サクラで有名な文教都市国立。国立駅南口から南に延びる大学通りは、大きなサクラとイチョウの木が並ぶ。サクラはソメイヨシノ、カンザクラ、ヤエシダレザクラ、オオシマザクラ、ヤマザクラなどで、大学通り・さくら通りあわせて約350本ある。なかでも、大学通りの両側を大きなサクラ200本が見事なアーチを描く様子は圧巻。サクラが満開の時期には、地元の商工会が中心となって毎年、谷保第三公園で『くにたちさくらフェスティバル』が開催される。開催時には、露店、ステージイベント、防災体験、フリーマッケットなどが楽しめる。ちなみに、国立駅前から谷保方向に伸びる直線が約1.8km、幅が44mの大学通り(三十間道路)は、正式には東京都道146号 国立停車場・谷保線と呼ばれ、昭和初期に山林だったところを切り開いて飛行場として作られた場所である。

 よみうりランド   (稲城市)  よみうりランドは、絶叫マシンからほのぼの系まで、多彩なアトラクションが楽しめる遊園地。園内にはソメイヨシノ、シダレザクラ、ヤマザクラをはじめ、約1000本のサクラがあり、180mの桜並木もある。そんな、よみうりランドでは、遊園地ならではお花見ができる。なかでも、丘陵の地形を利用したジェットコースターバンデットは小高い山の上にあり最高時速110kmでサクラの中を駆け抜ける史上最速のお花見は壮観。また、新宿の高層ビル群や晴れた日には富士山が見えることもある大観覧車から見るサクラも美しい。満開の時期には、夜に美しくライトアップされる。また、園内は、平成28年(2016)3月にはモノづくりがテーマの新遊園地エリアグッジョバ!!や7月初旬から9月中旬は3つのスライダーと5つのプールがあるプールWAIなどもあり年間を通して楽しめる場所になっている。
 奥多摩湖(奥多摩町)  奥多摩湖は、多摩川上流部にある人造湖。総貯水量1億8500万立方mの東京都の水がめで昭和32年(1957年)に完成。サクラは、湖畔の展望台一帯に約4000本あり4月中旬に見頃を迎える。桜の種類ヤマザクラ、ソメイヨシノ、オオヤマザクラ、オオシマザクラで湖面に映る周囲の山々のサクラと合わせて楽しむことができる。なかでも、湖面に浮かぶ約250mの通称・浮き橋から見るサクラが幻想的である。また、例年4月上旬から4月下旬にかけてライトアップされ夜桜も鑑賞できる。ちなみに、浮き橋近くの岬には、湖底に沈んだ9社11祭神を合祀した小河内神社があり、毎年9月の第2日曜に開かれる例祭で奉納される鹿島踊りと獅子舞は、旧村時代から伝わる郷土芸能になっている。
 鳥屋野潟(新潟県)  砂州や堆積土によって外海と分離され湖となった鳥屋野潟は、新潟市中央区の市街地にあり、隣接して地元J1チーム「新潟アルビレックス」の本拠地・ビッグスワンスタジアムなどのスポーツ公園が整備され、市民の憩いの場となっている。冬は4000羽を超える白鳥の飛来地としても有名。周囲約9キロの湖畔には約1000本のソメイヨシノが植栽され、湖面に映えるサクラの鑑賞スポットとして人気を集めている。開花に合わせ、潟に架かる弁天橋周辺のサクラにぼんぼりを点灯するとともに、一部の木をライトアップ。深夜0時まで夜桜見物を楽しめる。
 鳥屋野潟公園(新潟県)  自然豊かな鳥屋野潟の周辺に広がる公園。園内は「撞木(しゅもく)地区」と「女池(めいけ)地区」の二つのエリアに分かれている。昭和61年(1986年)に撞木地区の一部が開園したのを皮切りに、徐々に整備された。公園全体では1500本のサクラがあり、ヒガンザクラ、ソメイヨシノ、シダレザクラ、ヤエザクラが次々に開花し、折々の彩りを見せてくれる。水の流れる音が心地よいせせらぎ公園、季節ごとに趣を変える日本庭園など安らぎの時を提供する撞木地区には花見広場があり、170本のソメイヨシノが一斉に咲くさまは見応えあり。一方、女池地区にはサクラに縁どられた鳥屋野潟を一望できる展望台、湖の周囲に桜並木を配した鳥屋野の路があり、ゆったり散策しながらの花見が楽しめる。
 瓢湖(新潟県)  白鳥の飛来地として知られる瓢湖。昭和29年(1954年)、人工給餌の成功によって国の天然記念物に指定され、以来、人と野鳥が共存できる野鳥保護のメッカに。1周約2キロの湖岸を取り囲むように植えられたソメイヨシノは、例年白鳥たちが北帰行を終える4月上旬頃から徐々にほころびはじめて中旬に見頃となる。五頭山、飯豊連峰の雄大な雪渓を背景に花見を楽しめるのは、瓢湖ならでは。この頃になっても毎年何羽か湖に残る白鳥がいて、サクラに彩られた水辺を鴨たちと一緒にゆったり泳ぐ姿が美しい。開花期間中の夜間はぼんぼりの灯りでサクラ並木がライトアップされ、風流。またGWには、小高い八重桜園のヤエザクラが見頃を迎える。湖の周辺には、三つの池や遊歩道が整備され、豊かな自然の中で季節の花々や野鳥を鑑賞できる「瓢湖水きん公園」がある。
 大河津分水堤防(新潟県)  大河津分水路は信濃川の治水を目的につくられ、日本海に流れ込む人工的な河川。明治42年(1909年)に着手された延長約10キロに及ぶこの大治水事業は、当時「東洋のパナマ運河」と呼ばれ、越後平野の下流域を豊かな穀倉地帯に変貌させた。春には分水路の堤防に植えられた3000本のサクラ並木が川の流れと相俟って絶景を織り成し、日本の「さくら名所100選」に選ばれている。見頃の時期にはライトアップされ、夜桜も楽しめる。また、4月第3日曜日にはサクラ並木を背景に「分水おいらん道中」を開催。県内外の応募者から選ばれた3人のおいらんが絢爛豪華な衣装に身を包み、高さ15センチの三枚歯黒塗りの高下駄で独特の外八文字の歩き方を披露。約70人の付き人がおいらんの艶やかさに華を添える。
 村松公園(新潟県)  明治39年(1906年)に日露戦役記念としてつくられた公園。約3000本のサクラの9割がソメイヨシノで、一斉に満開を迎える姿は圧巻。他にもシダレザクラ、ピンクの濃いヨウコウ、希少品種のホザキヒガンヤエザクラなどの品種も彩りを添える。日本の「さくら名所100選」の他、「新潟景勝100選」の第3位にも選ばれている。観桜期間中は露天や売店が立ち並び、華やいだ雰囲気で花見が楽しめる。また、広い園内には静かにサクラを鑑賞するスポットも。子供の遊具やシートを広げるスペースも十分あるので、子供連れのファミリーもお弁当持参でのんびりできる。桜まつりの期間中は芸能イベントなどが開催される他、夜間には園内のサクラをライトアップし、昼間とは趣の異なるあでやかな夜桜を演出。
 高田城(新潟県)  徳川家康の六男、松平忠輝が慶長19年(1614)に築城した高田城の城跡公園。現在では4000本の桜が堀沿いに植えられている。ライトアップされ、水辺に映える夜桜がとりわけ美しく、日本三大夜桜のひとつで、多くの観光客が訪れる。公園やその周辺に植えられた約4,000本の桜は、 北国に遅い春を知らせるように咲き誇る。JR高田駅の東南にある同園内には、本丸跡に高田城三重櫓が復元され、内部には高田城関係の資料を展示。このほか総合博物館、小林古径記念美術館、高田図書館、小川未明文学館(高田図書館内)などの文化施設をはじめ、陸上競技場、野球場等のスポーツ施設、ブロンズ像を配置した遊歩道、岩野勇三ブロンズコーナー、外堀をめぐる遊歩道があり、市民の散策や憩いの場となっている。
 武田神社(山梨県)  甲斐の国の名将・武田信玄公を祭神として祀る神社で、武田信虎、信玄、勝頼の3代が暮らした館の跡地に建つ。勝負事の神様として「自分に勝つ」との願いを込めて参詣する人が後を絶たない。大きな堀と土塁に囲まれた境内はサクラの名所として知られているが、圧巻はJR甲府駅北口より武田神社まで、約2キロにおよぶサクラの並木道。沿道の店を訪ねながらのんびり散策するもよし、バスの車窓から愛でるもよし、華やいだ気分で参詣できる。信玄公の命日である4月12日には、武田神社例大祭に合わせて武田二十四将騎馬行列が開催される。一般公募で選ばれた信玄公と24将をはじめ総勢400人が、神輿とともに武田神社から出陣し、風林火山の旗をはためかせ、市内一円を練り歩く様は勇壮。
 新倉山浅間公園 (山梨県)  新倉山の中腹にある公園は富士山を正面に構え、市街地を一望できる眺望のよさが自慢で、朱塗り五層の忠霊塔が市のシンボル的存在になっている。園内には約650本のソメイヨシノが植栽され、花見の時期には、忠霊塔、薄桃色の雲海のようにたなびく満開のサクラ、そして雪を頂く富士山が描く息を呑むような絶景をカメラにおさめようと、麓から展望デッキまでの397段の階段や坂道もなんのその、多くのカメラ愛好家や観光客がベストポイントに押し寄せる。「フジヤマ、サクラ、五重塔」の日本を象徴する風景として日本観光のガイドブックに紹介されているためか、海外の観光客にも人気。また、麓の公園入口には初詣でも人気の高い新倉富士浅間神社があり、風情ある参道のサクラ並木が迎えてくれる。
 わに塚のサクラ(山梨県)  韮崎段丘の中央、こんもりと盛り上がった塚の上に咲く一本桜。推定樹齢320年のエドヒガンザクラで、幹周り3.6メートル、樹高17メートルの大木。残雪を抱く八ヶ岳や茅ヶ岳を背景に、空や大地に向かって力強く枝を伸ばし、毎年見事な花を咲かせる。気象条件が整えば、富士山が桜を見上げるように姿を見せる。「わに塚」の名前の由来には、日本武尊の王子・武田王がこの地を治めた後に埋葬された場所であることから「王仁塚」と呼ぶようになったという言い伝えや、塚の形が鰐口に似ていることから「鰐塚」とする説など、諸説ある。過去には旧郵政省の「さくらメール」のポスターやテレビドラマのタイトルバックにも起用された。大木の根元は美しい花々で彩られ、地域の人々の一本桜への想いの深さが伝わってくる。満開の時期に合わせて夜間はライトアップされ、群青色の空をバックに白く浮き上がるサクラとのコントラストが美しい。
 身延山久遠寺(山梨県)  鎌倉時代の文久11年(1274年)、日蓮上人が身延山に入山して開いた寺で、山全体が日蓮宗の総本山。日本の三大三門に数えられる三門にはじまり、山の地形を生かした境内の広さ、本堂を中心とする伽藍のスケールの大きさに圧倒される。境内の各所でサクラが咲き乱れ、身延町随一の名所となっている。なかでも、「祖師堂」前と「報恩閣」前の樹齢400年を超える2本のシダレザクラが有名。幹の太さ約4メートル、樹高約15メートルの大木で、咲きはじめは淡いピンク、満開になると純白に輝く無数の花が地面近くまで枝垂れる様は、言葉に表せないほどの美しさ。この他、西谷の参道の紅シダレの並木も見応えあり。山頂には、「恩親閣 奥ノ院」があり、所要時間7分のロープウェイで気軽に登れる。ロープウェイから眼下に眺めるサクラもおすすめ。山頂には3つの展望台があり、東に富士山、西に七面山、南に伊豆半島から駿河湾、北に八ヶ岳連峰を望む大パノラマは必見。
 大法師公園(山梨県)  甲府盆地の南西端に位置する大法師山中腹に広がる、展望の素晴らしい公園。晴れた日には正面に雄大な富士山、さらには富士川、甲府盆地の町並みを越えて、遠く八ヶ岳や奥秩父の山並みを一望できる。昭和40年代からサクラの植林がはじまり、現在ではソメイヨシノやシダレザクラを中心に約2000本が咲き誇る県内有数のサクラの名所となり、日本の「さくら名所100選」にも選ばれている。麓の公園入口から石畳の遊歩道や階段が整備され、サクラ並木を歩きながらピンク一色に染まる山頂を目指す。小高い山の斜面のところどころに、サクラ越しに富士山や美しい山並みを望むビューポイントが。さくら祭りの開催期間中は、山頂の広場に飲食物や特産品を並べた模擬店が並び、にぎわいを見せる。なかにはご当地グルメの「富士川塩やきそば」や「桜(馬肉)うどん」などの出店も。夜間にはサクラのライトアップが行われる。
 河口湖(山梨県)  富士山のお膝元である河口湖では、町の至るところから富士山を眺めることができる。無数にある富士山ビューポイントのなかでも、サクラの季節に多くのカメラマンが訪れるのが、河口湖大橋北詰に突き出した小さな岬「産屋ヶ崎(うぶやがさき)」。周辺のソメイヨシノは20本ほどと決して多くないが、桜を前景に湖面穏やかな河口湖と雪を頂く富士山を撮影することができる。この他、北岸の「長崎公園」は270度湖に面しているため、富士山の稜線が裾野まで望める。春はサクラの並木が咲き競い、見事。また、湖畔沿いに整備された歩行者専用道路「ウォーキングトレイル」の北岸のルートは、富士山を眺めながら散歩できる絶景ポイント。春は沿道を彩るサクラ並木と芝桜による濃淡ピンクのコラボが楽しめ、「富士・河口湖さくら祭り」のメイン会場となる。
 神田の大糸桜(山梨県)  八ヶ岳連峰の南麓に広がる小淵沢は、八ヶ岳や小梅線の表玄関にあたる高原の町。JR小淵沢駅と長坂駅のちょうど中間あたりで、JR中央本線の列車の車窓からも見渡せるシダレザクラがある。広々とした田園にポツンと立ちつくし県内でも、まれにみる巨木は樹齢約四百年で樹高九メートル、幹回り七、五メートル、枝張りは二十メートル。昭和三十四年に県の天然記念物にも指定されている。この地の「神田」の由来は昔、広野神社があり、神社に捧げる米を作る田があったことから称されたという。その御神木として植えたのがこの桜。のちに大正時代には松向神社の境内に位置していたが、今では周りには何もなくなり田園に見事までに一本の木として咲き誇る。遠く山頂には残雪が白く輝く八ヶ岳を背景にし、標高八百十メートルの地。開花は里よりも遅く四月中旬頃だが、枝という枝が薄紅色の花に覆われて糸のように広げる。この土地の人々には「桜の花がにぎやかに咲く年は豊作になる」と古い言い伝えが残る。そのため、昔は桜の開花を首長く待ちながら花への親しみを感じるばかりでなく、敬う気持ちも忘れなかったという。それだけ満開の時の壮麗な眺めは、見る者の心を動かすほどに美しい。
 高神代桜(山梨県)  推定樹齢二千年と、日本最古の桜。この桜の満開を見て手を合わせ涙を流す人もいるほど、まさに老樹が放つ神々しいまでの風格を持つ。それもそのはず、この桜は日本武尊が東国平定の帰途にこの地に立ち寄り、自らの手で植えたという伝説も残っており、このことから「神代桜」と名付けられたという。山梨県北西部に位置する山里、武川村の実相寺の境内にあり、樹高三十メートル、幹回り十三、五メートル。この寺は日蓮宗の故殺。十三世紀頃、日蓮上人がこの地を訪れ衰弱した桜を見て、回復を祈願したところ樹勢を取り戻したため「妙法桜」とも言われている。昭和になってから暴風のために主幹が折れ、今では東側の太い枝が横に伸び、北側と西側に枝を出し、根元は数々のこぶが盛り上がり、よじれ、これまでの長い年月を生き抜いた壮絶さと痛々しさが伝わってくる。多くの支柱で支えられているが、その荘厳な迫力には思わず胸がうたれる。同寺の三十一世住職松永直樹氏は「長く生き続けてきた誇り、たくましさ、私たちに与えてくれるものは、花の美しさだけではなく、懸命に生きる力とその尊さに美を感じ、感動するのである」と諭す。いつまでも精いっぱい咲き誇ってほしいと願う。
 城山公園 (長野県)  
 国宝松本城(長野県・松本市)  北アルプスや美ヶ原高原の山並みを背景に堂々たる佇まいを見せる松本市のシンボル。現存する五重六階の天守のなかでは日本最古の国宝の城だ。春には本丸庭園内と堀端にソメイヨシノ、コヒガンザクラ、シダレザクラなど約300本のサクラが咲き乱れ、花見の名所となっている。サクラ色の花霞と白い漆喰×黒漆塗りの天守の外壁とのコントラストが美しい。満々と水が湛えられた堀の水面に薄桃色の花筏が浮かぶ散り際の美しさも、松本城ならでは。庭園には江戸から城見に訪れた加藤清正公が馬をつないだと伝えられるシダレザクラ「駒つなぎの桜」も。見頃の時期には「夜桜会」や「桜並木 光の回廊」(予定)を開催し、天守や本丸庭園およびお堀沿いの桜をライトアップする。また、本丸庭園ではお茶席が設けられ、屋台では花見団子が販売される。夜桜会開催期間中は、本丸庭園のみ17時30分~21時まで無料開放。
 上田城跡公園(長野県)  真田信繁(幸村)の父昌幸によって築城された上田城。堀と土塁に囲まれ、虎口(出入り口)に石垣を使った簡素な城ながら、第一次・第二次上田合戦で徳川軍を二度にわたり撃退した難攻不落の城で、大河ドラマ『真田丸』の放映により一躍スポットライトを浴びた。現在は本丸に櫓3基、櫓門1基を見ることができる。この本丸を中心に整備された上田城跡公園は、春になると戦国の名城を埋め尽くすように、ソメイヨシノやシダレザクラなど約1000本のサクラが咲き誇る。園内には開花期の異なるさまざまな種類のサクラが植えられていて、長い間花見を楽しむことができるのも特徴。開花期間中に開催される「上田城千本桜まつり」では、お堀周辺や遊歩道のサクラ並木をライトアップ。ご当地グッズや特産品・名産品が一堂に会する物産展も人気。また園内には、歴代の城主(真田氏・仙石氏・松平氏)をご祭神として祀る真田神社や市立博物館、観光会館などのスポットも。
 臥竜公園(長野県)  須坂市の名勝・臥竜山の風景美を巧みに活かし、裾野に竜ヶ池を配した臥竜公園。日本初の林学博士(旧帝國大学農科大学教授)で、明治神宮、日比谷公園、鶴ヶ城公園など日本の名だたる公園の設計で知られる本多静六が、大正15年(1926年)に設計し昭和6年(1931年)に完成した。千曲川や上信越高原国立公園の山並み、また善光寺平や北アルプスをも望む美しい眺望を持つ。周囲約800メートルの竜ヶ池の周りには、ソメイヨシノを中心に約160本、公園全体では約600本のサクラが咲き誇る。長いサクラの回廊、竜ヶ池に映る姿、散り際の池に浮かぶ花筏の描く曲線、ライトアップされた幻想的な夜桜など、その時々、見る角度によって異なる美しさを見せ、日本の「さくら名所100選」に選ばれている。池ではボート遊びも可能。風情ある茶店では、名物の「黒いおでん」と「団子」が花見客に人気。また、園内には動物園と博物館があり、市民の憩いの場となっている。
 小諸城址 懐古園(長野県)  島崎藤村の「千曲川旅情の歌」で「小諸なる古城のほとり」と歌われた小諸城。その城址につくられた懐古園は、明治13年(1880年)に本丸跡に懐古神社を祀り、懐古園と呼ぶようになったのがはじまり。園内のサクラは、大正15年(1926年)に“公園の父”と呼ばれた本多静六林学博士の設計で植栽された。現在では千曲川を望む馬場を中心にソメイヨシノやヒガンザクラ、シダレサクラなど約450本。周囲の老松の緑との調和が美しく、日本の「さくら名所100選」にも選定されている。サクラは多くの種類が時期を少しずつずらして咲き競うため、長い期間にわたり花見が楽しめる。なかでも、小諸発祥で八重咲きの濃い紅色の花を咲かせるコモロヤエベニシダレは見逃せない。市民の保存活動により、園内各所で鑑賞できる。桜まつり期間中はぼんぼり点灯やライトアップが行われる。また、園内には藤村記念館や美術館、動物園、遊園地もあり、楽しみ方もさまざま。
 飯山城址(長野県)  戦国時代、上杉謙信が信濃侵攻の拠点として築いた飯山城。現在、その城址は石垣のみが往時を偲ばせるが、県史跡として指定され、北信濃随一といわれるサクラの名所となっている。約400本のサクラが城山全体をピンク色に覆い尽くす。ソメイヨシノを中心に、三の丸の石垣の上に咲く濃淡のシダレザクラの並木などが彩りを添える。また、サクラと同時期に咲くキズイセン(黄水仙)とのコントラストが見事。また、二の丸広場からは千曲川の雄大な流れと、それを縁取る菜の花、残雪を頂いた奥志賀公園の山並みが望める。日没からぼんぼりが灯され、その淡い光に浮かび上がる夜桜が風流。手を加えすぎることなく、“兵(つわもの)どもが夢の跡”を留めてきた飯山城址だが、今後は本格的に整備が進められる予定だ。
 千人塚公園(長野県)  飯島町といえば千人塚公園というほど地元では知名度の高い自然公園。中央アルプスを望む城ヶ池(灌漑用のため池)の周囲に、オートキャンプ場やマレットゴルフ場などの施設が整備され、約3ヘクタールの面積を誇る美しい水辺のレジャーを求めて県内外から多くの人が訪れる。4月中旬から下旬にかけては「千人桜」とも呼ばれる見事なサクラが咲き、花見の名所に。地元青年会が主体となってソメイヨシノを植栽したのがはじまりで、他にコヒガン、エゾヤマザクラ、ヤエザクラなど約700本の桜を楽しむことができる。池の南側にある艇庫付近からは、白雪を頂いた中央アルプスの連山と満開のサクラが池の水面に映る絶景が。「千人塚」の名は、かつてここに山城があって、戦国時代に織田軍によって陥落された兵士や武具が埋められたことに由来する。城のお堀跡である城ヶ池の水源は主に与田切川で水質がよく、岩魚やアマゴ、ニジマスなどが放流され、釣りファンにも人気。
 高遠城址公園(長野県)  長野県随一の桜の名所。かつて馬の姿が桜の花に埋もれて隠れたという高遠藩の桜の馬場。明治8年、荒れたままになっていた高遠城址を何とかしようと、旧藩士達が馬場の桜を城址に移植したのが公園の桜の始まり。植えられた約1500本のコヒガンザクラがいっせいに咲くと園内が鮮やかなピンク色に染まる。期間中にはライトアップやボンボリが桜を照らし幻想的な雰囲気の夜桜を演出して見せる。 ここの桜は、「タカトウコヒガンザクラ」で一般のコヒガンザクラよりも花はピンク色が濃く、ソメイヨシノよりも桜色という桜に出会える。だからライトアップされるとより花びらの色が濃く感じるほど。城内は、頭上を覆いつくす見事な枝ぶりの桜で、ボンボリの明かりで艶やかに彩られる。特に園内の中央にある桜雲橋は、ライトアップされた桜に包まれて一番の夜桜のポイント。橋の下にも降りられるので橋を見上げる桜もいい。さらに地元では「武田信玄の子・仁科五郎盛信が壮烈な最後を遂げた城で、その血の色が桜を赤くした」という言われも残る。散った花びらを手に取り、そんな凄艶な歴史のひとこまに思いを馳せれば、より花の美しさを感じてしまうはず。
   
   
 神通川左岸堤防(富山県)  岐阜県高山市の上山岳(かおれだけ)に源を発し、富山湾に注ぐ神通川。富山市中心部の下流域の左岸には、1.3キロにわたって堂々たるソメイヨシノのサクラ並木が続く。サクラは昭和50年(1975年)頃に植えられたもので、今では川辺の遊歩道を散策しながら神通川越しの立山連峰とサクラのコントラストが楽しめる、市を代表するサクラの名所となっている。樹齢40年余り、樹形が揃って統一感があることから遠景の眺望も美しい。特に、富山大橋からは呉羽丘陵を背景に薄紅色に染まるサクラ並木が見られ、神通大橋からは残雪の立山連峰を前方にサクラ並木と神通川、そして市街地に続く景色に出会える。
 松川公園(富山県)  富山市の市街地を東西に流れる松川の河岸公園で、延長約3.5キロに及ぶ両岸の川べりにソメイヨシノ約500本のサクラ並木が続く。昭和9年(1934年)に植えられたサクラは戦災で消失、現在のものは昭和25年(1950年)頃に植えられたもの。日本の「さくら名所100選」にも選ばれている。水と緑のプロムナード計画の一環として、サクラ並木の下には、28基の彫刻作品が設置され、遊歩道も整備されている。開花に合わせて夜間ライトアップも。水辺に枝を伸ばすサクラのアーチをくぐり、船で桜橋から松川橋へ至る「七橋巡り」を優雅に楽しむのも一興。サクラ開花期間中、周辺施設などで「全日本チンドンコンクール」を開催。鉦や太鼓を打ち鳴らしながら通りを練り歩くオープニングセレモニー「チンドン開幕パレード」には多くの見物客が集まり、ひときわにぎわいを見せる。
 高岡古城公園(富山県)  市街地のほぼ中心に位置し、東京ドームの約4倍に当たる約21万平方メートルの広さを誇る公園は、加賀藩2代藩主・前田利長が築いた高岡城の城址を明治8年(1875年)に公園として開放したもの。公園を囲む三つの水濠は築城時の姿をほぼ留め、その面積は公園全体の3分の1を占める。高岡市の指定花木であるサクラの名所として親しまれ、日本の「さくら名所100選」にも選ばれている。園内にはソメイヨシノ、コシノヒガンザクラ、オオシマザクラなど18種類1800本以上のサクラが咲き誇り、花見の時期にはぼんぼり約600個を点灯、露天商20店などが出店して昼夜ともににぎわいを見せる。また、春季と秋季の季節限定で「高岡古城公園お濠めぐり遊覧船」(大人700円、小学生以下300円、3歳未満無料)が運航され、水辺のサクラを間近に鑑賞できる牧歌的なクルーズとして人気。
 庄川水記念公園(富山県)  清らかな庄川のほとりに広がる公園。深い緑色のダム湖の水面に映る9種類のサクラを鑑賞できる。なかでも、庄川の向かい山(砺波嵐山)の山腹に群生して咲く200本以上のエドヒガンザクラの鑑賞スポットとしても有名。交配種ソメイヨシノの片親であるエドヒガンは、ソメイヨシノより一足早く咲きはじめるが、雪の多い北陸で自生する例は珍しく、県内では神通川と庄川流域のみ。ダム湖そばには遊歩道が整備され、ドライブ中のリフレッシュやウォーキングにもおすすめ。桜まつり期間中の夜はライトアップされ、夜桜見物を楽しめる。園内には美術館、資料館、特産館、足湯などさまざまな施設があり、なかでも「鯉恋の宮」は毎年1月7日に行われる奇祭「厄払い鯉の放流」にちなんで恋のパワースポットと呼ばれ、多くのカップルが訪れている。
 倶利伽羅県定公園(富山県)  源頼朝・義経のいとこである木曽義仲が、奇策「火牛の計」を講じて平家10万の軍勢に勝利をおさめたことで知られる倶利伽羅峠の古戦場。現在は、富山県指定の公園として整備されている。毎年GWの頃に公園一帯をピンクに染めるヤエザクラの並木は、「昭和の花咲かじいさん」と呼ばれた高岡市の高木勝巳氏が20数年間にわたって約3000本のヤエザクラを植栽したのがはじまり。その志を受け継ぎ、現在では約6000本ものヤエザクラが咲き誇る。夜間は約300個の提灯を点灯して満開のサクラをライトアップ。また、日本三大不動尊に数えられる倶利伽羅不動尊境内で毎年4月28日・29日に行われる「念仏赤餅つき」では、参詣者につきたての赤餅が配られる。富山と石川の県境に位置する倶利伽羅山から望む立山連峰と砺波平野の景観が素晴らしい。
 桜ヶ池(富山県)  湖の周囲が3キロに及ぶ北陸最大の人造湖・桜ヶ池は、穏やかに水をたたえる湖面と周囲の木々の緑が調和する幻想的なスポット。湖の上に建つ展望休憩所や橋からの眺望が素晴らしい。春になると、約2000本のサクラが湖の周囲を薄紅色に染める。ソメイヨシノの他、市内に自生しているコシノヒガンザクラを移植。ソメイヨシノに先がけて咲くコシノヒガンは、「越(州)の彼岸桜」の名の通り北陸特有の新品種で、エドヒガンザクラとキンキマメザクラが自然交配して生まれたという説が有力だ。桜ヶ池ではボート遊びや釣りも楽しめる。また隣接する「桜ヶ池 自遊の森」は、コテージ、野外・雨天バーベキュー場、露天風呂、遊具広場、芝生広場、スケートパークなどの施設を備え、ファミリーやカップル、若者のグループなど幅広い層に親しまれている。
 舟川べり(富山県)  舟川の清流に沿って、両岸約1.2キロにわたり一斉に咲き誇る約280本のソメイヨシノのサクラ並木が続く。このサクラは昭和32年(1957)の河川改修時、地元住民によって植えられたもの。手入れの行き届いた樹齢60年のサクラは見応えがある。土手下の下草が生える河原でお弁当を広げたり、川に架かる橋の上からサクラを撮影したり、牧歌的な風景の中で思い思いの花見が楽しめる。また、周辺にはチューリップと菜の花が栽培されており、サクラと開花時期が重なると、残雪の北アルプスの山並みを背景に、色鮮やかなチューリップ、菜の花と薄紅色のサクラが織り成す富山の春ならではの絶景が楽しめる。開花期間には、あいの風とやま鉄道「泊駅」から「桜づつみ・チューリップ畑」の往復便や「舟川循環線」の臨時バスが運行されて便利。また、夜間に提灯でサクラをライトアップする他、桜まつりの開催日にはかがり火が焚かれ、幻想的な夜桜のトンネルを歩くことができる。
 兼六園(石川県)  水戸偕楽園、岡山後楽園と並ぶ日本三名園の一つで、国の特別名勝に指定されている兼六園。加賀藩歴代藩主の手によって、長い年月をかけていくつもの池とそれを結ぶ曲水、築山が多彩な樹木で彩られる「築山・林泉・廻遊式庭園」が形づくられてきた。点在する御亭(おちん)や茶屋を訪ねながら約11万平方メートルの広さを誇る庭園を遊覧できる。春には、ヒガンザクラ、ヤマザクラ、ソメイヨシノなど約40種のサクラが次々に花を咲かせる。名木が多く、なかでもソメイヨシノが散った後に一重の大きめの花を咲かせる「旭桜」は、幹の周りが最大7メートル近くある大木で、重臣の庭から移植するのに、道沿いの家屋を50軒壊し、500人の家臣を動員したという逸話を持つ。また、4月中旬~下旬に見頃となる、一つの花に300枚の花弁をつける「兼六園菊桜」や紅鮮やかな「兼六園熊谷桜」は必見。サクラ開花宣言5日目から7日間、夜間ライトアップが行われる。
 金沢城(石川県)  天正11年(1583)に前田利家(としいえ)が能登の七尾から金沢に入城して以来、十四代の慶寧(よしやす)までの約300年にわたり居城。前田利家が金沢城に入り、本格的な城造りが始まる。石川門周辺、内堀沿いなどに約250本の桜があり、見頃の時期には、ライトアップも行われて多くの人で賑わう。特に掘りに映る夜桜は、まさに鏡に映るかのように見えるほど。城は織田信長が、加賀一向一揆の拠点で浄土真宗の寺院であった「尾山御坊(おやまごぼう)」を攻め落とし、佐久間氏を置いて「金沢城」といった。後に羽柴秀吉により滅ぼされ、秀吉は金沢城を前田利家に与えた。利家は1592年から改修工事を始め、曲輪や堀の拡張、5重の天守や櫓を建てた。隔てた所にある兼六園は5代綱紀が金沢城に付属してつくらせた大名庭園。城は明治以降は、存城とされて戦後には金沢大学が1995年まで置かれていた。
 芦城公園(石川県)  加賀三代藩主前田利常が隠居城として使った小松城の三の丸跡につくられた和の趣ある公園。豊かな水に囲まれた小松城は、水辺に芦が生い茂る風雅な景色から「芦城」とも呼ばれ、公園の名の由来となった。園内中央には二つの池(桜池・あやめ池)と滝、それらを結ぶせせらぎを中心に池の後背に築山(桜山・うずまき山)を配した池泉回遊式庭園となっている。お花見の頃には、ソメイヨシノをはじめ、フジザクラ、シダレザクラ、ヤエザクラなど約130本のサクラが咲き誇る。桜池から望む桜山の満開のサクラは圧巻。開花期の夜間には600基のぼんぼりが点灯され、昼夜を問わずにぎわいを見せる。サクラ以外にも、松の名木をはじめ、藤、ツツジ、菖蒲、百日紅、紅葉、雪吊りなど四季折々の風情を楽しむことができる。また園内には博物館をはじめ、美術館、図書館、裏千家より寄贈された茶室「仙叟屋敷ならびに玄庵」などの文化施設も。
 のと鉄道能登鹿島駅(石川県)  七尾~穴水間33.1キロを走るのと鉄道の能登鹿島駅は、別名「能登さくら駅」と呼ばれ、プラットフォームの両脇に植えられた約100本のソメイヨシノによるサクラのトンネルで全国的に知られている。このサクラは、昭和7年にJR七尾線が能登中島駅~穴水駅まで延伸開業されたことを記念して、地元住民によって植えられたのがはじまりで、樹齢約80年を超える大木も。サクラ開花期間は駅が24時間無料開放されるため、全国のカメラマニアや観光客でホームがいっぱいになり、上下線それぞれ1時間に平均1本しかない列車が入線するシャッターチャンスを待ち構えている。ホームからは七尾湾が一望できる。また、「花見だよin能登さくら駅」と題したイベントでは、太鼓の演奏や歌のステージの他、地元の特産品を扱う屋台が多く出店し、能登の味を堪能できる。日没から22時30分頃まではぼんぼりでサクラをライトアップし、昼間とは趣の異なる妖艶な夜桜を演出。
 熊坂川河畔(石川県)  山代温泉・山中温泉・片山津温泉と、三つの温泉郷を抱える加賀市のなかでも、大聖寺地区は加賀藩第三代藩主・前田利常の三男・利治を藩祖とする大聖寺藩の城下町の奥行きを今も色濃く残す静かな町。その中心部を流れる熊坂川の川沿いでは、約1キロにわたってソメイヨシノ約200本の並木が続く。このサクラは昭和9年(1934年)の大火の際、熊坂川改修工事を記念し植樹されたもの。満開時には、見事なサクラのトンネルとなる。川の途中に階段があり、川面に面したボードウォークを歩きながら枝を伸ばすサクラを間近に見ることもできる。また、流し舟の船着き場もあり、のどかな川下りの情景に出会うことも。開花中の夜間はぼんぼりが灯され、しっとりと花見が楽しめる。近くには、国の重要文化財であり、大聖寺三代藩主が休憩所として建てた長流亭、山の下寺院群、石川県九谷焼美術館、深田久弥山の文化館、江沼神社などの見どころもある。
 足羽川・足羽山公園(福井県  福井市の中央を流れる足羽川の木田橋から新明里橋までの堤防には、日本の「さくら名所100選」に選ばれた2.2キロに及ぶサクラ並木が続く。遊歩道の両側に植えられた約600本のソメイヨシノによる薄紅色のトンネルが圧巻。河川敷からのサクラ鑑賞も可能。開花期間中は夜間ライトアップされ、幻想的な夜桜見物が楽しめる。一方、市の中心部の標高116メートルの足羽山には、福井出身とされる継体天皇にまつわる古墳群、幕末の歌人・橘曙覧(たちばなあけみ)の記念文学館、足羽神社などがあり、市民の憩いの場となっている。足羽神社の樹齢350年のシダレザクラをはじめ、公園一帯に約3500本のサクラが咲き誇る。また、4月1日から30日まで「ふくい春まつり」が開催され、一日限りのメインイベント「越前時代行列」では、福井ゆかりの戦国武将・柴田勝家とお市の方をはじめ戦国時代の勇士や姫君に扮した行列が、福井城址から足羽川河畔を練り歩く。
 九頭竜万本桜(福井県)  九頭竜湖は、昭和13年(1938年)に建設された九頭竜ダムによってできた長さ13キロ、面積89ヘクタール、最大水深100メートルに及ぶ人造湖で、青森県の十和田湖に匹敵する大きさを誇る。湖岸を彩る約2700本のサクラは、昭和46年(1971年)に俳人・山口誓子が「九頭竜湖岸に一万本のサクラを植樹しよう」と発起人となり呼びかけたのがきっかけで植栽がはじまったもの。以来「九頭竜万本桜」と呼ばれるようになった。湖の東側に架かる全長266メートルの「夢のかけはし(橋ヶ瀬橋)」は、瀬戸大橋のプロトタイプ(試作品)として建設されたもので、湖を一望できるビューポイント。この他、湖の各所から深い緑の湖面と残雪の荒島岳、薄紅色のサクラのコントラストが楽しめる。また、湖岸沿いを走る国道158号線は格好のお花見ドライブコースとなっている。
 弁天桜並木(福井県)  九頭竜川右岸に約1.5キロにわたって続く弁天桜並木は「1目千本」と呼ばれ、約450本のソメイヨシノが咲き誇るサクラの名所として知られている。残雪輝く白山連峰とのコンビネーションは、早春の北陸ならではの絶景。広い河川敷に降りて、青空をバックに見上げるサクラも美しい。満開を迎える毎年4月中旬に行われる「弁天桜まつり」では、並木道に出店が並び、多くの見物客でにぎわう。桜まつり前後1週間は夕方から22時までぼんぼり・行燈が灯され、風流な夜桜を楽しむことができる。また、4月上旬より九頭竜川に鯉のぼりが渡され、100尾の鯉のぼりが風に泳ぐ様が壮観。周辺には、天守閣風建築物の「勝山城博物館」や「恐竜博物館」などのスポットも。時間があれば、市内に点在する蕎麦屋で自慢の名産「勝ち山おろしそば」を食したい。
 西山公園(福井県)  江戸末期に幕府の老中を務めた鯖江藩第七代藩主・間部詮勝(まなべあきかつ)が、領民の憩いの場とするために自ら鋤や鍬を持って大規模な庭園「嚮陽渓(きょうようけい)」を造成したのがはじまり。時代を経て大正3年(1914年)に大正天皇即位記念事業として「西山公園」と改称され、当初の佇まいを残しつつ、新たに大広場や瓢箪池などを造営し、全山にサクラが植栽された。4月上旬にはソメイヨシノやヤマザクラ、シダレザクラなど約1000本のサクラが咲き誇る。また、サクラの後に咲くツツジは日本海側随一の規模を誇り、ツツジまつりも行われる。日本庭園や芝生広場、冒険の森、西山動物園などのみどころもいっぱい。展望台からは、鯖江市街地から白山連峰の眺望も楽しめる。園内には、道の駅西山公園も併設され、市内外のブランド品を購入できる。
 花筺公園(福井県)  三里山の中腹に開けた自然公園は、江戸末期に大和国吉野より数十本のサクラを移植して「桜ヶ丘」と呼んだのがはじまり。以後、整地を重ね、サクラなどの樹木を植樹、昭和初期には県内屈指のサクラの名所となった。「花筐(かきょう)」の名は、第26代継体天皇と照日の前との悲恋をあらわした謡曲「花筐(はながたみ)」にちなんでつけられたもの。広い公園を埋め尽くすように咲き誇る約1000本の桜は圧巻。なかでも樹齢500~600年の薄墨桜は福井県の天然記念物に指定されている。サクラの開花期には300個のぼんぼりが点灯され、全山が淡い光で包まれる。園内には、継体天皇の産湯に使われたと伝えられる「皇子ヶ池」や「岡太神社」など天皇ゆかりの見どころも多い。遊歩道が整備され、サクラの他、カタクリ、日本タンポポ、サツキ、約1500本のカエデなど、四季折々の豊かな自然を愛でながら散策できる。
 丸岡城・霞ケ城公園(福井県)  丸岡の街並みを眼下に見下ろす丸岡城(霞ケ城)は、天正4年(1576年)に柴田勝家の甥・柴田勝豊によって築城された。二層三階の望楼型独立式天守は、現存する天守の中で最古の建築様式を持つと言われ、国の重要文化財に指定されている。天守は周りを10分ほどで回れるほどのスケールだが、初期の石積みである野面積みの荒々しさや、全国的にも稀な石瓦葺きの屋根など、見どころが多い。城の周囲には築城400年を記念して昭和54年(1979年)に日本庭園式の霞ケ城公園が整備され、約400本のソメイヨシノが植えられた。その名の通り、一面のサクラの花霞に城が浮かぶ姿が印象的で、日本の「さくら名所100選」に選ばれている。丸岡城桜まつり期間中は、城のライトアップとともに約300基のぼんぼりがサクラを照らし、ここでしか見られない幻想的な世界を演出する。
   
   
 犀川堤・墨俣一夜城址(岐阜県)  犀川・新犀川の堤に約2キロにわたって続く約1000本のサクラ並木。新犀川の堤のサクラは地元料芸組合が昭和20年代に植樹したもの。今ではサクラのトンネルができるくらい立派な並木道になり、開花期には花見小屋(屋台)が立ち並び、多くの花見客でにぎわう。サクラ並木を通り抜け、太閤出世橋を渡ると、木下藤吉郎(豊臣秀吉)が一夜にして築いたと伝えられ、秀吉の出世物語の出発点となった「墨俣一夜城」の城址公園に出る。城郭天守型の「大垣市墨俣歴史資料館」の最上階にある展望室から見下ろすサクラ並木は見応えあり。また、犀川が合流する長良川や金華山をはじめ、遠く伊吹山・養老山脈まで一望できる。夜間は城がライトアップされ、ぼんぼりのほのかな灯りに照らされるサクラ並木とのコントラストが美しい。
 臥龍桜 (岐阜県)  国指定天然記念物の「臥龍桜」は、樹齢約1100年、高さ約20メートル、目通り周囲約7メートルのエドヒガンザクラ。一本の大枝が重みで地面につき、そこから発芽して独立し、まさに龍が臥したかのような樹形をしていることから、臥龍桜と呼ばれるようになった。枝の差し渡しは東西約20メートル、南北30メートルにおよぶ。このサクラがこの地に根づいた当初の資料は残されていないが、元禄時代、全国行脚をしていた円空がこのサクラを見て「一の宮 神の御舟は はるはると 花の盛りも 長くさくらん」と歌を詠んでいる。平成元年(1989年)、田園地帯だったサクラの周辺が臥龍公園として整備された。平成3年(1991年)9月の台風襲来により、樹勢が衰えかけていた臥龍桜は大きな枝が4本折れ、幹が裂けるなど瀕死の重傷を負ったが、3年をかけての樹木の外科手術、根元の土壌改良などの甲斐あって復活、今では昔のように力強い姿で見事な花を咲かせている。
 寺尾ヶ原千本桜公園(岐阜県)  関市武芸川町北部、標高220メートルの寺尾峠から県道沿い約2キロにわたりサクラ並木が続く。緑深き山間の地区に、待望の路線バスが開通した喜びに沸く住民の手でサクラを植樹することが決まり、昭和27年(1952年)3月、サンフランシスコ条約締結の半年後、平和への願いも強く込め300本の苗木が植えられた。今ではソメイヨシノを中心に、オオシマザクラ、シダレザクラなど約2000本となり、満開になると、見事なサクラのトンネルとなる。花見のシーズンにはぼんぼりが飾られてライトアップ。沿道には焼き鳥や田楽など品数豊富にそろえた茶店が立ち並び、にぎわいを見せる。もちろん、ドライブしながらの花見も可能。また、このあたりは県立奥長良自然公園に指定されており、権現山、汾陽寺山(ふんようじやま)の登山コースにはサクラ並木を見下ろす絶景スポットがある他、サクラと同じ時期に満開のミツバツツジの群生が見られる。
 小倉公園(岐阜県)  長良川を見下ろす標高約160メートルの小高い山にある小倉公園。関ヶ原の合戦で武功を上げ高山藩主となった金森長近が、慶長10年(1605年)に隠居城として築いた小倉山城の城址を公園として整備したもの。春はソメイヨシノやヤマザクラなど約1000本が咲き誇るサクラの名所となっている。園内には遊歩道、城の天守を模した三層の展望台、小動物園、遊具があり、家族連れにも人気。さくらまつり期間中、展望台までの遊歩道のライトアップが行われる他、「季節茶屋」が出店し、名物の木の芽田楽や五平餅が食べられる。花見のついでに、城下町の風情あふれ、国の重要伝統敵建造物保存地区となっている「うだつの上がる町並み」や長良川による物資輸送の玄関口に建つ「川湊灯台」、日本最古の近代吊り橋「美濃橋」、「美濃和紙あかりアート館」など、市内の観光スポットを巡るのもおすすめ。
 牛牧地区のさくら並木 (岐阜県)  岐阜県南部、美濃加茂市伊深町の山間の静かな農村地帯、牛牧地区。ここを流れる木曽川水系の川浦川は、昭和43年(1968年)の集中豪雨で決壊。美しい自然を取り戻そうと、地元住民が築堤に植え、大切に守ってきたサクラ並木が名所となった。清流をはさんで、左岸に咲き誇るサクラ、右岸に鋸のような稜線を描く山の岩肌、山裾の萌えいづる緑が、青緑山水図を思わせるコントラストを描く。離れたところからは、サクラ並木の向こうに山之富士(富士山)も望める。およそ50本の桜が満開になる頃には、市内外から花見客が訪れるが、花見特有の喧騒もなく、思い思いにサクラ並木の散策を楽しんでいる。近隣には、各界の著名人が参禅に訪れる臨済宗妙心派の正眼寺があり、樹齢300年と推定される淡いピンクのシダレザクラを鑑賞できる。
 養老公園(岐阜県)  「日本の滝100選」のひとつ、名瀑・養老の滝を中心とする広大な自然公園。敷地内には、由緒ある神社・仏閣をはじめ、元正天皇がその水の清らかさに感動し、若返りの美泉とたたえて年号を養老と改元したとも伝えられる菊水泉などもある。春、落差32メートル、幅4メートルの滝へと続く約2キロの道は花の散策路となり、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、ヤエザクラなど、約3000本のサクラが咲き誇る。例年3月下旬から新緑のシーズンにかけて開催される「花と緑のまつり」の一環として、妙見堂の「花まつり」や抹茶の野点を楽しめる「養老茶房孝行庵」なども行われ、毎年多くの見物客が訪れる。サクラの花でピンク色に染まった散策路際を流れる川縁には、お花見にうってつけのスペースがあり、昼間はお弁当を広げる家族連れなどでにぎわうほか、日が暮れてからのライトアップ時間は、デートを楽しむカップルたちの絶好のデートコースにもなっている。
 苗代桜(岐阜県)  草津、有馬と並ぶ日本三名泉のひとつ、下呂温泉からほど近い場所にある2本のエドヒガンザクラ。県指定天然記念物で、もとは3本の姉妹桜であったが、昭和27年に1本が枯死し、残る2本が今もなお樹勢盛んに毎年見事な花を咲かせる。樹齢400年の老木で、1本は高さ30メートル、目通り周囲4メートル、もう1本は高さ25メートル、目通り周囲3メートル。別名「暦桜(こよみざくら)」とも呼ばれ、その昔、美しい桜の開花を待って里人が苗代(稲の苗をつくるための田)の準備をはじめたところからこの名がある。見頃の時期には、ライトアップされたサクラが優美に浮かび上がり、鏡のような田んぼの水面に映り込む“逆さ桜”が幽玄の世界を描きだす。日本の原風景の中に咲くサクラの美しさと儚さを求めて、毎年のようにここを訪れる人も少なくない。満開の時期には、下呂温泉の旅館から見学バスツアーも運行しているので、温泉旅行と桜見物を兼ねて訪れるのもおすすめ。
 霞間ケ渓公園 (岐阜県)  霞間ケ渓一帯は、古くからヤマザクラの自生地で、天保年間(1830~1844年)には既にサクラの名所となっていたといわれている。その話を裏づけるかのように、春ともなれば、池田山東斜面の鎌ヶ谷を中心に、ヤマザクラ、オオヤマザクラ、エドヒガンザクラ、ソメイヨシノなど約1500本を数えるサクラが一斉に咲き誇り、「国の名勝天然記念物」、日本の「さくら名所100選」「飛騨美濃桜33選」に選ばれている絶景を堪能できる。満開の時期には、山肌から周囲の空までもが淡いピンクの霞に包まれたようになることから、本来の地名である「鎌ヶ谷」よりも異名である「霞間ヶ渓」の方が広く知られるようになった。毎年3月下旬から4月上旬にかけては「池田サクラまつり」が開催され、本祭では郷土芸能の披露、特産品即売会なども楽しめる。また、山腹を南北に走るふれあい街道沿いでは満開のサクラと岐阜・名古屋方面の展望を楽しむことができ、ドライブコースとしても人気。
 丸山ダム・蘇水峡(岐阜県)  木曽川水系にある、高さ98.2メートル、長さ260メートルの重力式コンクリートダムである丸山ダムから「木曽三川三十六景」のひとつでもある蘇水峡にかけての一帯は、四季それぞれの自然景観が楽しめる人気スポット。特に春には約2000本のソメイヨシノが咲き誇る、穴場的なサクラの名所でもある。見頃の時期には花霞がダム湖の紺碧の湖面と峡谷を彩り、人ごみから離れて、春ならではの絶景をゆっくりと楽しむことができるのが一番のポイント。歴史を感じさせる建造物としてのダム堰堤を鑑賞するのもよし、東屋に座って満開のサクラを眺めるのもよし。少し足をのばせば、周辺の景観を一望できる丸山展望台や、ユダヤ人約6000人の命を救ったことで知られる杉原千畝の功績を称えて建設された公園「人道の丘公園」、またダムの上流には、アウトドア派に人気の「めい想の森」や「旅足渓谷」といったハイキングコースもある。
 日本平パークウェイ(静岡県)  日本平は標高307メートルの丘陵地で、その昔、日本武尊が東征の際、草薙の原で賊を平定した後この山の頂上に登り、四方を眺めたところからこの名で呼ばれるようになったといわれる。久能山東照宮までを結ぶロープウェイからは、2013年に世界文化遺産に登録された富士山を正面に、三保松原や駿河湾、屏風谷と地獄谷などを見渡す“日本一”の絶景が一望のもとに。その見事な景観が一年でもっとも華やぐのが春。山頂からパークウェイ沿いにかけて植えられている2000本のサクラが一斉に咲き揃う時期には、薄ピンク色に染まった山肌を眺めながらのドライブをはじめ、山頂広場では富士山を背景に贅沢気分で花見ができる。ロープウェイ乗り場から駐車場付近には、地元の名産品が豊富に揃ったパークセンターやお茶を専門に販売するお茶会館など、静岡ならではの味を楽しめる土産店もあるので、サクラ見物の合間にぜひ立ち寄ってみたい。
 香貫山(静岡県)  香貫山は、岩崎元郎氏選定の「新日本百名山」のひとつ。通称沼津アルプスと呼ばれる北部山域の最北端に位置する標高193メートルの小山で、千本松原や大瀬崎などとともに沼津市のシンボルであり、手軽なハイキングやウォーキングのコースとしても市民に親しまれている。山頂部の展望台からは北に富士山、眼下には駿河湾、遠くは南アルプスの荘厳な姿までもが見渡せるほか、沼津市街を一望できる夜景スポットとしても人気が高い。“サクラの山”としても知られ、3月下旬から4月上旬にかけての時期は、山の中腹の香陵台・桜台・新桜台を中心にソメイヨシノ、ヤマザクラ、オオシマザクラなど約2400本のサクラが咲き競い、山肌が春の景色一色に染まった景色は圧巻のひと言。山全体が野鳥の宝庫でもあるので、サクラの花で薄紅色に染まった森の木々をわたる鳥の声に耳を澄ませたり、バードウォッチングをしながらの山歩きも楽しめる。
 富士山本宮浅間大社(静岡県)  浅間神社1300余社の総本宮でもあり、富士信仰の中心。主祭神である木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)の御神名からサクラが御神木とされ、境内には約500本の桜樹が奉納されている。源頼朝、北条義時をはじめとする諸武家の篤い信仰を集めた神社としても知られ、徳川家康が寄進造営した本殿や楼門、また武田信玄の寄進によるとされる、シダレザクラ「信玄桜」などを間近で見ることができるのは、歴史ファンにはたまらない魅力。春の訪れとともに咲き競うソメイヨシノ、シダレザクラ、ヒガンザクラなどの花々が社殿の鮮やかな朱色に映え、夜は500余灯の提灯に照らし出されたサクラが幽玄の世界を描き出すなど見どころも多く、春の境内は、日本の象徴的な情景を求めるカメラマニアのメッカとなる。4月はじめの「桜花祭」では、能、舞楽・雅楽、太鼓の奉納、抹茶の野点サービスなど、格式高い神社にふさわしい厳かな催しが楽しめる。
 さくらの里(静岡県)  大室山の北西側麓に整備された、広さ約4万平方メートルの広大な「サクラの公園」で、日本の「さくら名所100選」に認定されている。園内に植栽されているのは、約40種1500本。3月から4月にかけて咲くソメイヨシノ、シダレザクラ、ヤマザクラはもちろん、5月の佐野菊、9月中旬の十月桜、11月の兼六園冬桜、三波川冬桜、2月から3月にかけてのタイワンヒザクラ・カワヅザクラ・カンザクラ・雪見桜…など、「さくらの里」の名にふさわしく、夏を除くスリーシーズンを通じて桜の花を鑑賞することができる。特に春、満開時に大室山ロープウェイから眺める花霞ただよう絶景と、道の両側に植えられているカワヅザクラの並木は一見の価値あり。敷地内には芝生の広場もあり、レジャーシートにお弁当を広げてピクニックを楽しむファミリーや、ペットの散歩を兼ねてのんびりと散策する花見客も多い。
 伊豆高原桜並木(静岡県)  伊豆急行伊豆高原駅前、国道135号線から大室山の周回道路に抜ける道沿いのサクラ並木は、春の伊豆高原の象徴ともいわれる人気スポット。約3キロにわたってソメイヨシノを中心とした約600本の桜樹の枝が道路上を覆いつくし、満開時には、見事な「サクラのトンネル」が現れる。開花期間中18時から22時までは、薄墨色のアーチがライトアップされて淡い光の中に幻想的に浮かび上がる、絶好の「夜桜スポット」に。散り際、風に吹かれて舞う桜吹雪のなかを車で通り過ぎるのも素晴らしいが、時間が許せば、車を降りてゆっくりと散策するのがおすすめ。3月下旬から4月上旬にかけて3部構成で開催される「伊豆高原桜まつり」では、地元の陶芸作家によるオリジナル作品なども販売され、見て歩くだけでも楽しい。できれば一泊し、人の少ない時間に、夜と朝でまったく趣きを異にするサクラの美しさと、別荘地ならではの閑静な雰囲気を心ゆくまで堪能してみたい。
 黄金崎(静岡県)  黄金崎は、静岡県賀茂郡西伊豆町にある岬。駿河湾に面した伊豆半島西海岸随一の景勝地として、ドラマやCMのロケなどでもよく使われる。どこまでも広がるコバルトブルーの海と、その遥か沖合いに浮かぶ世界遺産・富士山、よく手入れされた「コレクションガーデン」に咲く四季折々の可憐な花々、そして地名の由来ともなった、夕陽を受けて黄金色に染まる美しい崖の岩肌などの景観が年間を通じて楽しめる。春、「早咲き桜の丘」のカワヅザクラ、大寒桜、修善寺寒桜、そしてソメイヨシノ、オオシマザクラなど約15種類、500本が次々と咲くさまは実に素晴らしく、見頃の時期には連日多くの花見客でにぎわう。開花期の毎日、日没から午後9時まではライトアップされたサクラが楽しめる他、毎年4月の第1日曜日に開催される「黄金崎さくらまつり」では、地場産品の販売や琴の演奏、野点、餅投げなど、さまざまな催しも行われる。
 冨士霊園(静岡県)  国道138号線須走ICを下車して10分ほどの場所にある「富士霊園」は、富士山麓の花と緑に囲まれた公園墓地。敷地面積213万平方メートルの広大な園内に整備された参道には、ソメイヨシノ、ヤマザクラなど約8000本のサクラが植えられており、4月上旬の満開時には約14万人の人出でにぎわうサクラの名所として、日本の「さくら名所100選」にも選ばれている。敷地内には高台に続く階段があり、そこを上りきったところで後ろを振り向いた時に眼下に広がる、メインの通りに沿って一直線に整然と伸びたサクラ並木は、まさに圧巻のひと言! 目の前に望む雄大な富士山とサクラのコラボレーションは、まるで錦絵のようで、息を呑むほど素晴らしい。サクラ並木沿いの芝生の広場では、お弁当を食べたり休憩したりと、 誰でも自由に花見が楽しめるが、あくまでも霊園であることを忘れずに、ゴミを持ち帰る、大騒ぎをしない等、最低限のマナーは守りたい。
 東山動植物園(愛知県)  丘陵地を利用して、昭和12年(1937年)に造園された動植物園。約200種類のツバキが咲くツバキ園とともにサクラの名所としても知られており、日本全国から約100種1000本が植栽されている。開園当初に植えられたものの中には、巨木・銘木も多く、特に高さ約13メートル、幹周り約170センチにもおよぶ北園カバ舎前のソメイヨシノは一見の価値がある。植物園の「桜の回廊」には、代表的品種であるソメイヨシノのほか、ヤマザクラ、春一番に咲くカンヒザクラ、4月中旬には黄緑色の「御衣黄」と濃紅色の「関山」、4月下旬には200枚以上の花びらが華やかな「兼六園菊桜」、さらに秋から春にかけて咲く「十月桜」や「子福桜」など多彩な品種が集められ、季節の移り変わりとともに次々と咲く稀少種を目当てに、毎週のように訪れる人も少なくない。ヤマザクラが咲く里山の風景を再現したコーナーや万葉の散歩道散策コースでは、旅気分をゆっくりと味わうこともできる。
 東谷山フルーツパーク(愛知県)  
 佐奈川堤(愛知県)  佐奈川は、豊川市内を縦断しながら三河湾に流れ込む、延長15キロほどの河川で、朝夕ウォーキングや犬の散歩などに多くの人々が訪れる、市民の憩いの場。小さな川でありながら、以前は大雨が降るたびに氾濫して被害をもたらしていたため大規模な堤防改修工事が行われ、昭和27年(1952年)の工事完了の際に植樹されたサクラが、現在も春になると樹勢盛んに咲き誇っている。この川縁は「サクラと菜の花が同時に楽しめる穴場スポット」としても知られ、川の両岸約4キロにわたるサクラ並木が満開の時期を迎える頃、その下には一面の菜の花が咲き乱れ、ピンクと黄色の色彩のコラボレーションが美しい。毎年3月下旬から4月はじめにかけて開催される「豊川市桜まつり」の一会場として、夜桜ライトアップも行われるが、比較的人出も少なく、いわゆる花見のにぎわいとはひと味違った、のんびりとした雰囲気の中で花を愛でることのできるスポットだ。
 亀城公園(愛知県)  1553年(天文2年)、徳川家康の生母於大の方(伝通院)の父親である水野忠政が築城した刈谷城跡を昭和11年(1936年)、当時の刈谷町(現・刈谷市)が譲り受け、本丸と二の丸の一部を整備し公園として公開。本丸跡に当たる高台一帯を回遊式日本庭園として整備し、幾度かにわたる植栽や整備を経て今の姿になった。亀城とは刈谷城の別名「亀城」に由来し、将来的には隅櫓や石垣などを当時のままに復元する再生計画もあるようだ。約12.9ヘクタールの敷地には、四季折々の花が咲き競うが、なかでもサクラが人気で、春の訪れを告げるように約650本のソメイヨシノが咲き揃う時期には、普段は閑静な佇まいを見せている園内が花見客でにぎわいを見せる。花の開花に合わせた「桜まつり」の期間中は、市民茶会などの行事が行われる他、ぼんぼりの灯りによるライトアップもあり、淡い光に照らされた夜桜が池の水面に映る、なんともいえない趣き深い情景を味わうこともできる。
 水源公園(愛知県)  明治用水取水口周辺の水辺を楽しめる水源公園は「水源緑地」の別名の通り、緑と水に囲まれた豊かな自然を満喫できる公園で、豊田市内でも有数のサクラの名所。園内を流れる矢作川堤防沿いには約450本のサクラ並木が続き、4月初旬の開花時期には一斉に咲き誇ったサクラが頭上にトンネルのようなアーチを描き、川面は美しいピンク色に染まる。園内には芝生広場もあり、シートを敷いてお弁当を食べたり横になってくつろいだり思い思いに楽しめる他、子どもたちを存分に遊ばせることもできる。毎年の開花時期に合わせて開催される「水源桜まつり」では、郷土芸能や野点、矢作川舟遊び、火縄銃の実演、フリーマーケットなど、家族揃って楽しめるさまざまなイベントが目白押し。日没後のライトアップで、満開の桜が矢作川の水面に映し出される幻想的な風景は、対岸から眺めるとより美しく、青空のもとでの花見とはひと味ちがった楽しみ方ができる。
 博物館 明治村(愛知県)  日本が世界に向けて門戸を開き、欧米の文化を取り入れて近代日本の基礎を築いた明治時代、その歴史的にも重要な転換点となった文明開化を象徴する貴重な建造物の数々を、移築保存・展示している野外博物館。約100万平方メートルの敷地には、重要文化財を含む60以上の建造物が並び、園内では蒸気を上げて走る本物のSLに実際に乗ったり、ハイカラなドレスや矢絣・袴姿で記念写真を撮影したりなど、ドラマの主人公になった気分で一日を過ごすことができる。その1世紀余の時を一気にタイムトリップしたかのような風景が1年でもっとも華やぐのが、春。3月下旬からは菊の世酒蔵横などのシダレザクラ、4月上旬は学習院長官舎付近のソメイヨシノ、中旬からは呉服座から宇治山田郵便局付近までのヤエザクラ……と、約800本のさまざまな品種のサクラが、約1ヶ月にわたって次々に見ごろを迎える。古きよき明治の文化に浸りながらのお花見は、また格別だ。
 大山緑地 (愛知県)  衣浦湾や市街地を見渡せる高台に位置する、広大な緑地。敷地内には、姫大神など7 神が合祀されている高浜の総氏神・春日神社があり、うっそうと茂る森の中に伸びる表参道の両側に大小の春日灯篭が並ぶ、趣き深い佇まいを眺めながら散策することができる。また焼き物の町にふさわしく、随所に陶器があしらわれていて、瓦づくりの遊歩道や瓦庭、腰回り8メートルの日本一の大きさを誇る陶管焼大だぬきの像など、見どころも多い。別名「千本桜の大山」の通り、ソメイヨシノやウスズミザクラなど約1000本が植えられており、毎春ソメイヨシノよりひと足早い時期に、岐阜県本巣市の「淡墨桜」の子孫であるサクラが見事な花を咲かせることでも有名。4月初めのサクラまつり「大山桜ものがたり」開催期間中は、お茶会や邦楽の演奏などのほか、夜桜ライトアップも行われ、園内の池に映し出される幻想的なサクラを心ゆくまで鑑賞することができる。
 岡崎城(愛知県)  日本さくら名所100選に選ばれた桜の名所であり、戦国時代から安土桃山時代には松平氏の持ち城、江戸時代には岡崎藩の藩庁であった。また、徳川家康の生誕地でもあり、家康はこの城を拠点に天下統一という偉業への基礎を固めたといわれている。城内とりまく乙川と伊賀川土手沿いには桜並木が続き天守閣に映える。約800本のソメイヨシノが、岡崎城のある岡崎公園一帯と伊賀川堤を中心に咲き誇る。期間中、夜桜のライトアップを実施。 乙川の河川敷にはたくさんの露店も並ぶ。桜まつりには最大の行事としては 「 家康行列 」が行われる。平成19年には、マンション建設に伴う発掘調査によって石垣が見つかり、日本国内で4番目の規模の城であることが判明した。
 名古屋城(愛知県)  金の鯱ほこで知られる名古屋城は、市民のシンボルとして親しまれている。桜の季節は、約1600本 10種類のソメイヨシノやシダレザクラをはじめとした桜が豪華競演。また、夜桜見物では照明に照らされた天守閣とライトアップされた桜の壮大な景観で、見事に咲き誇る。この城は、徳川家康が自ら検地して諸大名に命じて築かせたもので、1610年(慶長15年)徳川家康が息子、義直の居城として築城。昔から「尾張名古屋は城でもつ」と謡われているように、名古屋は城とともに発展。規模の大きな名城で国宝たが、1945(昭和20)年に戦災で天守閣などを焼失。戦後に復元され、天守閣に燦然と輝く鯱ほこは、大阪造幣局で造られ金が1272Kgも要した。名古屋城が築かれた1610年からちょうど400年にあたる2010年は、名古屋にとって大きな節目となる年。
 犬山城(愛知県)  日本最古の城として知られ、国宝四城のひとつに数えられる。戦国時代の1537年に織田信長の叔父の織田与次郎信康によっ今から470年ほど前、築城され、戦国時代の城としては唯一現存し、日本最古の天守閣犬山城は国宝に指定されている。天守閣からは、小牧山、尾引富士が一望でき、別名「白帝城」といわれている。桜の見どころは天守閣付近と、木曽川沿いの鵜飼乗船場手前周辺の桜並木が続き、城周辺に約400本の桜がある。現存天守は国宝に指定された4城のうちのひとつでもある。
 五条川(愛知県)  五条川は、岐阜県多治見市に源を発し、愛知県犬山市、丹羽郡大口町、江南市、岩倉市を流れ、やがて新川に流れ込む総延長約43キロメートルの川(河川管理上の1級河川としての五条川は、入鹿池の下流犬山市西片草からの28キロメートル)。春になると、両岸は日本のさくら名所百選にも選ばれている桜並木は岩倉市内だけで約1,400本が色鮮やかに染まり、川面は名残の花びらに覆われます。市内を蛇行しながら流れる川沿いには、桜並木が7.6キロに渡り、夜はライトアップされ水面を艶やかに照らす。また、春には染めたばかりの鯉幟を洗う“のんぼり洗い”も見られる。
 山崎川(愛知県)  山崎川は、千種区北東部に広がる平和公園内の猫ヶ洞池を源流にもち、東部丘陵の西縁に沿って南西に流れ、名古屋港に注ぐ市内の主要な川のひとつ。山崎川の中流部には瑞穂公園や東山荘などの公園が点在し、静かな住宅地になっている。そのなかでも市内有数の桜の名所としても知られるのが、瑞穂区の山崎川にかかる石川橋から新瑞橋までの2.8キロメートルの両岸には約600本のソメイヨシノの並木が続き、特に木造で風情のある鼎小橋付近には、老木が数多く残され美しく咲き誇り「さくらの名所100選」のひとつ。また、田辺公園付近などでは川岸まで降りることができる。桜の花が咲き誇る期間、鼎小橋付近では夜間ライトアップが行われ、照らされた夜桜風景は市内でもオススメの夜桜スポットと言える。春以外も四季折々の散策を楽しめる遊歩道も通じている。
 根尾谷の淡墨桜(岐阜県)  樹齢千五百年余り、山梨県「山高神代桜」に次ぐ、日本第二の老樹。山深い根尾谷にたくさんの支柱に支えられながらも満開になると白色の花を付け、散り際には淡黒色を帯びることからこの名がある。桜は、ヒガンザクラで樹高十六、三メートル、幹回り約十メートル、枝張り約二十七メートル。この根尾谷には第二十六継体天皇が、幼少の頃に奈良の都から落ちのびて十八年隠れ住み、村を去る時に別れを惜しんで桜の苗木を一本植え、「身の代と遺す桜は薄住よ、千代に其の名を栄盛へ止むる」と、この歌を詠んだと伝わる。以後、その年の開花の多少によって根尾山中の諸作の富凶を告げるという。だが、大正初期の大雪で枝が折れ、本幹に亀裂が生じて生命が衰え始める。昭和二十三年に枯死寸前に陥るが、枯れた根を取り除き、若い根を接ぐ「根接ぎ」が行われ、二百三十八本の大手術を受けて回復。たが、伊勢湾台風で再び多くの枝が折れて樹勢が衰える。そんな時、訪れたのが小説「薄墨の桜」の作家、宇野千代氏。雑誌「太陽」にその痛々しい姿を感想文として発表し、当時の岐阜県知事に訴えた。以後、保存のために国、県などが動き、何度かの延命手術を行い樹勢を保っている。支柱に支えられながらも、今年も無事に可憐に咲く姿は、生きるというすばらしさを多くの人々に伝えるかのようにも見える。
 荘川桜(岐阜県)  飛騨高山から白川郷へ向かう途中の国道百五十六号沿いに御母衣湖がある。ダムによって堰き止められた湖のほとりには、二本のエドヒガンの巨木が咲き誇る。この桜は、湖底に沈んだ荘川村にあった中野照蓮寺と光輪寺の境内にあった樹齢四百年の桜。昭和三十五年に水没予定地を訪れた電源開発初初代総裁高崎達之助氏は、この二本の桜を目にして、「ありしの日の故郷を偲ぶ桜として、水没からなんとしても救いたい」と願った。そして桜博士の笹部新太郎氏に託す。昭和三十五年、前代未聞の巨木の移植工事は、植木職人など総勢五百人を動員しての大工事が始まったが、大方の予想は悲観的であった。だが翌年、若芽を吹き出し奇跡とまでいわれた移植に成功。移し替えられ湖畔に、しっかりと根を張り、枝を伸ばしていった。以来、毎年春には水没地の村人が、年に一度、満開の下に集まり、桜を眺め宴を開きながら湖底に沈んだかっての村を語りながら偲ぶ。また、この大工事を目にしたバス車掌の佐藤良二は、桜に魅せられ太平洋と日本海を結ぶ国道百五十六号線に桜道を作るのを夢見る。そしてバス路線に十二年間に約二千本の桜を植え続けたが、夢半ば病に倒れ他界、その生き方はテレビや映画にもなるほど。そして、その夢は今でも有志たちに受け継がれ、彼を忘れまいとバス沿線の自治体主催で、名古屋から金沢まで当時のバスが走ったルートを、徹夜で250kmも走り通す「さくら道・国際ネイチャーラン」が毎年、行われているほどである。まさに、男たちのロマンを知りながら、この二本の満開の桜を見上げれば、よりいっそう美しく感じてしまうはず。
糸括 里桜の園芸品種で江戸時代から知られています。花は淡紅色で八重咲きです。 オカメ桜 英国の桜愛好家により作られた桜。大きくならないため小さな庭でも楽しめます。
妹背 花は大輪の八重咲きで紅色。京都の平野神社にある桜でひとつの花に雌しべが2本あり,果実も2個つくことからこの名がつけられました。 御室有明 大島桜系里桜
花は直径4~5cm,花弁数5~13枚で白もしくは淡紅色です。
大原渚桜 花の色が濃く,遠目でもよく目立ちます。また,花付きも良い桜です。
大山桜 自生種 花は染井吉野よりピンク色です。通常,染井吉野より遅く開花します。
花は八重で樹高が低く,根元から分れた低い枝に花が咲くのが特徴です。
春日井 奈良の春日山にあった桜で,淡紅色の八重桜です。 唐実桜 中国原産の桜で,ピンク色が綺麗です。
河津桜 伊豆半島の河津町にある早咲きの桜で,寒緋桜と大島桜の雑種と推定されます。 寒桜 暖地では1月中旬から花が咲きだす桜で熱海桜とも呼ばれます
寒緋桜と山桜の雑種と推定されます。
花は釣鐘状の形となり花の色と併せ独特の雰囲気をもつ桜です。
関山 4月下旬になると深紅色,八重咲きの大きな花があでやかに咲き,花弁数は20~45枚。
ふつう不規則にねじれる。外側の花弁は円形,内側の花弁は細長い。
菊桜 金沢市の兼六公園に伝わる最も有名な菊桜。
花弁数300~350枚。二段咲きで花の中心は濃紅色。
黄桜
鬱金(うこん)と同一との説もある黄色い桜です。
桐ヶ谷 花は大輪,一重八重咲きで淡紫紅色。開花期は4月中旬。
その花の美しさに御車を返してこの花を眺めたとも伝えられる桜で,桐ケ谷とも呼ばれます。
寒緋桜 中国から台湾に自生している桜で台湾緋桜,緋寒桜とも呼ばれています。
金豆桜 萼筒に毛が無く,2花づつ集まって3月下旬から4月に開花します。
佐野桜 樹形はほうき状となり,花序は散形状で2~3花からなります。花弁は11~20枚からなり,
蕾は淡紅紫色で開花時は長さ1.8㎝の円形で淡紅色となります。内側のものほど細長く,基部は
くさび状となり内側の3枚は旗状弁を呈します。
兼六園熊谷 山桜ですが花色が濃く,よく目立つ美しい花です。
枝垂桜 江戸彼岸を品種改良した栽培種で枝が垂れる品種です。 小汐山 花の特徴は中輪一重白色の山桜系です。
松月 花は大輪の八重咲きで淡紅色。昔,東京の荒川堤にあった,とても美しい八重桜です。 子福桜 秋から冬にかけて咲き続ける珍しい品種です。
花は白色の八重咲きです。
太白 日本では絶滅された品種とされ,イギリスから逆輸入された品種です。
この品種の花は,桜の中では最大級のものです。
二期桜 春と秋に2回さくさくらの種類です。
「彼岸桜」の変形だそうで,関西では彦根城に咲いていました。
庭桜 室町時代から栽培の記録がある桜で,花は八重咲きです。開花は庭梅よりやや遅くなっています
手弱女 たいへん優雅な花です。萼筒は紅紫色で,しわが多い。 白山一号 枝が見えないぐらい沢山花を付ける桜です。色は薄いピンク色です。
十月桜 秋から初冬にかけても咲く桜です。別名「冬桜」とも呼ばれます。 花染衣 薄紅色の大きな,綺麗な八重桜です。名前がいかにも日本的です。
昭和桜 一重の桜ですが詳細は不明です。 林二号 花は淡紅紫色をしている八重桜です。
染井吉野 日本各地に植えられている代表的な桜です。江戸時代末期に
江戸染井村(現在の東京都豊島区)から「吉野桜」として売り出されました。
一重白彼岸枝垂桜 有名な京都:円山公園の枝垂れ桜の種類です。
普賢象 八重咲きで淡紅色の花です。室町時代からあったといわれる古い品種で,葉化した雌しべが普賢菩薩の乗る象の鼻に似ていることからこの名がつけられたといわれています。
紅垂れ桜 枝垂れ桜の内薄紅色の花を咲かせる品種です。 八重桜
弁殿 花は淡いピンクで日光山から出た品種といわれています。 八重紅枝垂れ桜 枝垂れ桜の内薄紅色の花を咲かせる八重の品種です
山桜 自生種:古来より親しまれてきた代表的な野生の桜です。
花とともに展開する新芽の色が様々で,山野の景観を美しく彩ります。
花びらは5枚です。
柳桜 中国北部,朝鮮原産の桜です。その他詳細は不明です。
楊貴妃 花は大輪の八重咲きで淡紅色。その美しさから中国の楊貴妃を連想して名付けられた
といわれる桜で,余り大きくなりません。
     陽光  天城吉野と寒緋桜との交配品種です。
花暦