2013.1.27 20:18  南海トラフ地震、頭抱えて身を低く 兵庫・西宮「シェイクアウト訓練」


客席で頭を手やかばんで覆う入場者=27日、兵庫県西宮市の市民会館
 近い将来起こる可能性が高い南海トラフ巨大地震に備えようと、兵庫県西宮市は27日、3つの行動で地震の揺れから身を守る「シェイクアウト訓練」を行った。約3万5千人が、コンサート会場やスーパーマーケットなど、“発生”時に居合わせた場所で落下物に備えるなど、緊急時の行動を確認した。

 シェイクアウトは「地震を吹き飛ばせ」という意味の造語で、米国で2008年に訓練が始まった。家具の転倒や落下物に備えて、姿勢を低く保つ▽体と頭を守る▽揺れが収まるまで待つ−ことを求めている。

 同市六湛寺町の市民会館では午前10時、地震の発生をアナウンス。吹奏楽の演奏を控えた児童や入場者ら約600人が、頭を手やかばんで覆ってしゃがむなどし、3分間待機した。市吹奏楽連盟の今西永兒会長は「いざというときには、訓練を思い出し、落ち着いて行動してほしい」と話していた。
   
 毎日新聞 3月19日(火)14時25分  南海トラフ巨大地震:第2次被害想定 断水57万人分、停電56万軒 避難者8万6000人、県内も深刻な影響 /山梨



 内閣府が18日に公表した南海トラフ巨大地震の第2次被害想定。県内でも最大で約57万人分が断水し、約56万軒が停電するなどライフラインが寸断され、県内人口約85万人の大半に深刻な影響が出るとの結果だった。避難者は8万6000人に達し、被害額は住宅など建物損壊を中心に約9000億円に上る。
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 内閣府は昨年8月、各地の最大震度や死者数など第1次被害想定を公表。県内では広範囲で最大6強を観測し、最悪の場合、死者約400人、建物の全壊が約7600棟に上るとされた。
 今回はこれに基づき、ライフラインの被害などを想定。断水や停電のほか、下水道は最大で約46万人に影響が出ると試算。固定電話は約19万回線が不通になり、道路の被害は約710カ所、鉄道線路などの被害も約320カ所に及ぶとした。携帯電話の通信障害はわずかとしている。
 一方、地震後の県内避難者数は、地震翌日に約2万2000人、ピークの1週間後には約8万6000人まで増えると試算。道路の寸断などによる「孤立集落」は55に上るとしている。孤立集落数は全国で8番目に多く、県防災危機管理課は「県内は細い道路が多く、寸断される可能性が高いため」とみている。
 県内の文化財3施設が破損する可能性があるとしたが、具体的な施設名は公表されなかった。同課は「引き続き公共施設や住宅の耐震化策などを進めていく」としている。
 甲府市では今月、同市丸の内1に地上10階、地下1階建ての新市庁舎が完成した(業務開始予定は5月)。市庁舎建設部によると、同市の最大震度は最大6強が予想されているが「新庁舎は建物の基礎部分に振動を軽減する免震装置があり、軽度の損傷で済む」とし、行政機能は維持されるとしている。【屋代尚則】
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 ◇内閣府が12年8月に公表した県内市町村別の最大震度
 <6強> 甲府市、笛吹市、中央市、市川三郷町、南アルプス市、富士川町、身延町、早川町、南部町、富士吉田市、富士河口湖町、山中湖村、鳴沢村
 <6弱> 北杜市、韮崎市、甲斐市、昭和町、山梨市、甲州市、大月市、上野原市、都留市、道志村、西桂町、忍野村
 <5強> 小菅村、丹波山村
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)11時32分  南海トラフ巨大地震:被害想定、最大6000億円にも 1万人超、避難1カ月以上 /東京


 18日公表された国の南海トラフ巨大地震の被害想定で、都内では約15万人分の水道が断水し、約400カ所の道路が損傷するなどの結果が出た。直接的な経済被害は最大6000億円に達し、1カ月以上の避難生活を余儀なくされる都民が約1万1000人に上るなど、東日本大震災よりも深刻な事態が予測される。都は来春をめどに区市町村別の詳細な被害想定をまとめ、対策を進める方針だ。
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 南海トラフ地震で想定される都内の揺れは最大で震度5強。このため局地的に震度7になるとされる首都直下地震より、被害規模は小さいと考えられる。
 新たに公表されたライフライン被害では、上水道については約15万人、下水道は約8万2000人が使えなくなる。停電は約1万2000棟、固定電話の不通は約2500回線。これらはいずれも全体の1%以下で、昨年4月に公表された首都直下地震の被害想定と比べれば、影響は限定的と言える。
 それでも都民生活が受ける打撃は甚大だ。高速道や一般道の損傷は約400カ所で、同じく最大震度が5強だった東日本大震災の道路被害(約60カ所)を大きく上回る。鉄道は約280カ所でレールの変形などが起きる。エレベーターは高層ビルなど約200棟で約500台が停止し、最大約200人が閉じ込められる危険がある。港湾施設は、島しょ部を含めて防波堤延長5196メートルのうち約240メートルに損傷が起こるとされた。
 最大約2400棟とされる住宅の倒壊や液状化、ライフラインの寸断で自宅に住めず学校やホールなどに避難する人は、発生1週間後で推計約2万人。1カ月後でも約1万1000人は避難生活を続けているとみられる。
 また、建物や下水道などの被害額は4000億〜6000億円とされ、都の一般会計予算額の最大約10%に相当する。この額には工場閉鎖など生産やサービス低下に起因する経済被害を含まないため、実際の損失はさらに大きいという。ただ、都総合防災部は「耐震化などの防災・減災措置を講じれば被害は確実に減らせる」としている。【佐々木洋】
 ◇課題残るライフライン耐震化
 南海トラフ地震で大きな被害が予測されるライフラインについて、都は昨年11月に修正した地域防災計画で「60日以内の95%以上回復」を目標に掲げた。対策は進みつつあるが、課題も残る。
 下水道の場合、都は約2500カ所の災害避難所につながる下水管の耐震化を優先的に進め、ほぼ工事を終えた。今年2月に策定した長期計画ではこれに加え、ターミナル駅や官公庁など約1000カ所の下水管、水再生処理センターやポンプ所といった98カ所の関連施設も15年度までに耐震化するとした。水道管については、継ぎ目にロックがかかる構造の部品交換を進めており、11年度末で29%の整備率を22年度までに54%に引き上げる。

だが、都内の水道管は総延長約2万7000キロ、下水管は約1万6000キロに及び、対策を急ぐにしても限界がある。「早期に耐震化を終えたいが、工事できる業者の数は限られている」と水道局の高岡利光配水課長。南海トラフ地震は被害が太平洋岸の広範囲にわたるため、下水道局の坂巻和男・緊急重点雨水対策事業担当課長は「被災地以外から応援をどれだけもらえるか分からない。復旧のためのマンパワー確保も課題だ」と指摘する。
 都市ガスについては、今回の想定では「都内の被害はわずか」とされたが、首都直下地震の場合は火災発生の危険を避けるための供給停止も含め、最大85%の地域で支障が出るとされる。東京ガスは、幹線から住宅に向けて枝分かれする低圧管の90%を、20年までにポリエチレンなど耐震性の強い素材に交換したいとしている。【柳澤一男】
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 ■南海トラフ地震と首都直下地震の主な被害想定■
          南海トラフ        首都直下
 <人的被害>
 死者       1500人        9700人
 発生直後の避難者 1万5000人      339万人
 帰宅困難者     −           517万人
 <建物・ライフライン>
 全壊建物     2400棟        30万棟
【上水道断水率   1%(15万人)】    45%
【下水道支障率   1%(8万2000人)】 23%
【停電率      0.002%】      18%
【固定電話不通率  0.0008%】      8%
 <その他>
 最大津波高    31メートル(新島)   22メートル(御蔵島)
【災害廃棄物量   100万トン】      4300万トン
【エレベーター停止 500台】        7473台
【孤立する集落   5カ所】         −
【経済的損失    6000億円】      −
 ※【】が新たに公表された数値。−は想定なし。それぞれの地震で被害が最大のケースを表記(いずれも概数)
〔都内版〕
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)10時48分  南海トラフ巨大地震:被害想定2次報告 避難者、最大7万人超 津波重視手法、県改定の参考に /神奈川


 国は18日、南海トラフ巨大地震の被害想定の2次報告を発表。昨年8月に公表した建物被害・人的被害に続き、今回は施設や経済的な被害を新たに示した。県内では最大で、地震発生1日後には7万7000人の避難者が出て、経済的な被害は8000億円に達するとされたが、県が09年に実施した被害想定結果を大きく超えるものはなかった。県は、津波被害を重視した今回の手法を、14年度に改定する県被害想定の参考にする。.

 ◇09年県試算を超えず
 国は今回、想定した南海トラフの巨大地震について「1000年に1度あるいはそれよりもっと低い頻度で発生する地震」と説明。想定の目的に「何としても命を守ることを主眼にした防災・減災対策の検討」を掲げた。東日本大震災の教訓を踏まえ、揺れや火災よりも津波による被害が甚大になると予測したところ、県が09年に東海地震などを想定して試算した結果と違いが出た。
 昨年8月段階の公表分では、冬の深夜に地震が起きたとした上で、県内の最大震度は6弱、最大津波高は10メートルになると予測、その上で津波による死者数は2900人と想定していた。
 今回はそれに加えて、東日本大震災の被災状況を踏まえてライフラインや交通施設、避難者数などの被害を推計した。水道の断水で約23万人が影響を受け、4万7000件が停電するほか、道路被害は600カ所で起き、避難者は1カ月後も2万7000人に上るとした。また、建物などの被害やサービス低下による損失が時間とともに拡大するとして、8000億円の経済的な被害が生じるとした。
 ただ、国の想定は数値のみで場所などに関する具体的なデータがなく、実際の対策は自治体任せなのが実情だ。県災害対策課は「国の想定は津波による被害を従来より重く見ている。今後出てくる予定の相模トラフ地震に関する想定も含め、県が実施する被害想定にその手法を反映させたい」としている。
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 ■巨大地震発生時の県内の被害予測■
 南海トラフ     東海地震      南関東地震
 (今回)      (09年想定)   (09年想定)
 ◇想定時期
 冬深夜       冬18時      冬18時
 ◇最大震度
 6弱        6強        7
 ◇最大津波高
 10メートル    4メートル程度   8メートル弱
 ◇全壊、焼失の住宅棟数
 約4000棟    約1万2220棟  45万棟
 ◇津波などによる死者数
 約2900人    130人      1万1080人
 ◇上水道の断水
 23万人      約28万世帯    約169万世帯
 ◇停電件数
 4万7000件   6万8000件   220万件
 ◇道路損傷など
 600カ所     データなし     データなし
 ◇防波堤の損傷など
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 4500メートル  想定なし      想定なし
 ◇避難者数
 (1日後)
 7万7000人   約57万人     約395万人
 (1カ月後)
 2万7000人   約22万人     約254万人
 ◇帰宅困難者数
 想定せず      約77万人     約77万人
 ◇災害廃棄物
 約100万トン   約800万トン   約1億トン
 ◇経済被害額
 8000億円    4兆7000億円  47兆8000億円
3月19日朝刊
   
 カナロコ 3月19日(火)5時30分  南海トラフ地震被害想定:県内は首都圏最大 断水23万人、鉄道340カ所/神奈川

 南海トラフ巨大地震で最大震度6弱、津波高10メートルが想定されている県内のライフラインや交通関連の被害は、震源に近い静岡以西の地域より少ないものの、首都圏では最大と見込まれた。

 想定によると、ライフラインのうち、被災直後に断水するのは23万人、下水道の利用が困難となるのは21万人で、停電する4万7千軒は1週間後まで復旧しない。固定電話は1800回線が不通になるが、携帯電話への影響やガスの供給停止は「わずか」という。

 交通関連では、道路が600カ所、鉄道施設は新幹線を含め340カ所に被害が生じ、港湾関係は防波堤計約12キロのうち計約4・5キロが損傷するとした。東京湾沿いの横浜、川崎、横須賀の3地区にある石油コンビナートはいずれも震度5弱が予想される場所に立地しており、被害は見込まれていない。

 地震1日後の避難者数は7万7千人。1週間後には4万人に減るが、1カ月後でも2万7千人が避難を続けると試算された。200棟のビルでエレベーター計300基が停止し、200人が閉じ込められる可能性がある。

 これらの被害や影響に伴う経済被害額を最大8千億円と算定。災害廃棄物と津波堆積物は合わせて90万〜100万トンに上るという。

 県災害対策課は「県内で想定された被害は、相模トラフで起きる関東地震や首都直下地震などと比べれば少ない。これまで取り組んできた対策を引き続き着実に進めていく」としている。
   
 毎日新聞 3月19日(火)14時44分  南海トラフ巨大地震:避難者、最大2万7000人 ライフラインなど課題も /長野

 東海から九州沖の「南海トラフ」で起きる巨大地震について、国の中央防災会議のワーキンググループが18日に発表した被害想定の第2次報告で、県内でもライフライン被害や避難者の想定が示された。避難者は最大2万7000人、上水道は給水人口の56%に当たる約120万人が断水すると試算した。県は「ライフラインの確保など課題も浮かび上がったので、対策を検討したい」と受け止めた。
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 検討会は昨年8月に建物や死者などの人的被害の想定を公表。今回は水道などライフライン被害▽交通施設被害▽避難者など生活影響▽災害廃棄物▽被害額−−などを公表した。想定する地震は最大マグニチュード9・1で、震源域は中央防災会議が想定した震源域を参考とする「基本ケース」と、震源域を日本列島寄りに設定する「陸側ケース」の2パターンを想定した。
 県内で被害が大きくなるのは、いずれも震源がより近くなり、揺れが大きくなる陸側ケースの場合。上水道は被災直後に120万人が断水、徐々に回復するものの、1カ月後でも約1万人で断水が続く。被災直後には下水道の使用困難は約150万人、停電も約120万軒と試算した。道路は最大約1200カ所、鉄道は在来線で約390カ所の被害が出るとした。
 避難者は発生1日後は約8900人だが、ライフラインの停止や食料の不足が影響し、自宅から避難所などに移るなど避難者は徐々に増加。被災1週間後に最大約2万7000人が発生するとした。内訳(四捨五入)は「避難所」と親類などの「避難所以外」が共に約1万4000人。1カ月後でも約1万8000人が避難を続けると試算した。
 県内では小谷村−富士見町を縦断し、最大震度7が予測される「糸魚川−静岡構造線断層帯」(糸静線)が最も大きな被害が発生すると予測される。南海トラフの試算は、糸静線北部の地震被害の想定(避難者約41万人)は下回る。一方、県危機管理防災課は「今回の想定される被害そのものが小さいわけではない。施設の耐震化など、予防対策がより一層必要だ」と話した。【小田中大】
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 ◆県内で想定される主な被害◆
 【上水道】
 直後に全体の56%を占める約120万人が断水。被災1カ月後でも約1万人で続く。
 【下水道】
 直後は全体の89%・約150万人が使用困難に。一方、被災1週間後にほぼ回復する。
 【電力】
 他の被災地で発電施設が停止する影響などで、直後は全体の89%の約120万軒で停電。
 【通信】
 固定電話は直後に89%の約49万回線が不通。
 【交通】
 道路は土砂崩れなどで約1200カ所で被害。鉄道も在来線で約390カ所に被害が出る。
 【避難者】
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 被災1日後は約8900人だが、ライフラインの復旧まで徐々に増加。被災1週間後に最大約2万7000人となる。1カ月後は約1万8000人。
 【エレベーター閉じ込め】
 人が最も動く12時に、最大約1100人が閉じ込められる可能性。閉じ込めにつながり得るエレベーターを持つ建物は約200棟と予測。
 ※想定はいずれも「陸側ケース」の場合。
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時3分  南海トラフ巨大地震:想定被害、県内でも最大3000億円 生活への影響甚大 原発事故算出せず /福井


 太平洋側に甚大な被害をもたらす「南海トラフ巨大地震」は、福井県内でも最大3000億円の被害が想定されることが、18日の内閣府の発表で明らかになった。ただ、原発は地震発生と同時に運転停止すると想定し、事故に至った場合の被害は算出していない。
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 昨年8月には、死傷者数や浸水域などの被害想定が発表されていた。今回は、上下水道や電力などのライフライン、道路の被害、避難者や帰宅困難者など生活への影響がまとめられた。
 被害が大きくなるのは、火災が広がりやすい冬の夕方、風が強い(秒速8メートル)時に発生した場合。被害額の主な内訳は、建物約2000億円▽建物内の資産約400億円▽下水道約200億円▽道路約100億円。
 想定される最大の被害は、上水道の断水で約2万人、下水道の損傷で約9000人が利用できなくなる。約200世帯が停電し、固定電話は約200回線が不通に。道路は約290カ所、鉄道は約150カ所に被害が出る。福井、坂井両市の臨海コンビナートなどでそれぞれ約50施設が被災する。
 避難者は、地震の翌日に約7100人(避難所約4300人、避難所外約2900人)となり、最も多くなるのは1週間後の約8800人(避難所約4400人、避難所外約4400人)。
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)14時16分  南海トラフ巨大地震:被害想定 最悪で1兆3000億円 避難者8万9000人 /岐阜


 内閣府が18日に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定(第2次報告)で、建物の倒壊やライフラインの寸断などによる経済被害が、県内では、最悪の場合約1兆3000億円に上るとの試算が示された。避難者数は最大8万9000人、帰宅困難者は15万〜16万人に及ぶという。
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 経済被害の内訳は、家屋の倒壊や家庭用品の焼失が約1兆1000億円▽上下水道や道路、公共施設の被害が約2000億円−−など。被災に伴う直接的な被害を中心に試算し企業の倒産や所得の低下など主な波及的被害は考慮していない。
 第2次報告では、県内で最大約110万人分の上水道が断水、130万人分の下水道の利用に影響が出るとし、電力を使用する約9割にあたる約110万軒が停電する可能性があると試算している。また、県内約1300カ所の道路、約450カ所の鉄道施設で被害があるという。
 一方、避難者数と帰宅困難者数は、県の独自試算による数値と大きな開きが出た。県の試算は避難者数約16万1000人、帰宅困難者数約2万人だが、第2次報告はそれぞれ8万9000人、15万〜16万人だった。
 県防災課は「前提条件や基礎データが異なり、単純比較はできない。推定値にとらわれず甚大な被害が発生することを重く受け止めて対応したい」としている。
 昨年公表された第1次報告では、市町村別の震度や住宅の全壊棟数、死者数が示されていた。
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)13時44分  南海トラフ巨大地震:被害想定 避難最大69万人 住宅、インフラ17兆円 /三重


 住宅や公共インフラなどに与える最大の被害額16兆9000億円、避難者は約69万人−−。内閣府が18日発表した南海トラフ巨大地震による施設や経済などの被害想定は、「1000年超に1度の頻度」の地震を想定したものとはいえ、衝撃的な数字が並んだ。一方で、耐震化率の向上や迅速な避難によって被害は大幅に軽減できるとしており、県は「100〜150年に1度のより現実的な地震に備え、万全の防災・減災対策を進めたい」としている。
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 想定は、施設などに最大の被害が出るのは、地震が陸域に近い場所で、秒速8メートルの風がある冬の夕方に発生したとして推計した。
 ■施設被害
 住宅や家庭用品などの被害は15兆2000億円で、施設の最大被害総額の約9割を占める。他に約2700万〜約3200万トンになると想定される災害廃棄物の処理費用約7000億円や、電気、上下水道、道路、漁港などの復旧費も加わり、県の年間予算の20倍近くにもなる。
 工場の設備被害や従業員の死亡による生産やサービスの低下、交通寸断などによる経済活動への影響額は含まれておらず、さらに増えるとされる。算出方法は異なるが、05年に公表した県の想定(約3兆円)を大幅に上回った。この被害額について、内閣府は、建物の耐震化率を100%にすれば、施設被害はほぼ半減、さらに津波避難が迅速に行われれば、生産やサービス低下による経済活動の被害額は3割程度縮減できるとしている。
 ■ライフライン
 ライフライン施設の被災による影響は、上水道の断水で約170万人、下水道が約77万人、停電約110万戸、電話も固定電話の約39万回線が不通、携帯電話は82%が通じなくなる。交通は、道路が約2700カ所、鉄道が約1700カ所としている。
 ■避難者
 避難者は、発生1日後が約56万人。最大となる1週間後には全人口の4割の約69万人になると推定。05年の県想定(6万2000人余)の10倍以上になっている。さらに、平日の昼間に発生した場合、当日中に帰宅が困難になる人は約6万7000〜6万8000人と予想している。また、農漁村の計258集落が孤立すると見ている。
    ◇
 県防災企画・地域支援課は「県の想定したものより大きな規模の地震を想定したもので、被害が大きくなるのは当然だが、大変な数字だ。官民ともに、被害軽減の取り組みが大切で、住宅耐震化や津波避難対策などを進めていく」と話している。
 ◇四日市臨海部、170施設で破損など さらに改善策必要
 内閣府が18日公表した南海トラフの巨大地震に伴う危険物・コンビナートの被害想定で、国内有数の石油化学コンビナートを抱える四日市臨海部は震度6強で約1970施設中、破損などは約170に上った

四日市臨海部は石油コンビナート等災害防止法に基づく「石油コンビナート等特別防災区域」の一つだ。四日市市消防本部は、大規模な地震・津波により、液状化で岸壁や道路が損壊し、流出したがれきが航行を妨げるなどの被害を想定する。
 被災時の各コンビナート事業所との「ホットライン」で、消防本部は昨年11月、東日本大震災の教訓を踏まえて見直しを行った。有線の専用回線や一般加入電話から、無線に切り替えた。
 コンビナート事業所に毎年実施している「防災診断」も11年に強化。屋外タンク貯蔵所の浮き上がりや容器の漂流対策などを指導事項に加えた12年調査では、対象となった全37事業所がハード・ソフト両面で法令基準を満たした。
 ただ、プラントが正常に緊急停止しなかった場合の対処確認といったシミュレーション不足など、法令以外の対策で「さらに検討が必要」(予防保安課)とする事業所もあった。追跡調査でも指摘事項が改善されないケースもあるという。
 大震災では液状化や地盤沈下、転倒したタンクから流出した油による火災が発生、ガソリンや石油の供給が激減し、市民生活や経済活動にも影響が出た。コンビナート内にある老朽化した高潮防波堤の改修も急務で、さらなる対策が必要と言えそうだ。【岡正勝】
 ◇知事「現実的対策を優先」
 鈴木英敬知事は18日、「想定は、最新の科学的知見で最大クラスの地震だ。数字に一喜一憂することなく、県民に理解を得られるような働きかけを市町とともにしていきたい」と述べ、100〜150年単位で実際に起きた規模の地震への対応を優先させる考えを強調した。
 県は東日本大震災後の11年10月に緊急地震対策行動計画を策定。しかし、昨年12月に公表した県民意識調査によると「震災時に持った危機意識が薄れつつある」と答えた人が41・9%に上った。県は現在、「防災の日常化」「発災後の的確な対応」を視野に入れた新計画を策定中で、今月中に中間案をまとめる。新年度中には具体的な目標値も入れた計画を策定する。
 一方、県住宅課によると、耐震化率は11年度末で82・2%。県は15年度末の90%を目標に、市町と折半して耐震改修費を補助(上限60万円)するなどしている。新年度予算でも約460戸分の改修費を計上したが、不況の影響もあり、達成の見通しは立っていない。


 四日市コンビナートについて、県は新年度当初予算に防災対策推進事業費1461万円を計上。石油コンビナート防災アセスメント調査を実施し、今回の想定には含まれていない津波被害などの危険性も評価した上で、防災計画の見直しを検討する。
 また、県内の避難所は約2500カ所で、収容能力は避難所へ逃げるとされる約39万人を大きく下回る。鈴木知事は、国の想定の試算根拠が不明確な点を指摘し「専門家の意見を聞き、地域防災計画の改定や新行動計画の策定につなげたい」と話した。【田中功一】
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 ◇県内最大被害額
建物      1300
資産       220
電気        10
通信         2
鉄道         4
上水道        3
下水道       20
港湾        20
道路        10
その他公共土木   20
漁港        20
災害廃棄物処理   70
合計      1690
 ※都市ガス、農地被害は除く(単位・100億円)
〔三重版〕
3月19日朝刊
   
 @S[アットエス] 3月19日(火)13時27分  静岡市で28度 3月の観測史上最高




気温が上昇し水遊びを楽しむ子供たち=19日午前11時50分、静岡市駿河区の森下公園

 上空を高気圧に覆われた県内は19日、おおむね晴れ、各地で気温が上がった。静岡地方気象台の観測によると、静岡市駿河区では午後2時23分に28・0度まで上昇し、3月としては観測史上最高を記録した。県内各地で気温25度以上の「夏日」となり、主要観測点18カ所中11カ所で3月の観測史上最高となった。
 20日は低気圧から延びる前線の影響で次第に曇りとなり、昼すぎから雨が降る所があると予想している。
 静岡市駿河区の街中にある森下公園では、薄着の子どもたちの姿が目立った。汗ばむ陽気の中、園内を流れる小川に足をつけ、水遊びを楽しんでいた。

県内各地の主要観測点(アメダス)の最高気温
※は3月の観測史上最高を観測した地点。
静岡 28.0度(※)
清水 27.4度(※)
三島 27.4度(※)
川根本町 26.5度(※)
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静岡新聞社
   
 毎日新聞 3月19日(火)13時13分  南海トラフ巨大地震:国の被害想定公表、知事「厳しい数字」 /愛知



 国が南海トラフ巨大地震に伴う被害想定を公表したことを受け、大村秀章知事と河村たかし名古屋市長が18日、それぞれ記者団の取材に応じ、災害対策の充実を図る考えを示した。
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 大村知事は「大変厳しい数字と受け止めている。最悪を考えてのデータだが、きちっとした対策をすれば防げるし、(被害を)減らせる。県が中心となって関係市町村や国と十分連携しなければいけない」と話した。県は地域防災計画の改定作業を進めている。
 河村市長は「(市民が)防災を自分自身のことと考えてもらって一人も犠牲者が出ないようにしていきたい」と話した。
 市は東日本大震災を受けた新しい被害想定を年度内にまとめる予定だったが、国の想定結果の検証が必要などとして、今秋まで延期している。【駒木智一、高木香奈】
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)12時1分  南海トラフ巨大地震:第2次被害想定 県内経済に最悪21兆円 生活基盤9割が途絶 1週間後の避難者110万人 /静岡




 南海トラフの巨大地震による国の第2次被害想定が18日、発表された。想定は、県内の経済的被害を最悪のケースで約21・4兆円と推計。ライフラインは被災直後に約9割が使えなくなり、1週間後には約110万人の避難者が発生するなどという深刻な内容となった。県の岩田孝仁・危機報道監は、「6月をめどにまとめる県の第4次地震被害想定で、今回の国の想定も参考にしつつ県の実情に即した詳細な被害想定を行う」と話した。.

 発表されたのは、巨大地震による経済的被害や、ライフライン、高速道路、鉄道などの施設の被害がどれだけ生じるかの想定。東日本大震災の経験を基に「1000年に1度あるいはそれよりもっと低い頻度」で発生する地震被害を試算したもので、被害の量やその発生時期などが示されている。
 県などによると、想定された最悪の経済的被害は約21・4兆円。冬の夕方に起きた場合を想定した。内訳は、建物や資産などの民間部門が19・2兆円▽上下水道、公共土木施設などの公共部門が2・2兆円▽電気、ガス、通信、鉄道などの準公共部門が700億円−−となった。
 施設については、被災直後に、最悪1900人がエレベーターに閉じ込められ、道路約4200カ所で被害。東名高速道路や新東名高速道路は通行止めとなり、約1200カ所に被害が生じるとされた新幹線や在来線などの鉄道も全線不通になると見込まれる。
 ライフラインは、上水道が94%断水し約340万人に影響がでると予測。同じく、下水道が支障率93%▽停電率89%▽固定電話不通回線率88%▽ガス供給停止率74%−−などと、大きな被害が予想された。携帯電話については、基地局の非常電源が切れる1日後に約80%が停波し、非常につながりにくくなるという。
 多くの被害は、時間の経過とともに順次復旧されるが、避難者数は、1カ月後の時点でも1週間後と変わらない約110万人(避難所に約34万人、避難所外に約80万人)。県内の国宝や重要文化財なども最悪20カ所が被害を受け、観光客の減少など長期的な課題も指摘されている。
 川勝平太知事は今回の想定を受け、「(想定は)起こしてはいけないということ。いかに減災するかだ」と述べ、内陸部の開発や沿岸都市部の「安全安心の街」への再生による防災施策の推進を改めて表明した。県は先月、県内全域が国から「ふじのくに防災減災・地域成長モデル総合特区」に認められている。
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 ◇南海トラフの巨大地震による県内ライフラインの被害想定
            直後     1週間後      1カ月後
上水道断水人口    340万人  240万人     74万人 
      断水率    94%     65%     20%
下水道支障人口    200万人  62万人      8万7000人


      支障率    93%     28%      4%
停電軒数       200万戸  14万戸      12万戸
      停電率    89%      6%      5%
固定電話不通回線数  73万回線  8万3000回線  3万8000回線
    不通回線率    88%     10%      5%
ガス供給停止戸数   19万戸   14万戸      2800戸
    供給停止率    74%     56%      1%
携帯電話停波基地局率   8%※      7%       −
        (1日後に80%)
 ※携帯電話は非常電源の切れる1日後に「非常につながりにくい」状態となる。
3月19日朝刊
   
 @S[アットエス] 3月19日(火)9時44分  【南海トラフ被害想定】県内生活に甚大被害 避難者最大110万人



 南海トラフ巨大地震で、最悪の場合に最大震度7の揺れと30メートル超の大津波が想定された静岡県。内閣府が18日、新たに公表したライフラインやインフラなどの被害想定(第2次報告)で、被害が「超広域」に及ぶことがあらためて示された。県は「発災後に県内がより過酷な状況下に置かれることが予想される」として、住民や企業に日頃の備えの重要性を訴える。
 被害想定によると、県内のライフライン被害のうち、上水道は被災直後の断水率が94%で、1週間後も65%までしか回復しないとされた。下水道は被災直後に93%、1週間後も28%が利用困難とされ、生活に大きな支障が出ると見込む。
 自宅を離れて避難所などで過ごす避難者数は、被災1日後に90万人、1週間後に110万人に達し、1カ月後も同程度で推移するとされる。東海地震の単独発生を考えた県の第3次地震被害想定(1週間後76万人、1カ月後56万人)を上回る見通しになった。
 今回の想定について、岩田孝仁県危機報道監は「国全体が過酷な被害を受け、簡単には元のレベルに戻らないと予想される。静岡県にとってもきつい状況になる」とみる。
 県が着目するのは、被害が極めて広範・広域に及ぶ点。被害想定は、関東以西の40都府県でライフラインやインフラなどの支障を見込む。緊急時の輸送路となる東名、新東名をはじめとする高速道路も、仮復旧まで3日程度かかる見通しが示された。
 県は現在、被災時に全国からの応援部隊などを受け入れる「広域受援計画」を定めているが、国の全体計画改定を受けて見直しは必至だ。全国からの支援が、被害が比較的大きいとみられる静岡県に集中されるか、全体に分散されるか―は、まだ不透明という。
 岩田危機報道監は「自分の命を自分で守る備えを相当きちんとしなければならない。従来から続けてきた住宅耐震化や食料備蓄の呼び掛けをさらに徹底していく」と話した。
   
 紀伊民報 3月19日(火)16時50分  和歌山県は避難者45万人 巨大地震被害想定


 内閣府の作業部会「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」は18日、東海・東南海・南海地震の震源域が並ぶ「南海トラフ」で最大級の地震が起きた場合の経済的被害と上下水道などライフライン被害の想定を公表した。和歌山県内では、施設などを復旧させるために必要な金額をまとめた経済被害額が9兆9千億円。避難者数は約45万人、災害廃棄物は1700万トンに上る試算となった。市町村別の推計は公表されておらず、県は今後、ライフラインや交通面に関する県独自の被害想定をまとめる。


 今回公表した被害想定は、発生頻度が極めて低いものの、最大クラスの地震、津波を想定している。地震規模はマグニチュード9クラス。東海、近畿、四国、九州の4地域でそれぞれ震源域の異なる2種類の計8ケースを想定した。

 経済被害額は東海地方が大きく被災するケースのみ推計が行われた。被災した住宅や道路、漁港施設などの復旧費用をまとめた県の経済被害額は9兆9千億円だった。建物被害額が7兆6千億円。漁港の被害額は2千億円で、三重県や高知県などと並んで最も高かった。

 上下水道などのライフライン被害では近畿地方が大きく被災するケースで、上水道の断水人口で94万人を母数とした場合に86万人に影響が出る想定となった。県が2005年にまとめた3連動地震の被害想定では55万人(母数は約102万人)だった。

 ほかに今回の想定では、停電戸数が約74万戸、NTTの固定通信で約19万回線が不通となった。被災1週間後の停電戸数は約4万6千戸、固定通信の不通は約5万3千回線だった。

 避難者数は約45万人で避難所で約29万人、親類の家など避難所以外で約17万人。1カ月後では避難者数は同数だが、避難所で約13万人、避難所以外で約31万人となった。自宅への帰宅困難者数の想定は約6万3千人だが、観光客の動向は考慮されていない。

 県総合防災課によると、公園や山頂などの避難先を除く県内避難所で、約50万人の避難者を収容できるという。

 倒壊した家屋のがれきなどの災害廃棄物は1700万トン、浸水面積から算出した津波堆積物は600万トンとなった。津波堆積物は徳島県、高知県の700万トンに次いで多い結果となった。

 作業部会では建物の耐震化や出火防止対策、津波避難対策をすることで被害額を抑えられるとしており、県は継続して避難路整備の強化など防災対策を推進する考え。市町村別のライフラインの被害想定は夏ごろにまとめる予定という。

 仁坂吉伸知事は18日、報道陣の取材に応じ「県内で大きな被害が出ることは今回の発表前から分かっていること。命だけは守るということに最大限の努力をしなくてはいけない」と述べた。

 ■南海トラフと地震 南海トラフは、東海沖から四国沖へと延びている溝状の海底地形で、海側のプレート(岩板)が、陸側プレートの下にもぐりこむ境界を成している。海側プレートに引きずられて陸側プレートも沈み込んでいるが、蓄積したひずみが元に戻ろうとしてプレートがはね上がると地震が起き、海底も動くため津波も発生する。南海トラフ沿いは東側から「東海地震」「東南海地震」「南海地震」の三つの震源域が想定されているが、これらが同時に震源になると巨大地震につながる。
   
 毎日新聞 3月19日(火)13時6分  南海トラフ巨大地震:県経済被害、5兆円 国想定で判明、「東日本」と同規模で /兵庫


 東日本大震災と同じマグニチュード(M)9級の巨大地震が太平洋沖の浅い海溝「南海トラフ」で起きると、県の経済被害は最大5兆円に達することが、18日に公表された国の被害想定で明らかになった。約10兆円の被害が出た阪神大震災の半分に相当する。避難者は発生1週間後に最大32万人に達する見込みだ。県はこのデータをもとに、市町別に被害地域を詳しく示した独自の想定を来年度内に公表する方針。【内橋寿明】
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 ◇阪神大震災の半分
 経済被害の内訳は、住宅やビルなどの建物が3兆3000億円、個人や企業の資産が8000億円、下水道や港湾がそれぞれ2000億円で続く。道路や水道といった公共設備ではなく、民間施設の被害額が全体の8割以上を占める。
 国は昨年、同じ地震の規模を想定して、予想される死者数、市町別の最大津波高や最大震度を公表した。今回も震源域を四つに分けてシミュレーションしており、県内への影響が最も大きいのは、紀伊半島沖の陸側に近いプレートがずれた場合だ。300万人以上が断水の影響を受け、約300万軒が停電するなど、この最悪のケースの被害想定をまとめた。
 ◇避難者32万人も
 それによると、自宅に住めなくなる避難者は、発生翌日に約24万人に上る。このうち約15万人が、学校や公民館などに開設された避難所に入所。1週間後の避難者は約32万人に達し、1カ月後でも約25万人が避難せざるを得ないという。
 石油コンビナートが約570施設ある姫路市の臨海部では、最大震度6強が予想されており、約40施設が破損する恐れがある。播磨町と高砂市では計約30施設、神戸市でも約10施設が破損の恐れがあり、火災や爆発につながる可能性がある。
 交通機関の停止で、自宅に帰れない「帰宅困難者」は48万人から59万人と推計。津波で周囲の道路が流されるなどして、計19の集落が孤立する可能性がある。
 ビルやマンションのエレベーターは計約5100基が停止し、正午の震災発生だと1700人が閉じ込められる。震災で発生するがれきは最大約800万トンと見込む。
 国は今回、各県全体の被害状況を公表したのみで、被害の詳しい地域が明らかになっておらず、これだけでは市町や住民が防災計画などの対策を立てにくい。県はそれぞれの項目について、来年度末をめどに、県内各地域の詳しい被害想定を公表する。
 県防災計画課の担当者は「これでも兵庫県の被害は他県に比べて低い方だ。阪神大震災では他県から多くの支援を受けたが、この想定通りの地震が起きれば支援は得られず、厳しい対応を迫られる。防潮堤の建設や住宅耐震など、減災の取り組みを進めていく」と話している。
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 ■ライフライン最大被害
上水道断水      約330万人
下水道断水      約450万人
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停電         約300万軒
固定電話の不通    約93万回線
携帯電話基地局の停波 2%
ガス停止       約7100戸
 ■交通・港湾施設最大被害
道路   約2200カ所
鉄道   約1100カ所
岸壁   約70カ所
係留施設 約250カ所
防波堤  約9200メートル
〔神戸版〕
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)13時1分  南海トラフ巨大地震:被害想定 避難34万人 「綿密な対策必要」府など警戒強める /京都


 ◇「市町村単位も公表を」
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 18日に国の中央防災会議が公表した南海トラフ巨大地震の経済被害想定で府内でも生活インフラを中心に大きな被害が出るとされた。府などは「南海トラフ地震直後の救援活動は太平洋の沿岸部に集中するだろう。京都では発生後しばらくは単独で対応せざるを得ない。綿密な対策が必要だ」と警戒を強めている。【林哲平、古屋敷尚子】
 府内で最も深刻な被害が想定されているのは京都市北東部の花折断層を震源とする地震。南海トラフ巨大地震の被害想定はこれをやや下回る内容だが、それでも発生直後は府内人口の9割に当たる230万人が水道の断水に見舞われる。下水道も発生直後に処理人口の9割、210万人が使えなくなる。電気は被災4日後でもなお5万5000世帯で停電が続く。避難所で生活したり、被害を受けた自宅で生活を続ける人は被災1週間後で34万人に達するとみられる。被害総額は4兆5000億円と試算している。
 府によると、花折断層を震源とする地震で48万人以上の短期避難者を見込み、避難所の確保や食料などの確保を進めている。府と市町村の備蓄物資は乾パン約30万食、飲料水7万7000リットル、毛布12万枚など。府防災・原子力安全課は「流通業者から提供を受ける分を含めると数日間分はある。1週間以上になれば近畿地方以外の自治体との連携が必要だ」と話す。
 京都市は「数だけでいえば、花折断層を想定した備えでカバーできる」と冷静に受け止める一方、「南海トラフでは外部からの支援は想定しない。市民や地域で協力しながら独自に乗り切れるように対策を進めたい」と強調する。
 南海トラフ地震をめぐっては昨年8月、国は死傷者数など人や建物被害の想定を公表した。ただ、都道府県単位での想定にとどまっており、府や市町村の担当者の間には「どの地域で重点的な整備が必要なのか、具体的な計画には役立たない」と戸惑いが広がる。府防災・原子力安全課は「国は早く市町村単位の想定を公表してほしい」と話している。
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)12時53分  南海トラフ巨大地震:被害推計 県内避難者29万人に 経済被害3.4兆円−−最大ケース /奈良

 ◇県、防災計画見直しへ
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 内閣府が18日に公表した南海トラフ巨大地震の第2次被害想定で、県内の避難者は発生1週間後に最大で人口の2割にあたる約29万人に上り、被害総額は3兆4000億円になると推計された。県内で南海トラフ地震の死者や建物以外の被害が推計されたのは初めて。県はこれまで、和歌山や三重の両県など海側の府県の支援を念頭に置いていたが、今回の想定を基に防災計画の見直しを進める。【伊澤拓也】
 震源地や時間帯、風速などの条件別に被害を予測した。避難者は最も多い場合で発生1日後には14万人だが、ライフラインの寸断に伴って増加し、1週間後に29万人になるとした。
 道路の920カ所、鉄道の590カ所で被害が出て公共交通機関がまひすると、県内居住者で帰宅できなくなるのは13万人と想定。さらに山間部などで孤立する危険性のある集落は41集落と推計された。
 ライフラインも壊滅的な被害となる恐れがあることが判明した。上水道の断水は人口の9割を超える130万人、下水道の使用に支障が出るのは93万人。停電は82万世帯、ガスの供給停止は4万世帯に及ぶとした。また、国宝や重要文化財の建造物は38件で揺れや火災の恐れがあるという。
 ただ、今回の想定は、過去の実例を基に大まかな数字を算出したもので、具体的な被害地域や地点は示されていない。
 県は、南海トラフ地震の死者を4人と想定した04年の調査を基に、08年に現行の防災計画を策定。東日本大震災や台風12号水害を受けて見直しを進めている。昨年8月に公表された被害想定では、死者は最大1700人と大きな開きがあったため、策定中の計画に反映させるという。
 県防災統括室は「これまでの計画は近隣府県の支援に重きが置かれていたが、今回の想定で県内でも大きな被害が出る危険性があることが分かった。今後、対策をたてる上で基礎的な資料になる」としている。
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 ◆南海トラフ巨大地震で想定される県内の最大被害◆
避難者(1日後)    14万人
 同 (1週間後)   29万人
 同 (1カ月後)   23万人
帰宅困難者       13万人
孤立可能性のある集落  41集落
上水道断水      130万人
下水道支障       93万人
停電          82万世帯
ガス供給停止       4万世帯
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固定電話不通      23万回線
道路被害       920カ所
鉄道被害       590カ所
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)12時41分  南海トラフ巨大地震:府内被害、最悪24兆円−−推計 /大阪



 ◇がれき、「東日本」の2.6倍 避難者、1週間後に150万人
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 内閣府が18日公表した南海トラフ巨大地震の被害想定では、大阪府内で最も死者が多くなる最悪のケースで、府内の被害総額は24兆円に上ると推計された。上下水道などライフラインや交通インフラが大きな被害を受け、東日本大震災を上回るがれきも発生する。府危機管理課は「今後、府域の詳細な被害想定を検討し、市町村とも連携をとりながら、減災と早期復旧を目指した対策をとりたい」と話す。府内の主な最悪の想定被害をまとめた。【須田桃子】
 ◇経済被害は
 被害総額24兆円は、全国の約14%を占め、都府県別では愛知県に次ぐ。内訳で最も割合の大きいのは、損壊・焼失する民間の建物の被害で16・6兆円。家庭用品のほか、事業に使う機械や備品、在庫などの償却・棚卸資産の再建費用は5・6兆円とされた。
 建物の全壊、焼失などによる災害廃棄物(がれき)は約4300万トンに上り、その処理費用1兆円も被害総額に含まれる。これは、岩手・宮城・福島3県で発生した災害廃棄物約1628万トン(昨年末時点の推定量)の約2・6倍にあたる。
 ◇ライフライン、インフラ被害は
 被災直後は上水道の48%が使えず、断水人口は約430万人に上る。下水道と電力は89%、ガスは22%が使用できない。復旧速度には差があり、下水道と電力は1日後から大幅に回復するが、上水道とガスは1週間後も2割が使えないままだ。
 交通施設では、道路約1400カ所、鉄道約1500カ所が、主に揺れによる被害を受ける。愛知、静岡両県の被害はより深刻なため、東西を結ぶ交通の大動脈が断たれ、救援物資が届かない可能性も懸念される。
 住宅の損壊などによる避難者数は1日後で約120万人、1週間後には約150万人になる。避難所内の人数は減っていくが、親戚宅への避難などが続くため、避難者全体は1カ月後でも約130万人に上る見通しだ。
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)12時27分  南海トラフ巨大地震:最大試算、県内避難者45万人 経済被害9兆9000億円 /和歌山




 ◇知事「命守るよう最大限努力」
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 中央防災会議などが18日に公表した南海トラフ巨大地震被害想定で、発生1日後の県内の避難者数は最大で県人口の約半分に当たる45万人、事業所などの経済的被害は9兆9000億円との試算が示された。仁坂吉伸知事は「数字に驚かず、命を守るよう最大限努力する」と述べ、人的被害を軽減する対策を優先させる考えを改めて示した。食料などの備蓄を増強させることも検討する。【岸本桂司、中村好見】
 内閣府が昨年8月に公表した被害想定では、県内での最大津波高は20メートル、最悪で死者約8万人とされた。それを受け、今回はライフラインや経済的な被害が想定された。
 ◆上下水道
 上水道の断水は最大約86万人に及び、給水人口に占める断水率は92%。下水道は最大約20万人の処理に支障が出て、処理人口中の割合は97%になる。
 ◆電力
 停電は最大で被災直後に電力供給軒数の90%に当たる約74万軒。1週間後には10万軒程度に減少する。
 ◆廃棄物
 災害廃棄物(がれき)は約1700万トン発生。東日本大震災では東北3県で1628万トンが発生しており、和歌山のみでこれを超える。津波で海から陸に運ばれる土砂などの津波堆積(たいせき)物は、全国3位の約600万トン。
 ◆事業所
 経済被害は、東海地方で被害が最大になるケースに基づいて推計された。それによると、県内の事業所などの施設・設備の損害額は約9兆9000億円。沿岸部のコンビナート被害も目立ち、最大震度が6強の和歌山市で約40施設、震度7の有田市で約40施設が損壊する。近畿地方で被害が大きいケースに基づけば、額はさらに大きくなるとみられる。
 ◇自治体対応、マニュアル見直し必須 「個人でも備蓄を」
 最大避難者数が発生1日後で約45万人(うち避難所約29万人)に上ることについて、県総合防災課は「津波避難ビルを含めた避難所の収容人数は約50万人。現状でも対応できる」としている。ピークを迎える1週間後でも約46万人の想定だ。しかし、県と各市町村の食料や水の備蓄は計約40万食程度しかない。避難生活の長期化に対応できないのが現状。県は「個人でも備蓄をお願いしたい」と話している。

上水道の被害に関しては、和歌山市水道局は07年に対策マニュアルを作成。水道管の耐震化を順次進め、給水拠点の配水池も20年度までに2カ所増やして20カ所とする目標を立てている。しかし、南海トラフ巨大地震では県内約86万人が断水すると予測されたことから、同市内でも大半の地域で断水することが予想され、マニュアル見直しは必須だ。市水道局は「避難所などに出動する給水タンク車は現在4台しかない。協定を結んでいる他地域に応援を頼まなければ」と話した。
 一方、海南市の沿岸に石油コンビナートを抱える和歌山石油精製は東日本大震災以降、全建物の耐震診断を実施。石油タンクは震度6強の揺れに耐えられると診断されたが、補強が必要な建物には耐震化を進めている。また、津波の浸水が予測される1階の電気室を2階に移動させた。昨年8月に公表された南海トラフ巨大地震の最大津波高は8メートル。同社は「新しい想定に基づいた対策も、進めていかなければ」としている。
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 ◇県内の主な被害想定の最大値の概数◇
            今回       05年県想定
上水道断水      86万人(16)    55万人
下水道処理支障    20万人(19)   6000人
停電         74万軒(13)    92万人
固定電話不通    19万回線(17)    41万人
都市ガス    1万8000戸(10)    17万人
避難者数       45万人 (6)    28万人
帰宅困難者数  6万3000人     4万5000人
災害廃棄物   1700万トン (6)
津波堆積物    600万トン (3)
 ※05年県想定は東海・東南海・南海3連動地震。一部の項目で今回と05年の単位が異なる。( )内は全国順位。
3月19日朝刊

   
 毎日新聞 3月19日(火)12時20分  南海トラフ巨大地震:県内被害1.6兆円 避難者16万人−−最大ケース想定 /滋賀

 中央防災会議のワーキンググループが18日発表した南海トラフ巨大地震の被害想定(第2次)で、県内では最大ケースで避難者数が16万人、経済的被害が民間を中心に1兆6000億円に上るという結果が示された。ライフライン被害では、被災直後に全体の89%が停電し、82%が断水するとされている。県はこの結果も踏まえ、来年度中により詳細なモデルで、市町別の内訳を含めた県域の地震被害想定を出す。【姜弘修】
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 昨年8月に発表された第1次報告は建物や人的被害で、県内は最大震度が6強か6弱とされ、津波の直接被害はないが、揺れや液状化で最大で建物全壊1万3000棟、死者500人、負傷者9800人と計算された。今回はライフラインや交通施設などの被害が算出された。
 震源域が太平洋岸の陸側により近いケースでは被災直後、浄水場や発電所の運転停止などで、県内は給水人口130万人のうち110万人が断水、94万軒のうち83万軒が停電すると想定。被害復旧に伴い、断水は1カ月後に7万2000人、停電は1週間後に800軒まで減るとされた。
 一方、避難者数は被災1日後は4万2000人だが、ライフライン被害の影響で1週間後の方が16万人にまで増加。1日〜数日後の帰宅困難者は外出者34万人のうち、13万〜15万人発生すると試算された。陸側ケースの経済的被害は1兆6000億円に上り、うち民間部門の建物や資産が1兆4000億円を占めている。被害想定は起こり得る最大クラスの地震で行われ、県防災危機管理局は「今後、データを精査したい」としつつ、「まずは備蓄が大事で、県民への啓発が必要。企業にも業務継続の態勢をとってほしい」と受け止めた。県独自の被害想定では南海トラフ巨大地震以外の地震被害も試算するという。
3月19日朝刊
   
 産経新聞 3月19日(火)7時55分  南海トラフ巨大地震想定 避難者数は最大34万人 京都


 ■府内の被害額4.5兆円

 内閣府の作業部会が18日発表した南海トラフ巨大地震による被害想定の試算。府内の経済被害額は約4・5兆円、避難者数は、発生の1週間後で最大約34万人に達するなど、市民生活や経済に大きな混乱をもたらすと予想される。府にとって初めての試算結果となるといい、「今回の試算を分析し、今後の対策につなげる」としている。(栗井裕美子)

 被害額の内訳は、民間の建物が約3・4兆円▽民間資産が約7千億円▽上水道が約400億円▽道路が約300億円▽鉄道が約200億円−など。

 災害廃棄物は、約700万トン、約600万立方メートルとなり、処理のための費用に約1千億円が必要と見込まれている。

 ライフラインの被害は、上水道の断水が約230万人、下水道では約210万人が影響を受ける。電気は約150万軒が停電、ガスは約3万6千軒が供給停止、通信関連では、固定電話は、約48万回線が不通となり、携帯電話は約5%が通信困難となる。

 帰宅困難者は、29万〜35万人発生。避難者は、発生直後で約19万人、1週間後で約34万人、1カ月後で約27万人となる。

 エレベーター内の閉じこめは、午前8時に地震が発生した場合で約600人、正午発生で約900人、午後6時発生で約600人。閉じこめにつながるエレベータ停止建物は約1400軒、エレベータ停止台数は約2300台にのぼるという。

 被災の可能性がある国宝と重要文化財は揺れによるものが2件と火災によるものが9件の計11件と予測されている。

 内閣府が昨年8月に発表した人的・物的被害の想定では、府内で最悪の場合約900人が死亡、7万棟が全壊すると推計していた。

 府防災・原子力安全課は「大変大きな被害額だと感じている。府は南北に細長いので、どの地域でどれだけの被害が出るかというのを細かく分析し、今後の防災対策につなげたい」としている。
   
 産経新聞 3月19日(火)7時55分  南海トラフ巨大地震 広域災害想定避難者は32万人に 兵庫


 ■経済被害、県内5兆円

 将来発生する可能性のある南海トラフ巨大地震について、内閣府が18日に公表した被害想定の第2次報告によると、県内の経済被害は阪神大震災による被害総額(約10兆円)の半分の5兆円と推計された。一方で、人口の約6割で水道などのライフラインが被害を受け、約32万人の避難者が発生するとされ、県は「阪神大震災と違い、広域災害になるため、県外からの応援が大きくは期待できず、厳しい災害になり得る」と警戒を強めている。

 経済被害額は、国が推計に用いた8ケースのうち、「陸側を震源域に、津波で東海地方が大きく被災するケース(冬の夕方、風速毎秒8メートル)」についてのみ公表された。県内では民間建物で3・3兆円、民間資産で8千億円の損害が発生し、公共部門を含めた全体では5兆円の被害となる。

 一方、ライフラインや道路など施設ごとの被害は、県内の被害が最大になると想定される「陸側を震源域に、津波で近畿地方が大きく被災するケース(同)」について公表された。

 それによると、約330万人分の上水道が断水し、約300万軒で停電が発生。約7100戸でガスの供給が停止する。道路は約2200カ所、鉄道は約1100カ所で損壊する。

 沿岸では岸壁約70カ所、防波堤約9200メートルが破壊され、コンビナートは神戸地区(神戸市、約380施設)の約10カ所、姫路臨海地区(姫路市、約570施設)の約40カ所が破損する。

 地震当日の帰宅困難者数は約48万〜59万人で、避難者数は約1週間後に約32万人にふくらむ。津波被害が大きい南あわじ市などで、漁業集落18カ所、農業集落1カ所が孤立することも予想される。

 県は国の想定をもとに、津波浸水域や経済被害について来年度中に独自の被害想定をまとめる方針で、市町別のより詳細な想定を目指す。県防災計画課は「国の想定は現状の防災対策を前提にしており、これから被害を減らす努力をしていく」としている。
   
 産経新聞 3月19日(火)7時55分  南海トラフ巨大地震 被害想定 避難45万人 和歌山県人口の半数



 ■被害額9.9兆円「阪神」と同規模

 南海トラフ巨大地震について内閣府の作業部会が18日に公表した新たな被害想定。東海地方で被害が最大となるケースの推計で、建物などの経済的な被害は県内総生産の約3年分にあたる9・9兆円にのぼるとの試算が示された。また、水道や電気、ガス、通信などのライフラインも壊滅的な被害を受け、避難者数は被災直後に県人口の半数近い約45万人に達すると推計された。県の担当者らは厳しい表情を浮かべながら、「発生頻度は極めて低いとされている。冷静に受け止め、最善の対策を実行していくことで被害は確実に減らすことができる」としている。

 ■ライフライン寸断

 近畿地方で被害が最大になるケースの試算では、上水道は被災直後は給水人口の9割以上にあたる約86万人、被災後1週間たっても約64万人が断水の被害を受けるとされ、電力も被災直後は9割にあたる74万軒、1週間後でも約11万軒で停電が続くと想定されている。ピーク時に固定電話は84%にあたる19万回線が不通となり、携帯電話も電波を発信できなくなる基地局が約8割、都市ガスも83%の1万8千戸で供給が停止するなど、ライフラインは軒並み深刻な被害想定が出された。

 インフラ関係では内陸の道路の約1100カ所で路面やのり面崩壊などが起こるほか、津波による浸水も800カ所で発生するとされた。道路状況はライフラインの復旧にも密接に関わるだけに、県は代替ルートの確保としてミッシングリンク(未整備部分)の整備を進めており、道路政策課は「沿岸部にアクセス可能な道路を複数確保することは救助活動や支援活動に不可欠だ」と強調する。

 ■帰宅困難6万3千人

 避難者数は被災1週間後のピーク時に約46万人にのぼり、1カ月後でもライフラインの復旧が十分に見込めず約45万人と推計されるなど、県人口の約半数が厳しい避難生活を強いられる事態が予想される。また、帰宅困難者は約6万3千人で、県が平成17年に3連動地震で想定した約4万5千人を大きく上回った。

 総合防災課によると、屋根のある避難場所に収容できる避難者は約50万人。今回の想定に対応は可能とした上で、「各世帯が住宅の耐震化を進めることで、避難者を減らすことができる」と指摘する。

 ■津波がれき全国3位

 県内の施設や資産などの経済的な被害は約9・9兆円に達するとされる。阪神大震災の被害額は約10兆円で、和歌山県だけで阪神大震災と同規模の被害額になる見込みだ。工場や従業員の被災による生産力の低下のほか、観光施設の損壊で観光や商業面も落ち込むとする。

 県内の各企業や団体は、被災後にどう事業を継続させるかを定めた「事業継続計画(BCP)」を策定するなど、取り組みを進めている。海南市沿岸部に火力発電所がある関電は、和歌山支店などで津波避難マップを作成。紀陽銀行(和歌山市)は、災害時の突発的な停電に備えて非常用電源車を和歌山市内のオフィスに配備し、年に1回避難訓練を実施。担当者は「人命を最優先に、業務の速やかな復旧や地域の経済活動の維持に努めたい」と話す。

 また、津波で発生するがれきは全国3位の約600万トンにのぼると試算。このほか1700万トンもの災害廃棄物が発生するとされており、「県内での処理能力を大幅に超えていると認識している」と総合防災課の高瀬一郎課長。仁坂吉伸知事も「他県には頼れない状況になるだろうから、県内でがれきを収容するシステムを早急に作らなければいけない」と強調した。

 ■知事 命守ることに最大限の努力

 今回の被害想定について、仁坂知事は「約10兆円の財産が失われるという数字の議論は、和歌山県にとってはあまり意味がないと思う。被害が出ることは明らかなので、県民の命を守るということにハード、ソフト両面で最大限の努力をしていきたい」と述べた。

   
 産経新聞 3月19日(火)7時55分  南海トラフ地震被害想定 滋賀県内の避難者 最大16万人

 国の中央防災会議が18日発表した南海トラフ地震の被害想定で、県内では地震発生から1週間後、自宅外での生活を余儀なくされる被災者が最大で16万人に上るとみられることが分かった。被災直後には110万人が断水被害に遭い、9割近い家庭で停電になると想定。県は国のデータを参考にしながら県の被害想定をより詳細に算出し、地域防災計画に反映させるとしている。

 国は昨年8月、南海トラフ地震が発生した際の死者数や負傷者数の予想を発表。県内では最大で500人が死亡、負傷者は最大で9800人に上ると想定された。今回は被害想定の第2弾で、ライフラインへの影響や経済的被害などについてまとめた。

 今回、県内で最も避難者が多くなると想定されたのは「冬の夕方、陸に近い場所で地震が起きる」とのパターン。発生1日後の避難者数は4万2千人だが、1週間後には県人口の1割以上に当たる16万人が避難を余儀なくされるという。

 一方、南海トラフ地震による断水被害を受けるのは、発生直後で最大110万人。1週間後は46万人、1カ月後でも7万2千人に上るという。また停電戸数は、被災直後が全体の約9割に当たる83万戸、1日後は13万戸、1週間後は800戸と想定している。

 さらに、県内の総被害額は最大で1・6兆円に上ると見込まれる。内訳は、民間建物=1・2兆円▽民間資産=2千億円▽下水道設備=1千億円▽上水道施設=200億円▽道路=200億円−など。

 避難者数が最大16万人に上るとの想定に「ここまでいくのか」と県防災危機管理局。「県内のどこでどんな被害が出るのか、国よりもさらに丁寧な調査を県で進めたい」とした。
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時58分  南海トラフ巨大地震:被害想定 最大1500人、避難必要 県内、影響は限定的 /鳥取

 内閣府は18日、東海から九州沖を震源とする「南海トラフ巨大地震」の経済的被害想定を発表。県内では、最大で約1500人が避難する必要に迫られるほか、ライフラインでは上水道の断水人口が約5000人に上ることなどが明らかになった。
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 一方で、停電や電話の通信不良はごくわずかにとどまり、孤立集落も発生しないなど、試算上では他の都府県と比べて影響は限定的になりそうだ。
 このほか、2500人が下水道が使えなくなり、交通施設の被害は道路120カ所、鉄道60カ所が想定されるという。
 避難者の想定は、発生1週間後が最も多く約1500人(避難所800人、それ以外800人)に上る。
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時53分  南海トラフ巨大地震:被害想定 県経済的損失、最大3.2兆円 発生から1週間後、避難者は25万人 /岡山

 内閣府の「南海トラフの巨大地震モデル検討会」などが18日公表した被害想定(第2次報告)で、県内の経済的損失推計は最大で3兆2000億円となった。地震発生から1週間後の避難者は約25万人に達し、災害廃棄物は津波堆積(たいせき)物と合わせて約400万トンと推計した。県や市町村は避難者に対する食料、水、薬品の必要量や災害廃棄物を集積する土地確保などを見直し、防災復興計画に盛り込む。
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 今回の被害想定は昨年8月に公表された第1次報告の人的・建物被害想定に次ぐ。第1次報告では、津波発生領域が四国沖から九州沖で冬の午後6時、風速毎秒8メートルを想定した場合、全壊・焼失約3万4000棟、死亡1200人。堤防・水門が機能しない場合の死亡は600人増の1800人と報告された。
 今回は同じ想定を前提に被害の最大値を試算した。ライフラインの場合、上水道では被災直後の断水率は70%で130万人が影響を受け、被災1日後の断水率は49%、1カ月後に6%と見込んでいる。電力も被災直後の停電が89%(120万軒)で、1週間後にほぼ復旧。固定電話も被災直後に89%(39万回線)が不通。携帯電話は98%がつながらない。
 山陽自動車道、中国自動車道はほぼ機能するが、一般国道はおおむね6キロに1カ所で被害が発生し、救急救援物資の輸送に大きな支障が予想される。山陽新幹線の全線運転は発生から1カ月以内、山陽線など在来線は1カ月後に約50%復旧するとしている。
 避難者は震災直後に10万人で、被災1カ月後は18万人以上に達し、このうち避難所に5万4000人、公園や空き地、親族宅など避難所外へ13万人と推定している。
 県は「個別の対策はこれから市町村と具体的に協議する。例えば避難者10万人の場合、1日に30万食分の食料が必要になる。救命救助を最優先に位置づけると、避難者支援まで手が回らない。今回の想定を基に具体策を急ぎたい」と話している。【小園長治】
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時36分  南海トラフ巨大地震:被害想定 断水68万人、停電170万軒 県「水、食料の備蓄を」 /広島





 南海トラフを震源域とする最大級の地震(マグニチュード9クラス)が発生した際のライフラインやインフラの被害想定が18日、内閣府から公表された。県内では、断水人口が被災1日後で県想定の4倍、県人口の4分の1に匹敵する約68万人に及び、完全復旧まで約4週間かかるなど、軒並み従来の想定(07年)を大幅に上回った。県危機管理課は「県内は山間部で土砂災害の危険がある場所が多く、広島市街地は橋が多い。物資を運ぶ道路や橋の寸断が予想される。備蓄をして備えてほしい」と呼びかけている。【寺岡俊】
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 ■被害想定と備蓄
 県内は最大震度6強の揺れや4メートル級の津波、液状化に見舞われる。これまでの想定は東南海・南海地震が連動して発生するM8・5クラスで、最大震度も6弱としていた。
 従来想定では被災1日後の断水人口は約17万1000人だったが、4倍に拡大。被災直後の停電も県想定の7200軒が170万軒に増え、都市ガスは「被害なし」から約4600軒、復旧まで約2週間と被害が拡大する。最大避難者数は従来想定(07年)の5万8000人から、被災1週間後に最大約18万人、被災1カ月後でも約14万人に上る。被害額は従来想定の5倍の約3兆円で、年間予算の約3倍にもなる。
 災害に備え、県や各市町はそれぞれ、食料や毛布、簡易トイレなどを備蓄している。県は三原市の県防災拠点施設に水や乾パンなどの食料9万人分、広島市はマツダスタジアム(南区)内など151カ所に11万人分の食料がある。被災1日目は各市町、2日目は県の備蓄分を放出し、3日目以降は、他県や協定を結んでいる事業者からの物資を活用する支援体制を取っている。
 ■寸断される輸送路
 しかし、ネックは物資を運ぶ輸送路の被害だ。橋やトンネル、道路の寸断は、従来は県と広島市管理分の主要道路で24カ所とみていたが、今回想定では国や各市町管理分を含めて約1600カ所に上る。県危機管理課によると、県内は中山間地が多く、道路が土砂災害で寸断される可能性が高い。太田川のデルタ地帯に広がる広島市街地は、電気やガスなどインフラ用も含めて約100の橋がひしめき、被害が集中する恐れがある。「被害なし」だった鉄道も新幹線が約40カ所、在来線が約760カ所に及び、山陽新幹線と山陽線は不通になる。
 南海トラフ巨大地震は広範囲に被害をもたらし、全国でも約4万1000カ所の道路で被害が出る予測だ。同課は「緊急輸送道路などに甚大な被害があれば、県内外からの支援物資の輸送が滞る可能性は否定できない」と警鐘を鳴らす。さらに県内には全国有数の33の有人島もあり、輸送路寸断による孤立も予想される。
 ■県民意識低く
 同課は、阪神大震災など過去のデータから、道路や物流が復旧するまで「最低3日分の備えは必要」と強調。各家庭で水や賞味期限が5年以上の缶詰、レトルト食品などの用意を呼びかける。
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 県が危惧するのは、県民の防災対策への意識の低さだ。厚生労働省が昨年12月に発表した調査では、災害時に備え非常食を用意している世帯世帯割合は中国地方で26・2%。東日本大震災後の調査にもかかわらず、全国平均の47・4%を大幅に下回る。県は今回の被害想定を参考に、地域別の詳細な被害想定を出して防災計画を見直すとしているが、「啓発活動にも力を入れたい」と話している。
   
 毎日新聞 3月19日(火)13時0  南海トラフ巨大地震:被害想定 県の経済的損失7000億円 /山口

 内閣府が18日に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定(第2次報告)は、県内でも、上下水道や電力、通信などのライフラインや道路・鉄道などの交通網が損傷し、経済的な被害は7000億円に及ぶと推計した。県は、より詳しい県内の被害想定調査を進め、来年度の早い時点で対策を立てる。被害の大きい近畿、四国、九州東部への支援や、被災者の受け入れも課題となりそうだ。
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 報告では、県内ライフラインは、上水道(断水人口)約8万5000人▽下水道(支障人口)約7100人▽電力(停電軒数)約1900軒−−の影響が出ると推計した。
 一方、通信では固定電話は約800回線が不通となるものの、携帯電話は基地局のうち停波する割合は「わずか」と想定。ただ、被災直後には、安否確認の電話などが急増することによる「輻輳(ふくそう)」や、通信会社自身による通話規制で、より広い範囲でつながりにくくなる可能性もある。
 交通網の損傷は、道路は約350カ所、鉄道は約210カ所の損傷と推計した。
 自宅を離れ、避難所などに避難する人は約2万3000人と見込む。全国で最大の愛知県(約130万人)と比べると少ない。
 8月公表の第1次報告では、被害を最大と見積もった場合、死者数は約200人▽負傷者数は約1800人▽全壊棟数は約4800棟−−と推計している。【尾村洋介】
〔山口版〕
3月19日朝刊
   
 産経新聞 3月19日(火)7時55分  南海トラフ巨大地震 被害想定、推計25万人の避難者 岡山

 ■県防災計画に反映

 国が18日発表した南海トラフ巨大地震による被害想定の第2次報告。県内でも予想されている最大震度6強の巨大地震が発生した場合、1週間後には25万人の避難者が出るなどの推計結果が出た。県は今回のデータを踏まえて県独自の詳細な被害想定を弾き出し、県の地域防災計画に反映させていく方針だ。

 第1次報告に基づく県内の被害は、最大で3万4000棟が全壊、もしくは消失するとされ、津波などで約1200人が死亡するというデータが出た。今回はさらに詳細なライフライン被害や交通、経済被害などを推計した。

 被災直後、上水道断水で130万人、下水道は100万人、電力は120万世帯が影響を受ける。また、国道は6キロに1カ所の割合で被害を受け、新幹線は30カ所で津波などの被害を受ける。避難者は翌日に10万人とみられ、1週間後には25万人に達するとしている。県内だけで3兆2000億円の経済被害が生じると試算した。

 県危機管理課は「県内にも甚大な被害が生じると改めて認識したが、対策は一朝一夕にはいかない。今回のデータを踏まえてハード、ソフト両面で今後も防災対策を着実に進めていきたい」としている。
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時46分  南海トラフ巨大地震:第2次想定、四国ワースト10.9兆円被害 /愛媛


 ◇伊方原発や空港「大きな被災ない」−−中央防災会議
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 中央防災会議の作業部会が18日公表した南海トラフ巨大地震の被害想定(2次報告)で、県内でも膨大な避難者発生やライフライン寸断など甚大な被災の可能性が示された。資産などの被害総額は10・9兆円と四国ワースト。一方、四国電力伊方原発(伊方町)、松山空港(松山市)、しまなみ海道(今治市など)では、大きな被害はないとされた。【中村敦茂】
 県内の最悪ケースの被害想定は以下のようになっている。
 ◇避難・孤立
 地震や津波で避難所や親戚・知人宅などへ避難する人は発生から1日後で40万人。1週間後に県内人口の3分の1超の54万人に達する。1カ月後でも53万人とされ、避難所のスペース不足も懸念される。道路断絶などで農業集落217、漁業集落48が孤立するとされた。
 ◇ライフライン
 上水道は管路や浄水場の損傷により、発生直後に給水人口の89%の120万人が断水。1週間後も91万人が復旧しない。一方、電力は89%の71万軒が停電するが、4日後には8万3000軒を除き復旧するとした。伊方原発は地震と同時に停止するが、事故は起きない想定だ。
 ガス(都市ガス)は発生直後に93%の4万1000戸が停止。1週間後も2万7000戸の停止が続く。固定電話は直後に全体の89%の34万回線が不通に。携帯電話は最大時で82%の基地局が停波し、非常につながりにくくなるとした。
 ◇交通施設
 道路は揺れで約1500カ所、津波で約230カ所が被害を受ける想定。しまなみ海道は点検のため一時通行止めとなるが、当日中に再開。鉄道の被害は850カ所で発生し、岸壁は全300カ所のうち180カ所、防波堤は延長2万2393メートルのうち5200メートルに損傷があるとされる。松山空港は点検などで閉鎖するが、1日後に再開するとみられる。
 ◇経済的な被害
 経済的被害は生産・サービス低下なども含めさまざまな事象にわたるが、都道府県別の資産等の被害額は、住宅や事業所の倒壊や津波流失などの建物被害(7・8兆円)を中心に計10・9兆円と四国最大。県の杉野洋介・危機管理課長は「(現実になれば)復旧・復興に何年かかるか、何も申し上げようがない」と危機感を募らせた。
 ◇減災の効果大

 最悪ケースの想定は極めて厳しいが、巨大地震の発生頻度は極めて低いとされるうえ、減災対策で被害を大幅に軽減できる試算も示された。建物の耐震化率100%達成により、資産等の被害額をほぼ半減できるなど、万全の準備が求められている。【中村敦茂】
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 ◇県内の被害想定の最大値◇
建物、資産等の被害額  10.9兆円
避難者数        54万人
上水道断水       120万人
下水道支障       62万人
停電          71万軒
固定電話不通      34万回線
携帯電話停波基地局率  82%
ガス供給停止      4.1万戸
道路被害        1800カ所
鉄道被害        850カ所
岸壁被害        180カ所
その他係留施設被害   840カ所
防波堤被害       5200メートル
危険物・コンビナート  破損等30
災害廃棄物       1800万〜1900万トン
国宝・重文の被害可能性 23件
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時41分  南海地震・備える:第2次想定、経済被害10.6兆円 孤立集落は868カ所に /高知



 内閣府が18日に公表した南海トラフ巨大地震による第2次被害想定。県内の経済被害は10・6兆円と試算されたほか、孤立集落は農漁業で全国最大の868カ所とされた。今回の想定を受けて尾崎正直知事は「県外避難など、地震・津波の規模によって対策に幅を持たせたい」とコメント。県は今回の発表を踏まえ、来年度早々にも県独自の被害想定を公表する方針だ。各自治体の担当者も「県の発表するデータを見て対応を検討したい」と冷静に受け止めている。【倉沢仁志、小坂剛志】
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 ◆2パターンで算出
 都府県別の経済被害は、震源域を国の中央防災会議が想定した震源域を参考とする「基本ケース」と、震源域を日本列島寄りに設定する「陸側ケース」の2パターンで算出。津波は東海地方で最も被害が出るケースを想定した。気象条件は冬季の夕方で、風速は毎秒8メートル。
 基本ケースの県内被害額は7・8兆円と全国被害(96・8兆円)の8%。陸側ケースでは全国被害(168・7兆円)の6・3%にあたる10・6兆円となった。
 ◆生活への影響
 避難者は震災発生から1日後、1週間後、1カ月後の3パターンに分けて試算。地震による断水人口なども含まれているため、1カ月後には発生翌日の51万人よりも5万人多い56万人となる見通しだ。避難所で生活を送る人は最大32万人とされている。
 生活インフラ別では、断水人口が最大で県人口の約85%にあたる65万人、下水道の支障人口は24万人。また42万軒が停電するとされた。通信分野は固定電話の19万回線が不通となる見通しで、携帯電話も非常につながりにくくなるという。
 交通施設は道路が3200カ所、鉄道施設は850カ所での被害を想定した。土佐くろしお鉄道(四万十市)は、老朽化した高架橋などについて調査を進めており、松井和久総務部長は「残念ながら、一気に全ての場所を補強する力はない。沿岸市町村と協議しながら、優先度の高い場所から対策を進めていきたい」と話した。
 ◆孤立集落、その他
 孤立する可能性のある集落は農業が全国最大の803カ所、漁業は和歌山、三重両県に次ぐ65カ所。山間部、沿岸部それぞれの地域で自主防災組織を強化してきた四万十町は「情報の伝達手段や共有のため、町と各自主防災組織との連携を一層強化していく必要がある」としている。町内には現在84の自主防災組織があり町は今後、衛星携帯電話といった備品の充実を検討する考えだ。
 県南海地震対策課も「これまで進めてきた通信手段の確保やヘリによる人・物資搬送のための離着陸場所整備などを加速させたい」としている。
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 また文化財は19施設が地震による揺れで被災する可能性があるとされた。なかでも国の重要文化財にあたる高知市の高知城・黒鉄門(くろがねもん)は、09年に実施された国の所有者診断で建造物のひずみや緩みなどが指摘されており、県教委文化財課は「検討会を設置し、文化財を守るための対策を講じていきたい」としている。
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時33分  南海トラフ巨大地震:第2次報告 最大22万人避難、48万戸停電 断水人口は90万人にも /香川


 内閣府は18日、南海トラフ巨大地震によるライフラインや経済などの被害想定を公表した。県内では、事業所や公共施設などを含め最大で約48万戸が停電し、約22万人の避難者が出るなどとし、3・9兆円の経済的損失が生じると想定された。同地震は「1000年に一度あるいはもっと低い頻度で発生する」(内閣府)ものだが、東日本大震災で批判の出た「想定外」をなくす観点から、行政だけでなく企業、住民も防災、減災の対策を具体的に考える材料になるよう公表された。【久保聡】
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 内閣府は昨年8月、南海トラフ巨大地震による震度、津波高、浸水域、建物や人的な被害の想定を公表している。18日に公表されたのは昨夏公表の地震規模を前提とした「第2次報告」で、ライフラインの被害、生活への影響、経済的な被害などに焦点を当てた被害想定となっている。
 同地震の震源域が海側と陸側の両ケース、震源によって違う津波高と浸水域、発生時間帯や風速ごとに、検証できている東日本大地震の被災状況や復旧の推移なども基にして想定。内閣府が公表した被害想定を基に、県が県内分をまとめた。
 ■ライフライン
 地震発生直後の停電戸数は全体の89%にあたる約48万戸と想定。ただ、4日後には約1万7000〜約2100戸、1週間後には約1万5000〜約2000戸にまで復旧するとしている。
 上水道の断水人口は発生直後に約74万〜36万人に上り、翌日には約90万〜73万人に増えると想定。理由について、県は「浄水場の自家発電機の燃料がなくなるということだと思う」としている。
 都市ガスの供給停止戸数は発生直後が最大で約5万5000戸と想定し、1週間後も約3万7000戸で停止は続くとしている。
 ■避難者、廃棄物
 地震発生翌日に約16万〜6万人が自宅から避難すると想定。東日本大震災では断水などの影響で発生から日が経つにつれ避難者が増えたことから、今回の想定でも1週間後には最大で約22万人に増えるとしている。県によると、12年4月1日現在で、県内には969カ所の避難所があり、約26万6000人を収容できるという。
 揺れによって倒壊、焼失した家屋などのがれきや、津波によって陸上に運ばれた土砂などの災害廃棄物は約700万〜100万トン、体積にすると約600万〜約100万立方メートルもの量が発生すると想定している。
 ■交通施設
 路面の損傷や沈下、橋の損傷など道路では約790〜620カ所が被害を受け、うち約50〜30カ所が津波によって浸水すると想定。線路変形など鉄道の被害も約510〜350カ所(うち津波による浸水は約30〜10カ所)で起きるとしている。
 震度5強以上の揺れが想定されている高松空港は地震発生直後、滑走路の点検などのためいったん閉鎖される。点検で支障がないと判断されれば運用を再開し、救急・救命活動や物資輸送などの拠点となるとしている。
 ■資産など被害

地震で損壊、焼失するなどして失った施設や資産を震災前と同じ水準まで回復させるため必要な費用を推計した「資産などへの被害」は、3・9兆〜1・3兆円に上ると想定された。
 最も大きいのは家屋や土地など民間の建物と資産で3・6兆〜1・1兆円。補修や建て直しに多額の費用が必要になるほか、浸水被害が起きた地域ではマンションなどの資産価値や地価が下落するためという。
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 ■視点
 ◇具体的な被害情報示せ
 今回の想定は東日本大震災の教訓を踏まえて「想定外」の被害をなくそうと、考え得る最大規模の地震を念頭に置いたものだ。国民に更なる危機意識を持ってもらい、大地震に備えてもらう狙いがある。発生確率は極めて低いとされるが、「あり得ない」と思うのではなく、「最悪のことを常に考えて行動する」姿勢で防災、減災への備えの材料にしなければならない。
 昨年8月公表の人的被害では最大約3500人の死者が想定されたが、防火対策も合わせた建物の耐震化率向上、避難迅速化などで被害は大幅に減るとされる。ハード面の対策に加え、「命を守る」を最優先に、避難訓練や防災教育などソフト面の対策も重要だ。ソフト面は効果が見えにくいが、東日本大震災で、日ごろから津波避難訓練を徹底していた住民らが多数助かったように、継続的に行えば効果を期待できる。
 ただ、漠然と想定被害を示すだけでは、大地震で起きる事象は分かっても市町、自治会、住民らが的確で十分な対策を練ることができるのか疑問だ。国、県には津波、揺れによる危険場所など更に具体的な情報を示すよう努めてほしい。東日本大震災発生時の衝撃を忘れず、大地震が今日にも起きるとの危機感を持った取り組みが必要だ。【久保聡】
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時22分  南海トラフ巨大地震:第2次被害想定 経済被害は7兆円、避難生活者36万人 県庁で対策会議 /徳島




 国の検討会が18日公表した南海トラフ巨大地震による被害想定。県内では最大で道路被害が2200カ所、孤立集落も230カ所で発生し、被災1日後で約36万人が避難生活を余儀なくされるなど、厳しい数字が並ぶ。地震と津波による県の被害額は最大で県内総生産(10年度で約2・8兆円)の2・5倍の7兆円に上るとされた。【阿部弘賢】
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 検討会の被害想定の公表は2度目。昨年8月の公表分では、県内の死者数は最大3万3300人、全壊戸数が最大13万3600棟などとされた。今回は「1000年に1度」程度の頻度で起きる最大級の地震をモデルに、上下水道や電力などのライフライン、インフラ施設、交通機関などの被害について都道府県ごとに試算した。
 それによると、高速道路や国道、県道などの道路被害は、津波による浸水で約500カ所、揺れによって約1600カ所に及ぶと予想。具体的な地点は示されていないが、2連動地震を想定した県の予測(04年)に基づくと、沿岸部の国道55号や海部川を併走する国道193号などで大規模な被害が発生するとみられる。また、鉄道も590カ所で被害を受けるとされた。
 こうした道路の寸断や津波、土砂崩れなどによって外部と行き来が遮断される集落は230カ所に及ぶとしている。
 住宅の流出やライフラインの寸断などにより、被災1日後には県内人口の約半数に当たる36万人が避難を余儀なくされる。広域災害のため復旧作業が遅れるなどし、1週間後に37万人、1カ月後には39万人と避難生活者は次第に増えると予測されている。
 壊れた建物や津波堆積(たいせき)物などの災害廃棄物の発生量は最大2000万トン。これは東日本大震災の東北3県で発生した量(推計約2700万トン)の約7割に達する。また、県の最大被害額約7兆円のうち6・3兆円が、民間の建物や資産の被害額分と推計された。
 ◇「72時間以内」を意識 人命救助最優先に−−県庁で対策会議
 被害想定の公表を受け、県庁では18日、飯泉嘉門知事が出席して対策会議が開かれた。飯泉知事は想定の内容について「大変ショッキング。今後はこれまでと次元の違う対応をしなければいけない」と述べ、人命救助を最優先に、救助の限界時間とされる「発生から72時間以内」を意識した対策を新たに検討するよう指示した。
 県は、今回の被害想定を参考に来年度中に県内の詳細な被害想定を策定する。この中には市町村ごとの被害状況も盛り込む方針で、県想定を基に各自治体に避難者への対応や備蓄の整備など具体的な対策を進めてもらう。


一方、想定では、最大230カ所の孤立集落が生まれる。09年の国の調査で、地震などの土砂災害で孤立化の恐れのある集落が県内で最も多いとされた美馬市の担当者は「これまでも衛星携帯電話や物資の備蓄などを進めてきたが、更に対策を進めたい」と話した。
 また、7兆円に上る被害額などについて、徳島経済研究所の竹中淳二事務局長は復興のための資金調達が最大の課題と指摘した上で、「全て元通りにするのではなく、復興の方向性を考え直す必要も出てくるのではないか」と語った。【阿部弘賢、大原一城】
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 ◆県内の主な被害想定
上水道の断水       72万人(断水率98%)
下水道の支障       10万人(同93%)
停電           37万軒(停電率90%)
電話の不通        固定17万回線(不通率89%)
             携帯79%(停波基地局率)
ガスの供給停止      2万1000戸(停止率100%)
道路の被害        2200カ所
鉄道の被害        590カ所
港湾の被害        岸壁40カ所(県内74%)
             係留施設190カ所(同83%)
防波堤の被害       460メートル(総延長の14%)
避難者          36万人
災害廃棄物など      1600万〜2000万トン
エレベーター内の閉じ込め 400人(正午の場合)
文化財の被害       13施設
孤立集落         230カ所
 ※被災直後あるいは被災1日後の最大値
3月19日朝刊
   
 産経新聞 3月19日(火)7時55分  南海トラフ地震想定、避難者54万人 愛媛の被害、最大10.9兆円


 南海トラフ巨大地震による経済被害想定が18日、公表された。愛媛県の最大値は、被害額が平成25年度一般会計当初予算案の18倍以上となる10兆9千億円で、避難者数は人口の約38%にあたる54万人にのぼると推定された。

 被害想定は、防災・減災対策の必要性を国民に周知することなどを目的に、国が取りまとめたもの。昨年8月には建物・人的被害の推計結果が公表されており、今回が第2次報告となる。

 被害額は、民間部門の建物が7兆8千億円で資産が1兆6千億円と大部分を占めた。一方、上下水道や道路、港湾といった公共部門は、計1兆4700億円。電気、通信、鉄道の準公共部門は500億円だった。

 避難者数は、発災から1週間後で、避難所が28万人、避難所外が26万人。ライフライン施設の被害は、上水道の断水人口が120万人、停電件数が71万件、携帯電話の停波基地局率は82%と、県民の多くが生活に支障をきたす予測となった。

 交通施設被害は、道路施設被害が1800カ所、鉄道施設被害が850カ所で、県民が避難する際の大きな足かせとなりそうだ。

 東日本大震災では孤立集落への支援物資の運搬などが問題となったが、孤立可能性のある集落は、農業集落が217で、漁業集落が48。松山城や道後温泉本館などの文化財を抱える愛媛県だが、被災可能性のある国宝・重要文化財は23施設との予測となり、観光産業は深刻なダメージを受けそうだ。

 県の担当者は「県独自の詳細な被害想定も踏まえ、施設の耐震化などの対策を着実に進めていきたい」としている。

 県の想定は、地震・津波が5月末、建物・人的被害が8月、経済被害が10月にも取りまとめられる見通し。
   
 産経新聞 3月19日(火)7時55分  南海トラフ地震、被害想定 39万人避難 経済被害7兆円 徳島




 徳島県では、経済被害が最大約7兆円と推計される。このうち民間の建物・資産の被害額は約6・3兆円とされ、今後、建物の耐震化率を高めることが急務となりそうだ。

 ライフラインでは、全体の9割を占める37万軒が停電となり、都市ガスも全2万1千軒で供給停止。上水道は71万人が断水、下水道は10万人が利用困難になり、固定電話17万回線が通話不能となる。

 インフラ被害では、道路施設は約2200カ所が被災し、沿岸部の国道55号全域や徳島市中心部、海部川に沿う193号で大規模被害が発生。鉄道では牟岐線が津波の深刻な浸水被害を受けて全線不通となる。避難所などへの避難者数は被災1カ月後に最大となり、人口の約半分の約39万人に上る。230の集落が孤立集落となり、災害廃棄物は約1600万〜2千万トンが発生すると見込まれる。
   
 産経新聞 3月19日(火)7時55分  南海トラフ地震、被害想定 香川県内、避難者最大22万人




 ■経済被害は3兆9000億円

 南海トラフ巨大地震について、内閣府が18日公表した被害想定(第2次報告)で、香川県内の避難者数は最大約22万人に上ると予想された。建物倒壊などの経済被害は最悪の場合、3兆9千億円と試算。ライフラインなどに大きな被害が出るとの予測が示され、県は「国の想定も参考に、災害復旧に向けた対策を検討したい」としている。

 ライフラインでは、上水道は被災1日後に最大約90万人が断水の影響を受け、下水道は被災直後から約37万人が利用困難になる。復旧が進んだ1カ月後には、上水道の影響は約11万人まで縮小する見込みだ。

 電力は、被災直後に県全体の約9割にあたる約48万軒が停電に見舞われるが、4日後には約1万7千軒まで減少するとされた。

 インフラは、強い揺れや津波浸水で、道路790カ所▽鉄道510カ所▽港湾の岸壁80カ所−で損壊が生じると予測された。

 一方、避難者数は、断水などの影響により被災1日後の約16万人から1週間後に最大の約22万人に増加する見込み。うち避難所への避難者は10万人から12万人に膨らむ。1カ月後でも約19万人が避難生活を強いられると予想された。

 浜田恵造知事は「現在、県独自の被害想定の見直しを進めている。内閣府の被害想定も参考に、人的・物的被害の推計を取りまとめ、防災・減災対策を着実に推進していきたい」とコメントした。
   
 愛媛新聞ONLINE 3月19日(火)7時39分  南海トラフ地震政府想定 県内、断水・停電9割



南海トラフ地震政府想定 県内、断水・停電9割

 南海トラフ巨大地震対策を検討している政府作業部会(河田恵昭主査)は18日、マグニチュード(M)9級の最大級地震が起きた場合の経済活動やライフラインの被害想定を公表した。全国の被害額は、直接の被害や交通網の寸断などによる影響を合わせ、最大約220兆円に上る。愛媛では避難者が54万人に上り、上下水道や電気、ガス、固定電話の9割が使えなくなって、復旧に数日〜1カ月かかる。上水道は1カ月後でも断水率が69%に達する見込み。
 被害額は東日本大震災(16兆9千億円)や阪神大震災(9兆6千億円)の10倍以上で、内訳は住宅被害75兆6千億円、生産・サービス活動の低下44兆7千億円、ライフラインや道路港湾施設などの公共部門20兆2千億円、交通寸断による影響6兆1千億円など。算定が難しい都市ガス、農地分を除いた県内の予想被害額は10兆9千億円。
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時32分  南海トラフ巨大地震:建物中心に県内総額4.8兆円 内閣府が第2次被害想定  /宮崎

 ◇水道、電力9割が利用困難
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 内閣府が18日に公表した、南海トラフ巨大地震のライフラインや経済の第2次被害想定。県内では被災直後に上下水道、電力の約9割が利用困難となり、避難者数は1週間後で35万人、全体の被害総額は建物を中心に約4・8兆円になると推計された。県は「被災直後のライフラインの影響は予想以上に大きいが、対策を取れば被害は減らせる」として、備えに役立てるよう呼びかけた。【百武信幸】
 国は被災地の想定を▽東海▽近畿▽中国▽四国▽九州−−に分け、季節や風速を考慮した計8パターンで被害を集計。県内はおおむね「九州地方が大きく被災するケース」で大きな影響を受け、冬の夕方、風速毎秒8メートルの気象条件下での被害が最も大きくなった。各項目の最悪の数値と予想される被害をまとめた。
 ◆水道・電気・ガス
 上水道は被災直後に約95万人、人口割合で約92%が断水。1週間後も65%、1カ月後も18%で断水が続く。下水は被災1週間後でも64%が使用できない。電力は約59万軒の約89%が停電するが、4日後にほぼ復旧。都市ガスは復旧対象5万2000戸に対し、直後は81%が供給停止し、1週間後も60%が止まっている。県内で唯一、都市ガスを提供する宮崎ガスは「耐久性の高い管に取り換え、浸水の恐れがある延岡工場は製造設備をかさ上げし、非常用電源を確保するなど対策を進めている」という。
 ◆電話
 電話網は、九州以外のエリアの被害が大きかった場合の方が県内への影響が大きい。固定電話は四国中心の被災の場合、直後に全回線数の88%にあたる25万回線が不通となる。携帯電話は、近畿地方が最大被災した場合で1日後が特につながりにくくなるとの予想となった。携帯電話基地局の非常用電源が停止するためという。
 ◆空港
 宮崎空港は最大震度6強に見舞われる。建物の倒壊やターミナルへの浸水は免れるが、空港敷地の半分以上が浸水し、滑走路の東側で最大5メートル程度の浸水があるという。また滑走路は全体が液状化の可能性が高いとされ、シミュレーションでは救援機の受け入れまでに3日、民間機の運用に2週間を要するとされた。
 ◆避難者
 避難者数は被災1日後に31万人(うち避難所は20万人)とし、職場から自宅に戻る人らを含め、1週間後に35万人に増える。一方、地域は特定されなかったが、孤立集落も漁業集落21カ所を含む計40カ所にできるとされ、救援の遅れが懸念される。
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 県危機管理課は今回の公表を受け「ライフラインの被害は、需給バランスによって直接被災しなかった地域にも影響が出る可能性がある」と指摘。結果を基に、県独自の情報を盛り込んだ新たな被害想定を9月までにまとめる方針という。
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時27分  南海トラフ巨大地震:内閣府想定 被害総額1000億円、1万8000人避難−−県内 /長崎



 内閣府が18日公表した新しい「南海トラフの巨大地震モデル」によると、県内では、九州地方が大きく被災する最悪のケースで、建物倒壊などで約1000億円の被害が出るほか約1万8000人が避難を余儀なくされる。
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 また、上水道の断水で約2000人▽下水道のトラブルで4200人▽停電で700軒▽固定電話の不通で約200回線▽道路で約60カ所▽鉄道で30カ所▽防波堤で3400メートル−−の被害が出る。
 さらに、がれきなどの災害廃棄物が約60万〜100万トン発生するほか、国宝・重要文化財4点が津波浸水の被害に遭い、孤立する可能性がある集落も8カ所(農業集落1、漁業集落7)あるという。
 ただ、九州では、太平洋に面した宮崎県(4・8兆円)や大分県(2兆円)に比べ被害額は小さい。県は「南海トラフ地震に限れば、長崎県はむしろ他県を支援する役割が求められる」としている。
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時0分  南海トラフ巨大地震:国2次想定 県内被害2兆円も /大分



 国が18日に2次発表した南海トラフ巨大地震被害想定で、県内で震災1日後に最大約14万人が避難し、道路寸断による孤立集落は19カ所に及ぶとの数字が出た。大分空港は津波で2メートル浸水し、経済的被害は2兆円にも。県は詳細地形データを踏まえた想定を3月下旬に公表予定だ。
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 発生後、携帯電話は「非常につながりにくい」とされ、大分市内約30カ所のコンビナート施設が破損するとした。大分空港ターミナルビルは倒壊の可能性は低いが、液状化現象が起きる可能性は中程度以上と指摘した。
 後藤大・県防災危機管理課長は「県は東日本大震災後から避難路も整備してきた。国の結果を参考に、県想定で対策を見直したい」と話した。
   
 毎日新聞 3月19日(火)12時38分  南海トラフ巨大地震:第2次被害想定 県の想定下回る 防災計画「変更の必要なし」 /福岡





 内閣府が18日発表した南海トラフの巨大地震による第2次被害想定(ライフライン、交通施設など)で、県内の被害は県地域防災計画の想定を下回った。災害廃棄物の漂着など想定外の被害もあるが、県は「おおむね想定の範囲内で、防災計画を変更する必要はない」としている。
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 ◇災害廃棄物対処、国と検討
 想定では、県内で最大震度5強、北九州、京筑地区など周防灘沿岸に到達する津波は高さ3メートル超と推定される。この結果、県内全体で上水道の断水人口1・5万人、ガス供給停止約2万人、避難者数約3200人の発生や、道路・鉄道280カ所、防波堤5・7キロの損壊が想定された。また津波により災害廃棄物約20万トンが沿岸に堆積するとされている。
 一方、県地域防災計画では、県内活断層による地震被害(最大震度7、津波高3・6メートル)は上水道断水で約130万人、ガス供給停止で151万人、避難者4・7万人、損壊は道路・鉄道で560カ所、防波堤6万キロなどと想定。災害廃棄物漂着は想定していないが、県は「廃棄物の対処は計画に盛り込んでおり、今後、国の対応策ともあわせ対策を検討したい」としている。
 南海トラフは静岡沖から四国南方にかけ日本列島と並行する浅い海溝で、この周辺を震源とする巨大地震の発生が懸念されている。昨年8月の第1次被害想定では、県内の被害は建物全壊340棟、死者10人程度と推定された。
〔福岡都市圏版〕
   
 2013.3.19 00:21  南海トラフ巨大地震
対応困難な患者29万人 現場「医薬品の補給態勢心配」

 南海トラフ巨大地震の想定被災地は40都府県。各地で膨大な重軽傷者が医療機関に殺到、広域で医療資源が足りなくなることが予想される。今回の想定では最大で入院患者15万人、外来患者14万人の対応が被災地内で困難になるとされた。

 「これまでの想定の何倍もの患者を、自衛隊機だけで被災地外に搬送するには限りがある。陸路や水路なども含めた代替手段を考える必要がある」と指摘するのは、被災直後の医療を担う災害派遣医療チーム(DMAT)の小井土雄一事務局長。広域での被害を念頭に現場の調整を行うリーダー(統括DMAT)の養成なども進めているという。

 高知県は先月、沿岸部19市町村にある194の病院や有床診療所のうち、半数の97施設が浸水するとの調査結果をまとめており、医療関係者の危機感も強い。

 高知大病院は浸水こそ免れる想定だが免震施設がない。同病院の担当者は「病棟や診療棟は耐震補強を進めたが、震度7だと疑問は残る」。

 一方、建物が無事でも押し寄せる患者にどう対応するか。浜松医大病院の滝川雅浩院長は「医薬品や医療器具の補給態勢が一番心配。国は非常時の供給態勢もしっかり整えてほしい」と訴えた。
   
 2013.3.19 00:17  南海トラフ巨大地震
原発事故は盛り込まず 被害の定量的予測は困難

 南海トラフ巨大地震被害想定では、東日本大震災での東京電力福島第1原発事故のように津波が原発を襲って大きな被害をもたらすケースは盛り込まなかった。影響が甚大な原発事故の被害予測が困難なためだ。内閣府は「(自然災害と原発事故の)複合災害は起こりうる」とするものの「原発対策は切り離して議論すべきだ」との考えで、被害想定から外した。

 従来、原発の津波対策はほとんど考慮されてこなかったが、福島事故を教訓に原子力規制委員会が新しい安全基準で具体的な対応を義務づける。策定中の新基準では、原発ごとに想定する最大規模の津波を「基準津波」として設定し、防潮堤の設置や重要設備の水密化も徹底する。

 古屋圭司防災担当相は18日の会見で、原発事故を除外したのは「被害額を定量的に(推計)できなかったため」と釈明。「原子力規制委の議論を見守りたい」と話した。
   
 2013.3.18 22:54  南海トラフ巨大地震
34メートル津波で10兆円超被害 困惑の高知県「どこまで対策すれば」

 昨年8月の第1次報告では、南海トラフ巨大地震により土佐清水市と黒潮町に全国で最も高い最大34メートルの津波が襲ってくるとの想定が出ていた高知県。今回は平成25年度の当初予算(約4500億円)の20倍以上に当たる10兆6千億円の被害が生じた上、被災1週間後でも80%以上の世帯で停電し、給水人口の99%が断水、避難者は最大56万人に達すると想定された。県南海地震対策課の担当者は「どういう考えでこういう数値が出たのかが、まだ分からない」と困惑する。

 国内最大の津波襲来という想定を受け、県は対策に着手。避難施設として100人が逃げ込むことができるシェルターの試験設置などを決めてきた。ただ、今回の報告では、地震や津波から助かった後も厳しい状態が続くことが明らかに。

 担当者は「被害想定は1千年に1度あるかないか。それに対応する膨大な投資をするのが果たして正しいのか。どこまで対策を行っていくのかを県として考えていかなければならない」と説明。その上で「今後は個人の備えも重要になってくる。県民には今回の想定の意味を説明し、備えに対する啓発もしていきたい」と話した。
   
 2013.3.18 22:51  南海トラフ巨大地震
避難者120万人の静岡県 避難所足りず「家無事なら“在宅避難”を」

 県内の避難者数を最大120万人と想定された静岡県。東海地方が大きく被災するケースの経済被害は19・9兆円、揺れの大きい場所を変えて試算したケースでは21・4兆円に上る。ライフラインの被害も大きく自治体担当者からは「対策を見直さなければならない」とため息が漏れた。

 「市民には避難所生活ではなく『在宅避難』を呼びかけている」。スズキやヤマハといった企業の本社を抱え、人口約81万人と県内最多の浜松市は、避難者対策の方針をこう説明する。

 同市では東海地震に備え、昭和56年以降に建てられた住宅は、ほぼ全ての地域で震度7までの耐震性を持つ。「家さえ壊れなければ、必ずしも避難する必要はない」。避難者数を抑え、なるべく避難所不足を緩和しようという方策だ。

 それでも自宅が津波に襲われれば、避難所に向かわざるを得ない。南海トラフ巨大地震時に浜松市で想定される最大津波高は16メートル。巨大津波に備え避難タワーなどの整備を始めているが実際は「逃げる場所の整備が優先で、避難所まで手が回らない」のが現状だ。

 ライフラインが受ける甚大な被害への対策にも頭を悩ませる。各事業者が設備の耐震化工事などを進めているが、特に気になるのが上水道への対策だ。今回初めて明らかにされた断水の想定は、震災直後が給水人口の94%、1週間後でも65%と長期化した。県危機管理部の岩田孝仁(たかよし)危機報道監は「水道管の耐震化が遅れている」と懸念する。県内の基幹上水道管の耐震化率は全国平均を0・8ポイント下回る31・8%(平成23年度末現在)。各家庭に続く細かい水道管を含めると「さらに割合は下がるかも」(県水利用課)という。

 ライフラインの供給停止期間が延びれば、それだけ食料や飲料水、燃料など緊急支援物資の需要が増える。県は東海地震で発災後3日で食料125万人分、給水1500トンが不足すると予測しているが、南海トラフ巨大地震では、これ以上に不足する可能性が高い。「被災地が広域になれば、外からの支援が分散する。県内で自給できるよう、我々も足元を固める必要がある」。岩田危機報道監は顔を引き締めた。
   
 2013.3.18 21:53  南海トラフ巨大地震
「国全体で物資融通を」 被害額最高30兆7000億円の愛知県

 「ある程度想定はしていたが、衝撃的な数字だ」。都府県別の被害額が全国最高の30兆7千億円と試算された愛知県。県防災危機管理課の担当者は驚きを隠せない。

 トヨタ自動車をはじめ自動車関連企業が多数集結し、東海道新幹線や高速道など、東日本と西日本を結ぶ大動脈の中央に当たる同県の被災の影響は全国に及ぶ。帰宅困難者は最大で大阪府の約150万人に次ぐ約85万人が見込まれており、対策が急務だ。

 ライフラインに与える深刻な被害も浮き彫りになった。被災直後に最大で89%が停電。被災1日後には最大で上水道の90%が断水と試算され、約680万人に影響するという。同課は「県と市町村の備蓄でカバーすることは困難」と指摘。その上で、「全国的に物資不足が起きる。国全体で、物資をどう融通するかを考える必要がある」と訴える。

 「交通が途絶したら自分でやらないといけない」。名古屋市の河村たかし市長は18日、今回の想定を受け、こう述べた。同市では秋ごろをめどに市の被害想定を策定し、上下水道の耐震化など必要な対策を取るという。
   
 2013.3.18 21:51  南海トラフ地震 「正しく恐れて備えを」 発生確率1000年に1度以下


南海トラフなどの巨大地震での避難に備えておくべき物品
 今回発表された未曽有の南海トラフ巨大地震の被害想定には、大事な前提がある。あくまでも最新の科学的知見に基づく最大クラスで、最悪のケースの発生確率は1千年に1度か、それよりもっと低いということだ。

 中央防災会議の作業部会は「『正しく恐れる』ことが重要」と説明。群馬大の片田敏孝教授(災害社会工学)も「車で死亡事故に巻き込まれるよりずっと低い確率の想定に右往左往する必要はない」とした上で「想定に関係なく、誰もが日頃から無理ない範囲で備えをしておくことが大切だ」と訴える。

 では今からできる備えは何か。備え・防災アドバイザーの高荷智也さんは「死なないための準備」として最初に家の耐震診断と耐震補強を勧めた。「家が潰れて下敷きになれば津波が来ても逃げられない」。家具や家電が倒れたり飛んだりして致命傷を負わないよう固定することも大事だ。

 避難をする際には3日分の水や食料などを用意し、非常時に持ち出せばいい。食料は震災直後に1週間分を無理して運び出すより「家に備蓄し、避難後に戻って入手すればいい」と高荷さん。「普段使うものを少しだけ多めに買って備蓄するなど、日常生活を防災スタイルに変えるのがポイント」と助言している。

   
 2013.3.18 21:48  南海トラフ巨大地震
避難者最大950万人、帰宅困難は1060万人に

 中央防災会議の作業部会が18日公表した南海トラフの巨大地震による経済被害想定は、日本経済や国家財政に甚大な打撃を与える厳しいシナリオとなった。東日本大震災をはるかに上回る巨大災害で、窮地に立つ被災地の姿も示した。

 被災地で最悪のケースを見ると、揺れや津波で238万棟の建物が全壊し、32万人が死亡。被害が集中する静岡、愛知、三重の3県では6〜8割が断水し、復旧に2カ月かかる。停電は東海、近畿、四国などの9割に及ぶ。家屋が無事でも断水で生活できない人が避難所に移動するため、避難者は1週間後に最大となり950万人に。約半数の500万人が避難所に詰めかけ、収容しきれなくなる。

 食料や水は行政などの備蓄では足りず、3日間で3200万食と4800万リットルが不足。食料を生産する工場の操業停止や交通遮断が長引くと、事態はさらに悪化する。孤立する2300集落への対応も課題だ。

 固定電話は電線被害や停電で大半が利用困難になり、携帯電話も地震直後は発信が集中し、ほとんど通じない。

 医療機関では病棟の被災やライフラインの停止、医師や医薬品の不足により、入院・外来あわせて29万人の患者が受診困難に。患者を広域に移送することも難しい。

 主な病院や行政機関などは停電時に使用する非常用電源を備えているが、東日本大震災では道路の寸断などで燃料の供給不足が起きており、継続的に使用できない恐れがある。

 一方、都市圏では中京・京阪神で計1060万人もの帰宅困難者が発生し、主要駅周辺は人であふれかえる。道路は停電で信号が作動せず人と車で大混雑し、緊急車両の通行にも支障が出る。エレベーターには2万3千人が閉じ込められ、救出に半日以上かかる。古い耐震基準のままのエレベーターは、落下して人的被害が出ると指摘した。

   
 2013.3.18 21:39  南海トラフ巨大地震
高速・鉄道、東西の大動脈不通 18空港は閉鎖


内閣府で開かれた、南海トラフ巨大地震で予測される被害を検討した作業部会=12日
 中央防災会議の作業部会が18日公表した南海トラフ巨大地震の被害想定では、超広域で交通インフラがまひ状態に陥る。高速道路や新幹線の不通で東西を結ぶ輸送の大動脈が機能を停止し、復旧・救援や経済活動に大きな支障が生じる。

 被害が最大のケースでは、道路は強い揺れと津波で4万1千カ所が損傷。愛知県や静岡県を中心に各地で寸断され、一般道はがれきの撤去に2週間かかる。東名、新東名高速は一般車両の通行再開まで1カ月かかる見込みだ。

 鉄道は東海道・山陽新幹線が運行停止し全線再開まで1カ月。震度6弱以上の地域は在来線も全線が不通になり、神奈川県から山口県まで鉄道による移動・輸送手段が失われる。新幹線の脱線は「起きないよう対策を取っている」(JR東海)が、脱線した場合は復旧に2カ月かかるとした。

 空路は中部、関西などの18空港が閉鎖。高知、宮崎は空港の半分以上が津波で浸水し、がれきの撤去に2週間かかる。多くの空港が同時に機能停止した場合、航空管制が混乱し緊急着陸が多発する可能性もある。

 港湾は東海、近畿、四国などで国際港を含む1200カ所の岸壁が損傷し、被害が大きい場合は本格復旧に2年以上かかる。防波堤は総延長の3割の135キロが被災すると推定した。
   
 2013.3.18 21:36  南海トラフ巨大地震
発生率低い今後10年、「日本の地震防災」正念場

 南海トラフ沿いには東海・東南海・南海地震の震源域が連なり、およそ100年間隔で海溝型の大地震が発生する。前回の活動は昭和19年の東南海地震と21年の南海地震で、すでに70年近くが経過した。地震研究者は「今世紀半ばまでに、次の大地震が起こる可能性が高い」と予測する。

 中央防災会議の作業部会が公表した被害想定は「最大級の巨大地震・津波」の発生を仮定したもので、次の活動を想定しているわけではない。だが、南海トラフの海溝型地震は最大級ではなくても「東日本大震災を上回る国難ともいえる巨大災害」になりかねない。被害想定を冷静に受け止め、防災力の向上に取り組まなければならない。

 家庭や地域、企業、自治体が取り組むべき課題は、おおむね次の3点に集約されるだろう。

 (1)津波から命を守るための「迅速で確実な避難」(2)建造物の耐震対策を進め被害を最小化する(3)早期回復に向けた広域支援体制やリスク分散−である。

 試算では、現在79%の耐震化率を100%に向上させ防火対策などを併せて講じると、最悪のケースの直接的被害は約80兆円にほぼ半減する。また、津波からの迅速な避難を徹底すれば犠牲者は激減し、生産活動の低下に伴う経済的損失は約7割に抑えられる。
   
 2013.3.18 21:09  南海トラフ巨大地震
原発は停止想定 「火力」は1カ月で復旧、9割まで回復

 南海トラフ巨大地震は、再稼働の有無にかかわらず原発は緊急停止し、火力発電所の多くも失われると想定する。ただ、火力発電所は発生から約1カ月で復旧し、被害の大きい西日本の電力供給能力も、9割程度まで回復する。

 地震の影響を受ける30都府県の750市町村には、原発、火力、水力など発電所が173カ所ある。

 震度6弱以上か津波による浸水が数十センチ以上の地域では、現在主力の火力発電所の大半が運転停止し、電柱や変電所、送電線にも被害が出る。

 発生当日の西日本の供給能力は、電力会社間で電力融通をしても夏のピーク時需要の5割程度しか確保できない。

 発生翌日には、寸断された送電線の迂回(うかい)などで供給量は一時的に上向く。

 ただ、復旧に伴って電力需要が高まるため、再び供給量が不足し、計画停電などが必要になる。

 1週間後には、電柱などが徐々に元通りになるものの、火力発電所の運転再開は限られ、計画停電は継続される。

 1カ月後にようやく、火力発電所の供給能力が回復、電力融通と合わせ、西日本の供給能力不足は1割程度に解消されるという。
   
 2013.3.18 18:33  南海トラフ地震 経済被害想定220兆円超、被災40都府県に及ぶ 内閣府


南海トラフ地震の被害想定について会見する 古屋圭司防災担当相(右)=18日午後、東京・霞が関(栗橋隆悦撮影)
 東海沖から九州沖の「南海トラフ」で巨大地震が発生した場合、経済的な被害額は最悪で220兆3千億円に上るとの試算を18日、内閣府の作業部会が発表した。国家予算の2年分を上回り、東日本大震災の約13倍、阪神大震災の約23倍に相当する。被災地は北海道と東北6県を除く40都府県に及び、発生1週間後の避難者数は最大950万人と分析した。政府は今月中にも対策の基本方針をまとめる。

 作業部会は、東日本大震災と同じマグニチュード9クラスの地震が陸に近い震源域で発生したと想定した。被害額の内訳は、道路などインフラや建物などの直接被害で169兆5千億円、生産やサービスの低下で44兆7千億円、交通網寸断で6兆1千億円。ただし建物の耐震化率を100%に高めるなど対策を徹底した場合、直接被害は半減すると分析した。
   
 毎日新聞 3月19日(火)14時25分  内閣府が18日に公表した南海トラフ巨大地震の第2次被害想定。県内でも最大で約57万人分が断水し、約56万軒が停電するなどライフラインが寸断され、県内人口約85万人の大半に深刻な影響が出るとの結果だった。避難者は8万6000人に達し、被害額は住宅など建物損壊を中心に約9000億円に上る。
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 内閣府は昨年8月、各地の最大震度や死者数など第1次被害想定を公表。県内では広範囲で最大6強を観測し、最悪の場合、死者約400人、建物の全壊が約7600棟に上るとされた。
 今回はこれに基づき、ライフラインの被害などを想定。断水や停電のほか、下水道は最大で約46万人に影響が出ると試算。固定電話は約19万回線が不通になり、道路の被害は約710カ所、鉄道線路などの被害も約320カ所に及ぶとした。携帯電話の通信障害はわずかとしている。
 一方、地震後の県内避難者数は、地震翌日に約2万2000人、ピークの1週間後には約8万6000人まで増えると試算。道路の寸断などによる「孤立集落」は55に上るとしている。孤立集落数は全国で8番目に多く、県防災危機管理課は「県内は細い道路が多く、寸断される可能性が高いため」とみている。
 県内の文化財3施設が破損する可能性があるとしたが、具体的な施設名は公表されなかった。同課は「引き続き公共施設や住宅の耐震化策などを進めていく」としている。
 甲府市では今月、同市丸の内1に地上10階、地下1階建ての新市庁舎が完成した(業務開始予定は5月)。市庁舎建設部によると、同市の最大震度は最大6強が予想されているが「新庁舎は建物の基礎部分に振動を軽減する免震装置があり、軽度の損傷で済む」とし、行政機能は維持されるとしている。【屋代尚則】

 ◇内閣府が12年8月に公表した県内市町村別の最大震度
 <6強> 甲府市、笛吹市、中央市、市川三郷町、南アルプス市、富士川町、身延町、早川町、南部町、富士吉田市、富士河口湖町、山中湖村、鳴沢村
 <6弱> 北杜市、韮崎市、甲斐市、昭和町、山梨市、甲州市、大月市、上野原市、都留市、道志村、西桂町、忍野村
 <5強> 小菅村、丹波山村
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)12時2分  南海トラフ巨大地震:被害想定 2600人が断水被害予測 沿岸部2.7キロ津波被災 /茨城


 内閣府が18日発表した南海トラフ巨大地震の被害想定(第2次報告)で、県内ではライフライン関係で上水道の断水により約2600人が被害を受ける予測となった。また、津波で沿岸部約2・7キロの防波堤が被災すると予想している。
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 内閣府は被害想定の1次報告で、県内市町村の最大震度は、竜ケ崎市、取手市、つくばみらい市、五霞町、利根町の5強で、死者は最大約20人、全壊約40棟との予測を公表した。満潮時の津波は神栖市の6メートルが最大で、日本原子力発電東海第2原子力発電所(東海村)付近は3メートル。浸水想定区域は1410ヘクタールとされている。
 ライフラインは下水道断水人口が約400人、道路施設の被害は約20カ所。避難者数は1日後約1300人、1週間後は約400人、1カ月も約200人としている。このほか、津波堆積物は約40万トン。県防災・危機管理課は「現在進めている対策の中で対応できる」としている。
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)11時55分  南海トラフ巨大地震:被害想定、県内は? 震度5弱、6000億円 「東京湾北部」下回る 県「想定内、適切な対応を」 /千葉

 内閣府が18日に公表した太平洋沿岸沖に延びる海溝「南海トラフ」で発生する巨大地震の被害想定で、初めて算出された県内の経済的な被害額は、ライフラインや道路網の損壊、震災がれきの処理など計約0・6兆円となった。算出方法の違いで単純比較はできないものの、県が地域防災計画の基本としている「東京湾北部地震」の被害想定を大きく下回ったが、道路被害や避難者は東日本大震災で発生した規模よりも大幅に大きくなると予測された。【斎川瞳】
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 国が昨年8月に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定は、極めて発生頻度が低いケースを含む一方で人的・建物被害などに限っていたが、今回は発生可能性が比較的高いケースに絞り、ライフラインや交通網など生活への影響や経済的被害なども予測された。
 この結果、震源が県内に最も近い「駿河湾〜紀伊半島沖」で巨大地震が起きるケースで最大震度5弱、最大津波10メートルが発生すると予想。県内全域で計約1万5800人に上下水道被害の影響が出るほか、約9600軒が停電すると見込まれた。ただ、いずれも県が想定する東京湾北部地震の被害予想を下回っていた。しかし、東日本大震災の実害と比較すると、道路被害は約2・5倍、震災翌日までの避難者数は約1万人増と被害の甚大さが懸念される結果になっている。
 県防災計画課は「いずれも想定の範囲内で県の防災計画の修正などに迫られることはない。現在、国で検討されている首都直下地震の被害想定も注視し、適切な防災対応を取っていきたい」と話している。

      ◇県内の巨大地震被害想定◇
       南海トラフ       東京湾北部      東日本大震災
       (予測)        (予測)       (実害)

断水       8800人     147万2000戸  17万7254戸

下水道支障    7000人       6万5000戸   2万4300戸

停電       9600軒      20万4000軒  34万7000軒

道路被害     120カ所         450カ所      45カ所

                   (橋のみ)
鉄道被害      30カ所         440カ所  運転見合わせのみ

                   (JRのみ)   
避難者1日後 5万8000人     145万6000人   4万7270人

   7日後   7900人     ※69万9000人      785人

災害廃棄物  100万〜300万トン    497万トン     14万トン

被害額※     0.6兆円         9.8兆円      算定なし

 ※東京湾北部地震の避難者の下段は10日後。被害額は参入対象が異なるので単純比較はできない
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3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)11時32分  南海トラフ巨大地震:被害想定、最大6000億円にも 1万人超、避難1カ月以上 /東京





 18日公表された国の南海トラフ巨大地震の被害想定で、都内では約15万人分の水道が断水し、約400カ所の道路が損傷するなどの結果が出た。直接的な経済被害は最大6000億円に達し、1カ月以上の避難生活を余儀なくされる都民が約1万1000人に上るなど、東日本大震災よりも深刻な事態が予測される。都は来春をめどに区市町村別の詳細な被害想定をまとめ、対策を進める方針だ。
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 南海トラフ地震で想定される都内の揺れは最大で震度5強。このため局地的に震度7になるとされる首都直下地震より、被害規模は小さいと考えられる。
 新たに公表されたライフライン被害では、上水道については約15万人、下水道は約8万2000人が使えなくなる。停電は約1万2000棟、固定電話の不通は約2500回線。これらはいずれも全体の1%以下で、昨年4月に公表された首都直下地震の被害想定と比べれば、影響は限定的と言える。
 それでも都民生活が受ける打撃は甚大だ。高速道や一般道の損傷は約400カ所で、同じく最大震度が5強だった東日本大震災の道路被害(約60カ所)を大きく上回る。鉄道は約280カ所でレールの変形などが起きる。エレベーターは高層ビルなど約200棟で約500台が停止し、最大約200人が閉じ込められる危険がある。港湾施設は、島しょ部を含めて防波堤延長5196メートルのうち約240メートルに損傷が起こるとされた。
 最大約2400棟とされる住宅の倒壊や液状化、ライフラインの寸断で自宅に住めず学校やホールなどに避難する人は、発生1週間後で推計約2万人。1カ月後でも約1万1000人は避難生活を続けているとみられる。
 また、建物や下水道などの被害額は4000億〜6000億円とされ、都の一般会計予算額の最大約10%に相当する。この額には工場閉鎖など生産やサービス低下に起因する経済被害を含まないため、実際の損失はさらに大きいという。ただ、都総合防災部は「耐震化などの防災・減災措置を講じれば被害は確実に減らせる」としている。【佐々木洋】
 ◇課題残るライフライン耐震化
 南海トラフ地震で大きな被害が予測されるライフラインについて、都は昨年11月に修正した地域防災計画で「60日以内の95%以上回復」を目標に掲げた。対策は進みつつあるが、課題も残る。
 下水道の場合、都は約2500カ所の災害避難所につながる下水管の耐震化を優先的に進め、ほぼ工事を終えた。今年2月に策定した長期計画ではこれに加え、ターミナル駅や官公庁など約1000カ所の下水管、水再生処理センターやポンプ所といった98カ所の関連施設も15年度までに耐震化するとした。水道管については、継ぎ目にロックがかかる構造の部品交換を進めており、11年度末で29%の整備率を22年度までに54%に引き上げる。


だが、都内の水道管は総延長約2万7000キロ、下水管は約1万6000キロに及び、対策を急ぐにしても限界がある。「早期に耐震化を終えたいが、工事できる業者の数は限られている」と水道局の高岡利光配水課長。南海トラフ地震は被害が太平洋岸の広範囲にわたるため、下水道局の坂巻和男・緊急重点雨水対策事業担当課長は「被災地以外から応援をどれだけもらえるか分からない。復旧のためのマンパワー確保も課題だ」と指摘する。
 都市ガスについては、今回の想定では「都内の被害はわずか」とされたが、首都直下地震の場合は火災発生の危険を避けるための供給停止も含め、最大85%の地域で支障が出るとされる。東京ガスは、幹線から住宅に向けて枝分かれする低圧管の90%を、20年までにポリエチレンなど耐震性の強い素材に交換したいとしている。

 ■南海トラフ地震と首都直下地震の主な被害想定■
          南海トラフ        首都直下

 <人的被害>

 死者       1500人        9700人

 発生直後の避難者 1万5000人      339万人

 帰宅困難者     −           517万人

 <建物・ライフライン>

 全壊建物     2400棟        30万棟

【上水道断水率   1%(15万人)】    45%

【下水道支障率   1%(8万2000人)】 23%

【停電率      0.002%】      18%

【固定電話不通率  0.0008%】      8%

 <その他>

 最大津波高    31メートル(新島)   22メートル(御蔵島)

【災害廃棄物量   100万トン】      4300万トン

【エレベーター停止 500台】        7473台

【孤立する集落   5カ所】         −

【経済的損失    6000億円】      −

 ※【】が新たに公表された数値。−は想定なし。それぞれの地震で被害が最大のケースを表記(いずれも概数)
〔都内版〕

3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)10時48分  南海トラフ巨大地震:被害想定2次報告 避難者、最大7万人超 津波重視手法、県改定の参考に /神奈川





 国は18日、南海トラフ巨大地震の被害想定の2次報告を発表。昨年8月に公表した建物被害・人的被害に続き、今回は施設や経済的な被害を新たに示した。県内では最大で、地震発生1日後には7万7000人の避難者が出て、経済的な被害は8000億円に達するとされたが、県が09年に実施した被害想定結果を大きく超えるものはなかった。県は、津波被害を重視した今回の手法を、14年度に改定する県被害想定の参考にする。【北川仁士】
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 ◇09年県試算を超えず
 国は今回、想定した南海トラフの巨大地震について「1000年に1度あるいはそれよりもっと低い頻度で発生する地震」と説明。想定の目的に「何としても命を守ることを主眼にした防災・減災対策の検討」を掲げた。東日本大震災の教訓を踏まえ、揺れや火災よりも津波による被害が甚大になると予測したところ、県が09年に東海地震などを想定して試算した結果と違いが出た。
 昨年8月段階の公表分では、冬の深夜に地震が起きたとした上で、県内の最大震度は6弱、最大津波高は10メートルになると予測、その上で津波による死者数は2900人と想定していた。
 今回はそれに加えて、東日本大震災の被災状況を踏まえてライフラインや交通施設、避難者数などの被害を推計した。水道の断水で約23万人が影響を受け、4万7000件が停電するほか、道路被害は600カ所で起き、避難者は1カ月後も2万7000人に上るとした。また、建物などの被害やサービス低下による損失が時間とともに拡大するとして、8000億円の経済的な被害が生じるとした。
 ただ、国の想定は数値のみで場所などに関する具体的なデータがなく、実際の対策は自治体任せなのが実情だ。県災害対策課は「国の想定は津波による被害を従来より重く見ている。今後出てくる予定の相模トラフ地震に関する想定も含め、県が実施する被害想定にその手法を反映させたい」としている。

 ■巨大地震発生時の県内の被害予測■

 南海トラフ     東海地震      南関東地震

 (今回)      (09年想定)   (09年想定)

 ◇想定時期

 冬深夜       冬18時      冬18時

 ◇最大震度

 6弱        6強        7

 ◇最大津波高

 10メートル    4メートル程度   8メートル弱

 ◇全壊、焼失の住宅棟数

 約4000棟    約1万2220棟  45万棟

 ◇津波などによる死者数

 約2900人    130人      1万1080人

 ◇上水道の断水

 23万人      約28万世帯    約169万世帯

 ◇停電件数

 4万7000件   6万8000件   220万件

 ◇道路損傷など

 600カ所     データなし     データなし

 ◇防波堤の損傷など
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 4500メートル  想定なし      想定なし

 ◇避難者数

 (1日後)
 7万7000人   約57万人     約395万人

 (1カ月後)
 2万7000人   約22万人     約254万人

 ◇帰宅困難者数
 想定せず      約77万人     約77万人

 ◇災害廃棄物
 約100万トン   約800万トン   約1億トン

 ◇経済被害額
 8000億円    4兆7000億円  47兆8000億円

3月19日朝刊
   
 産経新聞 3月19日(火)7時55分  南海トラフ地震 県内は500億円被害想定 茨城


 内閣府が18日に発表した東海、東南海、南海などの地震が連動して起こる「南海トラフ」を震源とする巨大地震の被害想定(第2次報告)で、県内は水道や交通などに被害が発生し、500億円の経済的被害が出るという試算となった。

 ライフラインでは、上下水道の断水により計約3千人に影響が出ると想定。道路では約20カ所に被害が生じ、鉄道にもわずかに被害が発生すると見込んでいる。沿岸部では、押し寄せる津波などにより防波堤が計約2・7キロ損壊、約40万トンの津波堆積物が発生するとしている。

 また、地震で想定される避難者数は、発生から1日後が約1300人、1週間後が約400人、1カ月後が約200人となった。

 今回の被害想定を受け、県防災・危機管理課は「最大クラスの被害を踏まえて防波堤の整備や市町村でのハザードマップの作成をしており、今回の結果は想定内。しっかりと対応していきたい」としている。
   
 カナロコ 3月19日(火)5時30分  南海トラフ地震被害想定:県内は首都圏最大 断水23万人、鉄道340カ所/神奈川


 南海トラフ巨大地震で最大震度6弱、津波高10メートルが想定されている県内のライフラインや交通関連の被害は、震源に近い静岡以西の地域より少ないものの、首都圏では最大と見込まれた。

 想定によると、ライフラインのうち、被災直後に断水するのは23万人、下水道の利用が困難となるのは21万人で、停電する4万7千軒は1週間後まで復旧しない。固定電話は1800回線が不通になるが、携帯電話への影響やガスの供給停止は「わずか」という。

 交通関連では、道路が600カ所、鉄道施設は新幹線を含め340カ所に被害が生じ、港湾関係は防波堤計約12キロのうち計約4・5キロが損傷するとした。東京湾沿いの横浜、川崎、横須賀の3地区にある石油コンビナートはいずれも震度5弱が予想される場所に立地しており、被害は見込まれていない。

 地震1日後の避難者数は7万7千人。1週間後には4万人に減るが、1カ月後でも2万7千人が避難を続けると試算された。200棟のビルでエレベーター計300基が停止し、200人が閉じ込められる可能性がある。

 これらの被害や影響に伴う経済被害額を最大8千億円と算定。災害廃棄物と津波堆積物は合わせて90万〜100万トンに上るという。

 県災害対策課は「県内で想定された被害は、相模トラフで起きる関東地震や首都直下地震などと比べれば少ない。これまで取り組んできた対策を引き続き着実に進めていく」としている。
   
 毎日新聞 3月19日(火)14時44分  南海トラフ巨大地震:避難者、最大2万7000人 ライフラインなど課題も /長野


 東海から九州沖の「南海トラフ」で起きる巨大地震について、国の中央防災会議のワーキンググループが18日に発表した被害想定の第2次報告で、県内でもライフライン被害や避難者の想定が示された。避難者は最大2万7000人、上水道は給水人口の56%に当たる約120万人が断水すると試算した。県は「ライフラインの確保など課題も浮かび上がったので、対策を検討したい」と受け止めた。
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 検討会は昨年8月に建物や死者などの人的被害の想定を公表。今回は水道などライフライン被害▽交通施設被害▽避難者など生活影響▽災害廃棄物▽被害額−−などを公表した。想定する地震は最大マグニチュード9・1で、震源域は中央防災会議が想定した震源域を参考とする「基本ケース」と、震源域を日本列島寄りに設定する「陸側ケース」の2パターンを想定した。
 県内で被害が大きくなるのは、いずれも震源がより近くなり、揺れが大きくなる陸側ケースの場合。上水道は被災直後に120万人が断水、徐々に回復するものの、1カ月後でも約1万人で断水が続く。被災直後には下水道の使用困難は約150万人、停電も約120万軒と試算した。道路は最大約1200カ所、鉄道は在来線で約390カ所の被害が出るとした。
 避難者は発生1日後は約8900人だが、ライフラインの停止や食料の不足が影響し、自宅から避難所などに移るなど避難者は徐々に増加。被災1週間後に最大約2万7000人が発生するとした。内訳(四捨五入)は「避難所」と親類などの「避難所以外」が共に約1万4000人。1カ月後でも約1万8000人が避難を続けると試算した。
 県内では小谷村−富士見町を縦断し、最大震度7が予測される「糸魚川−静岡構造線断層帯」(糸静線)が最も大きな被害が発生すると予測される。南海トラフの試算は、糸静線北部の地震被害の想定(避難者約41万人)は下回る。一方、県危機管理防災課は「今回の想定される被害そのものが小さいわけではない。施設の耐震化など、予防対策がより一層必要だ」と話した。


 ◆県内で想定される主な被害◆
 【上水道】
 直後に全体の56%を占める約120万人が断水。被災1カ月後でも約1万人で続く。
 【下水道】
 直後は全体の89%・約150万人が使用困難に。一方、被災1週間後にほぼ回復する。
 【電力】
 他の被災地で発電施設が停止する影響などで、直後は全体の89%の約120万軒で停電。
 【通信】
 固定電話は直後に89%の約49万回線が不通。
 【交通】
 道路は土砂崩れなどで約1200カ所で被害。鉄道も在来線で約390カ所に被害が出る。
 【避難者】
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 被災1日後は約8900人だが、ライフラインの復旧まで徐々に増加。被災1週間後に最大約2万7000人となる。1カ月後は約1万8000人。
 【エレベーター閉じ込め】
 人が最も動く12時に、最大約1100人が閉じ込められる可能性。閉じ込めにつながり得るエレベーターを持つ建物は約200棟と予測。
 ※想定はいずれも「陸側ケース」の場合。
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時3分  南海トラフ巨大地震:想定被害、県内でも最大3000億円 生活への影響甚大 原発事故算出せず /福井


 太平洋側に甚大な被害をもたらす「南海トラフ巨大地震」は、福井県内でも最大3000億円の被害が想定されることが、18日の内閣府の発表で明らかになった。ただ、原発は地震発生と同時に運転停止すると想定し、事故に至った場合の被害は算出していない。
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 昨年8月には、死傷者数や浸水域などの被害想定が発表されていた。今回は、上下水道や電力などのライフライン、道路の被害、避難者や帰宅困難者など生活への影響がまとめられた。
 被害が大きくなるのは、火災が広がりやすい冬の夕方、風が強い(秒速8メートル)時に発生した場合。被害額の主な内訳は、建物約2000億円▽建物内の資産約400億円▽下水道約200億円▽道路約100億円。
 想定される最大の被害は、上水道の断水で約2万人、下水道の損傷で約9000人が利用できなくなる。約200世帯が停電し、固定電話は約200回線が不通に。道路は約290カ所、鉄道は約150カ所に被害が出る。福井、坂井両市の臨海コンビナートなどでそれぞれ約50施設が被災する。
 避難者は、地震の翌日に約7100人(避難所約4300人、避難所外約2900人)となり、最も多くなるのは1週間後の約8800人(避難所約4400人、避難所外約4400人)。
   
 毎日新聞 3月19日(火)14時16分  南海トラフ巨大地震:被害想定 最悪で1兆3000億円 避難者8万9000人 /岐阜

 内閣府が18日に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定(第2次報告)で、建物の倒壊やライフラインの寸断などによる経済被害が、県内では、最悪の場合約1兆3000億円に上るとの試算が示された。避難者数は最大8万9000人、帰宅困難者は15万〜16万人に及ぶという。
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 経済被害の内訳は、家屋の倒壊や家庭用品の焼失が約1兆1000億円▽上下水道や道路、公共施設の被害が約2000億円−−など。被災に伴う直接的な被害を中心に試算し企業の倒産や所得の低下など主な波及的被害は考慮していない。
 第2次報告では、県内で最大約110万人分の上水道が断水、130万人分の下水道の利用に影響が出るとし、電力を使用する約9割にあたる約110万軒が停電する可能性があると試算している。また、県内約1300カ所の道路、約450カ所の鉄道施設で被害があるという。
 一方、避難者数と帰宅困難者数は、県の独自試算による数値と大きな開きが出た。県の試算は避難者数約16万1000人、帰宅困難者数約2万人だが、第2次報告はそれぞれ8万9000人、15万〜16万人だった。
 県防災課は「前提条件や基礎データが異なり、単純比較はできない。推定値にとらわれず甚大な被害が発生することを重く受け止めて対応したい」としている。
 昨年公表された第1次報告では、市町村別の震度や住宅の全壊棟数、死者数が示されていた。
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)13時44分  南海トラフ巨大地震:被害想定 避難最大69万人 住宅、インフラ17兆円 /三重





 住宅や公共インフラなどに与える最大の被害額16兆9000億円、避難者は約69万人−−。内閣府が18日発表した南海トラフ巨大地震による施設や経済などの被害想定は、「1000年超に1度の頻度」の地震を想定したものとはいえ、衝撃的な数字が並んだ。一方で、耐震化率の向上や迅速な避難によって被害は大幅に軽減できるとしており、県は「100〜150年に1度のより現実的な地震に備え、万全の防災・減災対策を進めたい」としている。
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 想定は、施設などに最大の被害が出るのは、地震が陸域に近い場所で、秒速8メートルの風がある冬の夕方に発生したとして推計した。
 ■施設被害
 住宅や家庭用品などの被害は15兆2000億円で、施設の最大被害総額の約9割を占める。他に約2700万〜約3200万トンになると想定される災害廃棄物の処理費用約7000億円や、電気、上下水道、道路、漁港などの復旧費も加わり、県の年間予算の20倍近くにもなる。
 工場の設備被害や従業員の死亡による生産やサービスの低下、交通寸断などによる経済活動への影響額は含まれておらず、さらに増えるとされる。算出方法は異なるが、05年に公表した県の想定(約3兆円)を大幅に上回った。この被害額について、内閣府は、建物の耐震化率を100%にすれば、施設被害はほぼ半減、さらに津波避難が迅速に行われれば、生産やサービス低下による経済活動の被害額は3割程度縮減できるとしている。
 ■ライフライン
 ライフライン施設の被災による影響は、上水道の断水で約170万人、下水道が約77万人、停電約110万戸、電話も固定電話の約39万回線が不通、携帯電話は82%が通じなくなる。交通は、道路が約2700カ所、鉄道が約1700カ所としている。
 ■避難者
 避難者は、発生1日後が約56万人。最大となる1週間後には全人口の4割の約69万人になると推定。05年の県想定(6万2000人余)の10倍以上になっている。さらに、平日の昼間に発生した場合、当日中に帰宅が困難になる人は約6万7000〜6万8000人と予想している。また、農漁村の計258集落が孤立すると見ている。
    ◇
 県防災企画・地域支援課は「県の想定したものより大きな規模の地震を想定したもので、被害が大きくなるのは当然だが、大変な数字だ。官民ともに、被害軽減の取り組みが大切で、住宅耐震化や津波避難対策などを進めていく」と話している。
 ◇四日市臨海部、170施設で破損など さらに改善策必要
 内閣府が18日公表した南海トラフの巨大地震に伴う危険物・コンビナートの被害想定で、国内有数の石油化学コンビナートを抱える四日市臨海部は震度6強で約1970施設中、破損などは約170に上った。

四日市臨海部は石油コンビナート等災害防止法に基づく「石油コンビナート等特別防災区域」の一つだ。四日市市消防本部は、大規模な地震・津波により、液状化で岸壁や道路が損壊し、流出したがれきが航行を妨げるなどの被害を想定する。
 被災時の各コンビナート事業所との「ホットライン」で、消防本部は昨年11月、東日本大震災の教訓を踏まえて見直しを行った。有線の専用回線や一般加入電話から、無線に切り替えた。
 コンビナート事業所に毎年実施している「防災診断」も11年に強化。屋外タンク貯蔵所の浮き上がりや容器の漂流対策などを指導事項に加えた12年調査では、対象となった全37事業所がハード・ソフト両面で法令基準を満たした。
 ただ、プラントが正常に緊急停止しなかった場合の対処確認といったシミュレーション不足など、法令以外の対策で「さらに検討が必要」(予防保安課)とする事業所もあった。追跡調査でも指摘事項が改善されないケースもあるという。
 大震災では液状化や地盤沈下、転倒したタンクから流出した油による火災が発生、ガソリンや石油の供給が激減し、市民生活や経済活動にも影響が出た。コンビナート内にある老朽化した高潮防波堤の改修も急務で、さらなる対策が必要と言えそうだ。【岡正勝】
 ◇知事「現実的対策を優先」
 鈴木英敬知事は18日、「想定は、最新の科学的知見で最大クラスの地震だ。数字に一喜一憂することなく、県民に理解を得られるような働きかけを市町とともにしていきたい」と述べ、100〜150年単位で実際に起きた規模の地震への対応を優先させる考えを強調した。
 県は東日本大震災後の11年10月に緊急地震対策行動計画を策定。しかし、昨年12月に公表した県民意識調査によると「震災時に持った危機意識が薄れつつある」と答えた人が41・9%に上った。県は現在、「防災の日常化」「発災後の的確な対応」を視野に入れた新計画を策定中で、今月中に中間案をまとめる。新年度中には具体的な目標値も入れた計画を策定する。
 一方、県住宅課によると、耐震化率は11年度末で82・2%。県は15年度末の90%を目標に、市町と折半して耐震改修費を補助(上限60万円)するなどしている。新年度予算でも約460戸分の改修費を計上したが、不況の影響もあり、達成の見通しは立っていない。

四日市コンビナートについて、県は新年度当初予算に防災対策推進事業費1461万円を計上。石油コンビナート防災アセスメント調査を実施し、今回の想定には含まれていない津波被害などの危険性も評価した上で、防災計画の見直しを検討する。
 また、県内の避難所は約2500カ所で、収容能力は避難所へ逃げるとされる約39万人を大きく下回る。鈴木知事は、国の想定の試算根拠が不明確な点を指摘し「専門家の意見を聞き、地域防災計画の改定や新行動計画の策定につなげたい」と話した。


 ◇県内最大被害額
建物      1300
資産       220
電気        10
通信         2
鉄道         4
上水道        3
下水道       20
港湾        20
道路        10
その他公共土木   20
漁港        20
災害廃棄物処理   70
合計      1690
 ※都市ガス、農地被害は除く(単位・100億円)
〔三重版〕
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)13時13分  南海トラフ巨大地震:国の被害想定公表、知事「厳しい数字」 /愛知

 国が南海トラフ巨大地震に伴う被害想定を公表したことを受け、大村秀章知事と河村たかし名古屋市長が18日、それぞれ記者団の取材に応じ、災害対策の充実を図る考えを示した。
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 大村知事は「大変厳しい数字と受け止めている。最悪を考えてのデータだが、きちっとした対策をすれば防げるし、(被害を)減らせる。県が中心となって関係市町村や国と十分連携しなければいけない」と話した。県は地域防災計画の改定作業を進めている。
 河村市長は「(市民が)防災を自分自身のことと考えてもらって一人も犠牲者が出ないようにしていきたい」と話した。
 市は東日本大震災を受けた新しい被害想定を年度内にまとめる予定だったが、国の想定結果の検証が必要などとして、今秋まで延期している。
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)12時1分  南海トラフ巨大地震:第2次被害想定 県内経済に最悪21兆円 生活基盤9割が途絶 1週間後の避難者110万人 /静岡



 南海トラフの巨大地震による国の第2次被害想定が18日、発表された。想定は、県内の経済的被害を最悪のケースで約21・4兆円と推計。ライフラインは被災直後に約9割が使えなくなり、1週間後には約110万人の避難者が発生するなどという深刻な内容となった。県の岩田孝仁・危機報道監は、「6月をめどにまとめる県の第4次地震被害想定で、今回の国の想定も参考にしつつ県の実情に即した詳細な被害想定を行う」と話した。
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 発表されたのは、巨大地震による経済的被害や、ライフライン、高速道路、鉄道などの施設の被害がどれだけ生じるかの想定。東日本大震災の経験を基に「1000年に1度あるいはそれよりもっと低い頻度」で発生する地震被害を試算したもので、被害の量やその発生時期などが示されている。
 県などによると、想定された最悪の経済的被害は約21・4兆円。冬の夕方に起きた場合を想定した。内訳は、建物や資産などの民間部門が19・2兆円▽上下水道、公共土木施設などの公共部門が2・2兆円▽電気、ガス、通信、鉄道などの準公共部門が700億円−−となった。
 施設については、被災直後に、最悪1900人がエレベーターに閉じ込められ、道路約4200カ所で被害。東名高速道路や新東名高速道路は通行止めとなり、約1200カ所に被害が生じるとされた新幹線や在来線などの鉄道も全線不通になると見込まれる。
 ライフラインは、上水道が94%断水し約340万人に影響がでると予測。同じく、下水道が支障率93%▽停電率89%▽固定電話不通回線率88%▽ガス供給停止率74%−−などと、大きな被害が予想された。携帯電話については、基地局の非常電源が切れる1日後に約80%が停波し、非常につながりにくくなるという。
 多くの被害は、時間の経過とともに順次復旧されるが、避難者数は、1カ月後の時点でも1週間後と変わらない約110万人(避難所に約34万人、避難所外に約80万人)。県内の国宝や重要文化財なども最悪20カ所が被害を受け、観光客の減少など長期的な課題も指摘されている。
 川勝平太知事は今回の想定を受け、「(想定は)起こしてはいけないということ。いかに減災するかだ」と述べ、内陸部の開発や沿岸都市部の「安全安心の街」への再生による防災施策の推進を改めて表明した。県は先月、県内全域が国から「ふじのくに防災減災・地域成長モデル総合特区」に認められている。

 ◇南海トラフの巨大地震による県内ライフラインの被害想定

            直後     1週間後      1カ月後

上水道断水人口    340万人  240万人     74万人 

      断水率    94%     65%     20%

下水道支障人口    200万人  62万人      8万7000人


      支障率    93%     28%      4%

停電軒数       200万戸  14万戸      12万戸

      停電率    89%      6%      5%

固定電話不通回線数  73万回線  8万3000回線  3万8000回線

    不通回線率    88%     10%      5%

ガス供給停止戸数   19万戸   14万戸      2800戸

    供給停止率    74%     56%      1%

携帯電話停波基地局率   8%※      7%       −

        (1日後に80%)

 ※携帯電話は非常電源の切れる1日後に「非常につながりにくい」状態となる。
3月19日朝刊
   
 @S[アットエス] 3月19日(火)9時44分  南海トラフ被害想定

県内生活に甚大被害 避難者最大110万人





 南海トラフ巨大地震で、最悪の場合に最大震度7の揺れと30メートル超の大津波が想定された静岡県。内閣府が18日、新たに公表したライフラインやインフラなどの被害想定(第2次報告)で、被害が「超広域」に及ぶことがあらためて示された。県は「発災後に県内がより過酷な状況下に置かれることが予想される」として、住民や企業に日頃の備えの重要性を訴える。
 被害想定によると、県内のライフライン被害のうち、上水道は被災直後の断水率が94%で、1週間後も65%までしか回復しないとされた。下水道は被災直後に93%、1週間後も28%が利用困難とされ、生活に大きな支障が出ると見込む。
 自宅を離れて避難所などで過ごす避難者数は、被災1日後に90万人、1週間後に110万人に達し、1カ月後も同程度で推移するとされる。東海地震の単独発生を考えた県の第3次地震被害想定(1週間後76万人、1カ月後56万人)を上回る見通しになった。
 今回の想定について、岩田孝仁県危機報道監は「国全体が過酷な被害を受け、簡単には元のレベルに戻らないと予想される。静岡県にとってもきつい状況になる」とみる。
 県が着目するのは、被害が極めて広範・広域に及ぶ点。被害想定は、関東以西の40都府県でライフラインやインフラなどの支障を見込む。緊急時の輸送路となる東名、新東名をはじめとする高速道路も、仮復旧まで3日程度かかる見通しが示された。
 県は現在、被災時に全国からの応援部隊などを受け入れる「広域受援計画」を定めているが、国の全体計画改定を受けて見直しは必至だ。全国からの支援が、被害が比較的大きいとみられる静岡県に集中されるか、全体に分散されるか―は、まだ不透明という。
 岩田危機報道監は「自分の命を自分で守る備えを相当きちんとしなければならない。従来から続けてきた住宅耐震化や食料備蓄の呼び掛けをさらに徹底していく」と話した。
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静岡新聞社
   
 産経新聞 3月19日(火)7時55分  370万県民どう守る 南海トラフ巨大地震2次被害想定 静岡




 ■「耐震化、食料備蓄徹底を」

 「国全体も相当過酷で、静岡県だけでもかなりきつい状況だ」−。国の南海トラフ巨大地震被害想定で、県民120万人の避難が必要という甚大な被害が予測された。大動脈の東海道新幹線や東名高速はもちろん、災害に強いとされる新東名さえ3日間程度全面通行止めとなる。他県からの応援をあてにできない状況で、370万県民をどう守るのか。「自分の命は自分で守るしかない。行政も個人も食料の備蓄や耐震化など基本的な対策を徹底しなければならない」。県の担当者は改めて、日ごろの備えの重要性を強調した。

 ■応援の到着遅れ 

 巨大地震直後から、東名高速と新東名は通行止めに。3日後には緊急車両は通行できるが、一般車両が通れるのは1カ月後の見込みだ。「高架に変形が生じた場合は3カ月以上通行不能」というより厳しい想定もあり、こうなれば他県からの救援部隊の到着には相当の時間を要する。

 初めて公表された新幹線の被害想定では被災直後に東海道新幹線は全線不通に。三島以東は当日中に運行再開できるが、三島以西は復旧まで「1カ月以内」とかなり時間がかかる。

 静岡空港の被害も初めて想定されたが、こちらは地震翌日には運航再開できるとされ、「救援、救命活動、緊急輸送物資、人員輸送などの受け入れ拠点」として期待される。静岡空港には今後、原発事故対策の拠点となるオフサイトセンターも整備予定で、広域災害時には防災拠点として大きな役割を果たしそうだ。

 ■新想定への影響は 

 本県は6月にも新しい第4次地震被害想定を公表する予定。国の想定をベースに地形や地域の実情を加味した詳細な独自想定を練り上げるが、内容は極めて厳しいものになりそうだ。

 例えば3次想定では、避難所への避難者数は被災1週間後に76万人、1カ月後には55万人まで減少するとされている。しかし国の想定では、避難所内外合わせた数とはいえ、1カ月後にも120万人が避難生活を強いられると試算された。

 さらに3次想定では30日程度で95%復旧とされる上下水道が、国の想定では1カ月後でも20%の断水が続いて74万人に影響とされた。電気や都市ガスの復旧は他県からの応援や融通が前提だ。県の担当者は「3次想定は国の想定よりも津波被害を低く見ていることが理由だ」としている。

 こういった現状に、最大16メートルの津波が想定される浜松市の松永直志危機管理課長は「被害想定を100%フォローするのは難しい。日々の積み重ねで100%に近づけるしかない」と本音を漏らす。静岡市葵区の主婦、鈴木美智子さん(42)は「東日本大震災を機に地域の結びつきは強くなった。自分たちで減災するしかない」と決意を新たにしていた。
   
 毎日新聞 3月19日(火)13時6分  南海トラフ巨大地震:県経済被害、5兆円 国想定で判明、「東日本」と同規模で /兵庫


 東日本大震災と同じマグニチュード(M)9級の巨大地震が太平洋沖の浅い海溝「南海トラフ」で起きると、県の経済被害は最大5兆円に達することが、18日に公表された国の被害想定で明らかになった。約10兆円の被害が出た阪神大震災の半分に相当する。避難者は発生1週間後に最大32万人に達する見込みだ。県はこのデータをもとに、市町別に被害地域を詳しく示した独自の想定を来年度内に公表する方針。
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 ◇阪神大震災の半分
 経済被害の内訳は、住宅やビルなどの建物が3兆3000億円、個人や企業の資産が8000億円、下水道や港湾がそれぞれ2000億円で続く。道路や水道といった公共設備ではなく、民間施設の被害額が全体の8割以上を占める。
 国は昨年、同じ地震の規模を想定して、予想される死者数、市町別の最大津波高や最大震度を公表した。今回も震源域を四つに分けてシミュレーションしており、県内への影響が最も大きいのは、紀伊半島沖の陸側に近いプレートがずれた場合だ。300万人以上が断水の影響を受け、約300万軒が停電するなど、この最悪のケースの被害想定をまとめた。
 ◇避難者32万人も
 それによると、自宅に住めなくなる避難者は、発生翌日に約24万人に上る。このうち約15万人が、学校や公民館などに開設された避難所に入所。1週間後の避難者は約32万人に達し、1カ月後でも約25万人が避難せざるを得ないという。
 石油コンビナートが約570施設ある姫路市の臨海部では、最大震度6強が予想されており、約40施設が破損する恐れがある。播磨町と高砂市では計約30施設、神戸市でも約10施設が破損の恐れがあり、火災や爆発につながる可能性がある。
 交通機関の停止で、自宅に帰れない「帰宅困難者」は48万人から59万人と推計。津波で周囲の道路が流されるなどして、計19の集落が孤立する可能性がある。
 ビルやマンションのエレベーターは計約5100基が停止し、正午の震災発生だと1700人が閉じ込められる。震災で発生するがれきは最大約800万トンと見込む。
 国は今回、各県全体の被害状況を公表したのみで、被害の詳しい地域が明らかになっておらず、これだけでは市町や住民が防災計画などの対策を立てにくい。県はそれぞれの項目について、来年度末をめどに、県内各地域の詳しい被害想定を公表する。
 県防災計画課の担当者は「これでも兵庫県の被害は他県に比べて低い方だ。阪神大震災では他県から多くの支援を受けたが、この想定通りの地震が起きれば支援は得られず、厳しい対応を迫られる。防潮堤の建設や住宅耐震など、減災の取り組みを進めていく」と話している。

 ■ライフライン最大被害
上水道断水      約330万人
下水道断水      約450万人
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停電         約300万軒
固定電話の不通    約93万回線
携帯電話基地局の停波 2%
ガス停止       約7100戸
 ■交通・港湾施設最大被害
道路   約2200カ所
鉄道   約1100カ所
岸壁   約70カ所
係留施設 約250カ所
防波堤  約9200メートル
〔神戸版〕
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)13時1分  南海トラフ巨大地震:被害想定 避難34万人 「綿密な対策必要」府など警戒強める /京都



 ◇「市町村単位も公表を」
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 18日に国の中央防災会議が公表した南海トラフ巨大地震の経済被害想定で府内でも生活インフラを中心に大きな被害が出るとされた。府などは「南海トラフ地震直後の救援活動は太平洋の沿岸部に集中するだろう。京都では発生後しばらくは単独で対応せざるを得ない。綿密な対策が必要だ」と警戒を強めている。【林哲平、古屋敷尚子】
 府内で最も深刻な被害が想定されているのは京都市北東部の花折断層を震源とする地震。南海トラフ巨大地震の被害想定はこれをやや下回る内容だが、それでも発生直後は府内人口の9割に当たる230万人が水道の断水に見舞われる。下水道も発生直後に処理人口の9割、210万人が使えなくなる。電気は被災4日後でもなお5万5000世帯で停電が続く。避難所で生活したり、被害を受けた自宅で生活を続ける人は被災1週間後で34万人に達するとみられる。被害総額は4兆5000億円と試算している。
 府によると、花折断層を震源とする地震で48万人以上の短期避難者を見込み、避難所の確保や食料などの確保を進めている。府と市町村の備蓄物資は乾パン約30万食、飲料水7万7000リットル、毛布12万枚など。府防災・原子力安全課は「流通業者から提供を受ける分を含めると数日間分はある。1週間以上になれば近畿地方以外の自治体との連携が必要だ」と話す。
 京都市は「数だけでいえば、花折断層を想定した備えでカバーできる」と冷静に受け止める一方、「南海トラフでは外部からの支援は想定しない。市民や地域で協力しながら独自に乗り切れるように対策を進めたい」と強調する。
 南海トラフ地震をめぐっては昨年8月、国は死傷者数など人や建物被害の想定を公表した。ただ、都道府県単位での想定にとどまっており、府や市町村の担当者の間には「どの地域で重点的な整備が必要なのか、具体的な計画には役立たない」と戸惑いが広がる。府防災・原子力安全課は「国は早く市町村単位の想定を公表してほしい」と話している。
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)12時53分  南海トラフ巨大地震:被害推計 県内避難者29万人に 経済被害3.4兆円−−最大ケース /奈良



 ◇県、防災計画見直しへ
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 内閣府が18日に公表した南海トラフ巨大地震の第2次被害想定で、県内の避難者は発生1週間後に最大で人口の2割にあたる約29万人に上り、被害総額は3兆4000億円になると推計された。県内で南海トラフ地震の死者や建物以外の被害が推計されたのは初めて。県はこれまで、和歌山や三重の両県など海側の府県の支援を念頭に置いていたが、今回の想定を基に防災計画の見直しを進める。【伊澤拓也】
 震源地や時間帯、風速などの条件別に被害を予測した。避難者は最も多い場合で発生1日後には14万人だが、ライフラインの寸断に伴って増加し、1週間後に29万人になるとした。
 道路の920カ所、鉄道の590カ所で被害が出て公共交通機関がまひすると、県内居住者で帰宅できなくなるのは13万人と想定。さらに山間部などで孤立する危険性のある集落は41集落と推計された。
 ライフラインも壊滅的な被害となる恐れがあることが判明した。上水道の断水は人口の9割を超える130万人、下水道の使用に支障が出るのは93万人。停電は82万世帯、ガスの供給停止は4万世帯に及ぶとした。また、国宝や重要文化財の建造物は38件で揺れや火災の恐れがあるという。
 ただ、今回の想定は、過去の実例を基に大まかな数字を算出したもので、具体的な被害地域や地点は示されていない。
 県は、南海トラフ地震の死者を4人と想定した04年の調査を基に、08年に現行の防災計画を策定。東日本大震災や台風12号水害を受けて見直しを進めている。昨年8月に公表された被害想定では、死者は最大1700人と大きな開きがあったため、策定中の計画に反映させるという。
 県防災統括室は「これまでの計画は近隣府県の支援に重きが置かれていたが、今回の想定で県内でも大きな被害が出る危険性があることが分かった。今後、対策をたてる上で基礎的な資料になる」としている。

 ◆南海トラフ巨大地震で想定される県内の最大被害◆
避難者(1日後)    14万人
 同 (1週間後)   29万人
 同 (1カ月後)   23万人
帰宅困難者       13万人
孤立可能性のある集落  41集落
上水道断水      130万人
下水道支障       93万人
停電          82万世帯
ガス供給停止       4万世帯
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固定電話不通      23万回線
道路被害       920カ所
鉄道被害       590カ所
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)12時41分  南海トラフ巨大地震:府内被害、最悪24兆円−−推計 /大阪



 ◇がれき、「東日本」の2.6倍 避難者、1週間後に150万人
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 内閣府が18日公表した南海トラフ巨大地震の被害想定では、大阪府内で最も死者が多くなる最悪のケースで、府内の被害総額は24兆円に上ると推計された。上下水道などライフラインや交通インフラが大きな被害を受け、東日本大震災を上回るがれきも発生する。府危機管理課は「今後、府域の詳細な被害想定を検討し、市町村とも連携をとりながら、減災と早期復旧を目指した対策をとりたい」と話す。府内の主な最悪の想定被害をまとめた。【須田桃子】
 ◇経済被害は
 被害総額24兆円は、全国の約14%を占め、都府県別では愛知県に次ぐ。内訳で最も割合の大きいのは、損壊・焼失する民間の建物の被害で16・6兆円。家庭用品のほか、事業に使う機械や備品、在庫などの償却・棚卸資産の再建費用は5・6兆円とされた。
 建物の全壊、焼失などによる災害廃棄物(がれき)は約4300万トンに上り、その処理費用1兆円も被害総額に含まれる。これは、岩手・宮城・福島3県で発生した災害廃棄物約1628万トン(昨年末時点の推定量)の約2・6倍にあたる。
 ◇ライフライン、インフラ被害は
 被災直後は上水道の48%が使えず、断水人口は約430万人に上る。下水道と電力は89%、ガスは22%が使用できない。復旧速度には差があり、下水道と電力は1日後から大幅に回復するが、上水道とガスは1週間後も2割が使えないままだ。
 交通施設では、道路約1400カ所、鉄道約1500カ所が、主に揺れによる被害を受ける。愛知、静岡両県の被害はより深刻なため、東西を結ぶ交通の大動脈が断たれ、救援物資が届かない可能性も懸念される。
 住宅の損壊などによる避難者数は1日後で約120万人、1週間後には約150万人になる。避難所内の人数は減っていくが、親戚宅への避難などが続くため、避難者全体は1カ月後でも約130万人に上る見通しだ。
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)12時27分  南海トラフ巨大地震:最大試算、県内避難者45万人 経済被害9兆9000億円 /和歌山




 ◇知事「命守るよう最大限努力」
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 中央防災会議などが18日に公表した南海トラフ巨大地震被害想定で、発生1日後の県内の避難者数は最大で県人口の約半分に当たる45万人、事業所などの経済的被害は9兆9000億円との試算が示された。仁坂吉伸知事は「数字に驚かず、命を守るよう最大限努力する」と述べ、人的被害を軽減する対策を優先させる考えを改めて示した。食料などの備蓄を増強させることも検討する。【岸本桂司、中村好見】
 内閣府が昨年8月に公表した被害想定では、県内での最大津波高は20メートル、最悪で死者約8万人とされた。それを受け、今回はライフラインや経済的な被害が想定された。
 ◆上下水道
 上水道の断水は最大約86万人に及び、給水人口に占める断水率は92%。下水道は最大約20万人の処理に支障が出て、処理人口中の割合は97%になる。
 ◆電力
 停電は最大で被災直後に電力供給軒数の90%に当たる約74万軒。1週間後には10万軒程度に減少する。
 ◆廃棄物
 災害廃棄物(がれき)は約1700万トン発生。東日本大震災では東北3県で1628万トンが発生しており、和歌山のみでこれを超える。津波で海から陸に運ばれる土砂などの津波堆積(たいせき)物は、全国3位の約600万トン。
 ◆事業所
 経済被害は、東海地方で被害が最大になるケースに基づいて推計された。それによると、県内の事業所などの施設・設備の損害額は約9兆9000億円。沿岸部のコンビナート被害も目立ち、最大震度が6強の和歌山市で約40施設、震度7の有田市で約40施設が損壊する。近畿地方で被害が大きいケースに基づけば、額はさらに大きくなるとみられる。
 ◇自治体対応、マニュアル見直し必須 「個人でも備蓄を」
 最大避難者数が発生1日後で約45万人(うち避難所約29万人)に上ることについて、県総合防災課は「津波避難ビルを含めた避難所の収容人数は約50万人。現状でも対応できる」としている。ピークを迎える1週間後でも約46万人の想定だ。しかし、県と各市町村の食料や水の備蓄は計約40万食程度しかない。避難生活の長期化に対応できないのが現状。県は「個人でも備蓄をお願いしたい」と話している。

上水道の被害に関しては、和歌山市水道局は07年に対策マニュアルを作成。水道管の耐震化を順次進め、給水拠点の配水池も20年度までに2カ所増やして20カ所とする目標を立てている。しかし、南海トラフ巨大地震では県内約86万人が断水すると予測されたことから、同市内でも大半の地域で断水することが予想され、マニュアル見直しは必須だ。市水道局は「避難所などに出動する給水タンク車は現在4台しかない。協定を結んでいる他地域に応援を頼まなければ」と話した。
 一方、海南市の沿岸に石油コンビナートを抱える和歌山石油精製は東日本大震災以降、全建物の耐震診断を実施。石油タンクは震度6強の揺れに耐えられると診断されたが、補強が必要な建物には耐震化を進めている。また、津波の浸水が予測される1階の電気室を2階に移動させた。昨年8月に公表された南海トラフ巨大地震の最大津波高は8メートル。同社は「新しい想定に基づいた対策も、進めていかなければ」としている。
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 ◇県内の主な被害想定の最大値の概数◇
            今回       05年県想定
上水道断水      86万人(16)    55万人
下水道処理支障    20万人(19)   6000人
停電         74万軒(13)    92万人
固定電話不通    19万回線(17)    41万人
都市ガス    1万8000戸(10)    17万人
避難者数       45万人 (6)    28万人
帰宅困難者数  6万3000人     4万5000人
災害廃棄物   1700万トン (6)
津波堆積物    600万トン (3)
 ※05年県想定は東海・東南海・南海3連動地震。一部の項目で今回と05年の単位が異なる。( )内は全国順位。
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)12時20分  南海トラフ巨大地震:県内被害1.6兆円 避難者16万人−−最大ケース想定 /滋賀


 中央防災会議のワーキンググループが18日発表した南海トラフ巨大地震の被害想定(第2次)で、県内では最大ケースで避難者数が16万人、経済的被害が民間を中心に1兆6000億円に上るという結果が示された。ライフライン被害では、被災直後に全体の89%が停電し、82%が断水するとされている。県はこの結果も踏まえ、来年度中により詳細なモデルで、市町別の内訳を含めた県域の地震被害想定を出す。
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 昨年8月に発表された第1次報告は建物や人的被害で、県内は最大震度が6強か6弱とされ、津波の直接被害はないが、揺れや液状化で最大で建物全壊1万3000棟、死者500人、負傷者9800人と計算された。今回はライフラインや交通施設などの被害が算出された。
 震源域が太平洋岸の陸側により近いケースでは被災直後、浄水場や発電所の運転停止などで、県内は給水人口130万人のうち110万人が断水、94万軒のうち83万軒が停電すると想定。被害復旧に伴い、断水は1カ月後に7万2000人、停電は1週間後に800軒まで減るとされた。
 一方、避難者数は被災1日後は4万2000人だが、ライフライン被害の影響で1週間後の方が16万人にまで増加。1日〜数日後の帰宅困難者は外出者34万人のうち、13万〜15万人発生すると試算された。陸側ケースの経済的被害は1兆6000億円に上り、うち民間部門の建物や資産が1兆4000億円を占めている。被害想定は起こり得る最大クラスの地震で行われ、県防災危機管理局は「今後、データを精査したい」としつつ、「まずは備蓄が大事で、県民への啓発が必要。企業にも業務継続の態勢をとってほしい」と受け止めた。県独自の被害想定では南海トラフ巨大地震以外の地震被害も試算するという。
3月19日朝刊
   
 産経新聞 3月19日(火)7時55分  南海トラフ巨大地震想定 避難者数は最大34万人 京都


 ■府内の被害額4.5兆円

 内閣府の作業部会が18日発表した南海トラフ巨大地震による被害想定の試算。府内の経済被害額は約4・5兆円、避難者数は、発生の1週間後で最大約34万人に達するなど、市民生活や経済に大きな混乱をもたらすと予想される。府にとって初めての試算結果となるといい、「今回の試算を分析し、今後の対策につなげる」としている。(栗井裕美子)

 被害額の内訳は、民間の建物が約3・4兆円▽民間資産が約7千億円▽上水道が約400億円▽道路が約300億円▽鉄道が約200億円−など。

 災害廃棄物は、約700万トン、約600万立方メートルとなり、処理のための費用に約1千億円が必要と見込まれている。

 ライフラインの被害は、上水道の断水が約230万人、下水道では約210万人が影響を受ける。電気は約150万軒が停電、ガスは約3万6千軒が供給停止、通信関連では、固定電話は、約48万回線が不通となり、携帯電話は約5%が通信困難となる。

 帰宅困難者は、29万〜35万人発生。避難者は、発生直後で約19万人、1週間後で約34万人、1カ月後で約27万人となる。

 エレベーター内の閉じこめは、午前8時に地震が発生した場合で約600人、正午発生で約900人、午後6時発生で約600人。閉じこめにつながるエレベータ停止建物は約1400軒、エレベータ停止台数は約2300台にのぼるという。

 被災の可能性がある国宝と重要文化財は揺れによるものが2件と火災によるものが9件の計11件と予測されている。

 内閣府が昨年8月に発表した人的・物的被害の想定では、府内で最悪の場合約900人が死亡、7万棟が全壊すると推計していた。

 府防災・原子力安全課は「大変大きな被害額だと感じている。府は南北に細長いので、どの地域でどれだけの被害が出るかというのを細かく分析し、今後の防災対策につなげたい」としている。
   
 産経新聞 3月19日(火)7時55分  南海トラフ巨大地震 広域災害想定避難者は32万人に 兵庫


 ■経済被害、県内5兆円

 将来発生する可能性のある南海トラフ巨大地震について、内閣府が18日に公表した被害想定の第2次報告によると、県内の経済被害は阪神大震災による被害総額(約10兆円)の半分の5兆円と推計された。一方で、人口の約6割で水道などのライフラインが被害を受け、約32万人の避難者が発生するとされ、県は「阪神大震災と違い、広域災害になるため、県外からの応援が大きくは期待できず、厳しい災害になり得る」と警戒を強めている。

 経済被害額は、国が推計に用いた8ケースのうち、「陸側を震源域に、津波で東海地方が大きく被災するケース(冬の夕方、風速毎秒8メートル)」についてのみ公表された。県内では民間建物で3・3兆円、民間資産で8千億円の損害が発生し、公共部門を含めた全体では5兆円の被害となる。

 一方、ライフラインや道路など施設ごとの被害は、県内の被害が最大になると想定される「陸側を震源域に、津波で近畿地方が大きく被災するケース(同)」について公表された。

 それによると、約330万人分の上水道が断水し、約300万軒で停電が発生。約7100戸でガスの供給が停止する。道路は約2200カ所、鉄道は約1100カ所で損壊する。

 沿岸では岸壁約70カ所、防波堤約9200メートルが破壊され、コンビナートは神戸地区(神戸市、約380施設)の約10カ所、姫路臨海地区(姫路市、約570施設)の約40カ所が破損する。

 地震当日の帰宅困難者数は約48万〜59万人で、避難者数は約1週間後に約32万人にふくらむ。津波被害が大きい南あわじ市などで、漁業集落18カ所、農業集落1カ所が孤立することも予想される。

 県は国の想定をもとに、津波浸水域や経済被害について来年度中に独自の被害想定をまとめる方針で、市町別のより詳細な想定を目指す。県防災計画課は「国の想定は現状の防災対策を前提にしており、これから被害を減らす努力をしていく」としている。
   
 産経新聞 3月19日(火)7時55分  南海トラフ巨大地震想定 県内の避難者、最大29万人 奈良





 ■経済的被害は3兆4000億円

 内閣府の作業部会が18日発表した南海トラフの巨大地震の経済的被害。県内では、人口の9割以上にあたる約130万人が断水の影響を受け、最大29万人の避難者が出るとの想定結果が出た。建物の倒壊などの経済的被害は3兆4千億円になるという。

 昨年8月に発表された南海トラフ巨大地震の被害想定の一次報告では、県内で最大震度6強の地震となり、死者数は約100〜1700人に上るとされた。今回は二次報告で、ライフラインを含む経済的被害などが試算された。

 試算によると、上水道が被災した場合、95%の世帯で断水。翌日の断水率は70%、1週間後には約半分の世帯がまだ復旧しないと見込まれた。

 他のライフラインでは、停電が全92万軒のうち82万軒で発生。固定電話も25万回線中、23万回線が不通となるほか、ガスも3万8千戸で供給停止に陥る。

 避難者は、発生翌日には約14万人だが、在宅者が物資不足などによって避難所などへ移動するため、1週間後には約29万人に膨らむ。1カ月後も約23万人と推定された。

 県内の帰宅困難者は約13万人発生すると予想。県内への観光客数は含まれておらず、実際にはさらに膨らむ可能性がある。41集落が、孤立する可能性があるという。

 被災する可能性がある国宝や国の重要文化財は、県内全施設の約1割にあたる38施設に上る。

 一方で、県は、京都府城陽市から桜井市まで南北約35キロの活断層帯「奈良盆地東縁断層帯」による震度7の内陸型地震で、避難者数が43万人に上るほか、8割以上の世帯で断水するなど、今回の南海トラフ巨大地震以上の被害が出ると想定している。

 今回の被害想定を受けて、県防災統括室は「道路など交通網も打撃を受ける。食料などを自治体で備蓄してもまかないきれない上、あったとしても運ぶことが困難。家庭での飲料水や食料の備蓄を呼びかけたい」と話している。
   
 産経新聞 3月19日(火)7時55分  南海トラフ巨大地震 被害想定 避難45万人 和歌山県人口の半数


 ■被害額9.9兆円「阪神」と同規模

 南海トラフ巨大地震について内閣府の作業部会が18日に公表した新たな被害想定。東海地方で被害が最大となるケースの推計で、建物などの経済的な被害は県内総生産の約3年分にあたる9・9兆円にのぼるとの試算が示された。また、水道や電気、ガス、通信などのライフラインも壊滅的な被害を受け、避難者数は被災直後に県人口の半数近い約45万人に達すると推計された。県の担当者らは厳しい表情を浮かべながら、「発生頻度は極めて低いとされている。冷静に受け止め、最善の対策を実行していくことで被害は確実に減らすことができる」としている。

 ■ライフライン寸断

 近畿地方で被害が最大になるケースの試算では、上水道は被災直後は給水人口の9割以上にあたる約86万人、被災後1週間たっても約64万人が断水の被害を受けるとされ、電力も被災直後は9割にあたる74万軒、1週間後でも約11万軒で停電が続くと想定されている。ピーク時に固定電話は84%にあたる19万回線が不通となり、携帯電話も電波を発信できなくなる基地局が約8割、都市ガスも83%の1万8千戸で供給が停止するなど、ライフラインは軒並み深刻な被害想定が出された。

 インフラ関係では内陸の道路の約1100カ所で路面やのり面崩壊などが起こるほか、津波による浸水も800カ所で発生するとされた。道路状況はライフラインの復旧にも密接に関わるだけに、県は代替ルートの確保としてミッシングリンク(未整備部分)の整備を進めており、道路政策課は「沿岸部にアクセス可能な道路を複数確保することは救助活動や支援活動に不可欠だ」と強調する。

 ■帰宅困難6万3千人

 避難者数は被災1週間後のピーク時に約46万人にのぼり、1カ月後でもライフラインの復旧が十分に見込めず約45万人と推計されるなど、県人口の約半数が厳しい避難生活を強いられる事態が予想される。また、帰宅困難者は約6万3千人で、県が平成17年に3連動地震で想定した約4万5千人を大きく上回った。

 総合防災課によると、屋根のある避難場所に収容できる避難者は約50万人。今回の想定に対応は可能とした上で、「各世帯が住宅の耐震化を進めることで、避難者を減らすことができる」と指摘する。

 ■津波がれき全国3位

 県内の施設や資産などの経済的な被害は約9・9兆円に達するとされる。阪神大震災の被害額は約10兆円で、和歌山県だけで阪神大震災と同規模の被害額になる見込みだ。工場や従業員の被災による生産力の低下のほか、観光施設の損壊で観光や商業面も落ち込むとする。

 県内の各企業や団体は、被災後にどう事業を継続させるかを定めた「事業継続計画(BCP)」を策定するなど、取り組みを進めている。海南市沿岸部に火力発電所がある関電は、和歌山支店などで津波避難マップを作成。紀陽銀行(和歌山市)は、災害時の突発的な停電に備えて非常用電源車を和歌山市内のオフィスに配備し、年に1回避難訓練を実施。担当者は「人命を最優先に、業務の速やかな復旧や地域の経済活動の維持に努めたい」と話す。

 また、津波で発生するがれきは全国3位の約600万トンにのぼると試算。このほか1700万トンもの災害廃棄物が発生するとされており、「県内での処理能力を大幅に超えていると認識している」と総合防災課の高瀬一郎課長。仁坂吉伸知事も「他県には頼れない状況になるだろうから、県内でがれきを収容するシステムを早急に作らなければいけない」と強調した。

 ■知事 命守ることに最大限の努力

 今回の被害想定について、仁坂知事は「約10兆円の財産が失われるという数字の議論は、和歌山県にとってはあまり意味がないと思う。被害が出ることは明らかなので、県民の命を守るということにハード、ソフト両面で最大限の努力をしていきたい」と述べた。
   
 産経新聞 3月19日(火)7時55分  南海トラフ地震被害想定 滋賀県内の避難者 最大16万人


 国の中央防災会議が18日発表した南海トラフ地震の被害想定で、県内では地震発生から1週間後、自宅外での生活を余儀なくされる被災者が最大で16万人に上るとみられることが分かった。被災直後には110万人が断水被害に遭い、9割近い家庭で停電になると想定。県は国のデータを参考にしながら県の被害想定をより詳細に算出し、地域防災計画に反映させるとしている。

 国は昨年8月、南海トラフ地震が発生した際の死者数や負傷者数の予想を発表。県内では最大で500人が死亡、負傷者は最大で9800人に上ると想定された。今回は被害想定の第2弾で、ライフラインへの影響や経済的被害などについてまとめた。

 今回、県内で最も避難者が多くなると想定されたのは「冬の夕方、陸に近い場所で地震が起きる」とのパターン。発生1日後の避難者数は4万2千人だが、1週間後には県人口の1割以上に当たる16万人が避難を余儀なくされるという。

 一方、南海トラフ地震による断水被害を受けるのは、発生直後で最大110万人。1週間後は46万人、1カ月後でも7万2千人に上るという。また停電戸数は、被災直後が全体の約9割に当たる83万戸、1日後は13万戸、1週間後は800戸と想定している。

 さらに、県内の総被害額は最大で1・6兆円に上ると見込まれる。内訳は、民間建物=1・2兆円▽民間資産=2千億円▽下水道設備=1千億円▽上水道施設=200億円▽道路=200億円−など。

 避難者数が最大16万人に上るとの想定に「ここまでいくのか」と県防災危機管理局。「県内のどこでどんな被害が出るのか、国よりもさらに丁寧な調査を県で進めたい」とした。
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時58分  南海トラフ巨大地震:被害想定 最大1500人、避難必要 県内、影響は限定的 /鳥取





 内閣府は18日、東海から九州沖を震源とする「南海トラフ巨大地震」の経済的被害想定を発表。県内では、最大で約1500人が避難する必要に迫られるほか、ライフラインでは上水道の断水人口が約5000人に上ることなどが明らかになった。
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 一方で、停電や電話の通信不良はごくわずかにとどまり、孤立集落も発生しないなど、試算上では他の都府県と比べて影響は限定的になりそうだ。
 このほか、2500人が下水道が使えなくなり、交通施設の被害は道路120カ所、鉄道60カ所が想定されるという。
 避難者の想定は、発生1週間後が最も多く約1500人(避難所800人、それ以外800人)に上る。
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時53分  南海トラフ巨大地震:被害想定 県経済的損失、最大3.2兆円 発生から1週間後、避難者は25万人 /岡山



 内閣府の「南海トラフの巨大地震モデル検討会」などが18日公表した被害想定(第2次報告)で、県内の経済的損失推計は最大で3兆2000億円となった。地震発生から1週間後の避難者は約25万人に達し、災害廃棄物は津波堆積(たいせき)物と合わせて約400万トンと推計した。県や市町村は避難者に対する食料、水、薬品の必要量や災害廃棄物を集積する土地確保などを見直し、防災復興計画に盛り込む。
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 今回の被害想定は昨年8月に公表された第1次報告の人的・建物被害想定に次ぐ。第1次報告では、津波発生領域が四国沖から九州沖で冬の午後6時、風速毎秒8メートルを想定した場合、全壊・焼失約3万4000棟、死亡1200人。堤防・水門が機能しない場合の死亡は600人増の1800人と報告された。
 今回は同じ想定を前提に被害の最大値を試算した。ライフラインの場合、上水道では被災直後の断水率は70%で130万人が影響を受け、被災1日後の断水率は49%、1カ月後に6%と見込んでいる。電力も被災直後の停電が89%(120万軒)で、1週間後にほぼ復旧。固定電話も被災直後に89%(39万回線)が不通。携帯電話は98%がつながらない。
 山陽自動車道、中国自動車道はほぼ機能するが、一般国道はおおむね6キロに1カ所で被害が発生し、救急救援物資の輸送に大きな支障が予想される。山陽新幹線の全線運転は発生から1カ月以内、山陽線など在来線は1カ月後に約50%復旧するとしている。
 避難者は震災直後に10万人で、被災1カ月後は18万人以上に達し、このうち避難所に5万4000人、公園や空き地、親族宅など避難所外へ13万人と推定している。
 県は「個別の対策はこれから市町村と具体的に協議する。例えば避難者10万人の場合、1日に30万食分の食料が必要になる。救命救助を最優先に位置づけると、避難者支援まで手が回らない。今回の想定を基に具体策を急ぎたい」と話している。
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時36分  南海トラフ巨大地震:被害想定 断水68万人、停電170万軒 県「水、食料の備蓄を」 /広島


 南海トラフを震源域とする最大級の地震(マグニチュード9クラス)が発生した際のライフラインやインフラの被害想定が18日、内閣府から公表された。県内では、断水人口が被災1日後で県想定の4倍、県人口の4分の1に匹敵する約68万人に及び、完全復旧まで約4週間かかるなど、軒並み従来の想定(07年)を大幅に上回った。県危機管理課は「県内は山間部で土砂災害の危険がある場所が多く、広島市街地は橋が多い。物資を運ぶ道路や橋の寸断が予想される。備蓄をして備えてほしい」と呼びかけている。【寺岡俊】
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 ■被害想定と備蓄
 県内は最大震度6強の揺れや4メートル級の津波、液状化に見舞われる。これまでの想定は東南海・南海地震が連動して発生するM8・5クラスで、最大震度も6弱としていた。
 従来想定では被災1日後の断水人口は約17万1000人だったが、4倍に拡大。被災直後の停電も県想定の7200軒が170万軒に増え、都市ガスは「被害なし」から約4600軒、復旧まで約2週間と被害が拡大する。最大避難者数は従来想定(07年)の5万8000人から、被災1週間後に最大約18万人、被災1カ月後でも約14万人に上る。被害額は従来想定の5倍の約3兆円で、年間予算の約3倍にもなる。
 災害に備え、県や各市町はそれぞれ、食料や毛布、簡易トイレなどを備蓄している。県は三原市の県防災拠点施設に水や乾パンなどの食料9万人分、広島市はマツダスタジアム(南区)内など151カ所に11万人分の食料がある。被災1日目は各市町、2日目は県の備蓄分を放出し、3日目以降は、他県や協定を結んでいる事業者からの物資を活用する支援体制を取っている。
 ■寸断される輸送路
 しかし、ネックは物資を運ぶ輸送路の被害だ。橋やトンネル、道路の寸断は、従来は県と広島市管理分の主要道路で24カ所とみていたが、今回想定では国や各市町管理分を含めて約1600カ所に上る。県危機管理課によると、県内は中山間地が多く、道路が土砂災害で寸断される可能性が高い。太田川のデルタ地帯に広がる広島市街地は、電気やガスなどインフラ用も含めて約100の橋がひしめき、被害が集中する恐れがある。「被害なし」だった鉄道も新幹線が約40カ所、在来線が約760カ所に及び、山陽新幹線と山陽線は不通になる。
 南海トラフ巨大地震は広範囲に被害をもたらし、全国でも約4万1000カ所の道路で被害が出る予測だ。同課は「緊急輸送道路などに甚大な被害があれば、県内外からの支援物資の輸送が滞る可能性は否定できない」と警鐘を鳴らす。さらに県内には全国有数の33の有人島もあり、輸送路寸断による孤立も予想される。
 ■県民意識低く
 同課は、阪神大震災など過去のデータから、道路や物流が復旧するまで「最低3日分の備えは必要」と強調。各家庭で水や賞味期限が5年以上の缶詰、レトルト食品などの用意を呼びかける。
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 県が危惧するのは、県民の防災対策への意識の低さだ。厚生労働省が昨年12月に発表した調査では、災害時に備え非常食を用意している世帯世帯割合は中国地方で26・2%。東日本大震災後の調査にもかかわらず、全国平均の47・4%を大幅に下回る。県は今回の被害想定を参考に、地域別の詳細な被害想定を出して防災計画を見直すとしているが、「啓発活動にも力を入れたい」と話している。
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)13時0分  南海トラフ巨大地震:被害想定 県の経済的損失7000億円 /山口


 内閣府が18日に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定(第2次報告)は、県内でも、上下水道や電力、通信などのライフラインや道路・鉄道などの交通網が損傷し、経済的な被害は7000億円に及ぶと推計した。県は、より詳しい県内の被害想定調査を進め、来年度の早い時点で対策を立てる。被害の大きい近畿、四国、九州東部への支援や、被災者の受け入れも課題となりそうだ。
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 報告では、県内ライフラインは、上水道(断水人口)約8万5000人▽下水道(支障人口)約7100人▽電力(停電軒数)約1900軒−−の影響が出ると推計した。
 一方、通信では固定電話は約800回線が不通となるものの、携帯電話は基地局のうち停波する割合は「わずか」と想定。ただ、被災直後には、安否確認の電話などが急増することによる「輻輳(ふくそう)」や、通信会社自身による通話規制で、より広い範囲でつながりにくくなる可能性もある。
 交通網の損傷は、道路は約350カ所、鉄道は約210カ所の損傷と推計した。
 自宅を離れ、避難所などに避難する人は約2万3000人と見込む。全国で最大の愛知県(約130万人)と比べると少ない。
 8月公表の第1次報告では、被害を最大と見積もった場合、死者数は約200人▽負傷者数は約1800人▽全壊棟数は約4800棟−−と推計している。
〔山口版〕
3月19日朝刊
   
 産経新聞 3月19日(火)7時55分  南海トラフ巨大地震 被害想定、推計25万人の避難者 岡山


 ■県防災計画に反映

 国が18日発表した南海トラフ巨大地震による被害想定の第2次報告。県内でも予想されている最大震度6強の巨大地震が発生した場合、1週間後には25万人の避難者が出るなどの推計結果が出た。県は今回のデータを踏まえて県独自の詳細な被害想定を弾き出し、県の地域防災計画に反映させていく方針だ。

 第1次報告に基づく県内の被害は、最大で3万4000棟が全壊、もしくは消失するとされ、津波などで約1200人が死亡するというデータが出た。今回はさらに詳細なライフライン被害や交通、経済被害などを推計した。

 被災直後、上水道断水で130万人、下水道は100万人、電力は120万世帯が影響を受ける。また、国道は6キロに1カ所の割合で被害を受け、新幹線は30カ所で津波などの被害を受ける。避難者は翌日に10万人とみられ、1週間後には25万人に達するとしている。県内だけで3兆2000億円の経済被害が生じると試算した。

 県危機管理課は「県内にも甚大な被害が生じると改めて認識したが、対策は一朝一夕にはいかない。今回のデータを踏まえてハード、ソフト両面で今後も防災対策を着実に進めていきたい」としている。
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時46分  南海トラフ巨大地震:第2次想定、四国ワースト10.9兆円被害 /愛媛


 ◇伊方原発や空港「大きな被災ない」−−中央防災会議
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 中央防災会議の作業部会が18日公表した南海トラフ巨大地震の被害想定(2次報告)で、県内でも膨大な避難者発生やライフライン寸断など甚大な被災の可能性が示された。資産などの被害総額は10・9兆円と四国ワースト。一方、四国電力伊方原発(伊方町)、松山空港(松山市)、しまなみ海道(今治市など)では、大きな被害はないとされた。【中村敦茂】
 県内の最悪ケースの被害想定は以下のようになっている。
 ◇避難・孤立
 地震や津波で避難所や親戚・知人宅などへ避難する人は発生から1日後で40万人。1週間後に県内人口の3分の1超の54万人に達する。1カ月後でも53万人とされ、避難所のスペース不足も懸念される。道路断絶などで農業集落217、漁業集落48が孤立するとされた。
 ◇ライフライン
 上水道は管路や浄水場の損傷により、発生直後に給水人口の89%の120万人が断水。1週間後も91万人が復旧しない。一方、電力は89%の71万軒が停電するが、4日後には8万3000軒を除き復旧するとした。伊方原発は地震と同時に停止するが、事故は起きない想定だ。
 ガス(都市ガス)は発生直後に93%の4万1000戸が停止。1週間後も2万7000戸の停止が続く。固定電話は直後に全体の89%の34万回線が不通に。携帯電話は最大時で82%の基地局が停波し、非常につながりにくくなるとした。
 ◇交通施設
 道路は揺れで約1500カ所、津波で約230カ所が被害を受ける想定。しまなみ海道は点検のため一時通行止めとなるが、当日中に再開。鉄道の被害は850カ所で発生し、岸壁は全300カ所のうち180カ所、防波堤は延長2万2393メートルのうち5200メートルに損傷があるとされる。松山空港は点検などで閉鎖するが、1日後に再開するとみられる。
 ◇経済的な被害
 経済的被害は生産・サービス低下なども含めさまざまな事象にわたるが、都道府県別の資産等の被害額は、住宅や事業所の倒壊や津波流失などの建物被害(7・8兆円)を中心に計10・9兆円と四国最大。県の杉野洋介・危機管理課長は「(現実になれば)復旧・復興に何年かかるか、何も申し上げようがない」と危機感を募らせた。
 ◇減災の効果大
最悪ケースの想定は極めて厳しいが、巨大地震の発生頻度は極めて低いとされるうえ、減災対策で被害を大幅に軽減できる試算も示された。建物の耐震化率100%達成により、資産等の被害額をほぼ半減できるなど、万全の準備が求められている。


 ◇県内の被害想定の最大値◇
建物、資産等の被害額  10.9兆円
避難者数        54万人
上水道断水       120万人
下水道支障       62万人
停電          71万軒
固定電話不通      34万回線
携帯電話停波基地局率  82%
ガス供給停止      4.1万戸
道路被害        1800カ所
鉄道被害        850カ所
岸壁被害        180カ所
その他係留施設被害   840カ所
防波堤被害       5200メートル
危険物・コンビナート  破損等30
災害廃棄物       1800万〜1900万トン
国宝・重文の被害可能性 23件
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時41分  南海地震・備える:第2次想定、経済被害10.6兆円 孤立集落は868カ所に /高知





 内閣府が18日に公表した南海トラフ巨大地震による第2次被害想定。県内の経済被害は10・6兆円と試算されたほか、孤立集落は農漁業で全国最大の868カ所とされた。今回の想定を受けて尾崎正直知事は「県外避難など、地震・津波の規模によって対策に幅を持たせたい」とコメント。県は今回の発表を踏まえ、来年度早々にも県独自の被害想定を公表する方針だ。各自治体の担当者も「県の発表するデータを見て対応を検討したい」と冷静に受け止めている。


 ◆2パターンで算出
 都府県別の経済被害は、震源域を国の中央防災会議が想定した震源域を参考とする「基本ケース」と、震源域を日本列島寄りに設定する「陸側ケース」の2パターンで算出。津波は東海地方で最も被害が出るケースを想定した。気象条件は冬季の夕方で、風速は毎秒8メートル。
 基本ケースの県内被害額は7・8兆円と全国被害(96・8兆円)の8%。陸側ケースでは全国被害(168・7兆円)の6・3%にあたる10・6兆円となった。
 ◆生活への影響
 避難者は震災発生から1日後、1週間後、1カ月後の3パターンに分けて試算。地震による断水人口なども含まれているため、1カ月後には発生翌日の51万人よりも5万人多い56万人となる見通しだ。避難所で生活を送る人は最大32万人とされている。
 生活インフラ別では、断水人口が最大で県人口の約85%にあたる65万人、下水道の支障人口は24万人。また42万軒が停電するとされた。通信分野は固定電話の19万回線が不通となる見通しで、携帯電話も非常につながりにくくなるという。
 交通施設は道路が3200カ所、鉄道施設は850カ所での被害を想定した。土佐くろしお鉄道(四万十市)は、老朽化した高架橋などについて調査を進めており、松井和久総務部長は「残念ながら、一気に全ての場所を補強する力はない。沿岸市町村と協議しながら、優先度の高い場所から対策を進めていきたい」と話した。
 ◆孤立集落、その他
 孤立する可能性のある集落は農業が全国最大の803カ所、漁業は和歌山、三重両県に次ぐ65カ所。山間部、沿岸部それぞれの地域で自主防災組織を強化してきた四万十町は「情報の伝達手段や共有のため、町と各自主防災組織との連携を一層強化していく必要がある」としている。町内には現在84の自主防災組織があり町は今後、衛星携帯電話といった備品の充実を検討する考えだ。
 県南海地震対策課も「これまで進めてきた通信手段の確保やヘリによる人・物資搬送のための離着陸場所整備などを加速させたい」としている。
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 また文化財は19施設が地震による揺れで被災する可能性があるとされた。なかでも国の重要文化財にあたる高知市の高知城・黒鉄門(くろがねもん)は、09年に実施された国の所有者診断で建造物のひずみや緩みなどが指摘されており、県教委文化財課は「検討会を設置し、文化財を守るための対策を講じていきたい」としている。
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時33分  南海トラフ巨大地震:第2次報告 最大22万人避難、48万戸停電 断水人口は90万人にも /香川


 内閣府は18日、南海トラフ巨大地震によるライフラインや経済などの被害想定を公表した。県内では、事業所や公共施設などを含め最大で約48万戸が停電し、約22万人の避難者が出るなどとし、3・9兆円の経済的損失が生じると想定された。同地震は「1000年に一度あるいはもっと低い頻度で発生する」(内閣府)ものだが、東日本大震災で批判の出た「想定外」をなくす観点から、行政だけでなく企業、住民も防災、減災の対策を具体的に考える材料になるよう公表された。【久保聡】
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 内閣府は昨年8月、南海トラフ巨大地震による震度、津波高、浸水域、建物や人的な被害の想定を公表している。18日に公表されたのは昨夏公表の地震規模を前提とした「第2次報告」で、ライフラインの被害、生活への影響、経済的な被害などに焦点を当てた被害想定となっている。
 同地震の震源域が海側と陸側の両ケース、震源によって違う津波高と浸水域、発生時間帯や風速ごとに、検証できている東日本大地震の被災状況や復旧の推移なども基にして想定。内閣府が公表した被害想定を基に、県が県内分をまとめた。
 ■ライフライン
 地震発生直後の停電戸数は全体の89%にあたる約48万戸と想定。ただ、4日後には約1万7000〜約2100戸、1週間後には約1万5000〜約2000戸にまで復旧するとしている。
 上水道の断水人口は発生直後に約74万〜36万人に上り、翌日には約90万〜73万人に増えると想定。理由について、県は「浄水場の自家発電機の燃料がなくなるということだと思う」としている。
 都市ガスの供給停止戸数は発生直後が最大で約5万5000戸と想定し、1週間後も約3万7000戸で停止は続くとしている。
 ■避難者、廃棄物
 地震発生翌日に約16万〜6万人が自宅から避難すると想定。東日本大震災では断水などの影響で発生から日が経つにつれ避難者が増えたことから、今回の想定でも1週間後には最大で約22万人に増えるとしている。県によると、12年4月1日現在で、県内には969カ所の避難所があり、約26万6000人を収容できるという。
 揺れによって倒壊、焼失した家屋などのがれきや、津波によって陸上に運ばれた土砂などの災害廃棄物は約700万〜100万トン、体積にすると約600万〜約100万立方メートルもの量が発生すると想定している。
 ■交通施設
 路面の損傷や沈下、橋の損傷など道路では約790〜620カ所が被害を受け、うち約50〜30カ所が津波によって浸水すると想定。線路変形など鉄道の被害も約510〜350カ所(うち津波による浸水は約30〜10カ所)で起きるとしている。
 震度5強以上の揺れが想定されている高松空港は地震発生直後、滑走路の点検などのためいったん閉鎖される。点検で支障がないと判断されれば運用を再開し、救急・救命活動や物資輸送などの拠点となるとしている。
 ■資産など被害

 地震で損壊、焼失するなどして失った施設や資産を震災前と同じ水準まで回復させるため必要な費用を推計した「資産などへの被害」は、3・9兆〜1・3兆円に上ると想定された。
 最も大きいのは家屋や土地など民間の建物と資産で3・6兆〜1・1兆円。補修や建て直しに多額の費用が必要になるほか、浸水被害が起きた地域ではマンションなどの資産価値や地価が下落するためという。


 ■視点
 ◇具体的な被害情報示せ
 今回の想定は東日本大震災の教訓を踏まえて「想定外」の被害をなくそうと、考え得る最大規模の地震を念頭に置いたものだ。国民に更なる危機意識を持ってもらい、大地震に備えてもらう狙いがある。発生確率は極めて低いとされるが、「あり得ない」と思うのではなく、「最悪のことを常に考えて行動する」姿勢で防災、減災への備えの材料にしなければならない。
 昨年8月公表の人的被害では最大約3500人の死者が想定されたが、防火対策も合わせた建物の耐震化率向上、避難迅速化などで被害は大幅に減るとされる。ハード面の対策に加え、「命を守る」を最優先に、避難訓練や防災教育などソフト面の対策も重要だ。ソフト面は効果が見えにくいが、東日本大震災で、日ごろから津波避難訓練を徹底していた住民らが多数助かったように、継続的に行えば効果を期待できる。
 ただ、漠然と想定被害を示すだけでは、大地震で起きる事象は分かっても市町、自治会、住民らが的確で十分な対策を練ることができるのか疑問だ。国、県には津波、揺れによる危険場所など更に具体的な情報を示すよう努めてほしい。東日本大震災発生時の衝撃を忘れず、大地震が今日にも起きるとの危機感を持った取り組みが必要だ。
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時22分  南海トラフ巨大地震:第2次被害想定 経済被害は7兆円、避難生活者36万人 県庁で対策会議 /徳島





 国の検討会が18日公表した南海トラフ巨大地震による被害想定。県内では最大で道路被害が2200カ所、孤立集落も230カ所で発生し、被災1日後で約36万人が避難生活を余儀なくされるなど、厳しい数字が並ぶ。地震と津波による県の被害額は最大で県内総生産(10年度で約2・8兆円)の2・5倍の7兆円に上るとされた。【阿部弘賢】
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 検討会の被害想定の公表は2度目。昨年8月の公表分では、県内の死者数は最大3万3300人、全壊戸数が最大13万3600棟などとされた。今回は「1000年に1度」程度の頻度で起きる最大級の地震をモデルに、上下水道や電力などのライフライン、インフラ施設、交通機関などの被害について都道府県ごとに試算した。
 それによると、高速道路や国道、県道などの道路被害は、津波による浸水で約500カ所、揺れによって約1600カ所に及ぶと予想。具体的な地点は示されていないが、2連動地震を想定した県の予測(04年)に基づくと、沿岸部の国道55号や海部川を併走する国道193号などで大規模な被害が発生するとみられる。また、鉄道も590カ所で被害を受けるとされた。
 こうした道路の寸断や津波、土砂崩れなどによって外部と行き来が遮断される集落は230カ所に及ぶとしている。
 住宅の流出やライフラインの寸断などにより、被災1日後には県内人口の約半数に当たる36万人が避難を余儀なくされる。広域災害のため復旧作業が遅れるなどし、1週間後に37万人、1カ月後には39万人と避難生活者は次第に増えると予測されている。
 壊れた建物や津波堆積(たいせき)物などの災害廃棄物の発生量は最大2000万トン。これは東日本大震災の東北3県で発生した量(推計約2700万トン)の約7割に達する。また、県の最大被害額約7兆円のうち6・3兆円が、民間の建物や資産の被害額分と推計された。
 ◇「72時間以内」を意識 人命救助最優先に−−県庁で対策会議
 被害想定の公表を受け、県庁では18日、飯泉嘉門知事が出席して対策会議が開かれた。飯泉知事は想定の内容について「大変ショッキング。今後はこれまでと次元の違う対応をしなければいけない」と述べ、人命救助を最優先に、救助の限界時間とされる「発生から72時間以内」を意識した対策を新たに検討するよう指示した。
 県は、今回の被害想定を参考に来年度中に県内の詳細な被害想定を策定する。この中には市町村ごとの被害状況も盛り込む方針で、県想定を基に各自治体に避難者への対応や備蓄の整備など具体的な対策を進めてもらう。


一方、想定では、最大230カ所の孤立集落が生まれる。09年の国の調査で、地震などの土砂災害で孤立化の恐れのある集落が県内で最も多いとされた美馬市の担当者は「これまでも衛星携帯電話や物資の備蓄などを進めてきたが、更に対策を進めたい」と話した。
 また、7兆円に上る被害額などについて、徳島経済研究所の竹中淳二事務局長は復興のための資金調達が最大の課題と指摘した上で、「全て元通りにするのではなく、復興の方向性を考え直す必要も出てくるのではないか」と語った。【



 ◆県内の主な被害想定

上水道の断水       72万人(断水率98%)

下水道の支障       10万人(同93%)

停電           37万軒(停電率90%)

電話の不通        固定17万回線(不通率89%)

             携帯79%(停波基地局率)

ガスの供給停止      2万1000戸(停止率100%)

道路の被害        2200カ所

鉄道の被害        590カ所

港湾の被害        岸壁40カ所(県内74%)

             係留施設190カ所(同83%)

防波堤の被害       460メートル(総延長の14%)

避難者          36万人

災害廃棄物など      1600万〜2000万トン

エレベーター内の閉じ込め 400人(正午の場合)

文化財の被害       13施設

孤立集落         230カ所

 ※被災直後あるいは被災1日後の最大値
3月19日朝刊
   
 産経新聞 3月19日(火)7時55分  南海トラフ地震想定、避難者54万人 愛媛の被害、最大10.9兆円


 南海トラフ巨大地震による経済被害想定が18日、公表された。愛媛県の最大値は、被害額が平成25年度一般会計当初予算案の18倍以上となる10兆9千億円で、避難者数は人口の約38%にあたる54万人にのぼると推定された。

 被害想定は、防災・減災対策の必要性を国民に周知することなどを目的に、国が取りまとめたもの。昨年8月には建物・人的被害の推計結果が公表されており、今回が第2次報告となる。

 被害額は、民間部門の建物が7兆8千億円で資産が1兆6千億円と大部分を占めた。一方、上下水道や道路、港湾といった公共部門は、計1兆4700億円。電気、通信、鉄道の準公共部門は500億円だった。

 避難者数は、発災から1週間後で、避難所が28万人、避難所外が26万人。ライフライン施設の被害は、上水道の断水人口が120万人、停電件数が71万件、携帯電話の停波基地局率は82%と、県民の多くが生活に支障をきたす予測となった。

 交通施設被害は、道路施設被害が1800カ所、鉄道施設被害が850カ所で、県民が避難する際の大きな足かせとなりそうだ。

 東日本大震災では孤立集落への支援物資の運搬などが問題となったが、孤立可能性のある集落は、農業集落が217で、漁業集落が48。松山城や道後温泉本館などの文化財を抱える愛媛県だが、被災可能性のある国宝・重要文化財は23施設との予測となり、観光産業は深刻なダメージを受けそうだ。

 県の担当者は「県独自の詳細な被害想定も踏まえ、施設の耐震化などの対策を着実に進めていきたい」としている。

 県の想定は、地震・津波が5月末、建物・人的被害が8月、経済被害が10月にも取りまとめられる見通し。
   
 産経新聞 3月19日(火)7時55分  南海トラフ地震、被害想定 39万人避難 経済被害7兆円 徳島

 徳島県では、経済被害が最大約7兆円と推計される。このうち民間の建物・資産の被害額は約6・3兆円とされ、今後、建物の耐震化率を高めることが急務となりそうだ。

 ライフラインでは、全体の9割を占める37万軒が停電となり、都市ガスも全2万1千軒で供給停止。上水道は71万人が断水、下水道は10万人が利用困難になり、固定電話17万回線が通話不能となる。

 インフラ被害では、道路施設は約2200カ所が被災し、沿岸部の国道55号全域や徳島市中心部、海部川に沿う193号で大規模被害が発生。鉄道では牟岐線が津波の深刻な浸水被害を受けて全線不通となる。避難所などへの避難者数は被災1カ月後に最大となり、人口の約半分の約39万人に上る。230の集落が孤立集落となり、災害廃棄物は約1600万〜2千万トンが発生すると見込まれる。
   
 産経新聞 3月19日(火)7時55分  南海トラフ地震、被害想定 香川県内、避難者最大22万人


 ■経済被害は3兆9000億円

 南海トラフ巨大地震について、内閣府が18日公表した被害想定(第2次報告)で、香川県内の避難者数は最大約22万人に上ると予想された。建物倒壊などの経済被害は最悪の場合、3兆9千億円と試算。ライフラインなどに大きな被害が出るとの予測が示され、県は「国の想定も参考に、災害復旧に向けた対策を検討したい」としている。

 ライフラインでは、上水道は被災1日後に最大約90万人が断水の影響を受け、下水道は被災直後から約37万人が利用困難になる。復旧が進んだ1カ月後には、上水道の影響は約11万人まで縮小する見込みだ。

 電力は、被災直後に県全体の約9割にあたる約48万軒が停電に見舞われるが、4日後には約1万7千軒まで減少するとされた。

 インフラは、強い揺れや津波浸水で、道路790カ所▽鉄道510カ所▽港湾の岸壁80カ所−で損壊が生じると予測された。

 一方、避難者数は、断水などの影響により被災1日後の約16万人から1週間後に最大の約22万人に増加する見込み。うち避難所への避難者は10万人から12万人に膨らむ。1カ月後でも約19万人が避難生活を強いられると予想された。

 浜田恵造知事は「現在、県独自の被害想定の見直しを進めている。内閣府の被害想定も参考に、人的・物的被害の推計を取りまとめ、防災・減災対策を着実に推進していきたい」とコメントした。
   
 愛媛新聞ONLINE 3月19日(火)7時39分  南海トラフ地震政府想定 県内、断水・停電9割


南海トラフ地震政府想定 県内、断水・停電9割

 南海トラフ巨大地震対策を検討している政府作業部会(河田恵昭主査)は18日、マグニチュード(M)9級の最大級地震が起きた場合の経済活動やライフラインの被害想定を公表した。全国の被害額は、直接の被害や交通網の寸断などによる影響を合わせ、最大約220兆円に上る。愛媛では避難者が54万人に上り、上下水道や電気、ガス、固定電話の9割が使えなくなって、復旧に数日〜1カ月かかる。上水道は1カ月後でも断水率が69%に達する見込み。
 被害額は東日本大震災(16兆9千億円)や阪神大震災(9兆6千億円)の10倍以上で、内訳は住宅被害75兆6千億円、生産・サービス活動の低下44兆7千億円、ライフラインや道路港湾施設などの公共部門20兆2千億円、交通寸断による影響6兆1千億円など。算定が難しい都市ガス、農地分を除いた県内の予想被害額は10兆9千億円。
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時32分  南海トラフ巨大地震:建物中心に県内総額4.8兆円 内閣府が第2次被害想定  /宮崎


 ◇水道、電力9割が利用困難
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 内閣府が18日に公表した、南海トラフ巨大地震のライフラインや経済の第2次被害想定。県内では被災直後に上下水道、電力の約9割が利用困難となり、避難者数は1週間後で35万人、全体の被害総額は建物を中心に約4・8兆円になると推計された。県は「被災直後のライフラインの影響は予想以上に大きいが、対策を取れば被害は減らせる」として、備えに役立てるよう呼びかけた。【百武信幸】
 国は被災地の想定を▽東海▽近畿▽中国▽四国▽九州−−に分け、季節や風速を考慮した計8パターンで被害を集計。県内はおおむね「九州地方が大きく被災するケース」で大きな影響を受け、冬の夕方、風速毎秒8メートルの気象条件下での被害が最も大きくなった。各項目の最悪の数値と予想される被害をまとめた。
 ◆水道・電気・ガス
 上水道は被災直後に約95万人、人口割合で約92%が断水。1週間後も65%、1カ月後も18%で断水が続く。下水は被災1週間後でも64%が使用できない。電力は約59万軒の約89%が停電するが、4日後にほぼ復旧。都市ガスは復旧対象5万2000戸に対し、直後は81%が供給停止し、1週間後も60%が止まっている。県内で唯一、都市ガスを提供する宮崎ガスは「耐久性の高い管に取り換え、浸水の恐れがある延岡工場は製造設備をかさ上げし、非常用電源を確保するなど対策を進めている」という。
 ◆電話
 電話網は、九州以外のエリアの被害が大きかった場合の方が県内への影響が大きい。固定電話は四国中心の被災の場合、直後に全回線数の88%にあたる25万回線が不通となる。携帯電話は、近畿地方が最大被災した場合で1日後が特につながりにくくなるとの予想となった。携帯電話基地局の非常用電源が停止するためという。
 ◆空港
 宮崎空港は最大震度6強に見舞われる。建物の倒壊やターミナルへの浸水は免れるが、空港敷地の半分以上が浸水し、滑走路の東側で最大5メートル程度の浸水があるという。また滑走路は全体が液状化の可能性が高いとされ、シミュレーションでは救援機の受け入れまでに3日、民間機の運用に2週間を要するとされた。
 ◆避難者
 避難者数は被災1日後に31万人(うち避難所は20万人)とし、職場から自宅に戻る人らを含め、1週間後に35万人に増える。一方、地域は特定されなかったが、孤立集落も漁業集落21カ所を含む計40カ所にできるとされ、救援の遅れが懸念される。
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 県危機管理課は今回の公表を受け「ライフラインの被害は、需給バランスによって直接被災しなかった地域にも影響が出る可能性がある」と指摘。結果を基に、県独自の情報を盛り込んだ新たな被害想定を9月までにまとめる方針という。
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時27分  南海トラフ巨大地震:内閣府想定 被害総額1000億円、1万8000人避難−−県内 /長崎


 内閣府が18日公表した新しい「南海トラフの巨大地震モデル」によると、県内では、九州地方が大きく被災する最悪のケースで、建物倒壊などで約1000億円の被害が出るほか約1万8000人が避難を余儀なくされる。
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 また、上水道の断水で約2000人▽下水道のトラブルで4200人▽停電で700軒▽固定電話の不通で約200回線▽道路で約60カ所▽鉄道で30カ所▽防波堤で3400メートル−−の被害が出る。
 さらに、がれきなどの災害廃棄物が約60万〜100万トン発生するほか、国宝・重要文化財4点が津波浸水の被害に遭い、孤立する可能性がある集落も8カ所(農業集落1、漁業集落7)あるという。
 ただ、九州では、太平洋に面した宮崎県(4・8兆円)や大分県(2兆円)に比べ被害額は小さい。県は「南海トラフ地震に限れば、長崎県はむしろ他県を支援する役割が求められる」としている。
〔長崎版〕
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時0分  南海トラフ巨大地震:国2次想定 県内被害2兆円も /大分


 国が18日に2次発表した南海トラフ巨大地震被害想定で、県内で震災1日後に最大約14万人が避難し、道路寸断による孤立集落は19カ所に及ぶとの数字が出た。大分空港は津波で2メートル浸水し、経済的被害は2兆円にも。県は詳細地形データを踏まえた想定を3月下旬に公表予定だ。
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 発生後、携帯電話は「非常につながりにくい」とされ、大分市内約30カ所のコンビナート施設が破損するとした。大分空港ターミナルビルは倒壊の可能性は低いが、液状化現象が起きる可能性は中程度以上と指摘した。
 後藤大・県防災危機管理課長は「県は東日本大震災後から避難路も整備してきた。国の結果を参考に、県想定で対策を見直したい」と話した。
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)12時38分  南海トラフ巨大地震:第2次被害想定 県の想定下回る 防災計画「変更の必要なし」 /福岡


 内閣府が18日発表した南海トラフの巨大地震による第2次被害想定(ライフライン、交通施設など)で、県内の被害は県地域防災計画の想定を下回った。災害廃棄物の漂着など想定外の被害もあるが、県は「おおむね想定の範囲内で、防災計画を変更する必要はない」としている。
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 ◇災害廃棄物対処、国と検討
 想定では、県内で最大震度5強、北九州、京筑地区など周防灘沿岸に到達する津波は高さ3メートル超と推定される。この結果、県内全体で上水道の断水人口1・5万人、ガス供給停止約2万人、避難者数約3200人の発生や、道路・鉄道280カ所、防波堤5・7キロの損壊が想定された。また津波により災害廃棄物約20万トンが沿岸に堆積するとされている。
 一方、県地域防災計画では、県内活断層による地震被害(最大震度7、津波高3・6メートル)は上水道断水で約130万人、ガス供給停止で151万人、避難者4・7万人、損壊は道路・鉄道で560カ所、防波堤6万キロなどと想定。災害廃棄物漂着は想定していないが、県は「廃棄物の対処は計画に盛り込んでおり、今後、国の対応策ともあわせ対策を検討したい」としている。
 南海トラフは静岡沖から四国南方にかけ日本列島と並行する浅い海溝で、この周辺を震源とする巨大地震の発生が懸念されている。昨年8月の第1次被害想定では、県内の被害は建物全壊340棟、死者10人程度と推定された。
〔福岡都市圏版〕
3月19日朝刊
   
 毎日新聞 3月19日(火)15時27分  南海トラフ巨大地震:内閣府想定 被害総額1000億円、1万8000人避難−−県内 /長崎


 内閣府が18日公表した新しい「南海トラフの巨大地震モデル」によると、県内では、九州地方が大きく被災する最悪のケースで、建物倒壊などで約1000億円の被害が出るほか約1万8000人が避難を余儀なくされる。
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 また、上水道の断水で約2000人▽下水道のトラブルで4200人▽停電で700軒▽固定電話の不通で約200回線▽道路で約60カ所▽鉄道で30カ所▽防波堤で3400メートル−−の被害が出る。
 さらに、がれきなどの災害廃棄物が約60万〜100万トン発生するほか、国宝・重要文化財4点が津波浸水の被害に遭い、孤立する可能性がある集落も8カ所(農業集落1、漁業集落7)あるという。
 ただ、九州では、太平洋に面した宮崎県(4・8兆円)や大分県(2兆円)に比べ被害額は小さい。県は「南海トラフ地震に限れば、長崎県はむしろ他県を支援する役割が求められる」としている。
〔長崎版〕
3月19日朝刊
   
 2013.3.19 00:21  【南海トラフ巨大地震】
対応困難な患者29万人 現場「医薬品の補給態勢心配」

 南海トラフ巨大地震の想定被災地は40都府県。各地で膨大な重軽傷者が医療機関に殺到、広域で医療資源が足りなくなることが予想される。今回の想定では最大で入院患者15万人、外来患者14万人の対応が被災地内で困難になるとされた。

 「これまでの想定の何倍もの患者を、自衛隊機だけで被災地外に搬送するには限りがある。陸路や水路なども含めた代替手段を考える必要がある」と指摘するのは、被災直後の医療を担う災害派遣医療チーム(DMAT)の小井土雄一事務局長。広域での被害を念頭に現場の調整を行うリーダー(統括DMAT)の養成なども進めているという。

 高知県は先月、沿岸部19市町村にある194の病院や有床診療所のうち、半数の97施設が浸水するとの調査結果をまとめており、医療関係者の危機感も強い。

 高知大病院は浸水こそ免れる想定だが免震施設がない。同病院の担当者は「病棟や診療棟は耐震補強を進めたが、震度7だと疑問は残る」。

 一方、建物が無事でも押し寄せる患者にどう対応するか。浜松医大病院の滝川雅浩院長は「医薬品や医療器具の補給態勢が一番心配。国は非常時の供給態勢もしっかり整えてほしい」と訴えた。
   
 2013.3.19 00:17  【南海トラフ巨大地震】
原発事故は盛り込まず 被害の定量的予測は困難

 南海トラフ巨大地震被害想定では、東日本大震災での東京電力福島第1原発事故のように津波が原発を襲って大きな被害をもたらすケースは盛り込まなかった。影響が甚大な原発事故の被害予測が困難なためだ。内閣府は「(自然災害と原発事故の)複合災害は起こりうる」とするものの「原発対策は切り離して議論すべきだ」との考えで、被害想定から外した。

 従来、原発の津波対策はほとんど考慮されてこなかったが、福島事故を教訓に原子力規制委員会が新しい安全基準で具体的な対応を義務づける。策定中の新基準では、原発ごとに想定する最大規模の津波を「基準津波」として設定し、防潮堤の設置や重要設備の水密化も徹底する。

 古屋圭司防災担当相は18日の会見で、原発事故を除外したのは「被害額を定量的に(推計)できなかったため」と釈明。「原子力規制委の議論を見守りたい」と話した。
   
 2013.3.18 22:54  【南海トラフ巨大地震】
34メートル津波で10兆円超被害 困惑の高知県「どこまで対策すれば」

 昨年8月の第1次報告では、南海トラフ巨大地震により土佐清水市と黒潮町に全国で最も高い最大34メートルの津波が襲ってくるとの想定が出ていた高知県。今回は平成25年度の当初予算(約4500億円)の20倍以上に当たる10兆6千億円の被害が生じた上、被災1週間後でも80%以上の世帯で停電し、給水人口の99%が断水、避難者は最大56万人に達すると想定された。県南海地震対策課の担当者は「どういう考えでこういう数値が出たのかが、まだ分からない」と困惑する。

 国内最大の津波襲来という想定を受け、県は対策に着手。避難施設として100人が逃げ込むことができるシェルターの試験設置などを決めてきた。ただ、今回の報告では、地震や津波から助かった後も厳しい状態が続くことが明らかに。

 担当者は「被害想定は1千年に1度あるかないか。それに対応する膨大な投資をするのが果たして正しいのか。どこまで対策を行っていくのかを県として考えていかなければならない」と説明。その上で「今後は個人の備えも重要になってくる。県民には今回の想定の意味を説明し、備えに対する啓発もしていきたい」と話した。
   
 2013.3.18 22:51  【南海トラフ巨大地震】
避難者120万人の静岡県 避難所足りず「家無事なら“在宅避難”を」

 県内の避難者数を最大120万人と想定された静岡県。東海地方が大きく被災するケースの経済被害は19・9兆円、揺れの大きい場所を変えて試算したケースでは21・4兆円に上る。ライフラインの被害も大きく自治体担当者からは「対策を見直さなければならない」とため息が漏れた。

 「市民には避難所生活ではなく『在宅避難』を呼びかけている」。スズキやヤマハといった企業の本社を抱え、人口約81万人と県内最多の浜松市は、避難者対策の方針をこう説明する。

 同市では東海地震に備え、昭和56年以降に建てられた住宅は、ほぼ全ての地域で震度7までの耐震性を持つ。「家さえ壊れなければ、必ずしも避難する必要はない」。避難者数を抑え、なるべく避難所不足を緩和しようという方策だ。

 それでも自宅が津波に襲われれば、避難所に向かわざるを得ない。南海トラフ巨大地震時に浜松市で想定される最大津波高は16メートル。巨大津波に備え避難タワーなどの整備を始めているが実際は「逃げる場所の整備が優先で、避難所まで手が回らない」のが現状だ。

 ライフラインが受ける甚大な被害への対策にも頭を悩ませる。各事業者が設備の耐震化工事などを進めているが、特に気になるのが上水道への対策だ。今回初めて明らかにされた断水の想定は、震災直後が給水人口の94%、1週間後でも65%と長期化した。県危機管理部の岩田孝仁(たかよし)危機報道監は「水道管の耐震化が遅れている」と懸念する。県内の基幹上水道管の耐震化率は全国平均を0・8ポイント下回る31・8%(平成23年度末現在)。各家庭に続く細かい水道管を含めると「さらに割合は下がるかも」(県水利用課)という。

 ライフラインの供給停止期間が延びれば、それだけ食料や飲料水、燃料など緊急支援物資の需要が増える。県は東海地震で発災後3日で食料125万人分、給水1500トンが不足すると予測しているが、南海トラフ巨大地震では、これ以上に不足する可能性が高い。「被災地が広域になれば、外からの支援が分散する。県内で自給できるよう、我々も足元を固める必要がある」。岩田危機報道監は顔を引き締めた。
   
 2013.3.18 21:53  【南海トラフ巨大地震】
「国全体で物資融通を」 被害額最高30兆7000億円の愛知県

 「ある程度想定はしていたが、衝撃的な数字だ」。都府県別の被害額が全国最高の30兆7千億円と試算された愛知県。県防災危機管理課の担当者は驚きを隠せない。

 トヨタ自動車をはじめ自動車関連企業が多数集結し、東海道新幹線や高速道など、東日本と西日本を結ぶ大動脈の中央に当たる同県の被災の影響は全国に及ぶ。帰宅困難者は最大で大阪府の約150万人に次ぐ約85万人が見込まれており、対策が急務だ。

 ライフラインに与える深刻な被害も浮き彫りになった。被災直後に最大で89%が停電。被災1日後には最大で上水道の90%が断水と試算され、約680万人に影響するという。同課は「県と市町村の備蓄でカバーすることは困難」と指摘。その上で、「全国的に物資不足が起きる。国全体で、物資をどう融通するかを考える必要がある」と訴える。

 「交通が途絶したら自分でやらないといけない」。名古屋市の河村たかし市長は18日、今回の想定を受け、こう述べた。同市では秋ごろをめどに市の被害想定を策定し、上下水道の耐震化など必要な対策を取るという。
   
 2013.3.18 21:15  南海トラフ巨大地震】
「インフラ機能維持が大前提」福和伸夫・名古屋大減災連携研究センター長

 想定は建物や道路などの直接被害額を最大約170兆円としているが、企業の生産活動の落ち込みなどを含めた被害額は最大約50兆円で、比較的見積もりが少ない。南海トラフ巨大地震は東日本大震災よりも強い揺れが起こり、津波の到達もはるかに早いことを考えると、被害額は膨らむ可能性が高い。

 特に、被災地域には三重県四日市市など工業地帯があり、コンビナートなどから津波で石油が流出すれば、浸水地域全体が火災に見舞われる。これまでの地震では考えられないような大規模な被害が起こると考えないといけない。

 被害を極力抑えるには、発電所と道路、港湾などの機能維持が大前提になる。電力供給や物流が寸断されれば、復旧作業や支援も進まなくなるためだ。政府は、重要な道路が津波で冠水しないように盛り土するなど一定のインフラ対策が不可欠で、建物の耐震化を義務付けるといった踏み込んだ制度の検討も必要だ。

 ただ、行政の対策には限界がある。住民や企業が、被災するかもしれないという自覚を持ち、建物の耐震化や家具の固定、食料備蓄などを自己責任で進めておくべきだ。
   
2 013.3.18 21:36  【南海トラフ巨大地震】
発生率低い今後10年、「日本の地震防災」正念場

 南海トラフ沿いには東海・東南海・南海地震の震源域が連なり、およそ100年間隔で海溝型の大地震が発生する。前回の活動は昭和19年の東南海地震と21年の南海地震で、すでに70年近くが経過した。地震研究者は「今世紀半ばまでに、次の大地震が起こる可能性が高い」と予測する。

 中央防災会議の作業部会が公表した被害想定は「最大級の巨大地震・津波」の発生を仮定したもので、次の活動を想定しているわけではない。だが、南海トラフの海溝型地震は最大級ではなくても「東日本大震災を上回る国難ともいえる巨大災害」になりかねない。被害想定を冷静に受け止め、防災力の向上に取り組まなければならない。

 家庭や地域、企業、自治体が取り組むべき課題は、おおむね次の3点に集約されるだろう。

 (1)津波から命を守るための「迅速で確実な避難」(2)建造物の耐震対策を進め被害を最小化する(3)早期回復に向けた広域支援体制やリスク分散−である。

 試算では、現在79%の耐震化率を100%に向上させ防火対策などを併せて講じると、最悪のケースの直接的被害は約80兆円にほぼ半減する。また、津波からの迅速な避難を徹底すれば犠牲者は激減し、生産活動の低下に伴う経済的損失は約7割に抑えられる。

古屋圭司防災担当相は会見で「冷静にリスクを分析し、対応できることを見極め、優先順位をつけて防災・減災に取り組んでいくべきだ」と話し、被害最小化に向けた国民的な取り組みの必要性を強調した。

 「どこで」「いつごろ」起こるかが予測されている南海トラフ地震に、「想定外」はありえない。内陸直下型地震に比べると、中長期的計画は立てやすい。

 地震調査委員会の長期予測によると、30年以内の発生確率は東南海地震が70〜80%、南海地震が60%程度だが、10年以内だと両地震とも20%程度にとどまる。

 発生が早まることへの警戒は必要だが、確率が比較的低い今後10年程度が「日本の地震防災」の正念場といえる。
   
 2013.3.18 21:12  【南海トラフ巨大地震】
モノづくりの「心臓部」東海3県、代替拠点の確保急ぐ企業


南海トラフ地震で津波被害が予想される臨海部のコンビナートなど=18日午後、静岡市で共同通信社ヘリから
 南海トラフ巨大地震で甚大な被害が想定される東海地方の3県(静岡、愛知、三重)には、日本経済を牽引(けんいん)する自動車や電機メーカーの製造拠点が集中する。日本のモノづくりの「心臓部」ともいえるこれらの地域が機能不全に陥れば、国内外の生産活動に深刻な支障が出るのは避けられない。各企業は未曽有の事態に備え、代わりの拠点確保など対策を急いでいる。

 「製品の生産がストップし、身動きのとれなくなった企業の倒産が相次ぐ」−。南海トラフ巨大地震が起きれば、そんなシナリオが絵空事でなくなる心配は大きい。

 被害が最も大きい東海地方3県は、売上高18兆円超の自動車メーカー世界最大手のトヨタ自動車や、スズキの工場に加え、下請けの部品メーカーなど自動車産業の製造拠点が集中。シャープの主力工場のほか、化学メーカーの工場も多い。

 3県の製造品出荷額は愛知県が38兆円で全国1位、静岡県が16兆円で3位、三重県が10兆円で9位となっており、3県合わせた出荷額は64兆円と東日本大震災の直撃を受けた東北3県(岩手、宮城、福島)の6倍の規模に達する。

 東日本大震災の際にトヨタ自動車は、生産子会社のセントラル自動車宮城工場(当時)が被災し、部品のサプライチェーン(供給網)が寸断され、国内の全車両工場が停止した。震災翌月の4月の国内生産台数は前年同月比78%減になり、トヨタが統計を取り始めた昭和51年以来、初めて10万台を割り込んだ。
   
 2013.3.18 21:12  【南海トラフ巨大地震】
モノづくりの「心臓部」東海3県、代替拠点の確保急ぐ企業


南海トラフ地震で津波被害が予想される臨海部のコンビナートなど=18日午後、静岡市で共同通信社ヘリから
 南海トラフ巨大地震でも同様の事態が想定され、東海地方3県の生産規模を考えれば、「東日本大震災の影響をはるかに上回る被害規模になる」(内閣府)。

 影響は国内にとどまらない。東海地方3県の製造拠点は、海外にまで広がる世界的な供給網に組み込まれている。日本からの部品出荷が止まれば、海外メーカーの生産も停滞し、世界経済の重荷になりかねない。

 東海地方が、日本を縦断する高速道路や新幹線、名古屋港など国内外の物流の大動脈を抱えることも、こうした懸念に拍車をかける。工場が無事でも、国内外の輸送が断たれる可能性があるためだ。

 ただ、業績低迷で、国内メーカーがコストを減らすための在庫削減に取り組む中で、部品備蓄は「現実的でない」(大手電機メーカー)など、災害リスクへの対応は容易ではない。

 3県に製造拠点を抱えるメーカーの危機感は強く、トヨタ自動車は東日本大震災の教訓を踏まえ、愛知県内の全12工場で震度6強レベルの耐震補強を実施した。特定の下請けに集中する部品を他社がつくれるようにするなど、代替生産態勢の構築も進める。

 スズキも津波被害を避けるため、海岸部から約300メートルの位置にあった「二輪技術センター」(磐田市)を、浜松市内の高台に移転することを決めている。

 生産活動への被害をどこまで食い止められるか−。各メーカーの危機管理能力が問われることになる。
   
 2013.3.18 21:53  【南海トラフ巨大地震】
「国全体で物資融通を」 被害額最高30兆7000億円の愛知県

 「ある程度想定はしていたが、衝撃的な数字だ」。都府県別の被害額が全国最高の30兆7千億円と試算された愛知県。県防災危機管理課の担当者は驚きを隠せない。

 トヨタ自動車をはじめ自動車関連企業が多数集結し、東海道新幹線や高速道など、東日本と西日本を結ぶ大動脈の中央に当たる同県の被災の影響は全国に及ぶ。帰宅困難者は最大で大阪府の約150万人に次ぐ約85万人が見込まれており、対策が急務だ。

 ライフラインに与える深刻な被害も浮き彫りになった。被災直後に最大で89%が停電。被災1日後には最大で上水道の90%が断水と試算され、約680万人に影響するという。同課は「県と市町村の備蓄でカバーすることは困難」と指摘。その上で、「全国的に物資不足が起きる。国全体で、物資をどう融通するかを考える必要がある」と訴える。

 「交通が途絶したら自分でやらないといけない」。名古屋市の河村たかし市長は18日、今回の想定を受け、こう述べた。同市では秋ごろをめどに市の被害想定を策定し、上下水道の耐震化など必要な対策を取るという。
   
 2013.3.18 21:51  【南海トラフ巨大地震】
「正しく恐れて備えを」 発生確率1000年に1度以下

 今回発表された未曽有の南海トラフ巨大地震の被害想定には、大事な前提がある。あくまでも最新の科学的知見に基づく最大クラスで、最悪のケースの発生確率は1千年に1度か、それよりもっと低いということだ。

 中央防災会議の作業部会は「『正しく恐れる』ことが重要」と説明。群馬大の片田敏孝教授(災害社会工学)も「車で死亡事故に巻き込まれるよりずっと低い確率の想定に右往左往する必要はない」とした上で「想定に関係なく、誰もが日頃から無理ない範囲で備えをしておくことが大切だ」と訴える。

 では今からできる備えは何か。備え・防災アドバイザーの高荷智也さんは「死なないための準備」として最初に家の耐震診断と耐震補強を勧めた。「家が潰れて下敷きになれば津波が来ても逃げられない」。家具や家電が倒れたり飛んだりして致命傷を負わないよう固定することも大事だ。

 避難をする際には3日分の水や食料などを用意し、非常時に持ち出せばいい。食料は震災直後に1週間分を無理して運び出すより「家に備蓄し、避難後に戻って入手すればいい」と高荷さん。「普段使うものを少しだけ多めに買って備蓄するなど、日常生活を防災スタイルに変えるのがポイント」と助言している。
   
 2013.3.18 21:48  【南海トラフ巨大地震】
避難者最大950万人、帰宅困難は1060万人に

 中央防災会議の作業部会が18日公表した南海トラフの巨大地震による経済被害想定は、日本経済や国家財政に甚大な打撃を与える厳しいシナリオとなった。東日本大震災をはるかに上回る巨大災害で、窮地に立つ被災地の姿も示した。

 被災地で最悪のケースを見ると、揺れや津波で238万棟の建物が全壊し、32万人が死亡。被害が集中する静岡、愛知、三重の3県では6〜8割が断水し、復旧に2カ月かかる。停電は東海、近畿、四国などの9割に及ぶ。家屋が無事でも断水で生活できない人が避難所に移動するため、避難者は1週間後に最大となり950万人に。約半数の500万人が避難所に詰めかけ、収容しきれなくなる。

 食料や水は行政などの備蓄では足りず、3日間で3200万食と4800万リットルが不足。食料を生産する工場の操業停止や交通遮断が長引くと、事態はさらに悪化する。孤立する2300集落への対応も課題だ。

 固定電話は電線被害や停電で大半が利用困難になり、携帯電話も地震直後は発信が集中し、ほとんど通じない。

 医療機関では病棟の被災やライフラインの停止、医師や医薬品の不足により、入院・外来あわせて29万人の患者が受診困難に。患者を広域に移送することも難しい。

 主な病院や行政機関などは停電時に使用する非常用電源を備えているが、東日本大震災では道路の寸断などで燃料の供給不足が起きており、継続的に使用できない恐れがある。

 一方、都市圏では中京・京阪神で計1060万人もの帰宅困難者が発生し、主要駅周辺は人であふれかえる。道路は停電で信号が作動せず人と車で大混雑し、緊急車両の通行にも支障が出る。エレベーターには2万3千人が閉じ込められ、救出に半日以上かかる。古い耐震基準のままのエレベーターは、落下して人的被害が出ると指摘した。
   
 2013.3.18 21:39  【南海トラフ巨大地震】
高速・鉄道、東西の大動脈不通 18空港は閉鎖


内閣府で開かれた、南海トラフ巨大地震で予測される被害を検討した作業部会=12日
 中央防災会議の作業部会が18日公表した南海トラフ巨大地震の被害想定では、超広域で交通インフラがまひ状態に陥る。高速道路や新幹線の不通で東西を結ぶ輸送の大動脈が機能を停止し、復旧・救援や経済活動に大きな支障が生じる。

 被害が最大のケースでは、道路は強い揺れと津波で4万1千カ所が損傷。愛知県や静岡県を中心に各地で寸断され、一般道はがれきの撤去に2週間かかる。東名、新東名高速は一般車両の通行再開まで1カ月かかる見込みだ。

 鉄道は東海道・山陽新幹線が運行停止し全線再開まで1カ月。震度6弱以上の地域は在来線も全線が不通になり、神奈川県から山口県まで鉄道による移動・輸送手段が失われる。新幹線の脱線は「起きないよう対策を取っている」(JR東海)が、脱線した場合は復旧に2カ月かかるとした。

 空路は中部、関西などの18空港が閉鎖。高知、宮崎は空港の半分以上が津波で浸水し、がれきの撤去に2週間かかる。多くの空港が同時に機能停止した場合、航空管制が混乱し緊急着陸が多発する可能性もある。

 港湾は東海、近畿、四国などで国際港を含む1200カ所の岸壁が損傷し、被害が大きい場合は本格復旧に2年以上かかる。防波堤は総延長の3割の135キロが被災すると推定した。
   
   
   
   
   
 2013.3.18 21:12  【南海トラフ巨大地震】
GDPの1割消失、財政破綻の危機も

 内閣府が18日公表した南海トラフ巨大地震の被害想定は、震災後1年間の企業の生産やサービス活動の低下による影響額が、44・7兆円に達すると試算した。工場被害や流通網の分断で、供給と販売が甚大な打撃を受けるためで、国内総生産(GDP)の1割弱が吹き飛ぶ計算だ。経済活動の低迷に加え、東日本大震災を大きく上回る巨額の財政出動が必要になれば、国の財政破綻にもつながりかねない。拠点分散化など、最悪のシナリオへの備えが急務だ。

 内閣府は建物やインフラなどの「直接被害額」と別に、生産やサービス活動低下による「間接被害額」について試算した。それによると、間接被害は、企業の製造拠点が集まる東海地方3県(愛知、静岡、三重)を中心に全国に及ぶ。その結果、被害額は自動車など輸送機械で最大3・2兆円、その他製造業で13・8兆円。さらに、卸売や小売業は8・3兆円、サービス業も3・8兆円にのぼる。

 国の財政悪化も避けられない。南海トラフ巨大地震では、直接被害額が東日本大震災の10倍になり、復旧・復興への財政出動額も東日本大震災の5年で25兆円を大幅に上回る見通し。

 東日本大震災では、復旧・復興に必要な財源として、所得税と住民税、法人税の復興増税で10・5兆円、歳出削減や政府の保有株売却など税外収入で14・5兆円を賄うことにした。

 復興増税以外にも、消費税率を平成26年4月と27年10月に2段階で現在の5%から10%まで引き上げる予定で、さらなる増税は困難だ。東日本大震災を上回る大規模な復興予算を組むには、国債の増発に頼るほかない。

 ただ、日本の財政は国と地方を合わせた今年度末の長期債務残高が940兆円で、主要国で最悪の水準にある。借金を重ねて国の財政状態が悪化すれば、国債価格の暴落(長期金利は上昇)を招き、国債の利払い費が大きく膨らむ可能性がある。政府はいつ来るか分からない巨大地震への備えのためにも、いち早く財政健全化の具体策を示し、実行に移す必要がある。
   
 2013.3.18 21:09  【南海トラフ巨大地震】
原発は停止想定 「火力」は1カ月で復旧、9割まで回復

 南海トラフ巨大地震は、再稼働の有無にかかわらず原発は緊急停止し、火力発電所の多くも失われると想定する。ただ、火力発電所は発生から約1カ月で復旧し、被害の大きい西日本の電力供給能力も、9割程度まで回復する。

 地震の影響を受ける30都府県の750市町村には、原発、火力、水力など発電所が173カ所ある。

 震度6弱以上か津波による浸水が数十センチ以上の地域では、現在主力の火力発電所の大半が運転停止し、電柱や変電所、送電線にも被害が出る。

 発生当日の西日本の供給能力は、電力会社間で電力融通をしても夏のピーク時需要の5割程度しか確保できない。

 発生翌日には、寸断された送電線の迂回(うかい)などで供給量は一時的に上向く。

 ただ、復旧に伴って電力需要が高まるため、再び供給量が不足し、計画停電などが必要になる。

 1週間後には、電柱などが徐々に元通りになるものの、火力発電所の運転再開は限られ、計画停電は継続される。

 1カ月後にようやく、火力発電所の供給能力が回復、電力融通と合わせ、西日本の供給能力不足は1割程度に解消されるという。
   
 2013.3.18 18:33  南海トラフ地震 経済被害想定220兆円超、被災40都府県に及ぶ 内閣府


南海トラフ地震の被害想定について会見する 古屋圭司防災担当相(右)=18日午後、東京・霞が関(栗橋隆悦撮影)
 東海沖から九州沖の「南海トラフ」で巨大地震が発生した場合、経済的な被害額は最悪で220兆3千億円に上るとの試算を18日、内閣府の作業部会が発表した。国家予算の2年分を上回り、東日本大震災の約13倍、阪神大震災の約23倍に相当する。被災地は北海道と東北6県を除く40都府県に及び、発生1週間後の避難者数は最大950万人と分析した。政府は今月中にも対策の基本方針をまとめる。

 作業部会は、東日本大震災と同じマグニチュード9クラスの地震が陸に近い震源域で発生したと想定した。被害額の内訳は、道路などインフラや建物などの直接被害で169兆5千億円、生産やサービスの低下で44兆7千億円、交通網寸断で6兆1千億円。ただし建物の耐震化率を100%に高めるなど対策を徹底した場合、直接被害は半減すると分析した。
   
 2013.3.18 23:11  南海トラフ巨大地震 大阪、兵庫、和歌山の9割の固定電話が不通に

 高度な情報化社会を迎えた現在、情報インフラの地震対策の重要度が上がっている。NTTなどは施設の耐震化や津波対策を進めるが、国の想定はそれをも超えるものとなっており、見直しを迫られている。

 関西地方にあるNTT西日本のITオペレーションセンター。専門の職員が、24時間態勢で西日本全域の通信状況を監視し、異常が起こった際には、速やかに関係先への連絡や、復旧のため作業員の派遣も指示している。回線へのアクセス集中を防ぐため、通信規制を行うのも重要な役目だ。

 今回の被害想定のうち近畿地方では、停電や電柱の損壊などで、大阪、兵庫、和歌山の3府県で9割の固定電話が通話できなくなるとされる。携帯電話の基地局も最大で1割が停止するなどのため、利用は困難となるとみられる

阪神大震災の経験からNTT西は、地上の電線の複数化を進めているという。災害の際に寸断される可能性を少なくし、さらに復旧も早くなるからだ。また同センターが入るビルも、津波に備え、2階から出入りする構造となっている。

 ところが、昨年内閣府の検討会がまとめた南海トラフ巨大地震の想定では、ビルのある地域の津波の高さが最大4メートルと、従来想定(2メートル)の2倍になった。NTT西は「このままでは建物内が浸水する可能性もある」と見直しを示唆。電線の複数化についても「壊滅的な被害を受ければ、対応できない」としており、さらなる対策を模索している状態だ。
   
 013.3.18 23:032  南海トラフ地震企業対策 中部に比べ関西は広域対応で立ち後れ

 南海トラフ巨大地震では最悪の場合、大阪府の経済被害が愛知県に次ぐ全国2番目の規模となる見込みだ。中部では複数の企業や行政機関、大学などが連携し、事業継続計画(BCP)の策定を急ぐ。一方、関西圏では広域対応が十分進んでいない。供給網の寸断により企業活動が停滞した東日本大震災の教訓を踏まえ、早期の対応が求められる。


中部が先行


 「中部の取り組みを他地域でも進めていく必要がある」

 南海トラフ巨大地震の被害想定をまとめた内閣府のワーキンググループでは、中部地区の産学官で企業防災に取り組む全国初の組織「中部地域産業防災フォーラム」が先行事例として高く評価された。

 同フォーラムは、中部経済連合会と中部経済産業局が音頭を取り発足。自治体や大学、国の出先機関と企業35社が名を連ねるほか、北陸の経済団体も参画した。将来は地域全体のBCP策定を目指す。

同様に三河湾の埋め立て地に立地する愛知県豊橋市の明海工業団地では、東日本大震災の1年前に地区全体のBCP構築に向けた計画書をつくるなど、地域連携で取り組みを続ける。スズキや住友電装など、静岡県や三重県に拠点を置く企業は、生産や本社機能の移転に乗り出す企業もある。

 中部地域は早くから想定東海地震の危険性が指摘され、震災への意識が高いことが背景とみられる。

 

関西は停滞


 一方、京都府の工業団地、京都フェニックス・パーク(宇治市、久御山町)は、22年に進出企業や京都大防災研究所、京都府など産学官共同で防災モデルの策定に乗り出した。だが、進出企業の4分の1しか参加せず、その後、府や京大は取り組みから離れた。現在は企業による「協議会」に留まる。

 関西ではコストがかかる本社機能の移転や、生産拠点などの複数設置には企業も「まだ検討していない」と及び腰だ。

 今回、被害想定を行った関西大の河田恵昭教授(防災システム)は「関西広域連合は広域防災を検討しているが、経済界と十分な連携が進んでいない。中部のような取り組みができてこそ、国と地域の役割分担が明確になる」と指摘する。

 関西広域連合の広域防災局は「関西では中部と違っていろんな業界があり、一丸となった取り組みはないのが現状」と打ち明けた。
   
 2013.3.18 22:37  南海トラフ地震で孤立集落362 和歌山県

 農業集落275、漁業集落87−。南海トラフ巨大地震で孤立する可能性のある集落数が、高知県に次いで多い計362とされた和歌山県。行政担当者は「防災無線などの資機材や備蓄品をそろえ、できる準備を進めたい」と話す。

 背景には、平成23年9月の台風12号による豪雨災害時の経験がある。県内各地で土砂崩れが発生して道路が寸断し、多くの集落が孤立した。新宮市内では、孤立解消まで最長1カ月程度かかった集落もあった。

 高校生2人を含む5人が犠牲になった田辺市伏菟野(ふどの)地区(約60世帯)も土砂崩れで道路が寸断され、一時孤立した。停電が続き、水は半日で尽きたが、住民らは発電機を持ち寄り、地区の井戸から交代で水をくみ、助け合った。

 このときの経験から、地区では防災無線を住民の多くが扱えるように訓練を重ね、3日間程度の食料や水、発電機などを防災用の倉庫に備蓄している。

 谷口順一区長(63)は「地区内の高齢者がどういう状況にあるか、また被災後どうなったかを細かく把握できなかったことが反省点」と話しており、高齢者の状況把握に努めている。
   
 2013.3.18 21:12  南海トラフ巨大地震 大阪の帰宅困難者は150万人

 18日明らかになった南海トラフ巨大地震による経済やインフラ関連の被害想定。被害が想定される自治体の担当者らは驚きの声を上げた。しかし、今回は考えられる中で最悪のシナリオが提示されており、数値に左右されずに冷静な対応と備えが求められる。


「やるべき対策ありすぎる」


 大きな影響が懸念される大阪府。避難者数は、最大で東日本大震災のピーク時47万人の3倍を超え、約150万人に達する。建物の倒壊など経済被害は24兆円とされ、従来の最大だった「上町断層帯地震」の11兆円をも上回る。

 ライフラインも甚大な被害を受け、勤務先などで被災し、自宅へ戻れない「帰宅困難者」も約150万人に。「やるべき対策がありすぎる」。府担当者は苦渋の表情を浮かべた。

 電気、ガスなどのライフラインのうち、上水道は地震の揺れや津波で管路や浄水場が損傷するなどし、被災直後に府の人口約880万人の半数近い約430万人が断水に見舞われる。

 今回の想定では、復旧が進み、時間の経過とともに変化する被害の程度が示されており、被災1カ月後に上水道の大半は復旧し、影響は約30万人まで縮小するという。ただ、府がこれまで備蓄してきた500ミリリットル入りペットボトル約16万本では「全く足りない」(府担当者)のが現実だ。

一方、避難者の数は1週間後にピークを迎え、約150万人に達する。地震や津波を逃れた人が2日後以降に避難所へ集まってくるためだ。過去の大規模地震の際、自宅の電気や水が復旧しても帰宅しなかった人が大勢いたことを考慮し、1カ月後も約130万人が避難を続けると見込んだ。

 府は現在、小中学校など約2500施設を避難所にあてる計画だが、食料や簡易トイレなど備蓄品の不足も懸念される。松井一郎府知事は18日、「予算措置を含め想定に合わせて準備する」と記者団に述べた。


金で買えるもの全て供給ストップ


 鉄道は新幹線と在来線を合わせ、計約1500カ所が損傷する。JR東海道線など救援物資を運ぶ東西の大動脈がストップする可能性もある。府は東京都との相互支援協定の締結をめざす方向だ。

 JR大阪環状線など主要な鉄道網も影響を受け、帰宅困難者の想定は最大で、上町断層帯地震の想定約142万人を上回り、約150万人となった。府は大阪市とともに帰宅困難者向けの一時避難施設の拡充をめざし、JR大阪駅のターミナル近くの施設や民間企業への協力を求めるという。

 関西大の越山健治准教授(都市防災計画)は「すべての市民が『自分も被災者になる』と意識することが大切だ。水や食料など普段お金で買えるものは全て供給が止まる。行政の防災計画を知った上で、各家庭で対処法を考えてほしい」と話している。
   
 2013.3.18 20:53  南海トラフ巨大地震 「国民の半数が被災」に対策を

 空港閉鎖や新幹線停止、ライフラインの被害は40都府県、被災地をさまよう数百万の帰宅困難者…。数字だけみれば、被害の様相は小松左京氏の小説「日本沈没」を思わせる。

 なぜなら、今回の想定は、阪神大震災や東日本大震災の経験を網羅し、被災エリアが全国の製造品出荷額の6割超を占めるという規模と影響の大きさを加味したからだ。

 しかし、資産の被害項目をみると、169・5兆円のうち木造住宅が54・5兆円を占めている。木造住宅が耐震、耐火されていなければ、震度6〜7で大きな被害が出るのは当然で、きちんとした対策を講じれば、ひとつひとつの被害を減らすことは十分可能だ。

 問題は、南海トラフ巨大地震の発生までに対策がどこまで間に合うかである。東日本大震災を起こした三陸沖地震と南海トラフ地震の過去の発生間隔をみると、数年〜20年と意外に接近しており、専門家も「何らかの関連性がある」とみている。

 今後10〜20年が正念場となりそうだが、「着実に階段を一歩一歩昇るしか手立てはない」と想定をまとめた河田恵昭教授はいう。

 中部の民間企業は、自家発電機能の強化や製造物流拠点を浸水域外へ移転させるなど事業継続のための取り組みを始めている。

 対策は厳しい現実を直視することでしか進まない。その意味では「国民の半数が被災する」ことが分かった今回の想定は「強靱な国づくり」を実現する好機と考えるべきだろう。
   
 2013.3.11 11:06  【東日本大震災】
南海トラフ地震想定し観光客らも対象に訓練 京都

 東日本大震災から2年を迎えた11日、京都府は午前8時から大地震を想定した抜き打ち防災訓練を行った。

 南海トラフ巨大地震が、午前6時25分に発生した−という想定で実施。午前6時半から、府の担当課が各部局長らをメールや電話で呼び出した。午前8時には幹部職員約30人がそろい、山田啓二知事は「常に緊張感をもってもらいたい」と話した。

 一方、京都市は同日午前10時半から、市内にいる全市民と観光客らを対象に、一斉防災訓練「シェイクアウト訓練」を実施。強い地震を観測したとして、携帯電話の緊急速報メールを配信。姿勢を低くするなど、身の安全を守るよう呼びかけた。
   
 2013.3.9 08:25  南海トラフ津波、関空ターミナルまでも


 国土交通省は8日、南海トラフの巨大地震で最大級の津波が発生した場合に、太平洋の沿岸や海上にある5空港で想定される浸水範囲を発表した。高知、宮崎両空港は敷地の半分が浸水する一方、中部、関西、大分の3空港は浸水が発生しないか、一部にとどまる。

 想定は、内閣府が昨年8月に公表した南海トラフ地震の津波高予測を基に、空港の護岸が地震で壊れて機能しなくなったと仮定、海抜などを考慮して作成した。

 高知、宮崎両空港の浸水は、海寄りの敷地が中心で、深さは最大5メートル。中部、関西の浸水は一部にとどまり、滑走路やターミナルビルへの影響はない。大分で浸水はないとした。

 国交省は津波高が1メートル高いパターンも作成した。浸水域は中部、高知、宮崎が敷地の大部分、大分は半分。関西は海抜が高い2期島を除いて浸水する。5空港全てでターミナルビルに被害が出る。
   
 2013.2.5 21:48  南海トラフ地震に備え、海底下の揺れ常時監視 観測装置設置

 巨大地震の発生が懸念される南海トラフ沿いの海底下で、海洋研究開発機構は5日、地震のリアルタイム観測を始めた。想定される地震の発生源近くの海底下に観測装置を設置、観測データを随時陸上に向け送信する。地震や津波が起こる詳細な仕組みの解明を目指す。

 観測機器は紀伊半島の沖合、約80キロの水深約1900メートルの海底からさらに約980メートルの深さまで穴を掘り、穴の中に水圧計や地震計など複数の機器を取り付けた。

 地震の発生源と想定されるプレート(岩板)境界や、境界から枝分かれした分岐断層から3〜6キロ程度の近くで、地震発生前後の小さな動きを捉える。南海トラフ沿いでは海からのプレートが陸側プレートの下に沈み込んでおり、プレートの境界や分岐断層でずれが生じることで、大地震や大津波が起こるとされる。
産経新聞 3月19日(火)7時55分
南海トラフ地震 情報