花暦 
木通(あけび)


・開花時期は、 4/ 1 ~ 4/末頃。・つる性植物。

・名前は、実が熟して割れたさまが人の「あくび」に似ていることから「あけび」に変化していった。
 また、実は熟してくるとぱっくり口をあけたように裂けることから「開け実(あけみ)」「あけび」になった、
 という説もある。

・実の白い中身は食べられる。つるの部分は利尿作用があり、漢字の「木通」は「小水が通じるつるの木」
 からきているらしい。  

・春の若菜は、”おひたし”やお茶(アケビ茶)に使われる。

・江戸時代は、 実の中の種子から油を採った。

・木通の葉は5枚で丸っこく、 三葉木通の葉は3枚でふちは波状になっている。

・「通草」とも書く。

・「実」は郁子(むべ)に似ている。
熟した果実をそのまま食べるほか、若葉をゆでて、おひたしやゴマあえ、漬け物などにします。ただし矢頭献一氏が「日本の野生植物(1963年)」の中で次のように書いておられるので、味の方は保障できません。

 「このつるの新芽も食用になり、なかなか珍味だと聞いていたので、早春おひたしにして食べたがいっこうにおいしくなかった。後で江戸時代の草本書を調べていたら、この芽の塩づけは京都鞍馬の名物だが、塩からいのみで味なしと書いてあった。」

 熟した中身を取ったあとの果皮は、挽肉か魚のすり身を詰めて、パン粉をつけてフライに揚げたり、そのまま煮付けたり、ゆでて胡麻、マヨネーズで和えたりして食べられます。未熟な果実をそのまま薄く切り、衣をつけて揚げたりもします(「日本薬草全書」より)。

 また木質のツルを輪切りにしたもの(木通)は、生薬として利尿などの目的で用いられます。
新芽の食べ方

 
 「正しい食べ方は新芽をひとつまみの塩を入れてゆで、ゆで上がったものは冷水で洗い、そのまま水に浸して一晩放置し、食べる時に水気をしぼり、醤油かだし醤油でいただきます。新芽の持つほろ苦さがおつであり、苦みを旨味として感じる事のできる第1級の貴重な味です。」
 アケビ酒

 1年前に仕込んだ「アケビ酒」を飲んでみました。試飲に先だって、漬け込んだ果肉をろ過したのですが、これが結構大変でした。果肉成分がふやけて溶け出しており、自然ろ過ではろ過膜(ガーゼ布)があっという間に目詰まりしてしまいました。やむなくモロミから醤油を絞るときのように、ガーゼで作った袋に原液を入れて袋の口を閉じ、圧力を掛けて絞り出しました。

 ろ液の外観はやや黒っぽい褐色です。しばらくすると白っぽい沈殿物がかなり出来ました。ろ過布(ガーゼ)を通り抜けた果肉細片でしょう。水で3倍に割って飲んでみました。相当甘いだろうと予想していたのですが、「甘み」よりも「苦み」を感じました。たいていの果実酒は「酸味」と「甘み」を同時に感じるのですが、アケビ酒には酸味が無く、代わりに「苦み」があって、それが「甘み」とバランスしているように思えました。果実酒としては、一風変わった大人の味(?)といえるかもしれません。

 「苦み」の元は、たぶん黒い種子の周辺から溶出した成分でしょう。果肉を生食する際、種子をかじるとかなりの「苦み」を感じます。ろ液の外観が黒っぽいのも、種子から溶出した成分のせいだと思われます。果肉から種子を取り除いて、半透明ゼリー状の部分だけを漬け込んだら、苦みのないアケビ酒が出来るかも知れませんが、その酒は、果肉をバラバラにして漬け込むことになるので、ろ過に一層の手間がかかるように思われます。